政府や総理大臣は「世界で一番厳しい基準」に基づいて審査された原発から再稼働させるという。
今、日本で基本的に動いている沸騰水型原子力発電所、加圧水型原子力発電所というのは、米国のエネルギー省の分類に従えば、第2世代と呼ばれている機体に属している。そのタイプの原子力発電所における事故の経験とか、様々なトラブルの経験を経て、今は第3世代の原子力発電所を造るという時代に入っている。
ヨーロッパでは、欧州加圧水型原子炉というものを造ろうとして、「EPR」と呼ばれているフィルターベントはもちろん、溶けてしまった炉心を受けとめるだけのコアキャッチャーというような構造物を付けるということも義務付けられている。
格納容器も頑丈なもので二重構造にするというような基準にもなっている。
そんなものから比べれば、日本で今動いている原子力発電所など全くもう古めかしいものでしかない。
ところがそのEPR型の原子炉いうのは、今フィンランドのオルキルオトという所に造ろうとしているが、安全性を高めようとすれば、高めようとするほどお金もかかってしまうし、建設も大変だということで、それでもヨーロッパではなんとかこれからやろうとはしているけれども、本当に、これが実用化できるかどうかわからないのである。
つまり商業ベースで考えると、それが採算に合うかどうか、なかなかわからない。
安全性を求めれば求めるほど、今度は経済性が成り立たなくなっている。そうするとやはり、20世紀後半に始まった原子力という技術は未完の技術だったと思った方がいいと思われる。
日本の古めかしい原子力発電所は、1970年頃から、敦賀美浜などが動いている。その他のほとんどの日本の原子力発電所は、90年頃までにできている。そもそもそんな古いタイプの原子力発電所が「世界一の基準」に合うはずがない。

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