ハウスメーカーで家を建てることの利点は理解できたが、私にとってはプラスばかりではなくマイナスの要素のほうが多いと感じた。だからといって、建築家に依頼するなんて特別な人のケースだろうと思っていたし、ハウスメーカーと契約する段階で、建築家の知り合いがなかったというのが、ハウスメーカーで家を建てようと思った理由。
最初から、選択肢はハウスメーカー一つだった。大工さんや工務店に、特別コネも知り合いもなかったし、一番手っ取り早く接触できるのが、ハウスメーカーだった。住宅展示場に足を運び、ハウスメーカーの営業さんに話をする。その後は、営業さんによって、どんどん話は進んでいく。すぐにでも家が建ってしまう勢いだった。細かい雑事も、何でも相談にのってくれて、動いてくれる頼もしい営業氏。でも、それも契約するまでなんだろうなという冷めた思いもあった。じゃあ、その後は誰を頼るのか?
契約するまでの担当(家が完成するまで担当するとはいうけどね)。設計の担当。インテリアコーディネートの担当。次々バトンタッチされていって、施主はまさにベルトコンベアーに乗ってじっとしてれば、目的の‘新居完成’にゴール出来る状態。だけど、家が建ち始めて、もしくは建った後、何かトラブルが起きた時、最初の営業氏に相談したけど冷たかった、なんてよく聞く話。だけど、それは仕方ないという気もする。だって、営業氏の立場で考えたら契約をとるのが彼らの仕事。その後のことは、それぞれの担当者、会社と話つけて下さいっていうも仕方ない。それがハウスメーカーの合理性だから。
ハウスメーカーで家を建てるということは、そういった割り切り方も必要だなと感じた。分かっちゃいるけど何か違うよ、と感じる私のようなタイプは、建築家との家づくりに向いている人に分類されると思う。そういうタイプの人がハウスメーカーと契約しても、お互い幸せにはなれないだろう。事実、ハウスメーカーで設計を考えてる時、私は新居への期待がどんどん小さくなっていくのを感じていた。 (つづく)

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