2014/12/27  23:25

大同有毒スラグ問題を斬る!…12月27日マスコミ報道記事から見えてくる注目点と関係者の傾向と対策  スラグ不法投棄問題


■2014年12月27日、新聞各社がスラグ問題を取り上げました。特に毎日新聞は全国版と地方版で大きく報道しました。


**********毎日新聞2014年12月27日東京朝刊
群馬・八ッ場ダム建設:2工事で六価クロム 国交省、有害スラグ撤去へ
 国土交通省は26日、有害物質を含む「鉄鋼スラグ」とみられる建設資材の使用が確認された八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の移転代替地など56工事のうち27工事で環境基準を超える有害物質が検出されたとする分析結果を公表した。このうちダム用道路の2工事では毒性の強い六価クロムが初めて検出された。また、有害物質が検出された代替地には既に2軒の住宅が建っており、国交省は住民の意向を踏まえスラグを撤去する方針を示した。
 国交省は、八ッ場ダム建設に伴う水没予定地から立ち退きを求められた住民の移転代替地の工事に有害スラグが無許可使用された疑いを毎日新聞が8月に報じたことを受け、9月に調査を開始。10月には代替地や同県内の国道など56工事でスラグとみられる資材の使用を確認したとする中間調査結果を公表し、今回はこの56工事について有害物質の含有量などの分析を行った。
 それによると、八ッ場ダム用道路の2工事で環境基準(1リットル当たり0・05ミリグラム)を超える最大同0・22ミリグラムの六価クロムの溶出を検出。これらを含め27工事でフッ素の含有量や溶出量が環境基準を超え、最大は約7倍の溶出量だった。27工事のうち、長野原町上湯原地区の代替地には既に2軒の民家が建ち、庭などでスラグが地表に露出して住民が触れる可能性もある。国交省は「家の下ではなく敷地内、庭の一部に使われている」と説明する一方、「できるだけ早く撤去したい。手に触れない措置も必要だと思う」との見解を示した。
 27工事のうち八ッ場ダム関連は8工事で、基本的にスラグを撤去する一方、国道関連の19工事についてはすぐに撤去せず県と対応を協議する。国道の大部分は既に開通済みのため、交通への影響に配慮したとみられる。
 スラグはいずれも大手鉄鋼メーカー・大同特殊鋼(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から排出され、渋川市の建設会社が販売または自社の工事に利用したとみられる。国交省によると、撤去費用は大同が負担するという。同社は「多大なご心配やご迷惑をおかけしていることをおわびする。今後も誠意を持って対応する」とのコメントを発表した。
 代替地への移転を予定する70代の男性は「撤去は当然。国は当初、代替地に使っていないと言っていた。他にも使われたところはないのか徹底的に調査すべきだ」と話した。【杉本修作、角田直哉】

**********毎日新聞2014年12月27日地方版
八ッ場ダム建設:代替地の有害スラグ撤去へ 安全確保やっと始動 国交省「関係機関と連携」 /群馬
 八ッ場ダム建設に伴い水没する地区から立ち退き、移転した住民が暮らし始めた代替地に、基準を超える有害物質が含まれていることが確認された。国土交通省関東地方整備局は26日公表した分析結果に基づき、有害物質を含む鉄鋼スラグを撤去する基本方針を示した。ようやく地元住民の安全確保に向けて動き出した形だが、国道17号上武道路などの工事箇所については、すぐに撤去しない意向を明らかにした。
 国交省は、1991年度以降に県内で施工した直轄の約3800工事のうち、スラグとみられる材料の混入が確認された工事や、大同特殊鋼にスラグの出荷記録が残る工事の計56件について、有害物質の溶出量と含有量を分析していた。
 JIS品質基準に基づく溶出量試験では、八ッ場ダム関連の19工事のうち8工事でフッ素が基準を上回り、最大約6・9倍を示した。うち2工事で最大4・4倍の六価クロムを検出。国道17号上武道路など高崎河川国道事務所の管轄では37工事のうち19工事で最大約4・6倍のフッ素を検出し、六価クロムはすべて基準内だった。八ッ場ダム、上武道路関連を合わせると計27工事で環境基準を超える有害物質が検出された。
 県庁で分析結果を発表した関東地方整備局の高橋克和・技術調整管理官は「我々が知らないところで、こういうことが起こっていた。住民の安全安心を確保するため、関係機関と連携を密にしたい」と話した。今後、一般市民の手に触れることがないように早急に対策をとるという。
 八ッ場ダム関連では基準超の有害物質が出た工事箇所のスラグを基本的には撤去する。上武道路関連については「一般の人が簡単には入れない」として現時点での対応は未定。今後、国と県、渋川市でつくる連絡会議を開き、該当箇所への立ち入り禁止措置などの対策を調整する方針という。
 県と市は大同からのスラグ出荷記録などを調べ、調査結果をまとめている。
 また、独立行政法人水資源機構「群馬用水管理所」は26日、大同製スラグが使われた群馬用水の側道など計16カ所でスラグの撤去が完了したと発表した。【角田直哉】
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■今回の報道記事に基づいて、このスラグ問題の注目点を見ていきましょう。

@有害スラグが無許可使用された疑いを毎日新聞が8月に報じたことを受け、9月に調査を開始

 今回の有害スラグ問題では、当初から毎日新聞が積極的に取材をして記事に掲載してきたことは明らかです。国土交通省は、同社の報道を受けて、重い腰をあげ、または嫌々ながら9月にやっと調査を開始した、というのが今回の発表に至った経緯だったということなのでしょうか?

 となると、優秀な国土交通省のお役人様は、マスコミがこの問題を記事にしなければ、いまだにシランプリを占めこんでいたことになります。お役人様には、国民の安心安全を最優先に考えていただかなければなりません。報道を受けなくとも、現場をチェックしてもらわねば、困ります。

 そういえば、市民オンブズマン群馬が、薗原ダムについてお役所に質問した際に、陰湿にお答えいただいた林様は「設置したテレビカメラで現場をチェックしている」とおっしゃっていました。

 やはり土木の技術者たるもの、現場最優先で物事を考えて戴かなければなりません。ゆめゆめ、“有害スラグ不法投棄業者と癒着していて承知の上見逃していた”、などということはあってはなりません。

A27工事でフッ素の含有量や溶出量が環境基準を超え、最大は約7倍の溶出量だった。


 当会が独自に調査をして、有害フッ素が検出されなかったことは一回もありません。もっと早く当会の指摘に耳を傾けるべきではなかったでしょうか?

B国交省は「家の下ではなく敷地内、庭の一部に使われている」と説明する一方、「できるだけ早く撤去したい。手に触れない措置も必要だと思う」との見解を示した。

 手に触れない処置は早くしていただかなければなりません。9月に調査を開始してから早4ヶ月が経過しています。この間、お役人様はいったい何をやっていたのでしょうか?

 当会の調査では、有害スラグによる汚染度について、わずか2週間程度で結果がでています。お役人様はなぜ、住んでいる住民目線で物事を考えられないのでしょうか?ゆめゆめ、“なんとか誤魔化したい一心でいろいろ検討したが、万策尽きた”、などということではないことを祈るばかりです。

C国道関連の19工事についてはすぐに撤去せず県と対応を協議する。

 当会のプロジェクトチーム「リットン調査団」のレポートによると、既に上武国道の破壊が始まっています。

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上部国道鳥取交差点。

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鳥取アスファルト隆起。

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鳥取歩道隆起。

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上細井のブロック亀裂。

 子ども達の通学路にもスラグの影響が表れています。せめて歩道だけでも早く対策できないものでしょうか?それとも、犠牲者がでないかぎり、お役人様は重い腰をあげないのでしょうか?現状を放置しておいて、瑕疵期間が過ぎて、原因者に負担を求められず、税金で尻拭いをすることのないように、迅速な対応を願いたいものです。

Dスラグはいずれも大手鉄鋼メーカー・大同特殊鋼(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から排出され、渋川市の建設会社が販売または自社の工事に利用したとみられる。

 渋川市のブラック建設会社・佐藤建設工業は砕石工場を所有しており、例えば、平成24年度上湯原地区代替地他整備工事を受注しています。渋川市には、同社以外にそのような建設会社はないそうです。毎日新聞の報道を見ても、有害スラグ不法投棄実行犯は、ブラック企業・佐藤建設工業であることがわかります。

E国交省によると、撤去費用は大同が負担するという。同社は「多大なご心配やご迷惑をおかけしていることをおわびする。今後も誠意を持って対応する」とのコメントを発表した。

 “誠意をもって対応する”というなら、外部から指摘されなくても、自分から積極的に、有害スラグ不法投棄場所を公開するなどして、誠心誠意取り組む姿勢を示さなければダメです。大同特殊鋼のこれまでの言動を見ると、常に有言不実行であり、何事も事後的な対処方針です。同社の本音は、別なところにある気がしてなりません。

 またこの報道によれば、費用負担について、何故だか、投棄実行犯である佐藤建設工業の名前がでてきません。国土交通省と佐藤建設工業との間には、特別なつながりでもあるのでしょうか?

F代替地への移転を予定する70代の男性は「撤去は当然。国は当初、代替地に使っていないと言っていた。他にも使われたところはないのか徹底的に調査すべきだ」と話した。

 関係住民の皆様におかれましては、本当にお気の毒様で、慰める言葉も思いつきません。国の方針を信じていただけに、裏切られたという思いとお怒りはごもっともです。なぜ国は当初、「(有害スラグは)代替地に使っていない」などと明言したのでしょうか?住民を欺きたかったからなのでしょうか?

G関東地方整備局の高橋克和・技術調整管理官は「我々が知らないところで、こういうことが起こっていた。」

 9月に調査を開始して、早くも年の瀬を迎えたこの時期です。せめて9月中なら「我々の知らないところ・・・」という釈明は通用するかもしれませんが、3か月も経過してい居る現在、このコメントを発するとは・・・。お役人様のジョーシキだとすると・・・なにか変ではないでしょうか?

■さて、当会の質問に対して、陰湿にネチネチと答えていただいた林様が管理しておられる薗原ダムですが、天然石であるべき上層路盤材に有害スラグが不法投棄され含まれています。

 今回の発表には薗原ダムの記載はありません。まだまだ隠れた有害スラグ不法投棄場所が沢山あるのです。

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薗原ダムの有害スラグ投棄現場。

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つい最近の薗原ダムの様子。水を満々とたたえ舗装の近くまで水が来ている。ゲリラ豪雨などの災害で、表面を覆うアスファルトがさらわれれば、有害スラグ汚染が拡散してしまう危険に晒されている。

 今回の国交省の発表は、有害スラグ問題の本格的な解決に向けた端緒でなければなりません。この発表で、一段落だと思ったら大間違いです。当会は引き続き、官業癒着の温床のにおいがプンプンするこの問題について、粛々と取り組んでまいる所存です。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄調査チーム・この項続く】


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