深刻な社会問題となっている、いわゆる「派遣切り」問題。
この問題が大きくなればなるほど、この問題に積極的に取り組んでいるサヨクが勢いを得ることになるので、産経新聞系の保守派やネット右翼にとっては美味しくない。
そこで保守派は、最近低迷している保守派勢力を再び盛り上げるために、派遣切り問題を圧殺しようと目論んでいる。
そのために保守派が編み出した論理が、いわゆる「自己責任論」である。
保守派は「好きで派遣をやってたんだから、解雇されても自業自得」とか「解雇されたのを企業や政府のせいにするのは甘えであるだのと「正論」「諸君!」「Will」などで一代キャンペーンを実施中。
一見もっともらしく聞こえるが、これは派遣という雇用システムが抱える問題を、派遣社員個人の資質の問題に転嫁するための詭弁に過ぎない。
そもそも当の保守派達が自己責任論を信じていない。
去年、前の空自幕僚長だった田母神俊雄が、「正論」の読者投稿文レベルの駄文を応募して更迭された問題が起こったとき、保守派の連中は普段唱えていた自己責任論は何処屁やら、「麻生首相が悪い!」「浜田靖一防衛相が悪い!」「サヨクマスコミが悪い!」の大合唱。
田母神こそ、自分の好きで論文を応募して更迭されたんだから「自己責任」だと思うんだけどね。
何で空自を混乱させた田母神俊雄は甘やかして、解雇された派遣社員達には「自己責任」だなどと厳しく突き放すのか理解に苦しむ。
派遣社員達に「自己責任」を突きつけるならば、参院選に敗れて倒閣を招いた安倍晋三元総理や田母神俊雄にも突きつけるべきだろう。

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