安倍政権は、一見原発再稼働に極めて積極的に見えるが、実はどこまで本気なのかは分からないような気がする。
一見積極的に見えるのは、小泉氏が言うところの今すぐの脱原発の実現、などということを首相が口走ったとたんに、原発建設のために金融機関から借り入れた債務が、不良債権に転じるという不安を抱えているからだ。
建設から日が浅く、まだモトのとれていない原発もあるし、原発の敷地内にある放射性廃棄物も、核燃料サイクルの技術が確立すれば資産に生まれ変わるはずだという前提で、電力会社の帳簿には資産として計上されている。
ところが、首相が脱原発などと口にしたとたん、この資産が負債に変わる。
もちろん、今ある原発をなんとか稼働させて、電気料金から利益を得なければという思いは首相にも強いのかもしれないが、実のところ、それはかなり虚ろなお話にすぎない。
首相はそれでも再稼働に前向きだという言動をし続けないといけないのである。

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