連鎖反応というか、玉突き衝突というか分からないが、東京電力という「超安定銘柄」が一気に「不安定銘柄」に変わった影響はいろいろなところに現れる。
東京都は大量の東京電力株を保有していることは知っていた。それは、発行済み株式の3.15%、4267万株になる。(10年12月四半期報告書)
5月25日の朝日の記事によれば、福島原子力発電所の事故による影響で、東京都交通局のバス事業は今年度、赤字に転落する可能性が出ている。なぜなら、都が株主として毎年受けていた26億円近い配当がゼロになり、今後も当分は無配が続くことになりそうだからだという。
この結果、当然バス運賃の値上げが起きるかもしれない。
なぜ東京都が東電の株を持っているのか。 「都交通局のルーツは、戦前に東京市電(後の都電)を手がけていた東京市電気局。電気供給も事業の柱だったが、戦時中の国家総動員法に基づく配電統制令で手放した。」
戦時会社の日本発送電を経て、戦後の1951年に東京電力が発足する。 都は、電気供給事業を手放す代わりに、大量の株を取得した。
「ここ10年ほどの東電株による配当利益は交通事業会計に入り、年に約25億6千万円。都電の廃止路線を引き継いだ都営バス部門の収入になっている。都営バスはこの10年、ほぼ黒字。09年度決算の黒字額は7億7300万円だが、東電の配当がなければ20億円近い赤字だった計算だ。」
と思ったら、今度は群馬県が東京電力が保有する尾瀬国立公園の土地を売却しないようにと文書で要望したという記事が26日の日経に小さく出ていた。
東電は、尾瀬の土地を保有しているだけでなく、環境保護にかかる年間2億円の経費も負担していたので、それも削減しないように群馬県は求めているというが・・・。

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