最近の若者は内向き志向で海外に出なくなった、1997年に4万6000人余りいた留学生が、現在では2万8000人になっている。そういう話が一時期話題になりました。
ワタクシは、自分の見聞から、留学と言っても役所や会社が丸抱えで資金を出して留学させることが少なくなったからではないかと推測しました。またある人は、最近の大学生の就活時期が早まっているようなことから、留学なんて考える余裕がなくなったからではないかという人もいました。
ところが、話はもっと簡単だったようです。
実は留学生の数は文科省のデータによれば、1997年当時は6万人いたのが、現在では7万6000人に増えているということです。
実は留学生が減ったという話は、「アメリカへの留学生」が減ったということなんだそうです。
日本人の留学先は、アジア諸国に2万2000人、欧州に1万2000人ということで、アメリカ一極集中から分散化したというのが真実だということです。(「2社で迷ったらぜひ、5社落ちたら絶対読むべき就活本」海老原嗣生著・プレジデント社 P127 さらには次を参照
http://www.nitchmo.biz/hrmics_8/_SWF_Window.html)
そういえば、あのニュースの出所は、確かハーバード大学に入学した日本人留学生が激減したのに対し、中国人や韓国人が増えているという話だったように記憶する。
それもどうも、ハーバード大学の特殊事情があるようで、エール大学への日本人留学生は増えていたりするらしい。
つまるところ、マスコミ人の頭の中に、最近の日本は中国に抜かれてダメだ、韓国企業に抜かれた電器産業、若者の草食化、等々の「日本はダメだ」的自虐意識に訴える記事を書こうとする志向が働いているのかもしれない。それがハーバード大学の広報から出された話題に飛びついて、その「若者内向き志向」的記事になってしまうということか。
まあ新聞やテレビのニュース原稿を書く人たちも、大阪地検顔負けというか、「初めにストーリーありき」で記事を書き飛ばしている人が多いっていうことなんでしょうねえ。

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