かつて、ロボットが人間の単純労働を代行すれば、人間はより短い労働時間に従事すればあとは余暇の時間を楽しめるようになるだろうと言う、バラ色の未来論が語られたことがあった。
現実は全く違った。ロボットが人間の労働をある部分はたしかに代行するようになったが、その結果、人間はますます仕事が忙しくなったのである。単純労働に従事していた人々は職を追われ、管理的な労働をする人々は、ロボットによる過剰生産になった製品の市場開拓の仕事でますます眠れなくなった。
原子力の平和利用によって未来は明るくなるという考えも裏切られた。
原子力の平和利用がもたらしたものは、放射性廃棄物であり、避けられない被爆労働を背負わされる人々が出るという現実であり、最終的に予測不可能な巨大事故のリスクである。
そしてまあ事故は回避されたとしても、それによって生産された製品の市場が飽和状態になって、供給過剰に陥るという現実である。

0