アタシは平和研究なんてやってないけど、平和研究者の立場から言えば、沖縄の基地をなくすことも、日米安保条約をなくすことも同時に大切だということになる。
しかしながら、本土の人間の多く(過半数以上?)は安保条約も憲法9条も維持しつつ、今の平和を守りたいという。
沖縄の、自民党県連を含む多数派は、基地を県外移設してほしいと言っている。そんなに安保条約の「恩恵」の継続を望むのであれば、本土に基地を移設すれば良いではないか。それなのに、安保条約の「恩恵」だけは享受しつつ、負担は沖縄に押し付けているのは欺瞞ではないか。
かくして、平和研究者は沖縄で話をすると、「安保条約はいつなくせるんですか。それまで沖縄の基地はこのままなんですか?」と詰問される。
ところで、かつては東京の中にもたくさんの米軍施設があったし、例えば立川市の昭和記念公園は米軍基地だったわけだが、日米安保ハンタイが盛んに叫ばれた1950年代後半から60年代前半に、多くが返還された。そして、沖縄の基地に集約されていった。当時、沖縄は米軍の調節統治下にあったから、基地反対運動は厳しい制限の下にあった。
橋下大阪市長は、府知事時代に大阪に海兵隊基地を引き受けてもいいといってみたりしたが、まああれは、米軍が最終的に受けないと見越しての発言だったと思う。実際に本土のどこかに移転したら、それこそ反対運動から、反米運動に事態は発展するようなことがおこるかもしれない。
そんなことが起こっては困る、と切実に思っているのはたぶん政府自民党であり、外務・防衛省なんだろう。
実際、今は米政府が大規模な予算削減を行っており、世界から米軍は撤退しつつある。そんな中、「行かないで」とか「私を捨てていかないで」と言ってすがりついているのは誰か?

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