消費税をなぜ上げるかと言えば、建前的には社会保障費の増額をまかなうためだという。
しかしながら、社会保障の改革はどうなっているのか。
日本の社会保障は年金など老後、つまり社会生活から引退した後の保障に偏重している。
高度経済成長時代のような、ひとつの会社による雇用が継続すればどうかなるという時代ではなく、転職や不意の失業などのアクシデントにも見舞われやすくなっている。
離婚した母子家庭の貧困率の増加も問題になっている。
要するに、会社による長期雇用と、専業主婦と勤め人と子どもからなる典型的家族を前提にした社会保障制度によってはすくい取れない貧困が顕在化している。
ところが政権は、企業を支えさえすれば、社会保障は安定化するという高度経済成長期の発想を抜け出せない。社会保障の受益は家族でなく、個人単位でなければならないと言うことを認めたがらない傾向がある。

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