8:火竜少女の過去2
近くの村へとたどり着いた私はすぐに集会場へと向かいました。一人の少女を抱えた女性が武器も持たず集会所へいきな
り来たものですから、周囲にいるハンターの目線はすべてこちらに集まったものでした。
「お願いがあります!私たちの村が火竜に・・・、多くの火竜に攻め入られています!」
ユキを壁にゆっくりと立てかけてから、私はハンター等に叫び助けを求めました。
「いきなりのことで、私もなにがなんだか・・・!今・・・、私たちの村にいるハンターでは太刀打できない状態なのです!ど
うかお力を貸して頂けないでしょうか!」
あの火竜の多さでは、きっと夫の体もそこまで持つわけがありません。村にいるハンター達もほとんど瀕死状態といえま
す。今この集会場に居合わせたハンター全員が集まって戦っても、火竜の数のほうが多いくらいなのです。
「お願いします!お願いします・・・ッ!」
私は顔を床へとつけ、必死に頼み込みました。それはもう、愛する人の愛する村のために死に物狂いでしたから。
しかし、ハンター達の表情は冷たく、厳しいものでした。
「――なぁ、君アカネさんだろう?その村の村長さんの娘の」
しばらくして集会場でクエストを受注しようとしていた一人の男性が私へと話しかけてきたのです。
「はい、そうです・・・!もしかして助けて・・・、助けて頂けるのですかッ」
「・・・いや、そうじゃなくて」
「え・・・」
「君の村の村長さんさ、この近くの森岡を燃やしただろう」
その予想だにしなかった言葉にに私は一瞬言葉を失いました。
「・・・・・・・・それは・・・・どういう・・」
最近この近辺の森岡のクエストがなくなったのは知っているのですが、父が火をつけたとは聞いていません。いや、する
はずがないのです。
「ああ、知らないんだ。燃えたのは森岡の3分の2なんだけどさ、聞いた話だけど君のとこの村長がとてもモンスターを
嫌っているそうじゃないか」
確かに、モンスターは嫌いだと父の口から聞いたこともありました・・が、そんなことで火をつけるなんて考えられません。
父は村によく来るハンターのことはとても好いていましたし、人情厚い性格の父が、いくらモンスターが嫌いだといって
もハンターを困らす事をする訳がないのです。絶対考えられないのです。
「きっと何かの勘違いでは・・・」
「いや、モンスターなんか全て死んでしまえばいいと、森岡以外でもいろんなとこで様々なエリアが燃えてるんだ。ほら
この前沼地のほうでもエリアが一つ潰れたとか」
「ですけど・・・、私の父がやったなんて根拠は…!」
「この辺の村ではみんなそう聞いてるんだよね。根拠とかはないけどさ。ま、そのせいで俺達は森岡のクエストが無くな
った訳。そんな村の為に俺達が手伝うとでも?」
「でも・・・そんなこと・・・!」
「出て行ってちょうだい」
その様子を見ていた女性ハンターが、唐突に私へと冷めた声でそう言いました。
「森岡に住んでいた火竜が住処を失い、怒って村へと仕返ししに来たんじゃなくて?」
「そうだ、出て行け!お前達のせいで俺達は遠くの集会場まで行って森岡のクエスト受けてるんだぞ!」
「そうだそうだ、出て行け!出て行け!」
次第に集会場の全てのハンターに厳しい視線でそう見つめられ、そう責め立てたられ、私は絶望感に覆われてきました。
しかし今助けに行かないと夫はおろか、村ごと壊滅するに違いありません。それに父がそんな非常な事はしていないという
思い。そう責められつつもずっと床へと顔をつけ、助けを求める私の前に、小さな影が大きくかぶったのです。
「やめて!お母さんをいじめないで!」
そう、それは先ほどまで寝ていたユキでした。
「お母さんは悪いことしてないよ!なんでお母さんをいじめるの!」
ユキは私と話していた男性ハンターへ飛び掛りました。あれだけ騒音の中でも起きなかったのに、集会場の騒ぎで起きてしま
ったのでしょうか。この光景を見て、私は決心をしました。
「おやめなさい、ユキ」
「で、でもお母さん・・・」
私は顔をあげ、すっと立ち上がったのです。ユキは私の元へと駆け寄ってきました。
「ユキはここにいなさい。いいですね決して私達の村へと戻ってはなりません」
「どうゆーこと?」
あの村での惨劇を見ていないユキには、村で何が起こっているのかもしりません。そこで私はユキをここへおいて、夫の援護
へと向かうことにしました。もし私がいなくなってもこの大きな村のことです、こんな幼い少女を放っておくことはまずない
でしょう。
「いつもどおりの狩りです、今日はここの武具屋にでもいってみなさい」
「・・・でも」
「いいですね?」
「・・・はい」
ユキは納得のいかない様子で口で頷きました。それを聞いて、私は急いで私達の村へと戻りました。
私は死なない、絶対もどるんだと言い聞かせ、ユキをその村へと置いていったのです。
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いやはや、過去話は2話で終わらせ、他の話は5話くらいで終わるかなぁなんて思ってたらとんだ長編になってしまいました(´;ω;`)
あと5〜6話で終わる予定です・・・あくまで予定ですが(´;ω;`)
それと、閲覧なさっている皆様、コメントなどしてくださっている皆さま、まことにありがとう御座います!とても嬉しい限りです(`・ω・´)これからも頑張るゾー

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