2017/4/28  22:33

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…バイオマス補助金取消の出直し住民訴訟で原告準備書面(1)提出(その1)  東北関東大震災・東電福島原発事故

■県都前橋市の赤城山南麓に、東電グループの関電工を主体とする事業体が、放射能汚染木材を県内外から集積し、20年間で160万トンもの木質チップを搾汁し、通常のバイオマス発電であればストーカ式ボイラーを使うところ、敢えて多様な放射能汚染廃棄物の燃焼処理に適した流動床ボイラーで何でも燃やしてしまおうという亡国事業に邁進中です。このため当会は地元住民団体とともにこの事業に投入される4億8000万円もの補助金の交付中止を群馬県に対して住民監査請求を通じて申し入れてきました。その結果、門前払いをされたため、住民訴訟を提起中です。


 先日3月10日に第4回口頭弁論が開催されましたが、被告から出訴期限徒過ではないかとの言いがかりを受けたため、原道子裁判長の訴訟指揮により、あらためて原告が別途提訴したところ、今後は被告から二重訴訟だとイチャモンがつけられたため、原告が最初の住民訴訟を取り下げました。するとすかさず3月10日付けで、被告から第1準備書面が送られてきました。

 そして3月15日に新しい裁判長のもとで、出直し住民訴訟の第1回口頭弁論が前橋地裁本館2階第21号法廷で開廷されました。新裁判長は、原告住民に対して「訴えの利益が不明瞭なので争点を整理する必要がある」として、4月末までに主張をまとめて準備書面で提出するように指示をしました。そこで、この度、4月28日の昼過ぎに、原告らは準備書面(1)を前橋地裁に提出しました。

 本件のこれまでの詳しい経緯は次のブログを参照してください。

〇2016年6月22日:赤城山と県土を狙う東電の毒牙=前橋バイオマス向けチップ工場補助金停止を求める住民監査を県監査委員が却下
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2038.html#readmore
〇2016年7月17日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス計画への補助金を止めるため県を提訴
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2076.html#readmore
〇2016年8月6日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス計画補助金取消し訴訟で地裁から事務連絡
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2100.html#readmore
〇2016年9月19日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…9月23日午前10時の第1回口頭弁論を前に被告群馬県から答弁書
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2125.html#readmore
〇2016年9月23日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…住民訴訟直前の9月23日午前9時半に再度住民監査請求を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2130.html#readmore
〇2016年9月24日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…9月23日午前10時の第1回口頭弁論期日の様子
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2077.html#readmore
〇10月21日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…2度目の住民監査請求で県監査委員らに陳述と追加証拠を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2149.html#readmore
〇2016年11月11日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…11.18第2回口頭弁論期日に向けて原告住民が準備書面(1)を地裁に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2160.html#readmore
〇2016年11月14日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…第2回口頭弁論直前に県から届いた被告第1準備書面の驚くべき内容
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2162.html#readmore
〇2016年11月21日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・補助金差止訴訟の第2回口頭弁論が11月18日に前橋地裁で開廷
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2173.html#readmore
〇2016年12月3日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・11.18の第2回口頭弁論を取材したネット出版社が記事を掲載
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2178.html#readmore
〇2016年12月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・またもや原告住民らの監査請求を却下した監査委員ら操り人形の面々
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2179.html#readmore
〇2016年12月7日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・原告住民らの新たな住民監査の請求却下結果を地裁に甲14証で提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2185.html#readmore
〇2017年1月16日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…バイオマス発電補助金差止訴訟の第3回口頭弁論が迫り原告準備書面(2)を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2210.html#readmore
〇2017年1月28日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…バイオマス発電補助金差止訴訟の第3回口頭弁論が前橋地裁で開廷
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2221.html#readmore
〇2017年2月16日:【速報】東電の毒牙から郷土を守れ!・・・バイオマス発電補助金差止訴訟で被告の調査嘱託の結果が判明
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2240.html#readmore
〇2017年3月7日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…バイオマス発電補助金差止の出直し裁判で被告群馬県から仰天の答弁書
〇2017年3月13日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・バイオマス発電補助金差止の住民訴訟の最後となる第4回口頭弁論の報告
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2260.html#readmore
〇2017年3月14日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・バイオマス発電補助金差止の出直し住民訴訟で被告から第1準備書面
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2261.html#readmore
○2017年3月16日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・バイオマス発電補助金差止の出直し住民訴訟3.15第1回弁論で課題噴出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2263.html#readmore

 それでは、次回5月10日(水)午前10時30分から開催される出直し裁判の第2回口頭弁論期日を控えて、原告らが前橋地裁に提出した訴訟資料を次に示します。

*****送付書兼受領書*****PDF ⇒ yqzter1i1j2017.4.28.pdf

*****原告準備書面(1)*****PDF ⇒ 2017042811.pdf

事件番号 平成28年(行ウ)第12号 住民訴訟によるバイオマス補助金支払取消請求事件
原告  小 川  賢 外1名
被告  群馬県知事 大澤正明
                            平成29年4月28日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
               原告準備書面(1)
                         原告  小 川   賢  ㊞
                         原告  羽 鳥 昌 行  ㊞

平成29年3月15日の第1回口頭弁論期日における裁判長の訴訟指揮に基づき、原告は次のとおり陳述する。

第1 これまでの経緯

(1)原告らは、当初は群馬県議会に対して本事業への補助金支出の裏付けとして平成27年9月4日に平成27年度9月補正予算案として本事業を補助金の対象事業として計上し、本事業は、同年9月14日から10月7日まで開催された群馬県議会第3回前期定例会に上程され承認されたことから、補助金と言う公金の支出が財務会計上の行為として、相当の確実さをもって予測されたことから、平成28年3月31日に住民監査請求に踏み切った。

(2)ちなみに本事業の概要は次のとおりである。
    事業名:(新規)木質バイオマス発電燃料製造施設等整備〔環境森林部林業振興課〕
    金 額:480,000千円
    説 明;・林業県ぐんまの実現に向け、未利用材の活用を推進するため、木質バイオマス発電燃料(チップ)の製造施設整備に対して補助。
        ・事業主体:前橋バイオマス燃料(株)
        ・補 助 率:6/10以内
 即ち上記の4億8000万円は、本事業費8億円に対する本件補助金で、国は50%、県が10%の補助率とされている。

(3)この結果、群馬県監査委員は、平成28年6月14日に発出した監査結果通知で、「未だ前橋バイオマス燃料から群馬県知事に対し、補助金交付申請が行われておらず、その状況かでは、さらに一般会計補正予算が可決されていたとしても、そのことのみをもって群馬県知事により本件施設整備事業に対する本件補助金が確実に交付されるものとは言えないから、現時点において本件補助金の交付の差止の是非を検討しなければならないと判断される程度にまで相当の確実さをもって客観的に推測される程度に具体性を備えているとまではいえないというべきものである」として、本事業の推進が事実上決定されて、必然的に補助金の支出が確実になったにもかかわらず、わざと争点をはぐらかし、「本件措置請求は地上自治法第242条第1項に規定する要件を満たしていないものと判断し、却下する」という結論をくだした。

(4)そのため、続く住民訴訟でも、口頭弁論を3回行ったが、裁判官は、補助金交付申請が行われていない段階での住民監査の前置について、処分性の面でグレーな部分があるとされ、実際の補助金の交付申請が出されたことを確認したうえで、あらためて住民監査請求を行うほうが、原告としての訴訟資格の観点から、好ましいのではないかとの示唆をうけた。

(5)ところが実際には、群馬県監査委員の監査結果通知日からわずか2週間後、前橋バイオマス燃料は、平成28年6月28日、渋川森林事務所長に対して本件補助金交付申請書を提出し、同所長は、前橋バイオマス燃料に対して、同年7月4日、本件補助金交付決定を行った。(甲第16号証)

(6)本件補助金交付決定に基いて、前橋バイオマス燃料は、同年8月5日、渋川森林事務所長に対して概算払請求書を提出し、2億2230万円の支払いを請求し、これを受け、同所長は、同月16日、補助金概算払いとして、2億2230万円を支出したことは別訴(御庁事件番号「平成28年(行ウ)第12号」、乙第5号証)で明らかとなっている。同様に、前橋バイオマス燃料は、同月19日、1620万円の概算払い請求を行い(御庁事件番号「平成28年(行ウ)第12号」、乙第6号証)、渋川森林事務所長は、同月26日に、1620万円を概算払いとして支出した(御庁事件番号「平成28年(行ウ)第12号、乙第7号証)。以上のとおり、渋川森林事務所長は、同日までに、本件補助金交付決定額4億8000万円のうち、概算払いにより、合計2億3850万円を支出している。

(7)このため、原告らは平成28年9月21日に、あらためて住民監査請求を行ったところ(甲1)、群馬県監査委員は今度は「本件補助金を平成27年度補正予算から支出することを決めた措置の撤回を求めるとする部分は、住民監査請求として不適法であるから、これを却下する」とし「本件補助金交付申請に基づく補助金の支払い停止を求めるとする部分は、いずれも理由がないから、これを棄却する」とする結論を出した。こうして原告らは、再度住民訴訟事件を今回提起するに至ったのである。

(8)ところが平成29年3月15日の第1回口頭弁論期日において、裁判官から、「訴状では支出してはならないと求めているが、既に支出されてしまった部分があるわけだから、支出してはならないということにはならない。未支出の部分があるならば、そこは支出してはならないということになる。支出された部分をどうするのか、検討すること」と1番目の訴訟指揮があった。

(9)さらに裁判官からは「支出の内容について、補助金の交付決定の違法性の根拠について、いろいろな事由をあげているようだが、それらについて条文を明らかにして主張すること」と2番目の訴訟指揮があった。

(10)その上で「違法であることにより、補助金の交付決定がどうなるのか、無効確認なのか処分取消なのか、それともその他の主張をするのか、どれかを選択すること」と3番目の訴訟指揮があった。

 上記(8)(9)(10)について、原告らはそれぞれ次のとおり主張する。

第2 処分の判断について(前項第1(8)関連)

 原告らは、当初から本事業への補助金支出の処分性について、被告が平成27年度9月補正予算案として本事業を補助金の対象事業として計上し、議会に上程した時点で、補助金の支出を伴う本事業の決定処分をしたことから、地方自治法242の2条第1項に定めた1〜4号までの抗告訴訟の類型の中で、1号に分類されている当該財務会計行為に係る権限を有する執行機関(群馬県渋川森林事務所長もしくはその元締めの群馬県環境森林部)を被告として「財務会計上の行為の全部の差止めの請求」を行うべく「本事業に関して、公金である補助金を支出してはならない」と主張していた。
 だが、前述のとおり、平成28年6月28日、前橋バイオマス燃料は、渋川森林事務所長に対して本事業に係る補助金交付申請書を提出し、同所長は、前橋バイオマス燃料に対して、同年7月4日、本件補助金交付決定を行い、この決定に基づき、同年8月5日、前橋バイオマス燃料が渋川森林事務所長に対して概算払請求書を提出し、2億2230万円の支払いを請求し、これを受け、同所長は、同月16日、補助金概算払いとして、2億2230万円を支出した。さらに同様に、前橋バイオマス燃料は、同月19日、1620万円の概算払い請求を行い同月26日に1620万円を概算払いとして支出した。このため、その時点までに、本件補助金交付決定額4億8000万円のうち、概算払いにより、合計2億3850万円が支出されている。
 そのため、原告らは、現在までにいくら補助金が支出されているか、その後の被告らの支出状況について未確認であるが、すくなくとも、補助金交付決定額4億8000万円の約半分は前橋バイオマス燃料に支出済みであることは事実のようである。
 よって、未支出分の補助金については、1号の差止め請求事件としたいところであるが、未支出分の補助金も含めて、渋川森林事務所長は既に平成28年7月4日に本事業の補助金交付決定処分を行っているのであるから、2号に分類されている地方公共団体、すなわち群馬県(代表者 大澤正明)を被告として「行政処分たる財務会計上の行為の取消し又は無効確認の請求」を行うべく「知事が前橋バイオマス燃料に対し平成28年7月4日付けでした補助金交付決定処分を取り消す」ことを求めたい。

第3 補助金の交付決定の違法性の根拠について(前々項第1.(9)関連)

 今回の住民訴訟事件では、補助金という公金の交付決定の違法性の最大の根拠は、地方自治法第2条第14項に定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」との条項である。
 また、同様の条項として、地方財政法第4条第1項(予算の執行等)に定める「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。」がある。
 ちなみに本事業は、「(新規)木質バイオマス発電燃料製造施設等整備〔環境森林部林業振興課〕」という事業名が付せられているが、これは国の森林整備加速化・林業再生基金事業の実施に伴うもので、原資は国だが、資金が国から都道府県に行って基金が積まれ、その基金から県がそれぞれ事業決定処分に基づき、補助金という公金の支出をしている。このため、本事業は、きわめて被告群馬県の裁量性が高い事業となっている。
 さて、原告らは本事業に伴う補助金の支出について、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(以下「補助金適正化法」という。)に則っていなければならないと考える。
 ところが、以下に示す諸要因により、前橋バイオマス燃料は、本事業への補助金等の交付について、偽りその他不正の手段をとった経緯がある。
 そもそも、補助金適正化法第1条には(この法律の目的)として、「この法律は、補助金等の交付の申請、決定等に関する事項その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする。」と定めている。
 同法第3条では(関係者の責務)として第1項に「各省各庁の長は、その所掌の補助金等に係る予算の執行に当つては補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに特に留意し、補助金等が法令及び予算で定めるところに従つて公正かつ効率的に使用されるように努めなければならない。」とあり、第2項では「補助事業者(被告)等及び間接補助事業者(前橋バイオマス燃料)等は、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに留意し、法令の定及び補助金等の交付の目的又は間接補助金等の交付若しくは融通の目的に従つて誠実に補助事業等又は間接補助事業等を行うように努めなければならない。」と定めている。
 そして、同法第29条では(罰則)として、第1項には「偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」とあり、第2項では「前項の場合において、情を知つて交付又は融通をした者も、また同項と同様とする。」とある。
 次に、あらためて、不正と思われる要因とその違法・不法に当てはまる条項について述べる。

(1)補助事業の目的から逸脱していること
 本事業は、次の補助事業によるものとされている。
群馬県は、前橋バイオマス燃料に森林整備加速化・林業再生費補助金及び森林整備加速化・林業再生整備費補助金により森林整備加速化・林業再生基金を造成し、4億8000万円を交付を決定し、一部開始しているが、『森林整備加速化・林業再生事業実施要綱』の趣旨によると、森林・林業・木材産業を取り巻く喫緊の課題の解決に向けた地域の創意工夫に基づく総合的な取組を支援するため、森林整備加速化・林業再生事業費補助金及び森林整備加速化・林業再生整備費補助金を都道府県に交付して、森林整備加速化・林業再生基金(以下「基金」という。)を造成し、この基金を財源として事業実施主体(以下「事業主体」という。)が行う事業(以下「基金事業」という。)を実施することにより、東日本大震災からの復興を着実に推進するとともに、森林の多面的機能を発揮しつつ林業の成長産業化を実現することとする。と明記されており、この森林整備加速化・林業再生事業の目的が、東日本大震災からの復興を着実な推進であり、基金事業により復興の推進が図られなければ、補助金の目的に反しており、復興推進に寄与しない事業には、交付してはならない、とされている。
 本事業は、放射能汚染のリスクがない地域においては有効であるが、東京電力福島第一原発事故により大量に外部に放出された放射性物質が風にのって、隣接の北関東の山間部に降り注いだことによる放射能汚染の被害を受けた群馬県や栃木県、茨城県等においては、リスクの増大に結びつく結果をもたらし、東日本大震災からの復興の推進に逆行する事業であることは明らかである。
 よって、放射能の除染対策に手を付けられない群馬県やその周辺の森林からの間伐材を集積してチップ化して燃焼させることは、本事業の補助金交付の原則に反しており、森林整備や林業再生という次元よりさらに根本的な住民の生命や財産の安全のほうが重要であることから、復興を妨げることはあっても補助対象事業には当たらないことは明らかである。
 さらに最近になって、前橋バイオマス燃料は、突然、群馬県内に設置予定だった間伐材等の集木システムについての補助金の申請を取り下げて、かわりに補助金なしでバイオマス発電施設の近くの元電中研が所有していた約3ヘクタールの山林を購入して、貯木場を造成した。この目的や背景は依然として不詳だが、貯木場で集荷した間伐材等を補完することで、自然乾燥により水分量が低く抑えられることにより、前橋バイオマス燃料が売り物にしている大型プレス機による脱水装置の使用意義が当初計画と異なっている可能性がある。
このため、被告は補助金適正化法第1条及び第3条第2項に違背し、前橋バイオマス燃料は、同法第3条第2項に違背し、同法29条第1項の罰則に該当する行為、すなわち後述の偽りや不正の手段により補助金の交付をうけており、それを知りつつ積極的に環境アセスメントの対象要件のルールを捻じ曲げて前橋バイオマス燃料の株主ら(関電工及びトーセン)が別の事業体としてバイオマス発電施設建設・運営のために作った前橋バイオマス発電の環境アセスメントを不要にした被告群馬県の行為は、同法第29条第2項に該当すると考えられる。

(2)補助金交付を受ける資格がないこと
 関電工は、福島第一原発事故の原因者である東京電力のグループ会社であり、本来、放射能汚染に苦しむ住民に対して、謝罪すべき立場にあるはずである。また、甲第3号証によれば、株式会社トーセンが平成26年2月28日に設立した鰹シ井田バイオマスという法人が平成26年10月30日に看板を架け替えただけの椛O橋バイオマスに対して、甲第4号証によれば、関電工は、本件事業で補助金交付に関して群馬県議会の平成27年第3回定例会議の最中の同年9月28日に、群馬県森林組合連合会、群馬県素材生産流通協同組合とともに、104株の出資参加をして、併せて、関電工の戦略事業本部開発事業部長の石塚浩が取締役として役員に就任している。
 即ち、知事大澤が、平成27年9月4日に平成27年度9月補正予算案として、次の事業を後述する補助交付金の対象事業として計上し、同年9月14日から開始された群馬県議会の定例会期間中、9月25日(金)の県議会本会議、一般質問までは補助金交付を受けるための事業主体ではなかった。
 また、甲第4号証によれば、椛O橋バイオマスの定款には「間伐材・廃材等の森林資源を有効利用してのバイオマス発電燃料云々」と記されており、本来、潟gーセンは、廃棄物中間処理の許可が必要な廃材や木くずなどを間伐材に紛れ込ませて発電燃料として受け入れることを想定していた。そして、平成27年9月28日に関電工らが出資参加した際、「間伐材等を有効利用してのバイオマス発電燃料云々」と定款を変更したが、依然として「間伐材“等”」というふうに表現しており、放射能汚染された木くずや廃材などを間伐材に紛れ込ませようとする意図が強く感じられる。
 放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域の指定されている群馬県北部及び西部の山間部から間伐材と称して集積し、それを前橋バイオマス燃料がバイオマス発電用に使うことは、許されない。事実、依然として群馬県では果樹等の剪定枝については、焼却せずに圃場内に留めておき、自然に腐朽させるよう農業者に指導したままである。
 さらに甲第6号証及び甲第7号証によれば、平成27年6月22日に関電工とトーセンによって設立された椛O橋バイオマス発電では、定款で「間伐材・廃材等の森林資源を有効利用してのバイオマス発電燃料云々」と明記されており、椛O橋バイオマスの定款のコピペであることがわかる。このことは、椛O橋バイオマス燃料の現在の定款に記されている「間伐材等」の“等”の意味が、廃材も含む可能性を示唆しており、極めて危険である。
 このような行き当たりばったりで未成熟な事業にたいして、補助金の交付をすることは、「最少の経費で最大の効果を挙げる」ことを要請している地方自治法第2条第14項及び「経費は、その目的を達するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」 とする地方財政法第4条第1項の各規定に違反するものである。
 なお、前橋バイオマス燃料の株主のひとりであるトーセンは、隣の栃木県で平成25年度の森林整備加速化・林業再生基金事業の補助金を受けて推進している木質バイオマス発電事業で補助金の目的外使用および補助金の不正支出、文書偽造および補助金詐取の容疑があるとして、平成29年3月24日に開かれた第193回国会衆議院環境委員会のなかで質疑があり、代議士の福田昭夫理事が、国の政府参考人の林野庁林政部の三浦正充部長に対して、きちんと事実関係を確認するように指摘している。(甲第36号証)
以上のことから、前橋バイオマス燃料の本質を知りながら本事業への補助金交付を決定した被告は補助金適正化法第1条及び第3条に違背し、さらに同法第29条第2項に該当する。また、前橋バイオマス燃料は、同法第3条第2項の関係者責務違反に該当する。

(3)地元及び周辺住民への事業に関する周知が不徹底であること
 甲第10号証に示すように、本事業については、平成27年5月の連休中に、事業計画予定地の電力中央研究所の敷地に隣接している赤城ビュータウンの住民らが、関電工が施工主として密かに掘削作業をしていた騒音に驚き、原因を調べてはじめて本事業の存在が発覚した。その後も、関電工は、本事業に関して、近隣住民に対する個別説明方式にこだわり、現在でも、「赤城ビュータウン以外の住民は原則として事業説明の対象としない」とする立場を取り続けている。
 関電工による平成27年10月、12月、平成28年3月に開かれた地元住民説明会では、口コミで本事業の存在を知った赤城ビュータウン以外の参加住民らが、「放射能汚染された木質資源を燃やすという違法行為による広範囲の放射能汚染の拡散のリスク」をアピールして、県内に広く事業の周知徹底を要請する声を上げても、本事業主体のリーダーである関電工は「我関せず」という態度をとり続けている。
 こうした関電工による本事業に関する極めて消極的な説明責任を見るにつけ、地元及び周辺住民らは関電工など事業主体に対して、一層不信感を募らせざるを得なくなっている。
 さらに、同じく本事業の事業主体である潟gーセンに至っては、住民らの強い出席要請にもかかわらず平成27年10月3日の第1回地元説明会や平成28年3月27日開催の第3回地元説明会には全く顔を出さず、唯一平成27年12月20日開催の第2回地元説明会に出席したが、本事業について一言も語ることはしなかった。このため、監査請求人らをふくむ住民らは、肝心の本事業に関わる木質燃料チップ工場の施設の内容についての説明を事業主体から受けられずにいる。
 このような事業内容の不透明性と、情報開示への消極性は、本事業の目的である「都道府県が地域の特性を活かし、地域が主体となって林業の成長産業化を実現する」こととは、相容れない。したがって、そのような社会性に欠ける企業が進める本事業には、我々の血税である補助金という公金を支出することは絶対に許されない。
よって、前橋バイオマス燃料の情報不開示体質を知りながら本事業への補助金交付を決定した被告は補助金適正化法第1条及び第3条に違背し、さらに同法第29条第2項に該当する。また、前橋バイオマス燃料は、同法第3条第2項の関係者の責務違反に該当する。

(4)事業主体の出資者である関電工の社是や環境方針と合致しないこと
 関電工は事あるごとに、環境への基本姿勢を強調しているが、これを遵守するためには、本事業はまったく馴染まない。だからただちに本事業を白紙撤回しなければならない。
 参考までに、関電工の環境方針を以下に示す。
【関電工環境基本方針】
理念
株式会社関電工は、循環型経済社会の構成員として、豊かな人間環境づくりに取り組み、絶えざる自己革新によって、地球環境の保全活動に貢献します。 
行動方針
地球環境の保全活動を、経営の重要課題の一つとして位置づけ、環境マネジメントシステムの改善を図るとともに継続的向上に努めます。
省資源、省エネルギー、資源リサイクル、汚染防止を、目指した活動を展開するとともに、廃棄物の減量化を推進します。
法規制及び協定書を遵守するとともに、環境に関する自主基準を制定し、環境保全に取り組みます。
社員への環境教育を徹底し、環境保全意識の向上に努めます。
地域社会との協調連帯を図り、社会との調和に努めます。
 関電工の環境方針は絵空事であり、木質バイオマス燃料や発電の事業による環境破壊は免れないであろう。例えば、放射能に汚染されたチップは、トーセンが新開発をしたという世界初を標榜する巨大な木質チップ脱水用のプレス機(このような実績もない製品に補助金が支給されること自体、通常ではありえない)で脱水される計画(だが、その廃液は、放射能除去を一切せず、地下に垂れ流しされる計画となっている。推定するに、年間1万トン程度は地下に捨てられる。排ガスについては、バグフィルターで放射性物質は、多少気休め程度の除去は期待できるかもしれない。ちなみに、住民からバグフィルターに加えてさらに電気集塵機や、排ガス中の残留セシウムの除去に有効なスクラバーとよばれるガス水洗装置の増設要請が説明会で提案されたが関電工はこれも一顧だに検討せず、拒否していた。しかし、廃液については、全く意識が無く、第二の豊洲になることは間違いない。それは、放射能を土壌が溜め込み、あっという間に、その土壌は、特定廃棄物(8000ベクレル/kg以上)になってしまうからである。また、廃液の放射能除去は、上記のスクラバー装置のほか、ゼオライトやRO膜が有効とされている。だが、関電工はこうした放射能汚染防止技術の採用について、検討さえしようとしなかった。
以上のことから、出資者のひとりである関電工が経営に影響力を持つ前橋バイオマス燃料への補助金の使途がずさんな環境対策に過ぎないのを知りつつ、本事業への補助金交付を決定した被告は補助金適正化法第1条及び第3条に違背し、さらに同法第29条第2項に該当する。また、前橋バイオマス燃料は、同法第29条第1項の罰則に該当すると考えられる。

(5)安全な間伐材を県内から安定的に調達することは不可能であること
 事業主体である関電工は、当初のうち群馬県内の間伐材を100%使用すると言いながら、まもなく、万が一足りなければ、近県の間伐材も入れることを可能性として仄めかす発言に転じている。このように、言っていることが最初に比べ、あれもこれも変わること自体、信用できない。
 本事業により発電用に使われるチップの年間生産量7万トン、原料である間伐材等の受入量8万4100トンの安定した確保が、事業実現の基本の一つであるが、群馬県内における森林バイオマスの賦存量の実態をみれば、年間間伐材等の受入量8万4100トンもの確保は到底現実的ではない。
 このため、事業主体は上述のとおり、群馬県以外の周辺の栃木県、長野県、埼玉県等から必要に応じて間伐材等を調達する必要があると認識しているのである。そうなると、福島県の製材所で保管されていた大量の放射能汚染木くず・バーク(樹皮)チップなどの特定廃棄物相当の産廃が、東電から依頼を受けた元官僚で自称コンサルタントの男により、福島県外に持ち出され、滋賀県の琵琶湖西岸に不法投棄された放射能汚染木くず・バークチップが、群馬県民のしらないうちに前橋市内の産廃中間処理業者の破砕施設に持ち込まれ、他の廃材等と眞挫合わされて、オガクズとして群馬県内外に販売された事件と同様な手口で、群馬県外から大量の危険な放射能汚染廃材等が持ち込まれる可能性が極めて高くなる。
 とりわけ、関電工は、絶対安全だとしていた福島第1原発の重大事故の責任を取らないまま、多額の税金を政府につぎ込ませても平然としている東京電力のグループ会社である。本事業が、東電の思惑で立案されたことは、こうした背景から容易に想像できる。
 もし、本事業に補助金が交付されると、東電の除染責任を我々の税金で尻拭いされることになる。東電の息のかかった関電工は、本事業へのこの補助金がないと、事業がなりたたないとしているが、そのような不採算事業を強引に推進する背景には、東電の思惑が見え隠れしているのである。つまり、発電という名の「壮大な除染事業」である。
 群馬県は、群馬県森林・林業基本計画を中間年である平成27年3月に改定し、初めて皆伐という文言を明示し、その規模を、東京ドーム64個分の面積の森林の皆伐計画とした。つまり、燃やすことありきの皆伐計画であり、明らかに前橋バイオマス燃料及び発電のためだけの森林伐採である。このことを見ても、今回の事業で被告が事業のために用意しようとしている間伐材は森林を破壊しない限り、確保できないことを物語っている。
 本来の木質バイオマス発電は、間伐材のカスケード利用のはずである。つまり、木材から得られる産物はきわめて多様であり、見栄えのする建築部材や家具材を筆頭に、見えないところに使われる各種の構造用材があり、紙パルプやボード類の製造に使われる低質材、そして最後に燃料用の木質バイオマスがあるべきである。木材の使い方として理想的なのは、良いものから順々に取っていって、最後まで余すことなく使い尽すことが本来の形である。こうした使い方が木材の「カスケード利用」であり、このことにより、本事業に関係する全ての人が、また地域住民までがその恩恵を受けられることになる。木質バイオマス発電事業の理念は、地域住民にとって裨益をもたらすものでなければならないはずである。しかし、前橋バイオマス燃料や発電は、燃やしてしまうだけの間伐なので、その恩恵を受ける地域住民は殆どいないに等しい。
 群馬県の誇る安心・安全な生活環境、営農環境、自然環境を厳守し、次世代に引き継ぐためにも本事業を助長する補助金の交付は、県民への裏切り行為であり、直ちに停止しならない。
以上のことから、前橋バイオマス燃料の本質を知りながら本事業への補助金交付を決定した被告は補助金適正化法第1条及び第3条に違背し、さらに同法第29条第2項に該当する。また、前橋バイオマス燃料は、同法第3条第2項の関係者責務違反に該当する。

(6)事業主体の信頼性に瑕疵があること
 群馬県に提出された事業計画を情報公開で入手したが、近隣住民への説明経過によると、甲第8号証により、「反対者ゼロ」などと事実と全くかけ離れた文言が続き、虚偽の記載をし、不正に補助金の支給を受けようとしている。
 また、同資料によると、「間伐材を乾燥させるのに9ヶ月を要するので、補助金交付を早めることが必要だ」などとする虚偽の記載がある。実際には、本事業における乾燥期間として2~3ヶ月程度が想定されているのである。しかも、計画には、自然乾燥ではなく、巨大なプレス機による強制乾燥方式で、これを使用すれば乾燥時間は殆どいらなくなるからである。仮に、このことについて群馬県が知っていたとすると、明らかに官業癒着のデキレースにもとづき、被告の代表者である大澤知事は査定したことになる。他方、被告がこのことについて知らなかったとするならば、関電工やトーセンら事業者による詐欺に近い虚偽である。
さらに、『森林整備加速化・林業再生基金事業実施要領』には、第2の事業計画等の中の6で、都道府県知事は、全体事業計画及び年度事業計画を作成するに当たっては森林・林業基本法(昭和39年法律第161号)第11条第1項の規定に基づく森林・林業基本計画、森林法(昭和26年法律第249号)第4条に定める全国森林計画、同法第4条第5項に定める森林整備保全事業計画、同法第5条に定める地域森林計画、同法第10条の5に定める関係市町村の市町村森林整備計画、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法(昭和54年法律第51号)第2条の2第2項の規定に基づく林業経営基盤の強化並びに木材の生産及び流通の合理化に関する事項についての基本構想、木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成18年法律第47号)第4条第3項の規定に基づく木材安定供給確保事業に関する計画、林業労働力の確保の促進に関する法律(平成8年法律第45号)第4条第1項の規定に基づく林業労働力の確保の促進に関する基本計画、関係する流域において策定されている流域林業活性化実施計画及び地域振興に関する基本的な計画又は方針との調和を図るとともに、関係行政機関、民間非営利団体及び地域住民等との必要な調整を図るものとする。と明記されているが、群馬県知事は全くその責任を果たしておらず、実施してはならないのではないか。早急に調査し、指導すべきである。
 また、第5の基金事業の実施の中で、「3 都道府県知事等及び事業主体は、地域の実情に鑑み、過剰と見られるような施設等の整備を排除する等、徹底した事業費の低減に努めるものとする」と明記されているが、これも本事業の実態を反映していない。例えば、関電工やトーセンらが出資する前橋バイオマス燃料は「世界初」を標榜する木質チップの乾燥期間短縮方法の導入を計画している。これはチップの乾燥のためにトーセンが世界に先駆けて開発したという大型プレス機による脱水設備であるが、この設備調達のための補助金が交付されるというのである。再生エネルギーの一環として位置づけられるバイオマス発電においては、できるかぎり自然エネルギーによるシステムの構築が優先されなければならない。そのため、世界的にみてもバイオマス燃料は自然乾燥による乾燥方式となっている。油圧プレスの稼働のために使用されるエネルギーとして、隣接するバイオマス発電施設で作られる電気の一部が無駄に費消されることは、バイオマス発電本来の理念から逸脱するものである。しかも、木質チップ中の水分を強制的に減少させる脱水設備はわが国ではまだ実績がない。こうした実績のない新規開発製品へ高額な補助金を野放図に交付することは地方自治法第2条第14項に定めた最小の費用で最大の効果を定めたルールに違反しており、脱水設備への交付は、即刻中止すべきである。
 こうした補助金対象の機材に関する価格評価について、被告はきちんと精査した形跡がない。この種の類の事件としては、平成23年12月29日に、木くずや家畜の木くずや家畜のふんを有効活用するバイオマス(生物資源)事業を巡り、広島県庄原市の環境関連会社「グリーンケミカル」が、国の補助金約2億5千万円を不正受給した疑いが取りざたされ、同市や農林水産省が調査した事件がある。
 それによると、同社はプラスチックの原料用に木くずを粉砕する機械を大阪市の会社から購入したとして補助金を申請し、農水省は平成20〜22年度に計約2億5千万円を交付したが、実際は関連会社の「コスモエース」(東京)から数千万円で仕入れていた。東京国税局がコスモ社の税務調査を行い、機械を販売した利益を隠蔽したとして約2億6千万円の所得隠しを指摘し、グリーン社の不正受給の疑いが浮上したものである。結局同市は平成26年11月までに木質バイオマス利活用プラント整備事業の中止と国への補助金返還を決め、グリーン社に補助金返還請求をし、不正行為を理由に当該事業を取消した。この時の理由として、同市は、「補助対象経費の水増し」「契約前発注」「不正な資金の支払い」「入札偽装」、「入札顛末書の虚偽報告」、「多用途使用」、「不具合未改修」、「虚偽報告」、「購入価格が不適正」「未承認の財産処分」の不正行為があったとしている。(甲第37号証)
 本事業では、前橋バイオマス燃料の株主であるトーセンが自社開発とする大型プレス機による脱水装置への補助金を使った購入が含まれており、支出の有無は不詳だが、支出を決めた処分は被告から為されている。前述のグリーンケミカル社が子会社から仕入れていた木くず粉砕機械を巡る不正行為と共通点が多く、トーセンの栃木県における補助金を巡る不正疑惑に照らすと、とうてい信頼に足る事業者と見做すことはできない。
以上のことから、前橋バイオマス燃料の補助金の使途がずさんであることを知りながら本事業への補助金交付を決定した被告は補助金適正化法第1条及び第3条に違背し、さらに同法第29条第2項に該当する。また、前橋バイオマス燃料は、同法第29条第1項の罰則に該当すると考えられる。

(7)放射能汚染対策に重大な不備があること
 放射能対策が全く盛り込まれていないことは明らかである。放射能汚染物質対策の不備による放射性物質の流出が懸念される理由と、関連する施設の場所・工程を次の@〜Cに示す。
 @事業主体の関電工は、地元説明会での配布資料(甲第9号証)では「間伐等を受入する際、トラックスケールで検査する」としているが、メーカーは技術面から「管理基準値(40ベクレル/s)は、到底できない」と発言している。その時のやり取りを次に示す。
(質問)走行しながらの測定ということで、トラック全体の総ベクレルが370kBqということではなく、ある一定の塊の線源が370kBq以上ないと測定不可能という解釈でよろしいでしょうか。
(回答)その通りです。【回答者:株式会社テック・デル高畑】

また、関電工自身も、3月26日の話し合いや3月27日の説明会の場で、住民からの質問に対して「できない」と答えている。したがって、放射能のかなり高い間伐材が持ち込まれても、その実態について全く把握できないということになり、それによる危害は甚大である。
つまり、その約1万分の一である40ベクレル/sなど測定できるはずもない。
 A貯木スペースは間伐材の乾燥のため野天に保管されるが、風等により放射性物質の敷地外への拡散防止策が講じられていない。また、雨等による放射性物質の排水口や敷地外への流出対策が講じられていない。
 Bチップ加工時の放射性物質の空気中への拡散防止策が講じられていない。
 Cチップの脱水時の排液を、放射性物質を未処理のまま地下浸透させてしまうことになり、関東平野の地下水資源に対する重大な脅威となる。
 以上のことより、近隣住民の生活保全環境はもとより、田畑への営農環境、河川への自然環境への放射性物質の流入による重大な環境破壊の危険性はかなりの確率で高くなることは必至である。
以上のことから、被告および前橋バイオマス燃料は、補助金適正化法第3条第2項の関係者の責務違反に該当する。

(8)本事業主体の運営・技術面に係るレベルと実績等がお粗末であること
 事業主体のひとつである潟gーセンは数年前に、製材工場で山火事を起こし、体育館などを全焼させた。にもかかわらず、今だに火災の原因は不明とされ、何の対策もとられていない。このままでは、本事業が行われる赤城山での山火事発生の危険性が大いに想定されるため、周辺住民の静観環境や財産保全に対して脅威となる。以下、潟gーセンのホームページからの火災発生に関する記事を引用する。
トーセンのホームページのURL:
http://www.tohsen.net/news_topicsn.php?num=62&yr=2013
那珂川工場火災のお詫びとお礼
平成25年9月28日(土)午後10:00、県北木材協同組合 那珂川工場におきまして、火災が発生致しました。関係各位、地域住民の皆様には、多大なご心配、ご迷惑をお掛けいたしました。この場をお借りしまして、お詫びとご協力のお礼を申し上げます。
なお、旧体育館(加工棟)の全焼という事態となりましたが、地元消防団、消防署、行政の皆様のご協力により、消火は完了し、那珂川工場内の他の設備、隣接の発電施設建設地への影響はないことをご報告致します。

 これまで関係機関に再三火事の対策を訴えてきたが、ついに、群馬県において、平成28年12月14日の午前6時に近隣住民が出火していることを発見し、119番通報し、事務所と作業棟を全焼させてしまった(甲第35号証)。
 この両方の火事に共通するのは出火原因が不明であることと、出火当時無人であったこと、そして全焼火災であったことである。
 甲第36号証にもそのことが質疑されているが、前橋バイオマス燃料の株主のひとつでもあるトーセンが、火災保険金目当てに起こした連続不審火災ではないかという疑念が当然浮上してくる。トーセンが本当に誠実で信用に足る会社であるのかどうかは、同社がこの2つの火災で保険金を受けたかどうか、被告には確認する義務がある。
以上のことから、前橋バイオマス燃料は、補助金適正化法第3条第2項の関係者の責務違反に該当する。

(9)環境アセスメントを実施しないまま計画を脱法的に進めようとしていること
 本事業では、年間8万トンの木質チップを発電用燃料として製造する計画だが、それを全量発電施設で使用した場合の排ガス量について、きちんとした計算手順と結果について、被告群馬県からも事業主体からも全く説明がなされていない。被告群馬県は当該木質バイオマス発電所の制度設計前の平成27年3月に総排気量が4万ⅿ³/hr以上あるかどうかの詳細審査を実施せず関電工に環境アセスメント対象外として事業者に通告しており、本事業は法令違反であることが明白である。その癒着の実態と根拠を原告らの見解とともに、以下に示す。
平成27年1月 群馬県と環境アセスメントの実施の必要性について協議を開始
 ⇒【原告らの見解】群馬県環境影響評価条例によれば協議の必要性はないのに、なぜ関電工は協議を求め、群馬県はそれに応じたのか?群馬県は、終始一貫して、環境アセスメントの実施の判断は、事業者に委ねられていると言っているが、だとしたら、なぜ、群馬県環境影響評価条例の運用を変更する必要があったのだろうか?
 平成27年3月 群馬県より環境アセスメント実施は不要との回答あり
  ⇒【原告らの見解】なぜ、結論が出るのに2ヶ月かかったのか。何が協議されたのか。また、実施前に、関電工だけが運用の変更を知らされるのは、違反行為である
平成27年3月31日決裁 群馬県環境影響評価条例の運用を変更し、木質バイオマスの排ガス量の計算を2割減とした(実施は同年4月1日)。
⇒【原告らの見解】しかし、本当に起案及び決裁日時に相違はないのか極めて疑問である。なぜならその後、次の経緯をたどっているからである。
 平成28年4月22日 原告小川賢が被告に対して、被告の主張する「環境アセスメントをしなくてもよい」という根拠を確かめるべく情報公開を求める
同年5月8日 被告から原告小川に不存在処分決定通知が発出される
同年9月13日 原告羽鳥昌行がこの件で別途、あらためて情報公開を求める
同年10月4日 被告から原告羽鳥に情報開示決定通知が発出される
 ⇒【原告らの見解】なぜ不存在だった書類が公開されたのか?・・・それは、同年5月8日以降、平成27年3月30日起案、同月31日決裁の書類をでっち上げた可能性が高いからだ。したがって、平成27年3月に関電工に対し、環境アセスメントの実施をしなくても良いという根拠は何もないということになる。
同年10月14日 原告羽鳥が被告に対して、同10月4日に情報公開された上記情報の電子文書に係る情報公開を求める
同年10月28日 被告から原告羽鳥に情報開示決定通知が発出される
 ⇒【原告らの見解】同年10月4日に公開された文書と、今回公開された文書は明らかに違う文書であり、同じ文書が2通あること自体が有り得ないことであり、しかも、作成日や印刷日が人為的に偽造されている。なぜ、被告群馬県は、ここまでしなければならないのか、それは、作成年月日を隠すためであり、関電工への環境アセスメントの実施をしなくてもよいという根拠を隠すためだけとしか想像できない。
なお、上記の一連の原告らによる情報開示請求に対して被告の不誠実な対応については、原告らは別途法的対応措置をとることにしている。
前橋バイオマス発電施設と木質チップ製造施設は同じ敷地内に建設され、前者は前橋バイオマス発電、公社は前橋バイオマス燃料の名義で建設され、完成後は運用されるようだが、前橋バイオマス発電も前橋バイオマス燃料も出資者として関電工とトーセンが両方に関与している。また、前橋バイオマス発電と前橋バイオマス燃料は、前橋バイオマス運営上議会を形成し、「自主管理基準値の遵守状況の確認・審査」「住民対応状況の確認」「その他環境に関する方針等の決定」を標榜しているが、関電工もトーセンも本事業に関して地元住民への説明会場で、十分な説明や情報開示をしておらず、両者が一体となって地元や周辺住民らに対して不誠実な対応に終始してきた。
そうした不誠実な事業者らが行う本事業に対して環境アセスメントを免除したのが被告である。
以上のことから、被告も前橋バイオマス燃料も補助金適正化法第第3条第2条に定めた関係者の責務を果たしておらず、責務違反に該当する。
 なお、環境アセスメントの要件である排ガス量について、前橋バイオマス燃料と同じ株主らが株主として名を連ねる前橋バイオマス発電は、本当の排ガス量の数値を被告に説明してこなかった可能性が高い。そもそも東電グループの関電工が関与する事業に補助金を投入しなければならない理由は全くない。

第4 請求の内容の選択について(前々前項第1(10)関連)

 前述の2で述べたとおり、原告らは未支出分の補助金も含めて、被告の渋川森林事務所長が既に平成28年7月4日に本事業の補助金交付決定処分を行っていることから、2号に分類されている地方公共団体、すなわち群馬県(代表者 大澤正明)を被告として「行政処分たる財務会計上の行為の取消し又は無効確認の請求」を行うべく「知事が前橋バイオマス燃料に対し平成28年7月4日付けでした補助眞交付決定処分を取り消す」ことを求める。
 この場合、取消請求もしくは無効確認請求のどちらかを選択することになる。
 原告らは、一応有効となっている平成28年7月4日の本事業の補助金交付決定処分を無効にしてもらいたいと考えているので、取消請求を選択したい。
 被告は、例えば環境アセスメントが不要だとして本事業と不可分のバイオマス発電施設の設置許可を認めたが、群馬県環境影響評価条例によれば、毎時4万ノルマル立方メートルを超える排ガス量を輩出する火力発電施設は、環境アセスメントが必要になるはずである。しかし、環境アセスメントを行わなければ設置許可が出せないはずなので、既にバイオマス燃料を製造する木質チップ工場の建設工事はかなり進捗しており、バイオマス発電施設の建設工事を鉄骨が建てられていて、既に着々と工事が進捗していることがうかがえる。
 被告は、もしかして火力発電施設の稼働前に環境アセスメントを実施すれば問題ないと考えているのかもしれないが、環境アセスメントには少なくとも1年以上の期間を必要とすることが予想される。
 その場合、環境アセスメントの結果次第では、稼働できない場合も想定されることから、バイオマス発電施設と一体となるバイオマス燃料の製造施設である木材チップ製造施設に対して補助金を支出することはできないはずである。

 よって、被告が為した本事業の補助金交付決定処分の取消しを求める。

                          以 上
**********

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・その2に続く】
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