2006/12/25
主権者たち 北限
『北限』の締切だ。とりあえず、10首つくった。今回は投稿したのがすべて北限賞の対象になるんだと。しかし、ギリギリまで忙しすぎた。教育基本法「改正」案がいとも簡単に国会を通過してしまった。戦後民主教育という幻想がガタガタと崩れていく。まさに歴史の転換点にいることを此の国の主権者たちは気づいているのだろうか。そして弱き主権者とその候補者は今日も黙黙と生きている。
国民の声はヤラセで聞いたふり詐欺のやうでも一歩進みき
減俸でヤラセの罪を償ふとふ男のけじめが泣かせるだらう
粛粛と教育基本法案通過せり国民はただボーッと見てゐる
戦争は出来るに越したことはないさういうふうに時は流れつ
年末の華やかな街年収は三百万の人で溢れる
かたくなにチラシを拒む人の群れ此の国を支へる人の群
間隙を抜けて防衛省に昇格す国民はまだ何も言はない
まだ馴れぬ所作で寝所をつくりゐるコンコースの端中年夫婦
報はれることはなくても此の国に殉ずるやうに子は育つべし
だんだんと住みにくくなる此の国を憂いてをりぬ我が愛国心
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国民の声はヤラセで聞いたふり詐欺のやうでも一歩進みき
減俸でヤラセの罪を償ふとふ男のけじめが泣かせるだらう
粛粛と教育基本法案通過せり国民はただボーッと見てゐる
戦争は出来るに越したことはないさういうふうに時は流れつ
年末の華やかな街年収は三百万の人で溢れる
かたくなにチラシを拒む人の群れ此の国を支へる人の群
間隙を抜けて防衛省に昇格す国民はまだ何も言はない
まだ馴れぬ所作で寝所をつくりゐるコンコースの端中年夫婦
報はれることはなくても此の国に殉ずるやうに子は育つべし
だんだんと住みにくくなる此の国を憂いてをりぬ我が愛国心

2006/12/23
此の国のこと 新作吟味
悪態を唾のごとく吐きかけてバイクの男はキャンパスを出る
粛粛と教育基本法変へられて国民はまたぼつと見てゐる
間隙を抜けて防衛省昇格す国民はまだ何も知らない
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粛粛と教育基本法変へられて国民はまたぼつと見てゐる
間隙を抜けて防衛省昇格す国民はまだ何も知らない

2006/12/16
人の群 新作吟味
重大な失態とふはないだらうか胸騒ぎの理由あれこれ探す
ぽつぽつと各駅列車は混み始め優先席が気まづくなりぬ
かたくなにビラ拒む人の群れ此の国を支へる人の群
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ぽつぽつと各駅列車は混み始め優先席が気まづくなりぬ
かたくなにビラ拒む人の群れ此の国を支へる人の群

2006/12/12
旧友の死 新作吟味
事故といふ不可思議な死にとまどへる我が青春の友よどうして
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2006/12/10
衰頽する街 とりあえず
コンビニもなくなつちまつた駅前を老人夫婦が散歩してをり
駆け込みし十七分の快速に運命ひとつ賭けたかもしれぬ
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駆け込みし十七分の快速に運命ひとつ賭けたかもしれぬ

2006/12/7
休日 新作吟味
久々の休日なれど頼まれし書評のために本を読まねば
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2006/12/2
黄色い空 新作吟味
外泊の黄色い空のまぶしさに今日の自由を感じつつJR
厭なことは忘れてゐたい深酒に溺れていく吾の弱き生き様
ふるふるとバイオリニストの二の腕が波打ちてゐるエグモント序曲
セクハラと聞こえし教授の研究室にまたあはれなる志願者のあり
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厭なことは忘れてゐたい深酒に溺れていく吾の弱き生き様
ふるふるとバイオリニストの二の腕が波打ちてゐるエグモント序曲
セクハラと聞こえし教授の研究室にまたあはれなる志願者のあり

2006/12/2
他人事 新作吟味
他人事のニュースが終はり私の忙しい日が始まつてゆく
世の中が大きく変はる事件とて多忙な我には他人事のやう
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世の中が大きく変はる事件とて多忙な我には他人事のやう
