私は物心ついた時、すでに、人前で話すのは苦手でした。でもこの性格を母は、良しとはせず、認めてはくれませんでした。とにかく人前にたち、リーダーシップをとることを、常に求めてきました。私にとっては、酷な要求でした。母は、学級委員に立候補する事,生徒会の役員に立候補することを常に、求めました。「私は、こんな事するのは、恥かしいねん、やりたくないねん、出来ないねん」と、心で叫び、いつも泣きそうでした。でもしないと、ひどく体罰、暴言等が待っているので、やらざる得ませんでした。その上クラスメイトからは、「まったく人前で話せない性格のくせに立候補なんかして、何考えているのあの子」と陰口叩かれて、すごく辛かったのです。母は私の能力の限界を考えずに、常に成績、習い事等でトップである事を要求しましたが、それだけではなかったのです。性格に合わない事でも母が考える所のトップを(人の先頭に立つという)要求する人だったのです。ありのままの姿でいる事を母は、許してくれませんでした。その結果無理して無理して生きて、このままの自分は、駄目な人間なんだと自分を否定するようになっていました。でも最近思うのですが、「人前に立ちたくない、目立ちたくない、その上こういった行動は、苦手」と考える一方で、私は、「自分をもっとアピールしたい、先頭にたって行動したい、出来るものならそうしたいと」考える強い願望があるのです。子供の時には、母からみて引っ込み思案な子であったのかもしません。その時には母が望むように、人前に立つ事はできなかったのかもしれません。でもそんな私を駄目だと否定せず、無理強いせずに、自然な成長を待っていてくれたら、後に私は、母が望む姿になっていたのかもしれません。きっと今と全然違う自分が形成されていたと思うのです。

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