2018/4/15  17:29

東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス裁判4.25第8回弁論準備に向け原告準備書面(6)を提出  東北関東大震災・東電福島原発事故

■東電グループの関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電施設は、群馬県が定めた環境アセスメントを行わないまま、本年末迄に事実上竣工し、来年2月から本格運転が開始されるものと見られます。この暴挙を食い止めようと、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起しました。以来、1年9カ月が経過してしまいましたが、いまだに弁論準備が繰り返されている一方で、関電工のバイオマス発電施設は連日放射能を含む排ガスや排水、灰、さらには騒音を周辺環境中に放出しています。こうした中、新年度を迎え、来る4月25日(水)午後4時30分に第8回弁論準備が前橋地裁本館3階31号法廷(ラウンド法廷)で受命裁判官の指揮のもとに当事者である我々原告らと被告群馬県との間で開かれる予定です。それに先立ち、原告住民として本日、準備書面(6)を裁判所と被告訴訟代理人宛に発送しました。
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同日、被告からも裁判資料が送られてきた模様です。留守中だったので、まだ受領できていません。


 この前橋バイオマス発電施設は、東電グループの関電工が、群馬県安中市のバイオマス発電計画に挫折していたトーセンに目を付け、東電が放射能汚染木材の処理に頭を悩ませている東電の意向を受けて、放射能汚染木材を毎年8万4千トン(ただし含水率が不明)も集めて燃焼させるべく計画し、併せて発電した電力をFIT制度に便乗して自ら高額で買い取るうえ、高コストの事業費をできる限り低減するために多額の補助金を投入するという、手の込んだ策略を巡らせたものです。

 しかし、群馬県のシンボルである赤城山の南麓に、このような放射能汚染木材焼却施設を造られてしまうと、群馬県の県民及び県土に重大な環境負荷を及ぼすことになることから、施設建設予定地に近接して生活している住民はもとより、ひろく県内や下流域の住民の間からは放射能二次汚染に伴う懸念や不安の声が起きています。

 ところが肝心の群馬県や前橋市の行政は、関電工ら事業者らと癒着して、きれいなぐんまちゃんのシンボルである赤城山麓に放射能を巻き散らすこの亡国事業に対して、呆れたことに環境アセスメントを免除したうえに多額の補助金までつけてやるという、とんでもない非常識な「忖度」を平然と行っています。そうした背景のもとで、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起して、現在係争中です。

 提訴後、裁判所から補助金の一部は既に支払われていることから、支払の有無で峻別してはどうか、と訴訟指揮があり、結局、2016年12月26日に、新たな住民訴訟の訴状を裁判所に提出したところ、今度は、同じ事件で2つの訴状が出ていると被告からイチャモンがつきました。そのため、2017年3月10日の第4回口頭弁論で、最初の訴状を取り下げる羽目になりました。

 そして、2017年3月15日に、出直し裁判の第1回口頭弁論が開かれ、同5月10日に第2回口頭弁論が行われましたが、また裁判所からイチャモンがつけられてしまい、法定外の受任裁判の形で、同5月22日に第1回弁論準備、6月15日に第2回弁論準備、7月18日に第3回弁論準備、9月7日に第4回弁論準備、10月23日に第5回弁論準備、12月25日に第6回弁論準備、そして、2018年2月5日に第7回弁論準備が前橋地裁本館3階で開かれました。これまでの裁判の経緯は次のブログをご覧ください。
〇2017年6月11日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟6.15弁論準備に向け原告準備書面(2)を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2341.html#readmore
〇2017年6月18日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…6月15日に第2回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2345.html#readmore
〇2017年7月7日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟で7月7日に原告が差止⇒返還に訴えの変更申立
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2360.html#readmore
〇2017年7月25日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…7月18日に第3回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2373.html#readmore
〇2017年9月10日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…9月7日に第4回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2414.html#readmore
○2017年10月25日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…10.23補助金訴訟第5回弁準で判明した前橋バイオ燃料の訴訟参加!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2446.html#readmore
○2017年11月28日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…バイオマス補助金返還履行請求訴訟であらためて原告準備書面(4)を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2481.html
〇2017年12月2日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…10.23補助金訴訟第5回弁準の訴訟指揮で被告が乙4号証を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2485.html#readmore
〇2017年12月29日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…クリスマス返上で開かれた前橋バイオマス補助金第6回弁論準備
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2543.html#readmore
〇2018年2月7日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…2月5日前橋バイオマス裁判ダブルヘッダーの補助金返還第7回弁論準備
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2560.html#readmore

 それでは、今回原告住民が提出した準備書面(6)を見てみましょう。

*****原告準備書面(6)*****
事件番号 平成28年(行ウ)第27号 補助金返還履行請求事件
原告  小 川  賢 外1名
被告  群馬県知事 大澤正明

                          平成30年4月13日
前橋地方裁判所民事1部合議係 御中

              原告準備書面(6)

                       原告  小 川   賢  ㊞
                       原告  羽 鳥 昌 行  ㊞

 被告は、平成30年2月5日に開かれた6回目の弁論準備における争点整理に関連して、それぞれの項目に関して次のとおり追加的に主張を陳述する。

第1 争点整理に関する被告訴訟代理人の意見を踏まえた平成30年2月15日付の一部修正した「争点」に関する原告の追加修正について

1−1 当初、2月5日の弁論準備における争点整理にかかる「争点」の内容はつぎのとおりであった。

争点
1 前橋バイオマス燃料鰍ノ対する不当利得返還請求を怠る事実とする義務付けの訴え
(1) 渋川森林事務所長が前橋バイオマス燃料鰍ノ対し行った平成28年7月4日付け木質バイオマス燃料製造施設等整備事業(本件事業)のための補助金4億8000万円(本件補助金)の交付が法律上の原因を欠くか。
ア 前橋木質バイオマス発電事業(本件発電事業)は放射能汚染された廃材などを間伐材に使用する可能性があり,また,そうであるにもかかわらず放射性物質の拡散防止,土壌及び地下水の汚染防止のための対策等が不十分である点で,本件事業が補助対象事業としての適格性を欠くか。
イ 本件事業が群馬県環境影響評価条例所定の環境アセスメントを実施していない違法があるか。
   (ア) 本件バイオマス燃料製造施設の排ガス量の算定に当たって,含水率(乾量基準含水率)を20%と計算できるものとする旨の平成27年3月31日付け運用の定めが有効か。
   (イ) 本件バイオマス燃料製造施設の排ガス量が毎時4万ノルマル㎥以上に当たり,群馬県環境影響評価条例が定める第一種事業に該当し,同条例に基づくアセスメントを要するか。
  ウ 前橋バイオマス燃料鰍ェ,バイオマス燃料の乾燥方式として一般的でなく,実績もない大型プレス機による脱水方式を採用し,意図的に過剰な事業費を見積もり,過大な補助金を不正に取得したか。
(2) 被告が前橋バイオマス燃料鰍ノ対して不当利得返還請求権を行使しないことが違法か。
2 前橋バイオマス燃料に対する不当利得返還請求を怠る事実とする違法確認の訴え
(1) 本件補助金の交付決定に取消事由があるか。
   上記1(1)アないしウに同じ。
(2) 被告が本件補助金の交付決定を取り消さないことが違法か。

1−2 続いて、被告代理人の意見を踏まえた2月15日付け「争点」の内容は次のとおりであった。

争点
1 前橋バイオマス燃料鰍ノ対する不当利得返還請求を怠る事実とする義務付けの訴え
(1) 渋川森林事務所長が前橋バイオマス燃料鰍ノ対し行った平成28年7月4日付け木質バイオマス燃料製造施設等整備事業(本件事業)のための補助金4億8000万円(本件補助金)の交付が法律上の原因を欠くか。
ア 前橋木質バイオマス発電事業(本件発電事業)は放射能汚染された廃材などを用いて製造された燃料を使用する可能性があり,また,そうであるにもかかわらず放射性物質の拡散防止,土壌及び地下水の汚染防止のための対策等が不十分である点で,本件事業が補助対象事業としての適格性を欠くか。
イ 本件発電事業が群馬県環境影響評価条例所定の環境アセスメントを実施していない違法があるか。
   (ア) 前橋木質バイオマス発電施設の排ガス量の算定に当たって,含水率(乾量基準含水率)を20%と計算できるものとする旨の平成27年3月31日付け運用の定めが有効か。
   (イ) 前橋木質バイオマス発電施設の排ガス量が毎時4万ノルマル㎥以上に当たり,群馬県環境影響評価条例が定める第一種事業に該当し,同条例に基づくアセスメントを要するか。
  ウ 前橋バイオマス燃料鰍ェ,バイオマス燃料の乾燥方式として一般的でなく,実績もない大型プレス機による脱水方式を採用し,意図的に過剰な事業費を見積もり,過大な補助金を不正に取得したか。
(2) 被告が前橋バイオマス燃料鰍ノ対して不当利得返還請求権を行使しないことが違法か。
2 前橋バイオマス燃料に対する不当利得返還請求を怠る事実とする違法確認の訴え
(1) 本件補助金の交付決定に取消事由があるか。
   上記1(1)アないしウに同じ。
(2) 被告が本件補助金の交付決定を取り消さないことが違法か。

1−3 上記(2)の被告代理人の意見を踏まえた修正した「争点」の内容に対し、原告は次のとおり追加修正の必要性を主張したい。

争点
1 前橋バイオマス燃料鰍ノ対する不当利得返還請求を怠る事実とする義務付けの訴え
(1) 渋川森林事務所長が前橋バイオマス燃料鰍ノ対し行った平成28年7月4日付け木質バイオマス燃料製造施設等整備事業(本件事業)のための補助金4億8000万円 (本件補助金)の交付が法律上の原因を欠くか。
ア 本件事業で製造された木質チップのみを使用する前橋木質バイオマス発電事業(本件発電事業)は放射能汚染された間伐材・製材端材などを用いて製造された燃料を使用する可能性があり,また,そうであるにもかかわらず放射性物質が付着した間伐材等の受入検査が不十分、また、放射性物質の拡散防止,土壌及び地下水の汚染防止のための対策等が不十分である点で,本件事業が補助対象事業としての適格性を欠くか。
イ 本件事業で製造された木質チップのみを使用する本件発電事業が群馬県環境影響評価条例所定の環境アセスメントを実施していない違法があるか。
  (ア) 本件事業で製造された木質チップのみを使用する前橋木質バイオマス発電設備の排ガス量の算定に当たって,含水率(乾量基準含水率)を20%と計算できるものとする旨の平成27年3月31日付け運用の定めが有効か。
  (イ) 本件事業で製造された木質チップのみを使用する前橋木質バイオマス発電設備の排ガス量が毎時4万ノルマル㎥以上に当たり,群馬県環境影響評価条例が定める第一種事業に該当し,同条例に基づくアセスメントを要するか。
  ウ 前橋バイオマス燃料鰍ェ,バイオマス燃料の乾燥方式として一般的でなく,実績もない大型プレス機による脱水方式を採用し,意図的に過剰な事業費を見積もり,過大な補助金を不正に取得したか。
(2) 被告が前橋バイオマス燃料鰍ノ対して不当利得返還請求権を行使しないことが違法か。
2 前橋バイオマス燃料鰍ノ対する不当利得返還請求を怠る事実とする違法確認の訴え
(1) 本件補助金の交付決定に取消事由があるか。
   上記1(1)アないしウに同じ。
(2) 被告が本件補助金の交付決定を取り消さないことが違法か。

  上記の追加修正の必要性の理由は次のとおりである。

(1)そもそも、本件事業にかかる燃料製造事業と発電事業は、同一事業であり、不可分であること。このことについて相互の認識を一致させておく必要がある。

(2)本件事業(燃料製造事業)では木質チップの製造がおこなわれるが、そこで製造されたものは全量、本件発電事業に使用されること。本件発電事業に使用されるボイラーの構造上、木質チップ以外の使用は有り得ず、外部から木質チップを搬入する可能性もないこと。このことについて相互の認識を一致させておく必要がある。

(3)本件事業(燃料製造事業)では木質チップの原料として、間伐材のほか、加工木材(製材端材)が使用されるほか、前橋バイオマス燃料鰍フ定款には「廃材」が含まれており、したがって廃材が使用される可能性が排除されていないこと。このことについて相互の認識を一致させておく必要がある。

第2 前橋バイオマス燃料鰍ノ対する不当利得返還請求を怠る事実とする義務付けの訴え

(1)渋川森林事務所長が前橋バイオマス燃料(株)に対し行った平成28年7月4日4付け木質バイオマス燃料製造施設等整備事業(本件事業)のための補助金4億8000万円(本件補助金)の交付が法律上の原因を欠くか。

 このことに関し原告は、本件事業について、そもそも補助金の目的である東日本大震災の復興に寄与する事業なのか、はなはだ疑問に感じている。
 また、補助金の対象設備等に関しては、その調達に際して一般競争入札が原則にもかかわらず、本件事業においては、すべて随意契約となっている。このことは、補助金支出の根拠となる価格決定の妥当性が担保されておらず、地方自治法2条14項に定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当たって住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」、および地方財政法4条1項に定める「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要かつ最小の限度をこえて、これを支出してはならない」に違反する。

ア 前橋木質バイオマス発電事業(本件発電事業)は放射能汚染された廃材などを間伐材に使用する可能性があり、また、そうであるにもかかわらず放射性物質の拡散防止、土壌及び地下水の汚染防止のための対策等が不十分である点で、本件事業が補助対象事業としての適格性を欠くか。

 このことについて被告は、発電事業者が環境アセスメントを行わなくても良いように慮り、さらには、同事業者が作成したいい加減な環境配慮計画を「良し」として評価するしまつだが、実際には誰が見ても全く環境に配慮されていない、いい加減なシロモノであることは一目瞭然である。(甲67号証)


イ 本件事業が群馬県環境影響評価条例所定の環境アセスメントを実施していない違法があるか。
(ア)本件バイオマス燃料製造施設の排ガス量の算定に当たって、含水率(乾量基準含水率)を20%と計算できるものとする旨の平成27年3月31日付け運用の定めが有効か

 この、運用の定めが無効である理由については、次の事項が指摘される。
@ 原告小川が平成28年5月に公文書の開示請求をした際は、「該当する文書は無い」とされ、したがって、この時点では平成27年3月31日時点で決裁された運用文書は不存在だったということで原告小川は認識していた。にもかかわらず被告は、「原告小川が情報開示請求した文書は不存在としていたが、原告羽鳥が後日、別途情報開示請求した文書は、20%の水分量について特定して請求されたから存在していた」などと主張するのは、あとから公文書をでっちあげて作成したことが強く疑われる。被告は、なぜか、この矛盾を全く論理的に説明しようとしていない。また、原告の示した電子データのでっち上げの事実に関する一連の指摘に対しても、具体的な反論をしようとしない。
したがって、条例不適用を担保する公文書が無いにもかかわらず、環境アセスメントの実施を発電事業者に免除するという暴挙にでたことは、住民の目から見ても明らかなのである。
A 公印、実施日等が記入されていないものは、公文書としては認められないはずだ。
B 別表1に運用が明記されていないので、制定されたとはいえないはずだ。(甲68号証)
C 本件裁判でその「存在」が明らかになるまで、運用文書が公表されないまま保管されてきており、このことからみても明らかに前橋バイオマス発電だけの優遇処置である。
D 発電事業者の排ガスに関わる20%の計算方法が明確になっていないのに、被告は条例免除の根拠とした当該方法を用いた事業者による排ガス量に係る計算式を確認さえすることなく、環境アセスメントの不実施を指示した。(甲69号証)
争点の根幹の一つである本当の排ガス量や計算式を、被告や発電事業者が公表しない限り、この疑惑に関する議論は噛み合わず、裁判所から一日も早く被告や同事業者らに対してデータを提出させるよう、特段の決断をお願いしたい。
E 被告がしきりに繰り返し主唱する「20%」の根拠がどこにも見当たらず、全国でもそういう事例は1件もない。つまり、被告が運用を決めたことは、異例中の異例とも言うべき決断であり、再生エネルギーの推進には全く寄与しない。
それどころか被告は、再生エネルギー推進の大義のもとに、東京電力福島第一原発のメルトダウンおよび水素爆発によって撒き散らされた原子雲由来の放射能で汚染された群馬県内の森林の木材の尻拭いを、公金である補助金で賄おうとしている。すなわちこれは、前橋バイオマス発電や燃料会社だけの利益を慮るために行った暴挙と言えるのである。
なお、この件に関して原告らは、専門家に排ガス量の試算を依頼した。その結果、群馬県環境影響評価条例に定める排ガス量限度である毎時4万ノルマル㎥をはるかに超える生物燃焼ガスを排出することになる、とする計算結果を得ている。また、水分量を20%として計算しても排ガス量が4万ノルマル㎥を下回ることなと、あり得ないという見解も得ている。(甲70号証)。

(イ)本件バイオマス燃料製造施設の排ガス量が毎時4万ノルマル㎥以上に当たり、群馬県環境影響評価条例が定める第一種事業に該当し、同条例に基づくアセスメントを要するか

 ここで問われているアセスメントの必要性については、次の事項が指摘される。
@ アセスメントは条例で明確に義務づけられており、吾妻木質バイオマス発電の場合は、群馬県環境影響評価条例を根拠に、環境アセスメントを実施している。(甲71号証)
A 20%を適応したとしても、4万ノルマル㎥以上であり、アセスメントの実施は逃れられない。
B 環境影響評価法において、条例でアセスメント実施の義務化が認められている。

ウ 前橋バイオマス燃料(株)が,バイオマス燃料の乾燥方式として一般的でなく,実績もない大型プレス機による脱水方式を採用し,意図的に過剰な事業費を見積もり,過大な補助金を不正に取得したか
 
  この事業者による補助金の不正取得については、証拠のかずかずが存在する。
@ 一般競争入札を実施せず、指名見積もりであり、公正に価格が見積もられたとはいえない。
A プレス機は、1社のみの指名見積もりで、価格の妥当性が担保されておらず、価格そのものは相場の数倍にもなっており、売買契約書も「乙」が前橋バイオマス燃料、「丙」がトーセンになっており、いずれも社長は東泉清寿氏が就いている。これは利益相反に当たり民法108条の法行為である。(甲72号証)
B 当時の前橋バイオマス(現前橋バイオマス燃料)の法人登記は平成26年10月28日であるにも関わらず、登記前の平成26年10月2日に事業者名を使い、協定書にサインし、押印している。これは資格を伴わない違法行為であり無効である。また、その協定は、「甲」がトーセン、「乙」が前橋バイオマスであるが、いずれも社長は東泉清寿氏が就いている。これは利益相反であり民法108条に定める違法行為である。(甲73号証)

エ 本件事業は、そもそも補助金の目的である東日本大震災の復興に寄与する事業なのか

 本件事業は、東日本大震災による東電福島第一原発事故由来の放射能に汚染された群馬県内外の間伐材や廃材等を木質燃料として脱水、焼却することで、二次汚染のリスク拡散の原因となるため、補助金の目的に違背している。

オ 本件事業の場合、補助金の対象設備等に関しては、一般競争入札が原則であるところすべて随意契約にしたことが違法か

 本件事業の対象設備等のうち脱水プレス機について、事業者であるトーセンは、自ら開発に携わったとして利益相反の形で購入契約を締結している。さらにその価格は、容量2000トンのプレス機としては消費税抜きで3億5000万円という、常軌を逸した額となっている。そもそもこの契約自体、違法行為であり、しかも随意契約であることから、自由に価格を設定できる環境にある。したがい、補助金交付の条例に照らしても明らかに違法である。(甲74号証)

(2)被告が前橋バイオマス燃料(株)に対して不当利得返還請求権を行使しないことが違法か。

 被告が、上記の違法を黙認してなんの対応も取ろうとしないこと自体、刑事訴訟法に定めた告発義務違法である。

第3 前橋バイオマス燃料に対する不当利得返還請求を怠る事実とする違法確認の訴え

(1)本件補助金の交付決定に取消事由があるか。

 上記「第2」の(1)アないしウに同じ。

(2)被告が本件補助金の交付決定を取り消さないことが違法か。

 上記「第2」の(2)に同じ。
                             以上

=====証拠説明書(甲67〜74)=====
事件番号 平成28年(行ウ)第27号住民訴訟によるバイオマス補助金支払取消請求事件
原告  小 川  賢 他1名
被告  群馬県知事 大澤正明

                         平成30年4月14日
前橋地方裁判所 御中

          証 拠 説 明 書 (甲67~甲74)

                      原告  小 川   賢  ㊞
                      原告  羽 鳥 昌 行  ㊞

●号証:甲67
PDF ⇒ b67zvr.pdf
○標目:放射能濃度等測定方法ガイドライン、前橋バイオマス発電に関る環境配慮計画
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成25年3月、第2版 平成28年5月18日
○作成者:環境省
○立証趣旨:前橋バイオマス燃料及び発電事業者の環境配慮計画であるが、環境省が作成したガイドラインに照らして比較すると、間伐材やチップの放射能の受け入れ検査、排ガス検査、排水および公共の水域水検査、周縁地下水検査等についてまったく順守されていないことがわかる。
したがって、周辺住民や作業員の命、そして自然環境の維持は、担保されていないのである。
●号証:甲68
PDF ⇒ p.pdf
○標目:群馬県環境影響評価条例施行規則別表第1
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成11年5月31日
○作成者:群馬県
○立証趣旨:群馬県環境影響評価条例における環境アセスメントの対象事業を規定した別表1がこれである。
被告は、「事業者の工場の排ガス量について木質バイオマス燃料の場合は、排ガス量の算定値が減算できるよう、この別表1の運用を変更した」としているが、いまだにこの別表は改変されておらず、被告が平成27年3月31日に決裁したとする運用文書には、有効性がない。
●号証:甲69
PDF ⇒
○標目:ご質問へのご回答について
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成27年8月11日
○作成者:関電工
○立証趣旨:前橋バイオマス燃料及び発電所から100メートルほど離れた場所にある赤城ビュータウンの住民が環境等への対策について関電工に問い合わせしたところ、関電工より平成27年8月11日に文書で回答を得た文書がこれである。
これによると、関電工ら事業者が、「被告から、環境アセスメントの実施の対象外であるとの見解を得た」と認識しているなによりの証拠である。
●号証:甲70
PDF ⇒ b70vzudpfv9.2ton.pdf
○標目:木屑専焼計算書、メール
○原本・写しの別:写し
○作成日:平成28年7月5日
○作成者:上新久雄氏
○立証趣旨:原告羽鳥が、焼却炉技術コンサルタントの上新久雄氏に前橋バイオマス発電の排ガス量を試算してもらった計算書である。
これによると、水分量15%を前提に計算すると排ガス量は75,646N立方メートル/Hであり、群馬県環境影響評価条例で定めた40,000N立方メートル/Hに比べ、2倍近い排ガス量を排出することが計算結果からわかる。
被告や前橋バイオマス発電が実際の排ガス量や計算式を示し、その計算過程と算出根拠を明確にして、条例の運用をきちんと説明しない限り、県民の命や健全な生活環境はないがしろにされ続けることになる。
さらに、上新氏とのメールのやり取りでも、乾きガス量は68,894N立方メートル/Hであることから、被告が定めた独自の運用をどのように事業者の都合に合わせて解釈し、援用したところで、排ガス量は被告や事業者の“期待”通りに減少しないことは明白である。
●号証:甲71
JPEG ⇒ b71ocixazxg.jpg
○標目:環境影響評価に係る手続情報
○原本・写しの別:写し
○作成現月日:不明
○作成者:群馬県
○立証趣旨:被告群馬県のホームページに掲載されている環境アセスメントを実施した事業の一例である。
吾妻木質バイオマス発電事業は、このように群馬県環境影響評価条例の第一種事業に該当することを事業実施の根拠に据えて環境アセスメントを実施して「おり、これまで終始被告が、環境アセスメントの実施の有無は事業者が自ら判断する」と主張していることと、逆行していることになる。
被告にはこの「二重基準」とも言える“矛盾”についてしっかりと県民や産業界に説明する義務がある。
●号証:甲72
PDF ⇒ b72bvvx_.pdf
○標目:売買契約書
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成28年7月5日
○作成者:前橋バイオマス燃料、川重商事、トーセン
○立証趣旨:前橋バイオマス燃料が補助金を使い購入した脱水プレス機の売買契約書である。
買主は前橋バイオマス燃料の東泉社長、連帯保証人は、トーセンの東泉社長であり同一人物である。
また、売主は川重商事であるが、このプレス機は、トーセン、川崎油工が共同開発したとして、川重商事が販売者となっている。
これは、なんの変哲もないプレス機の価格を水増しして高く見せるための悪質な工作であり、自ら「独自性」をでっち上げて、機能的にはなんのメリットもない製品を、自分でかってに「付加価値」があるように見せかけて、法外な価格で自由に販売していることに他ならない。
こうして単なるプレス機への補助金が無謀に釣り上げられているにもかかわらず、被告はその事実を検証しようとしない。
さらに、売買契約書13条には、第三者への製造販売の禁止について、販売担当の川重商事に対し、前橋バイオマス燃料とトーセンがプレス機の製造、販売、譲渡を行わないことを約束させている。これは、独占禁止法に抵触するものであり、こうした違法な売買契約書そのものが無効である。
●号証:甲73
PDF ⇒ b73ocixr.pdf
○標目:木質バイオマス燃料安定供給協定書
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成26年10月2日
○作成者:前橋バイオマス燃料、トーセン
○立証趣旨:前橋バイオマス燃料とトーセンとで行われた木質バイオマス燃料安定供給協定書である。
この協定は平成26年10月2日に行われているが、前橋バイオマス燃料の前身である前橋バイオマスが登記されたのは、平成26年10月27日であり、無効な協定書である。
また、この協定書によると、8万トンはすべてトーセンがチップにして供給することになっているため、前橋バイオマス燃料が補助金により購入したチップ製造機は、そもそも不要であることがわかる。事実チップ製造機がチップ工場で稼働している姿を見かけたことが、騒音テスト実施期間中以外、ほとんどない。
これは明白な補助金の搾取である。
●号証:甲74
PDF ⇒ b74hvxeevxebvx.pdf
○標目:ホームページ:燃料用木質チップ圧縮脱水装置
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:不明
○作成者:川崎油工
○立証趣旨:川崎油工のホームページに掲載された、トーセンと共同開発した脱水プレス機である。
これによると、トーセンと川崎油工が共同開発したことが明記されており、「共同開発費がかかったのだから」と法外な水増し価格を示唆させて、いわばマネーロンダリングとも言える価格の吊り上げを行った製品に対して、補助金の申請者でもあるトーセンが、その立場を利用して、水増しした製品価格分の補助金を詐取している構図がうかがえる。
                         以上
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■関電工とトーセンらによる亡国事業は、既に実質的に稼働されてしまっていますが、本来きちんと法律や条例にのっとり手続きが行われなければならないところ、今、国レベルで政治や行政の信頼を揺るがしている森友、加計問題と同様、県や市町村レベルでも同じように政治や行政の劣化による特定企業への忖度が行われて、役所への信頼が問われている事態が浮き彫りになっています。

 来る4月25日は新年度の最初の弁論準備となります。年度が替わり、裁判所の構成が変わるものとみられるため、これまで弁論準備を進めてきた受命裁判官の佐藤裁判官から浅田裁判官にバトンタッチされることは前回の弁論準備で分かっていますが、裁判長についても塩田直哉裁判長から別の人物に替わる可能性があります。

 新たに構成された判事の皆さんによって、森友・加計問題の群馬県版とも言える群馬県によるこの東電グループ企業への忖度・亡国事業がどのように審理され、判断されてゆくのか皆様とともに注目してまいりたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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