2012/7/30  22:20

これでいいのか群馬県環境行政…サイボウ大谷処分場の実態(5)危険ゴミほど高く引取る民営処分場の危うさ  全国のサンパイ業者が注目!

■こうして、地元住民が恐れていた事態が現在起こりつつあります。すなわち、東電福島原発事故による放射能で汚染された焼却ゴミが私たちの住む安中市の岩野谷地区に集められていることです。
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投棄を終えて処分場を出る3777番トラック。いつも沼田地区からのゴミ運搬に従事。


 当会がサイボウ処分場のフェンス周辺で計測した放射線レベルが最大0.25μSv/hを記録したことを昨年9月にブログで報じて以降、サイボウ環境はもとより、処分場の設置許可を与えた群馬県も、処分場の許可手続で便宜を図った安中市も、こっそりとその対策を測ったフシがあります。
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渋川用にサイボウ環境が新規購入した84番トラック。

 昨年7月29日(月)、8月2日(金)、8月12日(月)の3回にわたり合計76台のトラックによって搬入された土砂(サイボウでは「砂」といっていますが、実際には石ころの混じった土)の搬入がありましたが、これは、沼田市や川場村、昭和村から高濃度の放射能を含む焼却灰が持ち込まれ、放射線レベルが高くなったことを懸念して、慌てて覆土用に残土を持ちこんだものと思われます。

 当会が平成23年9月10日に測定した時は、覆土がある程度済んだ後と考えられますが、それでもまだ最大0.25μSv/hを周辺のフェンス脇で記録しました。

 さらに放射線レベルを低くする為に、サイボウ環境は、平成23年12月23日(金)と24日(土)にもそれぞれ36台と30台の合計66台のトラックにより、大量の覆土用と称する得体の知れない残土を持ち込みました。

 群馬県もサイボウ環境も、昨年から浸出水と排出水の放射能を時々計測していますが、サイボウ処分場の測定値はなぜか、具体的な数値が示されていません。サイボウ側は、社長が50万円で放射線計測器を買って、処分場の放射能を測定して群馬県に都度報告している、と主張していますが、群馬県はそのデータを公表しようとしません。

 安中市では、当会がブログで最大0.25μSv/hを記録したことを掲載したのを契機に、環境推進課担当職員の真下係長が2ヶ月に1回程度、サイボウ処分場入口で、ゴミ搬入トラックの運転手から提出されたデータ記入する対策委員会係員の地元住民が欠席した際に、代理として出役した際に、市の放射線計測器を使って処分場の東西南北を計測しているそうですが、あくまで担当職員の個人的なメモだとして、開示を拒んでいます。

 また、残土については、群馬県にその由来を調べるように、平成24年1月4日に要請して、県職員がサイボウ処分場に立入り調査をして調べましたが、サイボウ側は昨年夏の土砂が高崎市菊池町の水道工事から出たものであり、昨年12月下旬に持ち込んだ土砂は、同じく高崎市操車場跡地にハラダとかいう会社を含め、3箇所ほどできるので、その際に発生した工事用残土を、いずれも高崎市に届出をせずに、業者から直接覆土用に購入したものだとして、群馬県にも報告済みだとしています。
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続いて処分場に向かう353番トラック。

■当会が平成24年2月8日に請求し、同2月15日に開示通知を受けて、同2月20日に開示された106枚の資料と、同じく平成24年4月9日に請求し、同4月23日に開示通知を受けて、同4月25日に開示された48枚の資料を分析したところ、新たな疑惑が浮上しました。それは、サイボウ処分場がどの程度覆土をしているのか、外部に分かる資料が皆無であることです。

 処分場における覆土は、廃掃法施行令において「埋め立て1層の厚さはおおむね3m以下とし、かつ、1層ごとに、その表面を土砂で、おおむね50cm覆うこと」と規定されています。ところが、サイボウは、平成19年4月の開業以来、覆土を持ち込んだのは平成23年7−8月が最初でした。また、処分場の東南部に、建設時の掘削残土を覆土用として積み上げた場所から、開業後、残土を取り崩した形跡も見当たりません。
 サイボウ処分場の埋立面積は平成10年に認可を受けた際には19,895uでしたが、現在は18,988uとなっています。面積が減ったのに、埋立容量は認可時の262,655㎥から、現在は274,388㎥に増えています。これは、群馬県が、サイボウの設計変更をすべて丸呑みにしたためと考えられます。
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伝票を一般廃棄物適正処分対策協議会係員に渡す353番トラックの運転手。碓氷川クリーンセンターでゴミ重量を伝票に記載するのを失念したが、たまたま安中市職員が協議会に代理出勤中だったので、電話でセンターに聞いて重量を記入。

 この埋立容量と廃棄物及び覆土量については、認可取得時と現在とで次のような差があります。http://thoz.org/hanrei/%E5%89%8D%E6%A9%8B%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80/%E5%B9%B3%E6%88%9013(%E8%A1%8C%E3%82%A6)13/4

        平成10年認可当時    現在
A:埋立地面積     19,895u       18,988u
B:埋立容量      262,655㎥      274,388㎥
a)うち廃棄物量    198,615㎥       207,042㎥
b)うち覆土量     64,139㎥       67,346㎥
覆土比率(b/B)   0.7558        0.7546          

 各自治体が安中市に提出した事前通知書によれば、サイボウ処分場の残余容量の推移について次のとおりになります。
              残余容量(%)
平成19年4月1日現在   274,388㎥(100.0%)
平成19年7月31日現在   273,136㎥(99.5%)
平成20年3月31日現在   268,982㎥(98.0%)
平成21年3月31日現在   263,881㎥(96.0%)
平成22年3月31日現在   258,756㎥(94.0%)
平成23年2月28日現在   250,837㎥(91.0%)
平成23年3月31日現在   250,149㎥(91.0%)
平成23年10月31日現在  245,345㎥(89.0%)
平成23年12月31日現在  243,557㎥(88.7%)
平成24年2月29日現在   241,956㎥(88.0%)

 このうち平成23年10月31日から同年12月31日までに2ヶ月間について調べてみました。サイボウ処分場が自治体に示した上記のデータによれば、この2ヶ月間に1,788㎥の残余容量の容積が減少しています。

 一方、当会が情報開示で入手した資料によれば、この2ヶ月間にサイボウ処分場に搬入された焼却灰等は合計1,844トンで、比重0.75で換算すると容積は1,475㎥となります。

 サイボウ処分場の容積減少分1,788㎥と、持ち込んだゴミの容積1,475㎥との間には313㎥の差があります。この差を、覆土分とすると、覆土比率は313/1,788=0.8251となります。

 廃掃法施行令では、「3m以下の厚さで埋め立て1層の厚さはおおむね3m以下とし、かつ、1層ごとに、その表面を土砂で、おおむね50cm覆うこと」としてあるため、サンドイッチ工法によれば、覆土比率は250/300=0.833となり、上記比率に近い値となります。サイボウ処分場ではサンドイッチ工法とセル工法の組み合わせで埋め立てをしていると公表していますが、誰も実態を知りません。

 サイボウ処分場側の話では、「設置工事の際の掘削残土は、現地に置ききれない為、金銭を支払って外部に出したとしており、その後、残土がなくなったので、外部から買っている」とのことです。しかし、管理記録が全く無いため信用できません。

 最初に、大量に覆土を調達したのが、平成23年7-8月の20tトラック76台分で、1台当たり16㎥とすると、合計1,216㎥分となり、約5,800㎥分のゴミに対応する量となります。渋川市等からのゴミを受け入れなければ、これは約8か月分のゴミに必要な覆土に相当します。したがって、5ヵ月後の平成23年12月に66台のトラックで搬入した残土約1056㎥は、約5,000㎥分のゴミに相当し、約7か月分の搬入ごみ量に対応する覆土の量になります。、

 サイボウ処分場としては、覆土の量を最小限にしたほうが、中に入れられる廃棄物の量を少しでも多くできるため、その誘惑に果たして抗し切れるのか、不安が募ります。

 また、14年前の協定書に記載されている「熱灼減量10%以下」という数字も気になります。また、廃棄物のデータシートなどの検査の義務付けもありません。だから、サイボウは平気で管理記録の不備をやるわけです。
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投棄を終えた352番トラック。手前に見えるシートに覆われた物体が怪しい。
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バックして投棄位置に就いた48番トラック。

■上記のサイボウ処分場の埋立容量と、搬入ごみ量との関係から、サイボウ処分場の寿命について占ってみます。、

 現時点では、安中市が毎月約260トン、館林市が毎月約330トン、沼田市が毎月約180トン、合計約800トン前後の焼却灰等がサイボウ処分場に搬入されています。平成24年3月から、さらに渋川市等から毎月約540トンもの焼却灰が持ち込まれており、毎月約1,340トン(約1,080㎥相当)のゴミが運び込まれています。

 もし、このペースで行くと、平成24年3月31日時点の残余容量を約24万1千㎥とし、覆土率を0.8と仮定すると、受入れ廃棄物量が19万2800㎥となり、約178.2ヶ月後、つまり、あと15年たらずで満杯になる勘定です。

 サイボウ処分場の埋立期間は平成19年1月1日〜平成33年12月31日までの15年間となっているため、今のままでは、平成39年まで操業できることになりますが、おそらく今後も放射能を含む危ないゴミの捨て場所の受入れ先として、ますます需要が高まることは必至です。そうしたゴミを安易に持ち込ませ無いように、十分な監視が必要です。しかし、行政の監視能力に不安があるため、周辺住民の懸念は今後とも増えることでしょう。

■サイボウ環境は「安中市から受け入れているゴミは、運賃込みで、税抜きで1トン当たり17,500円だから、相場として安く、安中市民のために貢献している」と言っています。
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岡田市長のゴミ袋無料化の選挙公約とは裏腹に、安中市のごみ袋は大45リットル×20袋=200円(税抜き)もしくは小20リットル×40袋=200円(税抜き)で販売中。800リットルのゴミのかさ比重を0.25と仮定し、重量200kgの家庭ごみを焼却すると約10分の1の重さになるため、20kgの焼却灰に対して200円を袋代としてコストを回収した場合(但し、販売店のマージン20%?は考慮しない)、焼却灰1tあたり1万円となる。現在のサイボウ処分場の受入料金はトン当たり1万7500円なので、ゴミ袋の販売代金でコストを賄おうとすれば、ゴミ袋代を現在の2倍以上値上げする必要がある。

 埼玉県の県営イッパイ処分場の処分手数料(委託料)は平成24年4月1日から焼却灰が1トン当たり21,000円(税抜き)、不燃物が20,000円(税抜き)となっています。これにくらべると、1割ほど低い価格ですが、この処分場を作るに当たって、サイボウが行政の支援を受けたことは、サイボウが最もよく知っているはずです。本来であれば、群馬県や安中市のサポートがなければ、偽造書類の発覚時点で、失格となり、許認可は与えられませんでした。

 本来であれば、安中市のゴミは無料でもいいはずですが、実際には上記の公金がつぎ込まれているのです。外の自治体からの受入れ価格については不明ですが、甘楽町の危ない汚泥焼却灰などは、おそらくサイボウの言い値で契約されているのではないかと思われます。
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投棄を開始した353番トラック。
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投棄作業中の353番トラック。投棄しているのは、安中市のゴミか。

■当会が高崎市役所で調べた結果、サイボウの説明がウソだらけだったことが判明しました。このことについても、サイボウ側は、「土砂を運搬した業者は、菊池町の水道工事の残土については安中市ではないが、県内の業者であり、操車場の残土を運んだのは富岡市の業者だ。残土も搬出元については、安中市環境推進課の真下係長も現地で写真を撮影している。サイボウとしても写真撮影をして、パソコンに入力していたが消去してしまったので手元には無い。土砂の運搬についても、高山社長に確認したが、土砂の由来が分かるデータはもっていないということだった」などと説明しています。

 本来は、こうした業者のデタラメな説明や管理記録の不備を追及するのは群馬県や安中市のはずです。しかし、両方とも徹底的に業者のウソを追及する姿勢は見られません。結局、住民自身が追及するしかありません。これが群馬県の環境行政の実態なのです。

 当会は、引き続き、インチキ手続で設置許可を得たサイボウ処分場の操業内容の欺瞞を追及するとともに、インチキ手続を積極的に進めてサイボウ処分場の開設に手を貸した群馬県と安中市の環境行政のデタラメな現状を今後ともあぶりだしてゆく所存です。
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人件費を使途サイボウが折半している一般廃棄物適正処分対策協議会の事務所。大谷の住民が雇われているが、仕事の内容は、伝票にあるゴミの重量の確認だけ。

【ひらく会情報部・この項終わり】
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