
↑ちょっと、いや、かなり雑な刺し子風のこの古布
あるお店の壁にそっと静かにかけてあるのですが
わたしにとっては
この布の色も縫い目も懐かしい一枚。
実はこの古布
14年程前に98歳(97歳…?)で亡くなった
曾おばあちゃんが縫った「ぞうきん」です。
曾おばあちゃんは年をとってから全盲になったのですが
全盲になってからも、手で探っては草取りをし
定規をなぞっては字が曲がらないように手紙を書き
汚れも見えない目で廊下や階段を拭いて。
拭き掃除には、自分で縫ったこの雑巾を使っていました。
あらかじめ糸を通してもらった針を針山にたくさん刺して
ときには、自分で糸通しにチャレンジしてみたり
真っ直ぐ縫ったつもりでも、微妙に曲がったこの縫い目。
今まではとくに気にもとめずにいたけれど
このお店でこうやって飾ってあるのを見ると
曾おばあちゃんの思い出が鮮明に蘇ってきます。
このお店のオーナーが、うちの曾おばあちゃんに20年も前に
もらったものだそう。(もしかして強引に渡されたのかも!)
この曲がった縫い目が、おばあちゃんの人柄というか、生き方?を
かもし出している、とか語ってくれました。

こんな汚い古布を、20年も捨てずにいてくれて
しかも、こうしてお店に飾ってくれていて感激すると同時に
大事なことは自分では気がつかないんだなぁと
自分の「感じる力」の薄さを恥ずかしんだり。
小さい頃は、全盲で耳も遠くて大きな声で話す曾おばあちゃんの手をひいて
外を歩くことが恥ずかしかったりした時期もあったのですが
今となっては、そんな自分が恥ずかしい。
「このばかちんがぁ〜!!」と金八風に怒鳴りたいです、小学生の自分に。
自分が死んで何年もたってから
自分のぞうきんをお店に飾ってもらっているなんて。
今度のお墓参りで報告しなくては!!
あっ、お酒を飲んで煙草をくわえながら見てるかも、すでに。
(死ぬ直前までお酒と煙草を楽しんでいた、明治の女)
明治の女フォーエヴァー!!
倉庫にて番外編 …ちょっと長くなりました♪
AO TAKE
JR京都駅からJR奈良線・快速で30分
「玉水」駅下車、
蟹満寺付近
すてられていくもの いかされていくもの
その時々に出会った古いもの
お茶(紅茶・中国茶)と季節の食材を使ったお昼ごはん
小さな川が流れる竹林の中で静かな時を (HPより)

0