「ただ、中国人学生は政治学や国際関係論などの授業を避ける傾向にある。人権や法治などについて討論し、論文を書かなければならないからだ。女子留学生は『敏感な問題に触れる授業をとった経歴が残ると、政府や国有企業に就職しづらくなる』と語った。
「米国が絶対的な超大国でなくなりつつあることも、影響しているようだ。中国内陸部出身の男子大学院生は『政治の混乱や貧富の格差。米国の民主主義がすばらしいとは思えない。」
(朝日新聞27日朝刊 世界新秩序 米中を追う)
ハーバード大学に留学している中国人留学生たちを取材したなかで出てきた指摘、なかなか興味深い。
しかし、国家のエリートがその種の政治的な知性を磨かないで将来とも国家がうまく運営できるのかどうか。
なんだか日本の陸海軍のエリート教育の欠陥を思い起こさせる。特に日本の陸軍大学の、戦史、戦術、技術偏重で政治学、法学的思考を欠いた高等教育のなかの精鋭が、東条英機氏のような人間であった事実は重いように思える。
ビジネススクールでMBAを取る中国人留学生は多いようだが、ビジネススクールのケースメソッド方式って、陸軍大学風にいえば戦史・戦術だものね。

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