今日も元気にごはんだけ食べて帰ろうとするくーちゃん
写真を撮ろうとするとちゃんとポージング?してくれる。
今日こそは触ろう!と、近寄ってもらうべく、
ごはんを置いてしばらく側から離れずにいるも、
頑なな

くーは彼の決めた間合いから一歩も動かない。
根負けしてドアを閉めようとすると食べだした。
相変わらずクールな男だ。
「俺に触れるなよ?大怪我するぜ!」
はいはい、ワタシは賄いさんだもんね。
ところでうちにはこのような野良くーがいる。
(まあ、うちのじゃないが)
…夕方4時頃に同級生から電話が来た。
「おい、スカブー、今、犬の散歩してたらさ、黒猫の子猫を見つけたんだ!」
「お前んちの裏手の堤防のところでさ、じーっと佇んでいるんだ。」
「大きさ?うーん、手のひらサイズってわけじゃない、まあまあ大きいかな?」
「でも、まだ大人の猫、ってカンジじゃないんだな〜」
で、何故にそれをワタシに?
どーしろと言うのだ!?
見つけるたびに電話され、その度に保護出来るわけないじゃん!
この町にどんだけ野良猫がいると思ってんだ?
コイツは以前にも近所の空き地に猫がいるとわざわざ電話して来たのだ。
「ふ〜ん、でもその辺なら外に出して飼っている家もあるし、
親猫が近くにいるのかもしれないし。」
「そうか?…、そうなのか。」
いや、本当のところはどーだか知らんよ!
町中の野良猫の区別がつくやつなんかいないだろうが

ともかく冷静に返事だけして電話を切った。
まったく、気になるなら自分で飼えばいいじゃないか。
ワタシに言えばどうにかなると思うのか?
こっちにだって色々と事情があるし、
大体、野良猫保護にもそれぞれに限度がある、キリがないものなのだ。
飼うなら責任持って大切にしなければならない。
家の大きさとか、経済的許容範囲とか、色々あるのだ。
特にうちには今、病気の猫が二匹、怪我してる猫が一匹、
病院代、餌代で毎月5万以上かかっている。
ワタシのパート代はみ〜んなそれで消えているのだ。
家だって狭い。
それにうちの野良くーが万が一懐いたらうちの子になるのだ。
何せ、準レギュラーなんだから。
どうしても増やすなら、野良くーだ。
だってもう一年以上も毎日餌をやり、顔を見ているんだもん。
同じ黒猫とは言え、割り込みはズルイじゃないか?
などど、こんな電話をして来た男を恨みながら、
「いや、絶対に無理。無理はいけない。」
と、自分に言い聞かせた。
大体、うちの子たちはみんな年寄りで、
今、若いのにかき回されるのは可哀想なのだ。
だから、もし、の例外はくーちゃんだけだ。
それにワタシ、今、半身浴中なのよね。
夕方の堤防なんて寒いじゃん?出て行ったら風邪ひくじゃないの〜
無理無理、冗談じゃないわよぅ〜
して、5分後、
ワタシは彼の言う堤防を歩いていた。
うむ、その黒猫を探すためだ。
勝ち負けでいうと負け。
ワタシはすぐに負ける…何と気持ちの弱い女だろう。
小さくはないけれど、そこそこ育ったくらいの黒猫、
を、探しながら堤防を歩いた。
しかし、まったく見当たらなかった。
黒猫どころか、いつも見かける猫さえ居なかった。
外はもう寒いし猫がいつまでもこんなところにじっとしているわけない。
残念ながら(残念なのか?)猫は見つからなかった。
いや、見つかったらどうしてただろう?
歩きながらワタシは着ていた冬仕様のボアコートにくるんで持ち帰ろうと考えていた。
帰り道を歩きながら、
黒猫ちゃんは、きっと飼い猫でおうちに帰ったのだと思った。
そうであって欲しかった。
家に着くと、野良くーが来ていた。
朝にごはんを食べたら大抵はもう来ないが、
こうして夕方にも姿を見せていた。
ワタシを待っていたように玄関の横で座っていた。
ドアを開け、「くーちゃん、おいで。」と言うと玄関に入った。
もちろん、間合いは変わらない。
ご飯をあげて、食べ終わる頃に↑の写真を撮った。
写真はOK?でもお触りはダメなのねん。
お前は秋葉のアイドルかよ!?
と、突っ込むも空しくとっとと立ち去られる。
ああ、むくわれない…。

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