佐藤優・鎌倉孝夫『はじめてのマルクス』(金曜日)は子弟対談ということである。佐藤優さんは高校時代に鎌倉教授の学習会に参加した経験があった。社青同のメンバーにもなっていたということは、『私のマルクス』(文春文庫)にも書かれていた。佐藤さんが社民党の議員の主催した講演会で話をしていたのはどうしてなのかと不思議に思っていたら、なーんだ社会主義協会つながりかと納得してしまった。
もっとも、アタシの高校、大学時代は、社会党のなかの社会主義協会は厄介者扱いだった記憶がある。でもアタシは社会党とはなんの関係もなかったから、もっぱら新聞の政治記事の中での話である。
ただ、この本を読んでいると、佐藤さんも鎌倉教授も、当時の社会主義協会の指導者である向坂逸郎さんには批判的であることが分かる。
鎌倉教授は金日成のチェチェ思想に近い人だということでこれまで敬遠してきたが、佐藤さんの神学を通してみてみれば、まあ思想的に検討してみる価値はあるのかとも思った。まあ、あくまで理論上の話で、北朝鮮の現状とは切り離して、の話なんだろうか。
とりあえず、宇野弘蔵の「経済原論」と岡崎次郎訳「資本論」は読んでみるべきなのかなあと思わせる本。

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