2014/3/19  1:26

桐生いじめ裁判判決日に合わせて、前橋地裁が出した館林市長の土地ころがし住民訴訟の門前払い判決  県内の税金無駄使い実態

■今月末までに解散が予定されている館林市土地開発公社ですが、公社の理事長を市長が兼務している点で、安中市の場合と同様です。館林市は、本来1億円もしなかった土地が競売にかけられた際に、その土地を購入せず、その後、短期間の転売を経た後、その土地を、館林市土地開発公社に、なんと約5億円という破格の値段で買わせたのでした。
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本事件の唯一の口頭弁論で即結審したのは、史上空前の大雪に見舞われた日でした。判決の日、その大雪のせいで、無残にも枝が折れてしまっていた前橋地裁の庭の樹木。3月18日撮影。以下同様。


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 そして、その差額4億円は、東京の建設会社のものになりましたが、そのカネの行方の背景には、驚くべき真相が隠されていました。そして、そのから6年後の今月末に、同公社が解散される予定となっています。その際、当該土地の購入で費消された約4億円の無駄なコストを含め、解散する公社の債務を、今度は館林市が第三セクター債で引き受け、市長兼公社理事長の立場を使い分けて、市長が自らの不適法な公金支出負担を市=市民に転嫁しようとしています。

■この犯罪的な事件の真相究明と責任の所在の明確化、そして再発防止の必要性を痛感した同市在住のオンブズマン会員の住民が、昨年12月3日に住民監査請求に踏み切りました。しかし、館林市監査委員は、同月16日付で公社は別法人だとして却下したため、住民が今年1月10日、前橋地裁に住民訴訟を提起していました。その判決が平成26年3月14日に前橋地裁で、ありました。以下は、その判決文です。

**********
平成26年3月14日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 原美恵
平成26年(行ウ)第1号 住民訴訟事件
口頭弁論終結日 平成26年2月14日
          判     決
  群馬県館林市○○町○番○○号
     原       告     ■  ■  ■  ■
  群馬県館林市城町1番1号
     被       告     館林市長 安樂岡一雄
     同訴訟代理人弁護士     丸  山  幸  男
          主     文
        1 本件訴えを却下する。
        2 訴訟費用は原告の負担とする。
          理    由
第1 請求
 1 被告は、安樂岡一雄に対し、4億1100万円及びこれに対する平成26年1月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。
 2 訴訟費用は被告の負担とする。
第2 事案の概要
 本件は、平成20年4月8日当時、群馬県館林市長であり館林市土地開発公社(以下「本件公社」という。)の理事長であった安樂岡一雄(以下「安樂岡」という。)が、同日、同公社名義で、株式会社五光建設(以下「五光建設」という。)から、館林市堀工町字寺前地内1173番を含む13筆の土地(以下、これらを総称して「本件土地」という。)を5億0445万円で購入した行為(以下「本件行為」という。)は、同土地の入札額を超える部分の額について違法な公金の支出に該当すると主張して、館林市の住民である原告が、地方自治法242条の2第1項第4号により、被告に対し、安樂岡に対して不法行為に基づく損害賠償請求として上記超過部分の4億1100万円とこれに対する訴状送達日の翌日である平成26年1月18日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払請求を求めた事案である。
第3 争点及び当事者の主張
(1)本案前の主張(争点1)
 (被告の主張)
   監査請求は、対象となる財務会計行為のあった日から1年を経過した時はこれをすることができないところ、本件行為からすでに1年以上が経過している。そして、本件行為については館林市議会の定例議会でも取りざたされており、原告に正当な理由は認められない。
   よって、原告は適法な住民監査請求を経ておらず、本件訴えは不適法却下されるべきである。
 (原告の主張)
   本件行為は、安樂岡市長の応接室において秘密裏に行われたものであり、埼玉の地元紙が本件を紙面に取り上げた程度であるから、相当の注意力を持って調査したとしても、客観的に見て、上記行為を知ることはできなかった。原告は、その後、全国紙に掲載された記事を読んで本件行為を知り、1年以内に住民監査請求をしている。
   よって、原告は、本件訴えの前提として、適法な住民監査請求を経ている。
(2)本案の主張(争点2)
 (原告の主張)
   本件土地の購入は本来8900万円で可能であったところ、本件公社が5億円で購入した差額の4億1100万円は安樂岡の違法な財務会計行為によるものであるから、被告は同人に対し、上記損害の賠償を請求すべきである。
 (被告の主張)
   主張は争う。
第4 当裁判所の判断
 1 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
(1)前提事実
  ア 原告は、群馬県館林市の住民である(甲1)
  イ 安樂岡は、平成20年4月8日から現在まで、館林市の市長である(甲6「境界確定書」、弁論の全趣旨)。
  ウ 安樂岡は、平成20年4月8日当時、本件公社の理事長の地位にあった(甲6「土地売買に関する契約書」)。
(2)本件土地の売買
   安樂岡は、本件公社を代表する理事長として、五光建設との間で、平成20年4月8日、本件土地を目的とする売買契約を締結し、同土地を5億0445万円で購入した(甲6「土地売買に関する契約書」)。
(3)本件土地購入に関する館林市議会での議論状況
  ア 館林市議会の平成20年9月における定例会一般質問では、当時の新聞に本件土地の競売情報が掲載されたこと、本件土地が1億円以下の価格で落札され、その後不動産業者が購入しさらに本件公社が5億円で購入したこと、5億円での購入が埼玉県内の地方新聞に掲載されたこと及び同価格で購入した理由等が報告、議論された。
  イ 前記市議会の平成22年6月における定例会一般質問では、上記ア記載の事項に加え、本件土地が無料の駐車場として利用され、有効活用されず問題となっていること等が報告、議論された。
  ウ 前記市議会の平成22年12月における定例会一般質問では、本件土地を含む茂林寺前駅中篇の土地の整備を行政として計画及び実行する予定か、予定であれば地域住民の意見をどう反映するか等が議論された(いずれも甲6「資―2」ないし「資―4」、弁論の全趣旨)。
(4)本件土地購入に関する報道
   本件土地が8900万円で落札された後本件公社によって5億円で購入されたことを報道する記事が、「市が時価を上回る五億円の高値で業者から購入で疑惑の噂しきり」、「やっぱり疑惑は事実か!?本紙取材で市職員が箝口令で隠すのはおかしい!!」という見出しとともに、竃k関東新聞社発行の新聞「財政界さいたま号外ニュース県内版」平成20年6月16日及び同年7月23日発行の紙面に掲載された(甲6「資―7」)。
(5)原告による住民監査請求
   原告は、平成25年12月3日付で住民監査請求を行った(以下「本件監査請求」という。)が、本件公社は館林市とは別個独立した法人格を有し地方自治法242条第1項の規定に該当しない法人であることを理由に、同月16日付で却下された(甲2、6)
 2 争点1について
(1)監査請求は、対象となる財務会計行為のあった日から1年を経過したときはこれをすることができないところ(地方自治法242条2項)、正当な理由があるときには、当該行為の終了から1年以上が経過した後であっても例外的に監査請求をなしうる(同項但書)。ここにいう「正当な理由」の有無は、特段の事情のない限り、普通地方公共団体の住民が相当の注意力を持って調査したときに客観的に見て当該行為を知ることが出来たかどうか、また、当該行為を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである。
(2)本件行為が行われた平成20年4月8日以降、同年6月に、埼玉県内の地方誌が本件行為を問題視する記事を掲載したのみならず、同年9月には、館林市議会の定例会において本件行為の問題性が議論されており、前記新聞記事や定例会の議事録によると、購読者の反響が大きかったことや、一般市民の間で騒がれているといった事情がうかがえる。そうすると、同年9月の時点で、原告をはじめ館林市の住民は相当な注意を持ってすれば本件行為を知ることができたと考えられる。そして、この時点から原告が本件監査請求をするまで、既に約5年6ヶ月が経過しており、相当な期間内の請求と認めることはできない。
   原告は、特段の事情があったことについて何ら主張立証しておらず、したがってこれを認定することはできない。
(3)以上から、原告による住民監査請求は、定期期間を経過した不適当なものであって、本件訴えも適法な住民監査請求を経ていないのであるから、却下されるべきである。
 2 以上のとおり、本件訴えは不適法なものであるから、その余について判断するまでもなく、これを却下することにして、主文のとおり判決する。 ←【当会注:「その余」としての争点2が全く触れられていません。まさに門前払いです。】
     前橋地方裁判所民事第2部
         裁判長裁判官    原     道  子
            裁判官    樋  口  隆  明
            裁判官    根  岸  聡  知

これは正本である。
 平成26年3月14日
  前橋地方裁判所民事第2部
    裁判長裁書記官 原   美 恵
**********

■判決後、市民オンブズマン群馬では記者クラブで会見をしようとしましたが、ちょうど、同じ日に前橋地裁で、やはり同じく、原道子裁判長による桐生いじめ自殺訴訟の判決が出されたため、記者クラブはもぬけの殻状態だったため、記者会見は断念せざるを得ませんでした。

 本事件の判決日は、原裁判長が一方的に決めた経緯があります。1月10日に提訴して、被告の館林市が答弁書だけ裁判所に送付しただけで、一度も法廷に出頭せず、第一回口頭弁論で即日結審し、提訴後2ヶ月と4日で判決に至った、超スピード裁判ぶりは、極めて異例といえるでしょう。だから、桐生いじめ事件の判決日にあわせた判決には非常に恣意的なものを感じさせられます。

 また、年度末のこの時期に、まとめて判決を出すことについては、新年度に裁判官らが異動することを前提とした恣意的な配慮も感じられます。

■犯罪を見逃すかのような、今回の裁判所の判断結果に接して、当会会員で館林市在住の住民は、力を落とすどころか、余計ファイトが沸いてきたとして、東京高裁への控訴を視野に入れて、充実した毎日を送っています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料
<裁判官検索>
平成14年7月1日以降の全国の裁判官の異動履歴を表示しています。
履歴欄に記載のない場合は異動がないことを示します。

原道子

 所属   前橋家庭裁判所・前橋地方裁判所部総括判事、前橋簡易裁判所判事
 異動履歴 H.25.3.31〜     前橋地・家裁部総括判事、前橋簡裁判事
      H.23.4.1〜H.25.3.30東京地・家裁立川支部判事、立川簡裁判事
      H.21.4.20〜H.23.3.31東京家・地裁立川支部判事、立川簡裁判事
      H.21.4.1〜H.21.4.19東京家・地裁八王子支部判事、八王子簡裁判事
      H.18.4.1〜H.21.3.31宇都宮地・家裁判事、宇都宮簡裁判事
      H.15.3.31〜H.18.3.31東京地裁判事
      H.12.4.1〜H.15.3.30検事
      H.12.3.25〜H.12.3.31東京地裁判事、東京簡裁判事
      H.8.4.1〜H.12.3.24名古屋地裁判事、名古屋簡裁判事
      H.7.4.12〜H.8.3.31千葉地・家裁判事、千葉簡裁判事
      H.5.4.1〜H.7.4.11千葉地・家裁判事補、千葉簡裁判事
      H.2.4.1〜H.5.3.31千葉地・家裁松戸支部判事補、松戸簡裁判事
      S.63.4,12〜H.2.3.31長野家・地裁判事補、長野簡裁判事
      S.62.4.1〜S.63.4.11長野家・地裁判事補
      S.60.4.12〜S.62.3.31浦和地裁判事補
       (第37期)
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