2005/2/28
短歌研究 その他の雑誌
3月1日が『短歌研究』誌の締切だ。
冷え始めた僕の心の温度など君は知らずにお喋りをする
お喋りは宙に舞ひをり土曜日の午後の珈琲憎しみ色の
憎みあひ罵りあへば僕たちの恋は終はりと風にさとられ
艶めいたぬるき風吹くこの町でひとりぼつちの春を迎へん
お迎へのバスが到着したといふ宴のあとの吾だけ冷えて
今回は破局と孤独がテーマだ。しりとりになっているんだが、歌の出来はいまいちかな。
0
冷え始めた僕の心の温度など君は知らずにお喋りをする
お喋りは宙に舞ひをり土曜日の午後の珈琲憎しみ色の
憎みあひ罵りあへば僕たちの恋は終はりと風にさとられ
艶めいたぬるき風吹くこの町でひとりぼつちの春を迎へん
お迎へのバスが到着したといふ宴のあとの吾だけ冷えて
今回は破局と孤独がテーマだ。しりとりになっているんだが、歌の出来はいまいちかな。

2005/2/25
塔 塔
塔の締切も近い。なかなかいいのが出て来ない。さてどんなもんだろう。
温々と我が庭に陽は溜まりをり怠けごころを甘やかしさう
うたた寝の若きをみながてのひらにビスケット一つ握りしめてる
込み合ふても立たうとしないジベタリアン小さな自由がそこにあるらし
売り尽くしセールの店の駐車場に停まる車のすくなかりしを
老老の介護といふを迎へたる記念すべき日二月十九日
着メロのTSUNAMIがいつか冬ソナに 僕への愛が変はつたやうな
やはらかな日差しの合間を雪が降る積もるあてない雪がちらちら
気に喰はぬと言へばみんな気に喰はぬ娘の恋人九州の雪
耳障りに語尾上がりたる弁舌を縷々聞かされて鳥肌の立つ
用済みと電話帳から消した名が津波を報じた新聞にあり
0
温々と我が庭に陽は溜まりをり怠けごころを甘やかしさう
うたた寝の若きをみながてのひらにビスケット一つ握りしめてる
込み合ふても立たうとしないジベタリアン小さな自由がそこにあるらし
売り尽くしセールの店の駐車場に停まる車のすくなかりしを
老老の介護といふを迎へたる記念すべき日二月十九日
着メロのTSUNAMIがいつか冬ソナに 僕への愛が変はつたやうな
やはらかな日差しの合間を雪が降る積もるあてない雪がちらちら
気に喰はぬと言へばみんな気に喰はぬ娘の恋人九州の雪
耳障りに語尾上がりたる弁舌を縷々聞かされて鳥肌の立つ
用済みと電話帳から消した名が津波を報じた新聞にあり


2005/2/24
締切 北限
やばい。いつも2月はやばい。なぜならば28日しかないからだ。『塔』の締切が月末、『短歌研究』が3月1日だからだ。つまり2月に関しては28日と29日が締切になる。たいがいそれに気がつくのが今頃になってからなのだ。しかも、『北限』が25日なのを失念していた。
でも『北限』の分は作ってあった。
インド横断行
@南印行きを変更して来たたカルカッタTSUNAMIは吾を避けて襲ひぬ
A咎むるがごとき視線が突き刺さる異邦人なり我らこの地の
B苔生した植民地期の古ビルに生命が宿り樹木が根付く
C死あらば生のあるなりカルカッタは生命力を淘汰している
D豊かさが身形に浮かぶ子等遊ぶハウラー駅のウェイティングルーム
E少しずつ気温の下がる体感がDOON EXPRESSの通路より来る
F貧しさと豊かさの間の悲しみをブッダは知らずや悟りの地にして
Gホテルより我ら見下ろすガンジス河(ガンガー)に不幸の色は見えないものを
Hただ凝と吾を見詰むる物乞ひの少女は冥き瞳を持ちて
I生きるには夢がなけりゃと友は問ふ物乞ふ子等の明日を語りて
J夢とふがあるかなきかはわからぬが今日もこの子は物乞ひに立つ
K灰色のデカン高原の空仰ぎ世界の広さを確かめる朝
Lカニャクマリ 新聞に見る被災地はかつて我らが憩ひし町で
0
でも『北限』の分は作ってあった。
インド横断行
@南印行きを変更して来たたカルカッタTSUNAMIは吾を避けて襲ひぬ
A咎むるがごとき視線が突き刺さる異邦人なり我らこの地の
B苔生した植民地期の古ビルに生命が宿り樹木が根付く
C死あらば生のあるなりカルカッタは生命力を淘汰している
D豊かさが身形に浮かぶ子等遊ぶハウラー駅のウェイティングルーム
E少しずつ気温の下がる体感がDOON EXPRESSの通路より来る
F貧しさと豊かさの間の悲しみをブッダは知らずや悟りの地にして
Gホテルより我ら見下ろすガンジス河(ガンガー)に不幸の色は見えないものを
Hただ凝と吾を見詰むる物乞ひの少女は冥き瞳を持ちて
I生きるには夢がなけりゃと友は問ふ物乞ふ子等の明日を語りて
J夢とふがあるかなきかはわからぬが今日もこの子は物乞ひに立つ
K灰色のデカン高原の空仰ぎ世界の広さを確かめる朝
Lカニャクマリ 新聞に見る被災地はかつて我らが憩ひし町で

2005/2/22
お仕事 私生活
締切を2回延ばした原稿と学位論文の審査と今月の歌稿とを仕上げねば、とすべて本日に集中。にもかかわらずブログ遊びにふけっている。
0

2005/2/21
赤煉瓦歌会2 赤煉瓦歌会
今日の出詠
用済みと電話帳から消した名が津波を報じた新聞にあり
何年か前に某小学校のPTAにお話に行ったことがあってそのときに担当の役員さんに連絡先の電話番号を教えてもらってて、電話で打ち合わせていたのです。そのときの電話番号が携帯の住所録に入っていたのだけど、12月くらいに住所録を見ながらたぶんもう使わないだろうと思うデータを削除したのだけど、そのとき彼女の電話番号も削除したのです。それが新聞であの津波に巻き込まれて行方不明になっているという人の話を見ていたらなんと彼女でした。それはもう驚き。僕が名前を削除したことと、彼女が津波に消し去られたこととは関係がないとわかっていてもつらくって。
ところが歌会のある今朝の新聞に彼女の遺体が発見されたとの報があり、またなんか因果関係を感じてしまった。
いずれにせよ、彼女とご家族の冥福を祈ります。合掌。
0
用済みと電話帳から消した名が津波を報じた新聞にあり
何年か前に某小学校のPTAにお話に行ったことがあってそのときに担当の役員さんに連絡先の電話番号を教えてもらってて、電話で打ち合わせていたのです。そのときの電話番号が携帯の住所録に入っていたのだけど、12月くらいに住所録を見ながらたぶんもう使わないだろうと思うデータを削除したのだけど、そのとき彼女の電話番号も削除したのです。それが新聞であの津波に巻き込まれて行方不明になっているという人の話を見ていたらなんと彼女でした。それはもう驚き。僕が名前を削除したことと、彼女が津波に消し去られたこととは関係がないとわかっていてもつらくって。
ところが歌会のある今朝の新聞に彼女の遺体が発見されたとの報があり、またなんか因果関係を感じてしまった。
いずれにせよ、彼女とご家族の冥福を祈ります。合掌。

2005/2/21
赤煉瓦歌会 赤煉瓦歌会
本日は赤煉瓦歌会の日。イノウエさんは風邪でお休み。ゆらゆらさんも出て来ない。心配です。
今日はいい歌ばっかりだった。
自由詠の合評のあとはお気に入りの歌集の紹介だった。僕は郷隼人の『LONSOME隼人』を紹介したが、知る人ぞ知るで、朝日の読者にとっては有名人だけど、他紙の読者だと初耳だったりして、けっこう新鮮だったみたい。
午後は生業の研究会。どうもみんな格好だけつけようと悩んでいる。短歌も論文も自然体、自分の中から出てくる創造力に身をまかせなくてはいけないのに。
0
今日はいい歌ばっかりだった。
自由詠の合評のあとはお気に入りの歌集の紹介だった。僕は郷隼人の『LONSOME隼人』を紹介したが、知る人ぞ知るで、朝日の読者にとっては有名人だけど、他紙の読者だと初耳だったりして、けっこう新鮮だったみたい。
午後は生業の研究会。どうもみんな格好だけつけようと悩んでいる。短歌も論文も自然体、自分の中から出てくる創造力に身をまかせなくてはいけないのに。

2005/2/20
夜更かし 私生活
書評の仕事をぐずぐず延ばしにして、夜中になってしまった。今夜は一人きりなのでパソコンに向かい、ブログの整備にかまけて書評は進まなかった。ああ、ダメだ人間だなと思う。風呂は沸かしたのにまだ入っていない。
独り寝の気楽さもあり独り寝の寂しさもあるこんこんと雪
0
独り寝の気楽さもあり独り寝の寂しさもあるこんこんと雪

2005/2/20
赤煉瓦歌会 赤煉瓦歌会
本日は赤煉瓦歌会。出詠作品は上に示したけれど、できはよくない。
今回はそれぞれが好きな歌集とその中の10首を持ち寄ることになっている。わたしは郷隼人の『LONSOME隼人』にした。
郷隼人の作品お気に入り10首 ※( )はふりがな
母さんに「直ぐ帰るから待ってて」と告げて渡米し三十年経ちぬ
かもめとぶけいむしょの空ひろびろとむげんのせかいがひろがりており
求人欄広げて終身囚たちは赤エンピツで夢追うている
五千余の囚徒犇めく中に在り孤独であると言うは可笑しき
「脱獄を試みたらば撃つ!」という警告板(けいこくサイン)にスズメら憩う
出所時の衣類を皆に見せながら不安な未来を語りいる囚徒(とも)
人の倫(みち)に背き繋がるる身の上を凍ゆる房が更に懲らしむ
面会より戻り来し者自慢気にキスマーク示す囚人仲間へ
娑婆にては少数民族(マイノリティ)の黒人が大多数民族(マジョリティ)となるアメリカン刑務所(プリズン)
人間の暮らしに花の大事さを改めて知る刑務所の春
事務的に「仮釈放拒否」のスタンプをガシリと捺さる審問会(ヒアリング)にて
0
今回はそれぞれが好きな歌集とその中の10首を持ち寄ることになっている。わたしは郷隼人の『LONSOME隼人』にした。
郷隼人の作品お気に入り10首 ※( )はふりがな
母さんに「直ぐ帰るから待ってて」と告げて渡米し三十年経ちぬ
かもめとぶけいむしょの空ひろびろとむげんのせかいがひろがりており
求人欄広げて終身囚たちは赤エンピツで夢追うている
五千余の囚徒犇めく中に在り孤独であると言うは可笑しき
「脱獄を試みたらば撃つ!」という警告板(けいこくサイン)にスズメら憩う
出所時の衣類を皆に見せながら不安な未来を語りいる囚徒(とも)
人の倫(みち)に背き繋がるる身の上を凍ゆる房が更に懲らしむ
面会より戻り来し者自慢気にキスマーク示す囚人仲間へ
娑婆にては少数民族(マイノリティ)の黒人が大多数民族(マジョリティ)となるアメリカン刑務所(プリズン)
人間の暮らしに花の大事さを改めて知る刑務所の春
事務的に「仮釈放拒否」のスタンプをガシリと捺さる審問会(ヒアリング)にて
