今日は父の手術の日でした。
仕事を九時で早引けし、実家へ行き父を連れて病院へ。
父の右半身麻痺はひどくなっていた。
杖をつかねば歩けない。
家から病院までは歩いて一分半だが、
タクシーを呼んでもいいが、父は断固歩くと言う。
だよね、転がっても行ける距離だもん。
ワタシはヴァージンロードを歩くように腕を組んで父と歩いた。
それにしても今日は暑かった!
朝の六時から暑いなんて記憶にないよ〜

外があまりに暑いので院内はひやりと感じるくらい。
でもクーラーなどないのでしばらくするとやはり暑くてたまらない。
10時入院、13時手術開始のはずだった。
しかし、遅れること三時間!?
脳外科病棟のある五階の食堂で待つように言われた。
始めは父も車椅子に乗って一緒にいたが、
「あ〜、もう我慢できない!」
って、父は空調の効いた涼しい病室に篭ったきり出てこない。
なんずるいヤツ…

でもしょうがない、これから頭に穴が開くのだ、良い環境のまま挑んで欲しい。
しかしてワタシと母はうだるような暑い食堂でずーっと待った。
その母も13時半には挫折。
ちょっと家に帰って洗濯物を取り込んでくるわ〜って居なくなる。
家族は誰かが一人、必ず食堂で待っていなければならないのだ。
その食堂には家族待機室というものがあって、三畳間くらいの小部屋がある。
母がばっくれ、ワタシはそこの畳の部屋で寝る事にした。
病院は敷地内禁煙!
一歩、外へ出たからと言って吸えないのだ。
ああ、こんな時こそ電子煙草の出番だった!
明日は忘れずに持ってこよう。
待機室の窓からようやく風が入ってきて、
ワタシはウトウト寝ていた。
そこへ名前を呼ばれ、起き上がると看護婦さんと車椅子の父がいた。
父は頭をビニールキャップで覆い、術着に着替えていた。
とうとう、手術室へ行くのだ。
はぁ、ようやく〜♪
手術室は三階なので着いて行った。
エレベーターの中には鏡があり、父はそこに映る自分の姿を見て言った。
「こうして見ると、俺ってまだまだ、すてたもんじゃないでしょ?」
って、嬉しそうに言って看護婦さんを困らせていた
20代の看護婦さんに70過ぎのジジイが何言ってんだか…
恥ずかしいヤツめ

でも、確かに異様に青いビニールキャップが似合ってたわ(笑)
さて、父は慢性硬膜下血腫であるので、
穿孔洗浄術+ドレナージ留置、という手術が行われる。
父は脳の左側に血が溜まっているので右半身に麻痺が出た。
で、左側の額に一円玉くらいの穴を開け、
そこから血を抜きながら同時に抗生物質入りの水を流し込むのだ。
つまり、血を洗い流し、そして抜いた血の代わりに水を入れておく。
水はいづれ体内に吸収されてなくなる。
何故、そんな事をするかと言うと、
脳内の環境を急激に変化させないためだそうだ。
一時間で手術は終わった。
終わる直前に母が戻ってきやがった。
こっちは汗だくなのに、すっきり涼しい顔しておしゃれして
術後、執刀医から話があった。
前にも言われていたが、再発率が五人に一人という確立の高さだ。
「その四人の中に入れればいいんですが…、」
そう、後は祈るだけと言う事だ。
しかし、予防出来ることもある。
絶対に酒を飲まない事!
先生の話が終わり、待機室へ戻ると母と笑いながら言った。
無理だよね〜
術後の父はICU室に置かれた。
空調の効いた涼しいお部屋〜う、羨ましい!
ワタシと母は消毒してスリッパを履き買え、マスクをして入った。
「ほとんど見えなかった右目が見えるようになった!」
と、父は大喜びしていた。
術後は手足の麻痺が取れるとは聞いていたが、嬉しい誤算である♪
右目が不自由でずーっと眼科にかかっていたのだ。
なので「眼科はヤブだったんだ!」と言い張る父。
そうじゃない、CT撮ってなんとも無かった時だって見えなかったのだ。
手足の麻痺はまだあり、これからすぐに取れるだろうとの事。
ともかく目の不自由さから解放されて嬉しいのか、
本が読みたいから本を持って来いと言う。
ICUで本なんか読めるか!
ってゆーか、今夜ひと晩くらい大人しく寝てろ!と言うと、
もう、今日はずーっと寝てたから眠くないと言う。
それでも寝ろ、寝るんだ!と小声でどやした。
すると、
「あんまり退屈だと脱走するかもよ?暴れるかもよ?」
こっちは心配して言ってるのに、平気でこんな事を言うのだ。
ワタシが保証人なんだから、絶対にそんな事はさせない!
もしも何か問題起こしたら、すぐにベッドに縛り付けるからね

メッ!!! をして、ICU室を出た。
初日からこれだ、それも術後すぐに。
本当にとんでもない父だ

ワタシと父のやり取りに看護婦さんたちは失笑を禁じえない。
本当に、すいません、どうかよろしくお願いします。
何度も頭を下げて帰った。
都合、七時間もの缶詰状態だった。
母はお姉ちゃんが気の毒だったから、外食しようと言ったが、
もうそんな気力もない。
それにとっとと帰って猫の世話をしなくちゃなのだ!
間の悪いことにクーラーが壊れて家はかなり暑かったはずだ。
窓を開けて陽が入らないようにカーテンを閉めたので、
出来るだけの涼しさ対策はしてきたが、
長毛のオグリには辛い暑さだったろう。
なのでコンビニ弁当を買い、急いで帰った。
帰ると、猫たちはすこぶる元気だった。
ちょっと気が抜けたが、良かった、涼しさ対策が効いていたのだ♪
だれもへばってなどいなかった。
閉めていたベランダ側の窓も開け、扇風機を掛け、
お腹いっぱいになった猫たちは夜風に涼んで寝ています〜(^−^)
明日の天気予報は雨だが、気温は25度くらいあるという。
でも25度なんてずっとマシだ。
明日は午後一時からの面会です。
これが一週間続くかと思うと気が重いわ〜(−−;)
ご心配下さったみなさん、ありがとうございます♪
父の手術は無事にすみ、どうやら元気です(^^;)

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