ここまでブログを書いてきて父の話というのは、滅多に出ていないと思うのですが、父の思い出を考える時、
思い出す二つの事があります。
幼稚園行っているかいないかの頃、家族4人で公園の散策をしていた時の事です。
溝をまたげなかった私を、父がヒョイと持ち上げ渡らせてくれた事がありました。なんかその時、すごく父に優しいような頼もしいような安心感を感じ、すごく嬉しかった事を覚えています。
後に大きくなってからも、何故かこのシーンを何度も思い出すのです。
もう一つは、強迫性障害をやっとの思いで両親に打ち明け、病院へ通いだした頃に、
十分に手を洗わせてもらえず、なんとか少しでも洗いたい思いから、
(洗い物を手伝えば、その続きで水道を使っていても、気づかれずに(咎められずに)少しでも手を洗う事が出来るかも・・・そんな苦肉の策を必死で考え)
洗い物をしていた時のことです。
(洗いものなんて出来るような不潔恐怖の状態ではなかったのです。
こうするしか手を洗う方法がありませんでした。)
母が、洗い物を手伝っていた私に向かって、病気の事で 耳を覆いたくなるような事をいっぱい言ってきたのです。
必死で涙を堪えながら、
「お父さん早く帰ってきて・・・助けて、母の暴言から助けて・・・」
そんなギリギリの思いで、父の帰りを待ち続けていたのです。
父ならきっと、助けてくれると信じていたのです。
父が帰ってきた時、母の暴言を聞いたにも関わらず、父は母の味方をするような行動をとったのです。
「どれだけ苦しいか、どうして分かってくれないの・・・・」
父に向って涙声で言った時、
驚愕するような怒号が返ってきたのでした。
「わかるわけないやろ」
父はこの時泥酔していたのです。泥酔していてこんな発言になったんだと思うのですが、穏やかな父なら、きっとあんな酷い暴言を吐く母からなんとか守ってくれると信じていただけに、父なら、私の苦しさを少しでも受けとめてもらえると信じていただけに・・・動けなくなりました。
そんな事父がいうなんて信じられない思いだったのです。
たぶん、泥酔して 自分が言ったことも覚えていないと思うのですが・・・
それ以来父にも何も言う事が出来ない・・・そんな思いになりました。
洗い物を途中でやめた私はフラフラと自分の部屋に入り、
クマのぬいぐるみを抱き締め、横になり涙をこらえていました。
しばらくして私の部屋に入ってきた母は、その姿を見るなり、
「なんやそれ、ぬいぐるみなんて抱き締めて、じっとして頭おかしい奴かと思ったわ」
と言ったのでした。
父というものを考えたときこの二つのシーンをよく思い出すのです。

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