2007/8/24
うんこら 新作吟味
追い越し車線をリミッター付きトラックがうんこらうんこら渋滞を牽く
歯槽膿漏の膿滲むほどのキスをして中年男の恋は終はりぬ
福耳をした老人がぼそぼそと酒屋をしていた佳き日を語る
死んでゆくいやそうでなく眠りゆく今日一日の人生を倦み
死ぬのではなく寝にいくか憂鬱な人生の滓を忘れるために
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歯槽膿漏の膿滲むほどのキスをして中年男の恋は終はりぬ
福耳をした老人がぼそぼそと酒屋をしていた佳き日を語る
死んでゆくいやそうでなく眠りゆく今日一日の人生を倦み
死ぬのではなく寝にいくか憂鬱な人生の滓を忘れるために

2007/8/20
マヌエル 新作吟味
オトウサンとカタカナで呼ぶ娘婿と留守番をせり押し黙る午後
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2007/8/16
ひぃひぃ 新作吟味
眠れない時差ぼけ抱え明朝は仕事があると妻は泣きをり
威圧的な言辞いくつも鏤める大御所ゆゑに許さるる作法
居丈高に物言ふ人の哀しさよ汝が虚名のゆゑと知るや知らずや
高きより他人を見下す質らしやその美しき歌とちがひて
女は家庭と蕩々語る代議士に女は黙れと言つてもみたし
ひぃひぃとエアコンが軋む熱帯夜それでも汗はじんはり滲む
エアコンがひいひいと泣く昼下がり出勤するは罪かもしれぬ
ブロディと鶴田の試合見てをりぬ共に鬼籍の人となりしや
何もないぐうたらな日を締めくくる釣り番組と冷たいビール
此の国の絶望的な明日思ひビールの泡と残暑楽しむ
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威圧的な言辞いくつも鏤める大御所ゆゑに許さるる作法
居丈高に物言ふ人の哀しさよ汝が虚名のゆゑと知るや知らずや
高きより他人を見下す質らしやその美しき歌とちがひて
女は家庭と蕩々語る代議士に女は黙れと言つてもみたし
ひぃひぃとエアコンが軋む熱帯夜それでも汗はじんはり滲む
エアコンがひいひいと泣く昼下がり出勤するは罪かもしれぬ
ブロディと鶴田の試合見てをりぬ共に鬼籍の人となりしや
何もないぐうたらな日を締めくくる釣り番組と冷たいビール
此の国の絶望的な明日思ひビールの泡と残暑楽しむ

2007/8/16
白い恋人 新作吟味
白い恋人の不祥事がマスコミを騒がすを見て詠める
これを買いに北海道に行く人もゐる莫迦なことをレポーターの言ふ
これもまた内部告発おそらくは不遇を託つ社員のあるらし
地元では誇りに満ちたお菓子だとテレビレポーターはまたほらを吹く
隠蔽は北海道の体質とミートホープの同類とさる
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これを買いに北海道に行く人もゐる莫迦なことをレポーターの言ふ
これもまた内部告発おそらくは不遇を託つ社員のあるらし
地元では誇りに満ちたお菓子だとテレビレポーターはまたほらを吹く
隠蔽は北海道の体質とミートホープの同類とさる

2007/8/16
欧州 新作吟味
半日の足の痺れをほぐしつつド・ゴール空港にてビールを呷る
緑色の瞳持ちたる孫の笑みに諍いのない世界を望む
抱き癖をたつぷりつけて帰らうやあとで困るは娘だけだし
此の児より眉目好き赤児は居らぬらし海岸通りを観察しつつ
シエスタをやることになる西班牙の親類の家訪ね来し日に
脳漿の腐りゆくほどぐたぐたとなんにもしないシエスタ三昧
ほんたうに高き空ありアンダルシアの空を鳥舞ふ
此の国のGATOは鳴けりミャーミャーと猫なで声で媚びるがごとく
ゆつくりと陽の照らすだけ時があり寝ても覚めても此処は西班牙
アフリカが見ゆる浜辺に津屋崎と同じかをりで潮風の吹く
いつぞやはインドの町で嗅ぎし香を欧州路で嗅ぐ
有色人種が圧倒的に多きこと国際空港ロビーの光景
人類はひとつの色にあらざると往く人を見る空港ロビー
それぞれに人種民族言語とふ重荷背負ひて人の往き交ふ
ゆつくりと自動小銃握りしめ空港ロビーを女兵士往く
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緑色の瞳持ちたる孫の笑みに諍いのない世界を望む
抱き癖をたつぷりつけて帰らうやあとで困るは娘だけだし
此の児より眉目好き赤児は居らぬらし海岸通りを観察しつつ
シエスタをやることになる西班牙の親類の家訪ね来し日に
脳漿の腐りゆくほどぐたぐたとなんにもしないシエスタ三昧
ほんたうに高き空ありアンダルシアの空を鳥舞ふ
此の国のGATOは鳴けりミャーミャーと猫なで声で媚びるがごとく
ゆつくりと陽の照らすだけ時があり寝ても覚めても此処は西班牙
アフリカが見ゆる浜辺に津屋崎と同じかをりで潮風の吹く
いつぞやはインドの町で嗅ぎし香を欧州路で嗅ぐ
有色人種が圧倒的に多きこと国際空港ロビーの光景
人類はひとつの色にあらざると往く人を見る空港ロビー
それぞれに人種民族言語とふ重荷背負ひて人の往き交ふ
ゆつくりと自動小銃握りしめ空港ロビーを女兵士往く

2007/8/3
なんてこった 新作吟味
またひとつ完治せぬとふ病を得お医者通ひの老人となる
ちよつとだけ贅沢をせむ憂き夜には恵比寿麦酒で深酒をする
教へ子が中年男になつてゐる惰眠の中で夢を見し間に
ノムさんに痛快なりと言われたる今日の試合の惨めなること
その昔東映フライヤーズのありしこと若者に説く古老のごとく
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ちよつとだけ贅沢をせむ憂き夜には恵比寿麦酒で深酒をする
教へ子が中年男になつてゐる惰眠の中で夢を見し間に
ノムさんに痛快なりと言われたる今日の試合の惨めなること
その昔東映フライヤーズのありしこと若者に説く古老のごとく
