死刑制度が残っている国は、イスラム教の影響が強い国を除けば、日本、アメリカ、中国ぐらいなものであろう。
そのアメリカも、州によっては死刑を行わないところがある。
韓国は、形式的は死刑廃止を宣言はしていない。ただ、10年以上死刑は行われていない。聞くところでは、死刑判決を出すためには相当高いハードルがあって、その難しい条件をクリアしなければならない。
どうも、元死刑囚でもあった金大中さんが大統領になったことが大きいらしい。
日本でも、実は永山則夫さんの裁判のとき、高等裁判所が死刑を取り消して無期懲役を出したが、その判決で示された死刑判決の基準をもし最高裁が支持していたら、日本も韓国と同様に死刑制度が事実上廃止された国になっていたのだという。
つまりどの裁判所も、どの裁判官も死刑判決を出すことがためらわれないものでなければ、死刑判断は示すべきではないというものである。
だが、最高裁はその高裁判決を差し戻した。そこが日本を死刑廃止の世界の波に乗り遅れた「先進国」にした原因になった。
1970年代後半から80年代の、経済的にはジャパンアズNO1の時代は、世界の中で日本経済の例外的なユニークさが強調された時期である。
逆に言えば、この時期に日本は90年代以降の停滞と国際的潮流への逆流の起源があるのかもしれない。

0