2017/3/31  22:45

大同スラグ訴訟…4.14第9回口頭弁論を再来週に控え原告が準備書面(13)と鑑定申立補充書を提出(その1)  スラグ不法投棄問題

■東吾妻町の農業地帯における区画整理事業で農道にサンパイである鉱滓=有毒スラグ入りの“再生砕石”が敷砂利として多量に不法投棄された事件で、当会は有害物質を原因者に撤去させず公金で舗装による蓋をしてしまった群馬県吾妻農業事務所長に、無駄に出費した舗装工事費を支払わせるべく、群馬県を相手取り住民訴訟を係争中です。前回1月20日に行われた第8回口頭弁論期日に基づき、次回4月14日(金)の第9回口頭弁論に向けて訴訟資料を準備していましたが、次の原告準備書面(11)及び関連する裁判資料を、本日3月31日午後3時過ぎに、前橋地裁と被告訴訟代理人弁護士事務所に提出しました。


*****原告準備書面(13)*****PDF ⇒ i13j201703331o.pdf
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告  小 川  賢 外1名
被告  群馬県知事 大澤正明
                       平成29年3月31日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
             原告準備書面(13)
                     原告  小 川  賢  ㊞
                     原告  鈴 木  庸  ㊞

 平成29年1月20日の第8回口頭弁論期日で、裁判所からの指揮に基づき次の事項について陳述する。

第1 平成29年1月11日付の原告準備書面(12)に係る甲第53・54号証をそれぞれ甲55・56号証に変更する。

 具体的にいうと、ページ3の上から13〜15行目にある「(3)平成26年11月12日の衆議院第187回国会経済産業委員会第8号において塩川委員の質問に答えた環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長の鎌形浩史政府参考人の答弁(甲第53号証)」の証拠を「甲第55号証」とする。
 同じく、ページ3の上から24〜25行目にある「(5)環廃産発第1303299号 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長 行政処分の指針について(通知)(甲第54号証)」の証拠を「甲第56号証」とする。
 なお、これに合わせて、平成29年1月11日付の証拠説明書を廃棄し、あらたに本日付の甲第55、56号証の証拠説明書を提出する。

第2 平成28年12月27日付の被告第8準備書面の第2(4頁)に対する認否反論

 今回、認否反論をするにあたり、まず触れておかねばならないことがある。
(1) 原告、被告の双方ともに、萩生川西地区の本件農道整備工事において、大同特殊鋼由来の鉄鋼スラグ(以下「スラグ」という)がブレンド骨材と称して敷設されていることは、認めており、萩生川西地区の農道にはスラグが存在していることに争いは無いこと。
(2) この農道のスラグは、今話題となっている東京都豊洲で東京ガスが長年にわたり石炭を乾留して作っていた都市ガス製造工場の跡地に築地市場を移転するにあたり阻害となっている土壌汚染問題とは異なり、被告自身が公共事業で定めのない違法な土木資材であるスラグを施工業者に持ち込ませた結果発生した問題であり、上記(1)のとおり、被告がスラグの存在を認識した時点で撤去しておけば、土壌汚染問題は発生し得えなかったこと。
(3) この大同特殊鋼由来のスラグは、廃棄物の監督官庁である群馬県が平成27年9月11日に「鉱さい」という分類の廃棄物と認定している。そして。その認定の事実は、平成29年3月29日現在、被告群馬県のホームページ上で確認できることから(甲57)、このスラグは、今なお廃棄物であること。
(4) 被告群馬県の廃棄物認定の内容を注意深く読むと「フッ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、フッ素による土壌汚染の可能性があり、」としていることから、このスラグは特別管理産業廃棄物として処理しなければならないことに触れているのが分かること。
このことは、甲48号証にフッ素の基準値が示されていること、および甲62号証に同じ「鉱さい」の分類である石綿含有廃棄物を溶融したことにより生じた「鉱さい」にフッ素の基準値が示されていることからも裏付けられる。基準値を超えるおそれのある「鉱さい」は特別管理産業廃棄物として処理しなければならない。
(5) 環境基本法は、その第1条で、環境の保全について、現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とし、第16条で「政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする」と定め、第21条で大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染などについて規制の措置を講じなければならない、としている。土壌汚染については、廃棄物処理法や土壌汚染対策法などさまざまな法律が制定されていると思われ、これらの法律を選択適用するのではなく、同時に適用して生活環境保全に資するべきであること。
(6) 被告群馬県は、土壌汚染について土壌汚染対策法にしか触れようとしないこと。ところが、「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」(甲58)を見ると、土壌汚染源たる廃棄物が土壌の上にあるときには間違いであることが分かる。
 「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)平成 24 年8月」の「第1章 土壌汚染対策法の概要」を見ると、「1.1.1.土壌汚染対策法の目的」に次の記述がある。
     (以下引用はじめ)
「 土壌汚染対策は、@新たな土壌汚染の発生を未然に防止すること、A適時適切に土壌汚染の状況を把握すること、B土壌汚染による人の健康被害を防止すること、の三つに大別される。これらのうち、新たな土壌汚染の発生を未然に防止するための対策は、有害物質を含む汚水等の地下浸透禁止(水質汚濁防止法(昭和45 年法律第138号 。 以下 「水濁法 」 という 。))、 有害物質を含む廃棄物の適正処分(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下 「廃棄物処理法」という 。))等により既に実施されている。 」
   (以上引用おわり)
被告はA適時適切に土壌汚染の状況を把握することについて何も行っていないばかりか、Bのすでに起きてしまった土壌汚染による人の健康被害を防止すること、についてのみ主張を展開している。萩生川西地区に敷設してしまった土壌汚染源たる廃棄物について対策を怠っている。
(7) 廃棄物処理法第19条の5には、つぎのとおり述べてあること。
    (以下引用はじめ)
「 産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準(特別管理産業廃棄物にあつては、特別管理産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物保管基準)に適合しない産業廃棄物の保管、収集、運搬又は処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、都道府県知事は、必要な限度において、「処分者等」に対し、期限を定めて、その支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。 」
       (以上引用おわり)
   これは生活環境の保全を図るため都道府県知事に与えられた権限を定める趣旨である(甲56号証:平成29年3月31日環廃産発第13032993号「行政処分の指針」参照)。
(8) 本件農道舗装契約では、被告群馬県が本件舗装工事以前に、同じ場所で不法投棄された「工事名 萩生川西地区 区画整理補完3工事」で使用された有害物質を含む路盤材を、本来、原因者の費用で撤去させるべきところ、それを怠ったこと。しかもスラグを撤去しないまま、さらにその上に、有害物質に蓋をするためと称してアスファルトを施工したものであり、そもそも不要で違法な工事であった、として原告が住民訴訟を提起して係争しているものであること。(訴状「第5 本件契約の違法性(1)」参照)


 以下、「2(1) 求釈明事項」における裁判所の質問に対する被告の回答ごとに認否反論を行う。
 被告は,下層路盤材は基準値内であるが,風評被害を避けるためもあって補完工事をしたと主張しているが,「風評被害を防ぐことができるということは,仮に,下層路盤材から基準値を超えるフッ素や六価クロムが検出されるおそれがある場合であっても,その後アスファルト整備をすれば,環境基準を超えないことになる。」ことがその主張の前提でよいのか。
(2) 回答
  御庁が指摘される前提は,被告の主張と若干異なる。
  仮に,下層路盤材を敷設した地点の土壌から基準値を超えるフッ素や六価クロムが検出される場合,その対処方法は,土壌汚染対策法によって決められることになる。そして,詳細は次項で述べるが,仮に,本件舗装工事に先立って下層路盤材を敷設した地点の土壌から基準値を超えるフッ素や六価クロムが検出されていたとしても,土壌汚染対策法により,本件舗装工事と同様の舗装工事が実施されていたものと認められる。このとき,下層路盤材を敷設した地点の土壌からフッ素や六価クロムを除去するわけではないので,その地点の土壌は基準を超えたままである。
第2 下層路盤材が敷設された地点の土壌が土壌汚染対策法所定の基準を超えていると仮定した場合と土壌汚染対策法の関係
1 土壌汚染対策法とは
   土壌汚染対策法は,「土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により,土壌汚染対策の実施を図り,もって国民の健康を保護することを目的」とする法律である(同法1条)。
2 土壌汚染の2つのリスク(なお,本項ないし5項については,乙21参照)
   土壌汚染は,それがあることによって当然に人の健康に影響を及ぼすわけではない。
 そのことを踏まえて,土壌汚染対策法は,上壌汚染による健康への影響を2つのリスクの観点から整理している。すなわち,1つは,@土壌に含まれる有害物質が地下水に溶出し,その有害物質を含んだ地下水を経口摂取するリスクであり,もう1つは,A有害物質を含む土壌を直接的に経口で摂取し,又は,その土壌が皮膚に接触することで皮膚から有害物質を摂取するリスクである。
 そして,土壌汚染対策法は,まず,前者のリスク除去の観点から,25の物質(これを「特定有害物質」という。土壌汚染対策法施行令1条)について土壌溶出量基準を定め(土壌汚染対策法施行規則31条1項,別表第3),他方,後者のリスク除去の観点から,その25の特定有害物質のうち9の物質を「第二種特定有害物質」という。土壌汚染対策法施行規則4条3項2号ロ)について土壌含有量基準を定めている(土壌汚染対策法施行規則31条1項,別表第4)。

 上記について、原告は次のとおり認否反論する。
 被告は、甲58号証の「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン (改訂第2版)」の「第1章 土壌汚染対策法の概要」「1.1.1.土壌汚染対策法の目的」において記述のある、「土壌汚染対策は、@新たな土壌汚染の発生を未然に防止すること、A適時適切に土壌汚染の状況を把握すること、B土壌汚染による人の健康被害を防止すること、の三つに大別される。」のうち、すでに起きてしまったB土壌汚染による人の健康被害を防止すること、にしか触れていない。
 これではあまりにも、恣意的な解釈であるという謗りを免れることはできない。
 本件農道には敷砂利工または下層路盤工として敷設されたブレンド骨材と称する資材の中に、土壌汚染源たる特別管理産業廃棄物と認定された有害スラグが存在し続けている。
 これから先、何年にも渡って起こる可能性を孕む新たな土壌汚染の発生を未然に防止するための対策は、有害物質を含む廃棄物の適正処分(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)等により実施しなければならない。土壌汚染から人の健康被害を防止するために、被告の土壌汚染対策法のみ適用を検討することは、間違いであり、ましてや風評被害を防止することなど到底できない不十分な対策であることは明らかである。
 なお,仮に本件農道舗装工事の施工前に検査を実施していたとすれば,土壌含有量の関係では,ブレンド骨材ないしそれを含めた表土の成分検査を実施することになるが,土壌溶出量の関係では,ブレンド骨材そのものの成分検査ではなく,ブレンド骨材の下にある土壌の成分検査を実施することになる。
 大同特殊鋼由来のスラグは、群馬県が「鉱さい」という廃棄物と認定している(甲57)。それによれば、@新たな土壌汚染の発生を未然に防止するため、まず廃棄物処理法第19条の5の措置命令により、毒があろうと無かろうと撤去すべきである。撤去した廃棄物について処分先を検討するに当たり「鉱さい」の成分検査をすることになる。
 その後、A適時適切に土壌汚染の状況を把握すること、B土壌汚染による人の健康被害を防止すること、のため被告の言うブレンド骨材の下にある土壌の成分検査を実施することになる。
 よく聞かれる話として、コンクリートを不法投棄した事例で、逮捕され、コンクリートを撤去させられ、廃棄物処理法施行令第7条に規定されている処理施設に処分させられているニュースを目にする。この場合、コンクリートに土壌汚染を誘発する毒などあるのであろうか。にもかかわらず、不法投棄されたコンクリートは強制的に撤去されるのが通例なのである。


3 土壌の汚染が基準値を超えていた場合
 土壌汚染の調査は,有害物質を使用していた施設の使用を廃止するときなどに行われるが(土壌汚染対策法3条など),調査の機序はさておき,調査結果が基準値を超えていたときは,都道府県知事は,その汚染が上記2つのリスクの観点から人の健康に被害が生じ,又は生ずるおそれがある場合には,その汚染区域を「要措置区域」に指定し(土壌汚染対策法6条),他方,人の摂取経路がなく,上記2つのリスクの観点から人の健康に被害が生ずるおそれがない場合には,その区域を「形質変更時要届出区域」に指定する(土壌汚染対策法11条)。

 原告は、被告の上記の主張に対して、次のとおり反論する。
 被告も「土壌汚染の調査は,有害物質を使用していた施設の使用を廃止するときなどに行われるが(土壌汚染対策法3条など)」と主張している。被告は、土壌汚染対策法はすでに起こってしまった土壌汚染対策について調査が行われると認めているではないか。
 被告は、平成25年に施工されたばかりの萩生川西地区の農道の廃棄物による新たな土壌汚染対策はいかにするのか?「調査の機序はさておき」などと主張しているが、土壌汚染による生活環境を保全する気概など毛頭ないのではないか?ましてや食の安全が最優先される農道について風評被害などの心配を本当にしているのであろうか?原告には、被告の主張が、“臭い物には蓋”のため被告が犯した過ちを取り繕う言い訳のために、苦し紛れの風評被害を持ち出したとしか考えられないのである。


4 「要措置区域」に指定された場合の汚染の除去等の具体的措置
 「形質変更時要届出区域」に指定された場合は,その土地の形質を変更するときに,その変更をしようとする者が都道府県知事に形質変更の届出を行うなどすることになり(土壌汚染対策法12条),即時に汚染の除去等の措置を講ずる必要はないが,「要措置区域」に指定された場合には,即時に「汚染の除去等の措置」を講じなければならない(土壌汚染対策法7条)。
  そこで求められる「汚染の除去等の措置」は,具体的には,その区域の汚染の状況に応じて,地下水の水質の測定,原位置封じ込め,遮水工封じ込め,遮断工封じ込め,土壌汚染の除去,地下水汚染の拡大の防止,不溶化,土壌入換え,盛土,舗装,立入禁止などとされている(土壌汚染対策法施行規則36条,別表5)。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 萩生川西地区の農道の本件農道舗装工事で、被告の主張するような「原位置封じ込め,遮水工封じ込め,遮断工封じ込め,土壌汚染の除去,地下水汚染の拡大の防止」が果たして可能なのか、原告は、はなはだ疑問を持つものである。
 萩生地区は斜面に位置しており、水は高い所から低い所に流れる性質があるので、たとえアスファルト舗装を施しても水が差し込み、有害スラグから新たな汚染が拡大するのではないか。
 また本件農道舗装工事は、アスファルトと土で構成されていて、アスファルト舗装の脇を土で擦り付けているだけである(甲60号証「舗装概念図と現場写真」)。これではブレンド骨材を覆い切れていない、土の部分から雨水が侵入し、ブレンド骨材の有害物質が新たな土壌汚染や地下水汚染を引き起こす恐れがある。また、盛り土で覆う場合は50cm以上の厚さが必要なはずだ(甲61号証)。


5 本件農道で仮に基準値を超えていた場合はどのような措置が取られるか
(1) 本件農道の下層路盤材の中に混在している鉄鋼スラグが含有していると認められる特定有害物質は,六価クロムとフッ素であるところ,この2つの物質は,いずれも第二種特定有害物質とされている(土壌汚染対策法施行令1条2号,21号,土壌汚染対策法施行規則4条3項2号口)。したがって,土壌溶出量と土壌含有量の両方が問題となる。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 被告の主張の考え方自体が、根本的に間違いである。場所は周辺を農地で囲まれた農道なのである。新たな土壌汚染を防止するため、群馬県が「鉱さい」という分類の廃棄物に認定したスラグを含むブレンド骨材をまずは即刻撤去すべきである。その後直下の土壌について被告が主張する土壌汚染調査をすべきである。


(2) 土壌溶出量の点,すなわち,地下水へ溶出した特定有害物質の経口摂取のリスクの除去の点については,下層路盤材の下に位置する土壌を採取して成分検査を実施することになる。
  そして,その結果,基準値を超過していた場合には,次の手順として,土壌溶出量は地下水からの経口摂取のリスクを回避するためのものであることから,近隣の飲用の井戸の有無を確認し,飲用の井戸が存在する場合には,近隣の地下水質の調査を実施することになる(なお,調査を実施するかは飲用の井戸の有無によって決まるが,調査白体は飲用の井戸に限らず周辺の地下水質を把握するのに適切な井戸から試料を採取する。)。
  調査対象とすべきの範囲については,環境省が定めた「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」(乙22)に準拠する。これによれば,六価クロムについては汚染地点から概ね500メートルの範囲,フッ素については概ね250メートルの範囲の井戸が対象となる(乙22・13頁)。
  そして,仮に飲用の井戸が500mの範囲内にあったとしても,地下水の検査結果により,基準値を超過していなかった場合は,土壌溶出量基準には適合していないけれども地下水に係る基準は超過していないということなので,「汚染の除去等のための措置」としては,地下水の水質測定を行うことになる(土壌汚染対策法施行規則別表5・1)。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 被告の主張の考え方自体が、根本的に間違いである。場所は周辺を農地で囲まれた農道なのである。新たな土壌汚染を防止するため、群馬県が「鉱さい」という分類の廃棄物に認定したスラグを含むブレンド骨材をまずは撤去すべきである。その後直下の土壌や地下水について被告が主張する土壌汚染対策調査をすべきである。


 なお,これまで,大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鋼スラグが混合されているブレンド骨材が使用された群馬県内の場所に関し,現時点までに,上記の基準に従って実施された飲用の井戸から採取した地下水の検査において,基準値を超過した地点はない。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 萩生川西地区の農道における本件農道工事は平成25年に施工されたばかりである、土壌汚染源たる「鉱さい」という廃棄物により、これから何年にもわたり土壌汚染が進行していく恐れがある。農道の付近に飲用の井戸がたまたま見当たらない、ということではなく、周辺一帯が農地であり、スラグから染み出した有害物質は、土壌を汚染するのみならず、農地に入り、作物に対しても悪影響を与えるのは必至である。
 現時点までに地下水の調査で基準値を超過した地点はないなどと悠長なことを言っていては、新たな土壌汚染の防止はおぼつかないし、県民の生活環境の安全・安心は担保できない。
 新たな土壌汚染を防止するため、被告は廃棄物処理法に則り対策をすべきである。

(2) 他方,土壌含有量の点,すなわち,直接的に経口や皮膚から摂取するリスクの除去の点については,盛土や舗装を行うことになる(同別表5・9)。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 被告が行ったと主張するアスファルト舗装は、脇が土で擦り付けてあるだけである。この擦り付けた土は厚さが薄く、いずれ浸食によりブレンド骨材が露出する恐れがあるため、対策としてお粗末としか言いようがない。まずは廃棄物処理法に則ってブレンド骨材を適正に処分すべきである。


6 小活
 以上のとおり,仮に本件下層路盤材が敷設された地点の土壌が基準に適合していなかったとしても,土壌汚染対策法により,舗装工事が行われ,かつ,地下水の水質測定を行うことになるのであり,結局は,本件農道舗装工事と同じ結果になったのであり,本件農道舗装工事が最少経費最大効果の原則に合致していることは明らかである。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 「仮に本件下層路盤材が敷設された地点の土壌が基準に適合していなかった」場合、汚染源たる土壌の上に敷設されたブレンド骨材は環境基準に適合していないことを意味することになるから、廃棄物処理法に則り適切に処分しなければならない。


第3 平成29年3月7日付の被告第9準備書面に対する反論

 被告は冒頭で「平成29年1月20日の第8回口頭弁論調書の別紙1項の御庁からの求釈明について,下記のとおり回答する。」と述べている。

 今回、反論をするにあたり、まず触れておかなければならないことがある。
(1) 原告、被告の双方ともに、萩生川西地区の本件農道整備工事において、大同特殊鋼由来の鉄鋼スラグ(以下「スラグ」という)がブレンド骨材と称して敷設されていることは、認めており、萩生川西地区の農道にはスラグが存在していることに争いは無いこと。
(2) このスラグには国土交通省の調査(甲第7号証)などにより、フッ素が環境基準を超えて含まれている可能性が極めて高いこと。そのため、このような建設資材を使用できるはずはないこと。日本工業規格JIS A5015では、環境安全性の考えが平成25年に導入され、本件農道に使用されたスラグは、工業規格にも違反するものであること。(原告準備書面(11)3頁参照)
(3) このスラグは、廃棄物の監督官庁である群馬県が平成27年9月11日「鉱さい」という分類の廃棄物と認定しており、その認定は平成29年3月29日現在、被告群馬県のホームページ上で確認できることから(甲57)、このスラグは、今なお廃棄物であること。
(4) 被告群馬県は、土壌汚染について土壌汚染対策法にしか触れようとしないこと。ところが、「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」(乙22)を見ると、土壌汚染源たる廃棄物が土壌の上にあるときには間違いであることが分かる。
 「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)平成24年8月」の「第1章 土壌汚染対策法の概要」を見ると、「1.1.1.土壌汚染対策法の目的」(甲58)に次の記述がある。
     (以下引用はじめ)
「 土壌汚染対策は、@新たな土壌汚染の発生を未然に防止すること、A適時適切に土壌汚染の状況を把握すること、B土壌汚染による人の健康被害を防止すること、の三つに大別される。これらのうち、新たな土壌汚染の発生を未然に防止するための対策は、有害物質を含む汚水等の地下浸透禁止(水質汚濁防止法(昭和45 年法律第138号 。 以下 「水濁法 」 という 。))、 有害物質を含む廃棄物の適正処分(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下 「廃棄物処理法」という 。))等により既に実施されている。 」
   (以上引用おわり)
被告はA適時適切に土壌汚染の状況を把握することについて何も行っていないばかりか、Bのすでに起きてしまった土壌汚染による人の健康被害を防止すること、についてのみ主張を展開している。萩生川西地区に敷設してしまった土壌汚染元たる廃棄物について対策を怠っている。

第1 求釈明(1)
 風評被害を避けるために工事をすれば環境上周辺住民の生活の安全が図られることになるのか。
 (回 答)
1 被告が本件農道舗装工事を施工した5か所の農道(乙19に@ないしDの番号を付しか5路線)は,舗装工事施工前は,鉄鋼スラグが含まれたブレンド骨材が露出した状態であった。
  そして,本件農道舗装工事の目的は,本件圃場整備事業の目的,すなわち,農業生産性の向上による農業振興と地域住民等の便益の増進であったが,これと共に,未舗装のままにしておくことによる地域住民等の不安や農作物の風評被害に波及することを未然に防ぐ目的も併有していた(被告の平成28年3月15日付け第3準備書面6ないし7頁)。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 被告は、本件農道整備の目的について、言うことに事欠いて、本来の目的はどこへやら、とうとう「未舗装のままにしておくことによる地域住民等の不安や農作物の風評被害に波及することを未然に防ぐ目的も併有」とまで認めてしまっている。
 これは、ブレンド骨材が有害物質を含むおそれのある産業廃棄物であることを被告が知りながら、舗装を強行したことを意味する。このことは、はじめからスラグの不法投棄の隠蔽が主目的だったことを意味するものである。こうなると公務員に厳に課せられているコンプライアンス(法令順守)など、どこかに消し飛んでしまったことになる。
 甲5号証により群馬県が廃棄物と指摘した「鉱さい」を含むブレンド骨材を原因者の(株)佐藤建設工業の負担で撤去するよう、原告は、被告の事務所をわざわざ訪ね丁寧に説明したのに、被告はこれを無視し、本件舗装工事を挙行した。
 この甲5号証は表題こそ「廃棄物に関する指示書」として行政指導の形になっているが、その内容は廃棄物を適正処理するよう改善を指示しており、大同特殊鋼グループもこれを認めており、群馬県による行政処分が下されたと同等であると考えられ、萩生川西地区の農道も同様の改善を図らなければならない。
 風評被害を気にするのであれば、なぜ、原告の指摘を真摯に受け止め、廃棄物処理法に則り、撤去の上適正に処分させなかったのか?この指摘は県会議員も行っている(甲43号証)。
 環境基本法や廃棄物処理法、土壌汚染対策法など様々な法律があるが、被告群馬県には、これらすべての法律を駆使して、農地の安全を守らなければない責務があるはずだ。土壌汚染対策法だけにこだわる被告群馬県農政部の局所的かつ近視的な対策では風評被害は防げない。コンプライアンスを軽視したための、失策を犯したことは明らかである。もはや後戻りはできない。今後、ブレンド骨材を撤去の上、適正に処分することになれば、本件農道舗装工事は完全に無駄な支出となる。舗装をかける前に、原因者の大同特殊鋼らに撤去させれば、緊急な農道舗装工事費用の出費は不要であった。
 それどころか、原因者の大同特殊鋼が撤去すると申し出てきた場合、農道舗装部の除去工事の出費が必要となりかねない。この費用も被告が負担し、その費用を原因者である吾妻農業事務所長に請求しなければなるまい。


2 上記で防止を図った風評被害等は,具体的には,大同特殊鋼に由来する鉄鋼スラブが含まれているブレンド骨材が露出した状態になっているという噂により,萩生川西地区の農作物のイメージが傷付き,売上に悪影響が生ずるのではないかというものであった。
  上記の懸念を払拭し,風評被害等を避けるためには,ブレンド骨材を被覆すれば必要かつ十分であったことから,時期を早めて本件農道舗装工事を施工したものである。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 甲58号証である「土壌汚染対策法ガイドライン」の「1.1.1 土壌汚染対策法の目的」によると、まず「@新たな土壌汚染の発生を未然に防止する」ため廃棄物の処理及び清掃に関する法律により対処することになる」と示されている。新たな土壌汚染が今後何年もかけて起こり得る可能性を孕んでいる以上、被告の主張する「風評被害等を避けるためには,ブレンド骨材を被覆すれば必要かつ十分」とは言えない。
 また、「風評被害等を避けるためには、時期を早めて本件農道舗装工事を施工」するのではなく、土壌汚染源たるブレンド骨材を原因者に撤去させた上、廃棄物処理法に則り適正に処分させるべきである。事実、国の独立行政法人水資源機構は、コンプライアンスに基づき、適正に撤去・処分の対策を行った(甲63号証)。


3 本件農道に敷設されたブレンド骨材は環境基準(なお,土壌汚染対策法所定の基準も同一)を超えていないので,もともと周辺住民の生活の安全が害されるものではないが,本件農道舗装工事により,周辺住民の生活の安全はより十全に図られることになったものといえ,また,仮に下層路盤材から基準値を超えるフッ素や六価クロムが検出されるおそれがある場合であっても,環境上周辺住民の生活の安全は図られたものといえる。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 被告が“ブレンド骨材”と称する大同特殊鋼由来のスラグは、群馬県が廃棄物と認定しているものである(甲5号証・甲31号証)。環境基準を超えても超えていなくても、萩生川西地区の農道に敷設された状況は不適正であるので、原因者の負担で撤去の上、廃棄物処理法施行令第7条第1項のいずれかの処理施設に適正に処分しなければならない、
 その際、撤去した廃棄物について環境調査を行い、有害物質が基準値を超えて含まれていれば、同施行令第7条第1項第14号イに定める遮断型最終処分場に最終処分することになる。
 廃棄物の適正処分なくして環境上周辺住民の生活の安全は図られたものとは言えな
し、廃棄物が不適正に敷設されてあれば風評被害など到底防げない。


 なぜなら,一般に土壌が有害物質により汚染された場合,これが人の健康に影響を及ぼすリスクとしては,@土壌に含まれる有害物質が地下水に溶出し,その有害物質を含んだ地下水を経口摂取するリスクと,A有害物質を含む土壌を直接的に経口で摂取し,又は,その土壌が皮膚に接触することで皮膚から有害物質を摂取するリスクがあるところ(被告の平成28年12月27日付け第8準備書面4ないし5頁参照),本件農道舗装工事によってブレンド骨材を被覆することにより,上記Aのリスクを除去することができたからである。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 被告が施したアスファルト舗装は、有害スラグを完全に覆い切れておらず、脇を盛り土で覆っている(甲60号証)。
 被告が示す土壌汚染対策法ガイドラインとは、土壌汚染対策法が平成15年2月15日から施行されることに対応して、平成15年2月4日付けで、環境省環境管理局水資源部長が全国の都道府県と政令指定都市に対して示した通達で、正式名称「土壌汚染対策法の施行について」(甲61号証)のことと思われる。これには。土壌汚染対策法施行規則を補うため、詳細な解釈基準が盛り込まれているが、これを読むと、盛り土で覆う場合は50pとある。
 ところが、被告がガイドラインどおりに対策を講じたとしているが、現場の舗装工事直後の状況を確認すると(甲60号証)、とうてい50cmの厚みがあるとは思えない。被告の主張は、後付けの言い逃れであることは明らかである。
 舗装脇は斜めになっており、雨水によって崩れやすく、有害スラグが容易に露出することになってしまう。そのため、直接的に経口摂取のリスクが増えることや、汚染された滲出水が隣接する周囲の田畑等農地に入り込むことで、食の安全・安心を害することになる。


 ただし,本件農道舗装工事では,上記@のリスクを除去することはできないから,地下水の汚染に関しては別途の考慮が必要ではあるが,被告の平成28年12月27日付け第8準備書面・7頁で述べたとおり,これまで,大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鋼スラブが混合されているブレンド骨材が使用された群馬県内の場所に関し,地下水汚染が確認された地点はない。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 この大同特殊鋼由来のスラグは、廃棄物の監督官庁である群馬県が「鉱さい」という分類の廃棄物と認定しており(甲31号証)、その認定は平成29年3月29日現在、群馬県のホームページにより、確認できることから(甲57号証)、今なお廃棄物である。
 この廃棄物認定の内容を注意深く読むと「ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、」と記されており、今後の土壌汚染のおそれに言及している。
 他の場所で現時点での地下水汚染が確認できなくとも、本件農道に汚染源たる廃棄物をそのまま放置すれば、被告の言う上記@のリスクは、さらに高まると言える。
「土壌汚染対策法ガイドライン」の「1.1.1 土壌汚染対策法の目的」(甲58)によると、まず「@新たな土壌汚染の発生を未然に防止する」ため廃棄物の処理及び清掃に関する法律により対処することになる」と示されている。原告は納税者・県民として、被告には、新たな土壌汚染を一刻も早く防止していただき、水質汚染のリスクを減らしていただきたいと強く要請する。


第2 求釈明(2)
 土壌汚染対策法により行う舗装工事と,本件舗装工事が同等あるいは同一の工事内容なのか。
 (回 答)
1 被告の平成28年12月27日付け第8準備書面7頁で述べたとおり,仮に本件下層路盤材が直接摂取のリスクの点,すなわち,土壌含有量の点て基準に適合していなかった場合は,土壌汚染対策法により,盛土や舗装が求められる(土壌汚染対策法施行規則別表5・9項)。
 そして,ここにいう「舗装」の仕様については,同規則別表6・8項により,「イ 当該土地のうち基準不適合土壌のある範囲を,厚さが10センチメートル以上のコンクリート若しくは厚さが3センチメートル以上のアスファルト又はこれと同等以上の耐久性及び遮断の効力を有するもの・・・・により覆うこと。」,「ロ イにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。」が必要とされる。
 上記の仕様の更に具体的な説明は,乙22号証として一部抜粋部分を提出済みの「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」の舗装の項(乙24)で明らかにされている。そこでは,アスファルト舗装については,最低3センチメートルの肩厚とされ(乙24・403頁),更にその下の路盤については,歩道程度の用途であれば最低10センチメートルの肩厚とされる(乙24・405頁)。
2 他方,本件農道舗装工事の仕様は,アスファルト舗装厚は3センチメートルであり,その下の下層路盤は,既設の下層路盤材(鉄鋼スラブを含んだもの)5センチメートル厚の上に補足材として下層路盤材(鉄鋼スラブを含まないもの)を10センチメートル厚で敷設しており,合算して15センチメートル厚となっている。
 一般的に農道のうち支道と耕道については,アスファルト舗装厚3センチメートル,下層路盤材厚15センチメートルで設計されており,舗装の強度としてはこれで十分である。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 乙22号証として被告が提出済みの「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」の抜粋と支道27号の舗装の様子が分かる現場写真を見ると(甲60号証)、まず写真から、被告が主張する「既設の下層路盤材(鉄鋼スラブを含んだもの)5センチメートル厚の上に補足材として下層路盤材(鉄鋼スラブを含まないもの)を10センチメートル厚で敷設しており,合算して15センチメートル厚となっている。」部分をアスファルト舗装が覆い切れていない。またアスファルト舗装の脇は盛り土であるが、アスファルトと盛り土の厚みは同じに見える、つまり3cm程度の厚みである。他方、被告が示すガイドラインによると50cmとある。
 被告はこの食い違いの理由説明について、「舗装の強度としてはこれで十分である。」と強度の話に恣意的にずらし込んでいるが、被告が農道舗装工事の目的の一つとしている、風評被害を防ぐためには、盛り土3cmはあまりにもお粗末ではないか。


3 したがって,本件農道舗装工事の仕様は,土壌汚染対策法及び同法施行規則により求められる舗装の仕様を充たしており,仮に本件下層路盤材が土壌含有量の点て基準に適合していなかったとしても,本件農道舗装工事をもって土壌汚染対策法により求められる措置と同等の措置が講じられたものとみなされる。

 原告は、上記の被告の主張に対して、次のとおり反論する。
 有害スラグを完全に覆わないアスファルト舗装、そして薄い盛り土による舗装により、土壌汚染対策法及び同法施行規則により求められる舗装の仕様を充たしているのか、被告の土壌汚染対策法とやらに基づく措置については、原告としてはなはだ疑問である。原告としては、こんな対策で風評被害が防げるとは、到底思えない。


第4 スラグの撤去工事について

 スラグ撤去に極めて消極的な被告群馬県と異なり、きちんとスラグを撤去した役所の事例を次に紹介する。
 被告が東吾妻町萩生川西地区の農道の工事現場でスラグを含む路盤材が敷かれたことを知りながら、折からスラグ問題が浮上したことから、これを隠蔽するために、2014年6月11日に、敷砂利の上に舗装をかけた農道舗装工事の入札を実施したが、奇しくもその同じ日に、水資源機構群馬用水管理所は、路盤として大同特殊鋼由来のスラグを使っていた群馬用水沿いの管理道路計1945メートルと、資材置き場や駐車場など計1340平方メートルを工事し、スラグを撤去すると発表した。
 しかも、大同特殊鋼側は、応分の負担額を支払う意向を示し、原告らは事実確認してはいないものの、撤去費用は全額、大同特殊鋼側が負担したものと思われる。なお、水資源機構群馬用水管所が実施するスラグの撤去作業は、管理道路が赤城山南面を中心とした前橋市の11カ所と、榛東村の1カ所。資材置き場や駐車場などが前橋市の3カ所と渋川市の1カ所で、スラグが使われていた全16カ所を対象としていた(甲63)。
 甲63を見るとわかるとおり、水資源開発機構はそのホームページ上に、次のような声明を発表した。
        (以下引用はじめ)
    (鉄鋼スラグの撤去工事について)
○独立行政法人水資源機構では、当機構が管理する群馬用水幹線水路沿いの管理用道路等の鉄鋼スラグに、基準値を超えるふっ素等が含まれることについて、3月27日に緊急調査結果を公表したところです。その後、当機構ではバリケードにより立入を制限するとともに、群馬県等の環境部局の助言を踏まえ、その対応について主務省、利水関係者等と調整してまいりました。
○その結果、今般、これらの鉄鋼スラグについて、
@水道用水等の水源として利用される用水路等の直近に基準値を超えるふっ素等を含む鉄鋼スラグが使用されていること、
A群馬用水を使用している水道事業者等から強い撤去要望があること、等の状況を踏まえ、全量を撤去することとしました。
○撤去工事は、すべての鉄鋼スラグ(16箇所、別紙参照)を対象とするものであり、6月中に工事契約の手続きを開始し、概ね半年程度で工事を完了する予定としています。撤去した鉄鋼スラグについては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に従い適正に処理いたします。また、管理用道路等については、アスファルト舗装で復旧します。
平成26年6月11日独立行政法人 水資源機構 群馬用水管理所
発表記者クラブ:刀水クラブ、テレビ記者会
問い合わせ先:独立行政法人 水資源機構 群馬用水管理所 所長代理 林 (はやし)
住 所:群馬県前橋市古市町386
電 話:027(251)4266
        (以上引用おわり)
 このように、独立行政法人水資源機構では、冒頭に、「その後、当機構ではバリケードにより立入を制限するとともに、群馬県等の環境部局の助言を踏まえ、その対応について主務省、利水関係者等と調整してまいりました。」(下線部は原告が記入)と言い切っている。なぜ被告は、この時と同様な措置を取ろうとしないのか、それとも取れないのか? その理由として、大同特殊鋼への何らかの配慮をする必要があるのか?
                      以上
**********

 これに加えて、鑑定申立書の補充書を次のとおり提出しました。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・その2に続く】
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