2005/11/25
佐賀 新作吟味
素朴なる街の佇み比ぶればインドも佐賀も変わるとこなし
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2005/11/23
加齢臭 新作吟味
おのれから加齢臭臭ふ感がして胸詰まるほど衣服嗅ぎたり
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2005/11/15
(無題) 新作吟味
良子とふ同じ名の友二人らと呑みて帰れば良子待ちをり
事務的な処理とふことをしなければならぬといふにけふもせざりき
働くといふことなんぞなくなれば日々の時間はどうなるのだらう
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事務的な処理とふことをしなければならぬといふにけふもせざりき
働くといふことなんぞなくなれば日々の時間はどうなるのだらう

2005/11/14
鉄塔 新作吟味
胡座かきホームに坐する女生徒の育ちの痛みはかりかねけり
シナリオを棒読みにする新委員長の資質といふに疑問を持てり
あまりにも目立つ車に乗りければ悪しきことなどひとつもできぬ
あつその魚食べちやつたほうがいいといふ君の言葉がかなり気になり
新しきウォーキングシューズ履きをればアクセル踏むもかろきあしどり
鉄塔がニョキニョキとあり野に山に携帯電話が国を滅ぼす
※一首目。やはり何か心の中に屈託があるのだろうかと思うけどその座り方はないよなぁ。
※四首目。ちょっと鮮度に不安あり。
※五首目。ウォーキングシューズは歩くためのものだけど車までが軽やかに走る感じがする。
※携帯電話のための鉄塔が見境もなく建っている。もはや美観も何もあったものじゃない。
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シナリオを棒読みにする新委員長の資質といふに疑問を持てり
あまりにも目立つ車に乗りければ悪しきことなどひとつもできぬ
あつその魚食べちやつたほうがいいといふ君の言葉がかなり気になり
新しきウォーキングシューズ履きをればアクセル踏むもかろきあしどり
鉄塔がニョキニョキとあり野に山に携帯電話が国を滅ぼす
※一首目。やはり何か心の中に屈託があるのだろうかと思うけどその座り方はないよなぁ。
※四首目。ちょっと鮮度に不安あり。
※五首目。ウォーキングシューズは歩くためのものだけど車までが軽やかに走る感じがする。
※携帯電話のための鉄塔が見境もなく建っている。もはや美観も何もあったものじゃない。

2005/11/10
未然形 新作吟味
未然形と已然形とのちがひをば学ぶ湯舟の教育勅語
なかなかに予定のあはぬわれらゆゑせつなき恋と自嘲しにけり
行政に挨拶に行く行政に相談に行く近頃の仕事
年末のインド旅行は最悪の親不孝者と君は非難す
人間が人間を殴る哀しさを誰か教へよこの教師らに
おめにけると言はれたときにわたくしの小さな世界に変化のありき
酒呑みがたつたひとりで酒を呑むどうってことない私の夜
※一首目。教育勅語の文法上の誤りについて湯に浸かりつつ文法の学習をしたのだ。
※二首目。ともかく忙しい人は忙しくて、忙しい者同士の日程調整はたいへんなのだ。ついつい逢うに逢えないせつない恋にたとえてしまいたいこともある。
※三首目。こんな仕事に就いた覚えはないのに、という日々。
※六首目。今度のお題が「蹴る」であった。かつて出身地のちがう友人に「おめにける」と言われて身構えたら「お前にやるよ」という意味だった。その日から自分の言語世界が広がったのだ。
※七首目。どうってことない僕の私生活。
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なかなかに予定のあはぬわれらゆゑせつなき恋と自嘲しにけり
行政に挨拶に行く行政に相談に行く近頃の仕事
年末のインド旅行は最悪の親不孝者と君は非難す
人間が人間を殴る哀しさを誰か教へよこの教師らに
おめにけると言はれたときにわたくしの小さな世界に変化のありき
酒呑みがたつたひとりで酒を呑むどうってことない私の夜
※一首目。教育勅語の文法上の誤りについて湯に浸かりつつ文法の学習をしたのだ。
※二首目。ともかく忙しい人は忙しくて、忙しい者同士の日程調整はたいへんなのだ。ついつい逢うに逢えないせつない恋にたとえてしまいたいこともある。
※三首目。こんな仕事に就いた覚えはないのに、という日々。
※六首目。今度のお題が「蹴る」であった。かつて出身地のちがう友人に「おめにける」と言われて身構えたら「お前にやるよ」という意味だった。その日から自分の言語世界が広がったのだ。
※七首目。どうってことない僕の私生活。

2005/11/4
ガンガーもどき 新作吟味
ガンガーにちよつとだけ似た宗像の釣川河畔をあなたと歩く
だんだんと暗くなりゆく六時半地球が少し傾いたかな
急速に腐敗してゆく脳漿が異臭を放ち漏れはじめてる
◎脳漿の歌だ。
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だんだんと暗くなりゆく六時半地球が少し傾いたかな
急速に腐敗してゆく脳漿が異臭を放ち漏れはじめてる
◎脳漿の歌だ。

2005/11/3
をみなの尻 とりあえず
地下鉄のエスカレーター眼前のをみなの尻を見てる吾あり
金髪の若者が乗る軽トラが機材を積みて働きに行く
三流の日本映画が描くやうに面白くもない恋となりにき
恋愛は虚構に詠めと示唆さるる米川千嘉子の言葉を信ず
妻のこと君と書きては不自然と恋女房を否定されけり
なんでもないこの景観の左側どろどろとした人の世があり
◎一首目。上りのエスカレーターだとちょうど目の高さに前の人の尻のあたりが来る。ふっと気づくと眼前の女性の尻をじっと見ている自分がいて思わず赤面してしまった。幸い酔っぱらいの赤ら顔と思われたのかもしれないが。
◎二首目。早朝に見かけた光景。早朝出勤をする若者に働くということの尊さをちょっと教わった感じ。
◎四首目。角川短歌賞の発表があり、同じ歌会の仲間が予選通過をした。さて自分もと思っても、まあそこは近道をとおとなのずるさが出てしまう。で、『短歌』誌に受賞のハウツーとして米川さんが書いていたこと。恋の歌は虚構でないと(当時の彼女の心境として)女々しくなってしまうのだそうだ。なるほど自分の色恋をそのまま歌うのはそりゃあ無理もあるし、他人から見たら面白くも何ともない私事。虚構の世界ゆえに自由さがある。しばらく発想が出て来なかった相聞歌を再びはじめてみよう。
◎三首目は過去の体験を詠もうとしてもつまんなくなってしまったということ。
◎五首目。ある歌誌で評されたこと。
父を看て朝帰り来る君のため少し早めに朝餉とのとふ
という歌だが、「君」というのは生活の匂いのする「妻」ではなくて、女の
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金髪の若者が乗る軽トラが機材を積みて働きに行く
三流の日本映画が描くやうに面白くもない恋となりにき
恋愛は虚構に詠めと示唆さるる米川千嘉子の言葉を信ず
妻のこと君と書きては不自然と恋女房を否定されけり
なんでもないこの景観の左側どろどろとした人の世があり
◎一首目。上りのエスカレーターだとちょうど目の高さに前の人の尻のあたりが来る。ふっと気づくと眼前の女性の尻をじっと見ている自分がいて思わず赤面してしまった。幸い酔っぱらいの赤ら顔と思われたのかもしれないが。
◎二首目。早朝に見かけた光景。早朝出勤をする若者に働くということの尊さをちょっと教わった感じ。
◎四首目。角川短歌賞の発表があり、同じ歌会の仲間が予選通過をした。さて自分もと思っても、まあそこは近道をとおとなのずるさが出てしまう。で、『短歌』誌に受賞のハウツーとして米川さんが書いていたこと。恋の歌は虚構でないと(当時の彼女の心境として)女々しくなってしまうのだそうだ。なるほど自分の色恋をそのまま歌うのはそりゃあ無理もあるし、他人から見たら面白くも何ともない私事。虚構の世界ゆえに自由さがある。しばらく発想が出て来なかった相聞歌を再びはじめてみよう。
◎三首目は過去の体験を詠もうとしてもつまんなくなってしまったということ。
◎五首目。ある歌誌で評されたこと。
父を看て朝帰り来る君のため少し早めに朝餉とのとふ
という歌だが、「君」というのは生活の匂いのする「妻」ではなくて、女の
