東京都・写真美術館で「わすれない ふくしま」という映画を見ました。
「わすれない ふくしま」は、『忘れられた子供たち スカベンジャー』『神の子たち』『BASURA バスーラ』などの作品で知られる四ノ宮浩・監督が福島県飯館村の村民たちに密着したドキュメンタリー。
http://wasurenai-fukushima.com/
作品のHPにはこういう文章が出ていました。
「2011年3月11日東日本大地震、そして太平洋沿岸部500キロに渡る大津波により多くの人々が犠牲になった。また、その翌日の3月12日からの福島第一原発の爆発により大量の放射能が放出された。この映画は2011年5月福島第一原発北西に40キロの福島県飯舘村から始まり、そこから避難したある家族と、いまだ警戒区域で300頭の牛を飼い続けている畜産家の日常を追った記録です。その背景には、原発事故後、牛を殺処分させられた酪農家が自殺した事件、フィリピン人妻を持つ家庭の現実など様々な問題が存在した。」
監督ノートにはこう書かれています。
「この映画「わすれない ふくしま」は福島県飯舘村の避難民であるひと家族とその知人で自殺した酪農家といまだに警戒区域で300頭の牛を飼い続けている酪農家の日常を追った記録です。2011年3月11日の東日本大震災と原発事故は戦後最大の出来事と言っても過言ではありません。だからこそ、これからの日本人の生き方を考える意味でも、この映画が映画を観た方々の何かのきっかけになれればいいと思って創りました。」
原発事故のため妻がフィリピンに一時避難した酪農家が「原発さえなければ」と壁に書いて自殺した事件はよく知られていますが、そのほかにもフィリピン人女性と結婚されている方が多くいることがわかります。
反原発デモでもよく知られている吉沢正己さんは浪江町の酪農家ですが、彼は原発から14キロ地点に300頭の乳牛を飼っています。彼もこの映画に中に登場します。
「日本人の仕事や大切な故郷を根こそぎ奪い、家族のきずなを断ち切り、善良なるひとびとを病気や死に追いやるものなどはぜったいにこの日本にはいらないのです!
だから日本政府は早く代替エネルギーを開発し、商品化してほしい。」
しかし、子供とともに残されたフィリピン人の妻はこれからどうするんでしょうか。見終わって、なんだか大きな問題を前に投げ出されたような気持です。でもそれが現実?

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