2018/8/7  22:53

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス燃料が補助金で買ったチッパーの行方判明  東北関東大震災・東電福島原発事故

■今年2月から事実上の商業運転を続けている前橋バイオマス発電施設に併設されている前橋バイオマス燃料鰍フ木質燃料製造施設に配置されているはずのチッパーは、間伐材に衝撃を加えて粉々のチップにすることから高レベルの騒音を発するのが特徴です。しかし、これまで、このチッパーはごく限られた期間しか、赤城の南麓にある電中研の敷地にある前橋バイオマス発電施設内でしか目撃されていません。当会の調査でも、昨年12月に榛名町でトーセンが木材の集積場から大量の木材を搬出している光景を目撃した際、地元関係者にヒヤリングしたところ、「沼田のほうにもっていっているという話だ」との情報を得ていた程度でした。次のブログに榛名町の貯木場調査の様子が記してあるので参照ください。
○2018年2月27日:【速報】東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…木質チップ製造を巡る原料の木材調達とチップ化事情
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2575.html
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トーセンが補助金で買ったチッパー「AXTOR6010」。県内でこれと同型の機械を見かけたら当会に通報ください。
※チッパー「AXTOR5050/6010」カタログPDF ⇒ axtor50506010.pdf

 本来、設置申請をした場所で恒常的に使用されるはずのチッパーについて、6割の補助金を支出した群馬県林業振興課は、地元住民が7月19日付で提出した公開質問状に対して、業者であるトーセンを「忖度」して、回答を拒否するありさまです。

 そこで、当会では調査団を編成して沼田地区にある土場とよばれる貯木場所を調べることにしました。

 最初に調査に向かったのは、「ウッドステーションかわば」です。ここはトーセンや利根沼田森林組合などが出資しているため、トーセンがチッパーを流用している可能性が高いと想定されるからです。

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「ウッドステーションかわば」。チップの残骸が散乱しているのがわかる。

 現地に赴くと、県道の両脇に大きな貯木場があり、そこにはチップの残骸もありましたが、残念ながらチッパーの姿は目撃できませんでした。この施設整備のために投入された補助金は4千万円のようです。貯木場は全面舗装されていて、トラックスケール(台貫)もあり、小さい事務所もありましたが、当日は、従業員は不在でした。ちなみに空間放射線量を測定したところ0.06μSv/hでした。

 つぎに「ウッドステーションかわば」の出資者のひとつである利根沼田森林組合の土場に向かいました。ここは、「ウッドステーションかわば」から2q程奥にありました。多量の間伐材が貯木されているのが見えました。

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利根沼田森林組合の土場。

 ここへのアクセスには林道「赤倉栗生線」を通って、2q程登って行きました。

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林道「赤倉栗生線」のルート図。

 土場をチェックしてから帰りの道すがら、伐採機を積んだトラックに遭遇しました。「平成27年助成金・・(金額不詳)・・」で購入したとみられる最新式の伐採マシンです。このマシンを使って、森林を皆伐しているのではないか、と調査チームではもっぱらの話題でした。

 次に、前橋バイオマス発電と同様、木質バイオマス(チップ)燃料を使って発電もしている「ウッドビレジ川場」にも足を運びました。ホームページによると、次の事業をメインにしていることがわかります。

【製材事業】利根沼田地域の間伐材の多様な利用を目指した製材施設。木材の品質のみならず、川場村が長年に渡り取り組んできた「田園理想郷」を後世にも引き継ぐため、里山の保全に貢献すると共に木材のブランド化へも取り組んでいる。新潟方面のバイオマス発電用のチップのほか、前橋バイオマス発電向けのチップ加工も実施している。

【発電事業】製材所で木質チップに加工された未利用間伐材を活用した、45kwの小規模バイオマス発電。川場村と縁組協定を締結している世田谷区の約40世帯に、平成29年4月よりみんな電力を通じて家庭用の電力を供給している。有名な道の駅の裏側に発電所がある。前橋バイオマス発電のボイラー専焼とことなり、チップを蒸し焼き、ガスで発電する方式。

【温室農業】木質バイオマス発電の廃熱を利用した環境にやさしい温室農業を行っている。平成28年に栽培を開始したいちごは、「森林(もり)のいちご園」の名でブランド化され、村内施設などで販売している。現在、発電所の隣でマンゴーの栽培をしている。

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出典:同社HPより。

 ここにあるチッパーは上の写真のようにかなり小型です。

 また発電施設は、製材所で木質チップに加工された未利用間伐材を活用しており、ドイツのスパナー(株)製の小型木質バイオマス熱電供給プラントになっています。発電容量は45kwと小さなものですが、他の地域に頼らず、川場村が属する利根沼田地域の森林からのみ燃料供給が可能となるように小規模な発電を選択しています。川場村と縁組協定を締結している世田谷区の約40世帯に、平成29年4月よりみんな電力を通じて家庭用の電力を供給しています。

 本来は、このようなウッドビレジ川場のように、小規模ながら複合的な熱電(コジェネレーション)事業により、地域振興を図る施設が好ましいはずです。他方、関電工とトーセンが前橋バイオマス発電・燃料施設で行っている事業は、ひたすら自らの利益のためであり、地元にとっては何の裨益もなく、もとより関電工やトーセンは地元のことははじめから眼中にありませんでした。

 こうした「よそ者」事業者に対して、群馬県は補助金を付けた上に、環境影響評価条例で定めたアセスメントを義務付けるどころか、免除するという暴挙で、事業者に配慮する始末ですから、群馬県がいかに地元住民の安心・安全な暮らしより、事業者の利潤確保のほうを重んじているかがわかります。この背景には保守王国群馬県の政治バランスが潜んでいることも明らかです。

■さて、結局、トーセンのチッパーの所在が分からず仕舞いで、調査チームは諦めて帰路についたのでした。ところが、調査チームが念のため、前橋バイオマス発電施設付近を調べていると、なんと、燃料会社近くで、ウッドビレジ川場で聞いたチッパーと同じような騒音が聞こえてくるではありませんか。トーセンのチッパーが調査チームより一足先に川場から戻ったのでしょうか・・・。あるいは、7月18日付けの大澤知事あての公開質問状でチッパー等の在りかを行政に確認したことが、チッパーの回帰を促したのかもしれません。

※前橋バイオマス燃料が補助金で調達したチッパー「アクスター6010(AXTOR6010)」(輸入代理店:緑産株式会社)の動画URL
https://www.youtube.com/watch?v=S4FJSmK_Msk
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 それにしてもあまりにも騒音が酷いので、業を煮やした地元住民が前橋市環境政策課へ「すぐ来て調べてくれ!」の苦情電話を入れました。

 すると午後3時半になって、前橋市環境政策課の神山課長、中島係長、担当3名が駆けつけてきました。ところが、この時は、チッパーの休憩時間だったためかどうかは定かでありませんが、チッパーの騒音はなりを潜めていました。

 しかし地元住民の皆さんは、前橋市の職員が駆けつける前の午後2時から2時半にかけての騒音を測定していました。

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2018年8月6日午後2時からの前橋バイオマス燃料由来と思われる騒音記録。

 この時は、川場村から一足先に赤城山南麓の電中研の敷地にある前橋バイオマス発電施設に戻ったトーセンのチッパーの酷い稼働音が隣接の住宅地に響き渡っていました。

■その時のデータは次のとおりです。完全に65〜70デシベルの騒音域にあり、騒音規制法の観点から評価が必要であり、前橋市にはきちんと調査する義務があります。

 なお、関電工によれば、トーセンのチッパーが8月2日から前橋バイオマス発電施設内で稼働しているようです。

 こうした騒音問題についても、群馬県が関電工とトーセンらにきちんと条例に基づく環境アセスメントをやらせていれば、事前に把握できたわけで、群馬県の環境行政のお粗末な現実が白日の下にさらされた格好です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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