伊藤隆「歴史と私」(中公新書)によると、伊藤氏が東大を定年になり衛藤瀋吉氏の誘いで亜細亜大学に93年に移ったが、「亜細亜大学で二年ほど経つうちに、なんと学長の衛藤さんが追い出されてしまいました。追い出したのは瀬島龍三氏だという噂で、大学の中に怪文書が流れたりもして、かなり騒然とした雰囲気になります」とある。(P215)
へえ、こんな話、初めて聞いた。まあ、一方の話だけ聞いて瀬島氏がほんとに衛藤学長追い落としをしたのかのようにいうのも、ちょっと歴史家らしくないような気もするけどね。
その後、伊藤氏は政策研究大学院大学に移って、政治家や元官僚の大物のオーラルヒストリーの仕事を御厨貴氏なんかと進めるのだが、後にこのプロジェクトの最終報告をする段階で、御厨氏と伊藤氏は仲違いして絶縁状態になったのだという。これもはじめて知った。
ただ、ふたりがホントにどんな理由で絶縁状態になったのかは、伊藤氏の書いていることだけでは今ひとつよく分らない。
オーラルヒストリー・プロジェクトの結末の真相は、歴史の闇に埋もれるということか?

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