ケニアの首都ナイロビでのテロ事件に関する情報整理……
ケニアの首都ナイロビで21日、隣国ソマリアを拠点とするイスラム組織アッシャバーブにつながるとされる武装グループが大型の商業施設を襲撃して人質を取って立てこもっていた事件が起きた。
ケニア政府は人質の救出と武装グループの掃討を進め、24日、建物の制圧を完了したと発表した。
事件は、武装グループが事前に施設内の店舗を借りて武器や弾薬を運び込んでいた可能性がある。
今回の事件では、これまでに外国人を含む民間人と治安部隊の隊員合わせて67人の死亡が確認されている。建物が崩れた部分の下などに今も遺体が残されているとみられている。
アッシャバーブは24日に出した声明の中で「暗黒の日々が続く」として今後もテロ攻撃を繰り返すと警告しており、ケニア政府は新たなテロへの警戒を強めている。
アッシャバーブは25日までに、ソマリア南部に約2年前に進攻したケニア軍が撤退しなければ、テロを継続すると警告した。
現場は、家族連れや買い物客でにぎわうナイロビの高級ショッピングモール。外国人も多く訪れる場所であり、フランス人2人、カナダ人2人の死亡が確認されている。外国人の被害については,複数の米国人が負傷と確認されているがその他は不明。.
ショッピングモールが位置するウェストランドは、インド系ケニア人が多く住む地域。被害者にもインド系住民が多く含まれているようである。
このウェストゲート・ショッピングモールは、6年前に建設された高級商業施設で、施設オーナーはイスラエル人らしい。
イスラム主義運動によるものとみられるテロは、ケニアでも、その他のアフリカ諸国でも、これまで何回も起こってきた。
だが、ケニアの場合、こうしたテロ事件が政治問題化することなく、治安問題として扱われてきた。
ケニアは独立以来、アフリカの中では安定した国とされていた。2007/8年には大統領選挙をめぐって深刻な内戦が起こったけれども、紛争に宗教的な要素は無関係だった。
アルシャバーブなどによるテロは、ケニアの国論を宗教上の理由で対立させることには、成功してこなかった。だが、ソマリ系ケニア人の排斥という民族問題として立ち上がりつつあった。
「これまで我々は事あるごとにソマリアからケニア軍を撤退させなければ深刻な結果がもたらされることになると警告してきたが、ケニア政府は聞く耳を持たなかった。ソマリアでムスリムが受けた苦痛に比べれば今回の事件は些細なものでしかない。」という内容のツイートをアルシャバブは、流している。

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