二学期に入り、一学期よりは、手洗いの量は格段に増えていました。
増えたと言っても、この頃の手洗いの量は、傍から見て、ごくわずかに、多い程度だったと思うので、それ程気にする必要はなかったと思います。
でも、私の中では、変だという意識が過剰になっており、トイレ等の後の手洗いを、なるべく人のいない所でするようになっていました。
普通の感覚が分からなくなってくる、瞬間だったようにも思います。
当時教室は3階にあったかと思うのですが、いつも1階の人気のない所へ行っていました。
でも、毎回ではないかと思えるくらい、手洗いに向う途中、現代国語担当の先生(自分の教えてもらっている先生ではありませんでした)に、よく出会ったのです。
ある日、その先生から、
「よく出会いますね」
と一言言われ、焦りと、手洗いに気づかれたのではないか、という思いで、サーーっと血の気がひくのを感じました。

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