そういえば、アタクシが吉永小百合さんを知ったのは子どもの頃、歌手としてだった。俳優としてではない。いまだに、彼女の映画をあまり見ていない。
小学生のころ、この人は早稲田大学を今度卒業するんだ、という話をテレビ番組で知った。歌手の仕事をしながら早稲田大学にかよって勉強しているエライ人だという印象が先にたつ。しかも検定試験で高卒の資格を得たときたら、ますますこれはすごいと思ったのだ。
後年、ご結婚されても仕事も家庭もこなす人という印象で、やはりできるひとだなあという印象だった。
さらにいえば、「キューポラのある町」を彷彿とさせる話だが、芸能界入りしたのは家が貧しかったからだとかいう話を聞くと、それにしてはまったくすれたところがない印象なのは、これまたどうしたことかと思ったものだ。
野坂昭如氏が新潟三区から立候補したとき、彼女が応援に入ったと聞いて、あれれ、芸能人なのに大丈夫なのかなと思ったが、考えてみればあのころはまだ芸能人が政治について話すことに、今ほどは拘束はなかったのではないか。(もちろんあることはあったのだろうが)
芸能人は反原発なんていうと仕事を干されるらしいね、とある人に言うと、「そうですね。まあ吉永小百合さんくらいの大物になると話はべつでしょうが」と答えた。
やはり彼女はエライ人なのだ。

0