そうやって美大に入学した彼だったが、入ってすぐはあまり制作への情熱がなかったようだ。
「授業のみ、課題のみ、自主的な制作はなかったですね。放課後残って何かするということもなかったかな」。
そんな気持ちに変化があったのは、2年の中ごろぐらいから。作家を目指す友人ができたりといったまわりの影響と、環境の変化から意識が変わって、作品制作について少しずつ意識が芽生えてきた。
「受身では、物足りなくなってきたんですね」。
その後、「このまま終らせたら描く事をやめてしまう。だから、何とか後2年やってみよう」と大学院への進学を希望。自分が日ごろ考えていることイヤなことや楽しいことを、これまで見た映画や聴いた音楽に結びつけてアイデアを広げて構想を練り、描き続けてきてきた。そうしている間にいつの間にか、ほかの誰よりも描くことにのめり込んだようだ。

0