2009/4/29  10:58

陥没事故の責任を認めたがらないガスパッチョ東京ガスの生返事  東京ガス高圧パイプライン問題

■4月16日の陥没事故について、4月18日付で、公開質問状を東京ガスの社長や広報部、そしてCSR・コンプライアンス室あてに郵送し、写しを東京ガス群馬支社の建設事務所長あてにFAXと郵送で提出していたところ、4月28日の午前9時49分に、東京ガス群馬幹線建設PTからFAXで次の内容の回答がありました。

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平成21年4月28日
小川賢様
  東京ガス株式会社 群馬幹線建設事務所
平成21年4月18日付貴公開質問状に対する弊社回答
 拝復 陽春の候、貴殿ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 さて、平成21年4月18日付貴公開質問状について、下記のとおり回答申し上げます。  敬具
     記
1. 貴公開質問状1)について
 明確な因果関係は判明していないものの、周辺の埋設物の状況、陥没の位置や形状などの状況から、弊社のシールド工事がこのたびの陥没の原因のひとつとして影響している可能性は否定し得ないと考えております。
2. 同2)について
 推進工法とシールド工法では覆工(トンネル部の躯体)の構築方法が異なりますが、基本的な地中での掘削方法は同様の工法と位置付けられます。
3. 同3)について
 弊社では施工要領や図面等の資料等を外部に開示しない扱いとなっておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
4. 同4)について
 渋滞の影響を受けた車両数及び1台あたりの平均渋滞時間に関するデータは所有しておりません。
5. 同5)について
 陥没事故発生まで、弊社にて実施したパトロールや測量による路面状況調査において異常は確認されておりません。検査要領等につきましては、上記3)と同様の扱いとなっておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
6. 同6)について
 過去に弊社が発注したシールド工事において、道路が陥没したとの報告はございません。
7. 同7)について
 シールド工事の元請会社は、住友金属パイブエンジ株式会社であり、事故発生時の通報体制は施工要領にて取り決めがなされております。なお、各種責任者の個人名については回答を控えさせていただきます。
8. 同8)について
 弊社の工事がこのたびの陥没の要因のひとつとして影響しているものであれは、今後このような事故が発生することのないよう、一層の注意、努力をして参りたいと考えております。
9. 同9)および10)について
 これまで貴殿より賜りましたご要望及びご要諸に対しまして、弊社より再三にわたり、書面、ご面談及び工事説明会等にてご説明申し上げて参りましたとおりでございます。  以上、
     連絡先 渉外課 課長 ・・・・電話 027-327-5488
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↑シールド工事の発進抗が設置されていると思われる国道18号線脇の旧パチンコ宝塚跡地にある住友金属パイプエンジの資材置場兼高圧ガス導管加工場。この土地を借りられたことから、東京ガスは国道沿いの開削工法から国道直下1.4kmのシールド工法に変更したとみられる。当初は、途中、板鼻堰用水路、八幡大門交差点の雨水幹線、豊岡交差点だけをそれぞれ推進工法とする予定だった。一気にトンネルを掘ったため、シールドマシンも途中で先端の掘削用ビット(刃)を交換したという。しかし空洞検査は全線に掛けて実施しておらず、他にも空洞があるのではないかと懸念される。↑

■それでは、当会が提出した公開質問状と、東京ガスの回答内容を、それぞれの項目ごとに見てみましょう。


質問1)この陥没事故の原因は、貴社が現在、安中市磯部から高崎市下小塙町までの間で進めている群馬連絡幹線T期工事によるものですか?
>回答:明確な因果関係は判明していないものの、周辺の埋設物の状況、陥没の位置や形状などの状況から、弊社のシールド工事がこのたびの陥没の原因のひとつとして影響している可能性は否定し得ないと考えております。
【当会コメント】
いまだに陥没原因を率直に認めようとしない東京ガスの体質や企業風土がうかがえます。事故原因の特定について手こずっているのでしょうが、自分たちの責任逃れのための原因調査ではなく、国道18号線の他の箇所にも空洞化現象を起こしていないかどうかを真剣に調査することが重要です。しかし、殿様商売の企業体質にどっぷり漬かっている東京ガスとしては、住民の意見など耳障りに過ぎないと思っているのかもしれません。


質問2)もしそうなら、陥没場所の地下で貴社が行なっていたトンネル掘削工事というのは、貴社が質問者の地元で天神川、岩井川のような小河川や、交通量の多い県道前橋安中富岡線で採用している推進工法と同様の工事ですか?
>回答:推進工法とシールド工法では覆工(トンネル部の躯体)の構築方法が異なりますが、基本的な地中での掘削方法は同様の工法と位置付けられます。
【当会コメント】
 なるほど分かりました。ということは、安中市の岩野谷地区の県道や小河川で実施している推進工法でも、地中空洞化による陥没の可能性がなきにしもあらず、というわけですね。


質問3)もしそうであるなら、今回の国道18号線と、岩井川、県道前橋安中富岡線で採用している推進工法の内容が分かる施工要領や図面等の資料を開示していただけますか?
>回答:弊社では施工要領や図面等の資料等を外部に開示しない扱いとなっておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
【当会コメント】
 やはり、当会の予想したコメントが返ってきました。CSR・コンプライアンス室も持たず、情報開示に消極的な企業なので、何を言っても馬の耳に念仏といった対応しかできないのでしょうが、CSR・コンプライアンスと銘打って、報告書をホームページに掲載しているのは、不可解です。同社の誰がどのような権限で行なっているのか、株主や顧客も戸惑うことでしょう。


質問4)16日未明の陥没事故から、同日午後1時過ぎまでのおよそ8時間余りにわたって、道路復旧のための交通規制が原因で、国道18号は大渋滞を引き起こしました。この渋滞の影響を受けた車両数と、1台あたり平均渋滞時間について教えてください。
>回答:渋滞の影響を受けた車両数及び1台あたりの平均渋滞時間に関するデータは所有しておりません。
【当会コメント】現場の仮復旧作業中の写真を別記事で掲載しましたが、大渋滞を引き起こしても、我関せずという雰囲気でした。東京ガスは、自社の利益最優先の企業体質だから、迷惑をかけているという自覚そのものが認識できないのでしょう。

質問5)貴社は「国交省高崎河川国道事務所と毎日、道路パトロールを実施し、道路の陥没や隆起などがないかチェックしていたが、異常はなかった」とマスコミに述べていますが、その根拠(パトロール要領と記録など)を示してください。
>回答:陥没事故発生まで、弊社にて実施したパトロールや測量による路面状況調査において異常は確認されておりません。検査要領等につきましては、上記3)と同様の扱いとなっておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
【当会コメント】
 東京ガスは「陥没事故がおきるまで、弊社にて実施したパトロールや測量による路面状況調査で異常は確認されておりません」との見解です。読み替えると、「路面の上しか調査していない」ということになり、現場担当者が言っていた「レベル測量はやっていたが、地中レーダ探査は陥没前に何もしていなかった」ということを裏付ける記述となっています。となると、シールド掘削工事で、国道下に空洞箇所が他にもできている可能性があり、それらは全て東京ガスの責任として疑われることになることを意味します。私たちの国有財産である国道がそのような瑕疵リスクにさらされていることについて、東京ガスはもっと真剣に調査し、対応しなければなりません。国交省には東京ガスに対して、厳しくこの点を指摘して欲しいものです。


質問6)貴社は「(貴社の)これまでのトンネル掘削工事では道路が陥没した例はない」とマスコミに述べていますが、その根拠(トンネル工事履歴とチェック記録など)を示してください。
>回答:過去に弊社が発注したシールド工事において、道路が陥没したとの報告はございません。
【当会コメント】
 当会が指摘したように、帝国石油に比べると東京ガスはまだシールド工事の経験が少ないようです。だからまだ路面陥没事故の経験がないのでしょう。下水道工事などによる路面陥没事故は、首都圏ではかなり頻発しているようですが、そのたびにガス管への影響調査で、東京ガスも出動を余儀なくされているようです。この場合、東京ガスは“被害者”の立場なのでしょうが、高圧ガス導管事業のように大規模な工事を今後も手がけてゆくために、今回の事故は東京ガスにとって貴重な経験になるはずです。だからこそ、当会は、しっかりした情報公開が必要だと指摘しているのですが、CSR・コンプライアンス室を持たない企業に対してどうすれば理解してもらえるのか、そこが課題です。


質問7)掘削工事に関して、直接施工を担当した会社名と、現場作業管理責任者、安全管理責任者を教えてください。また、事故が起きた場合の関係者間の通報体制はどのようになっていましたか。
>回答:シールド工事の元請会社は、住友金属パイブエンジ株式会社であり、事故発生時の通報体制は施工要領にて取り決めがなされております。なお、各種責任者の個人名については回答を控えさせていただきます。
【当会コメント】
 シールド工事の元請会社は分かっています。元請の住友金属パイプエンジは、そもそもパイプ業者です。現場にいた住金パイプエンジの技術者にきくと「土木施工部門はなく、掘削工事は全部外注しており、ましてシールド工事は自社では全く扱っていない。東京ガスからはガスパイプライン設置工事を一括で請負っているが、自前でやるのは住金で製造したパイプを加工して、現場で溶接し接続して、養生しているだけで、その他の土木関係の工事は、専門業者に丸投げで、工程調整だけやっている」のだとか。直接施工を担当した会社名を教示して欲しいと公開質問したのに、バッくれた回答をしてくるところは、さすがガスパッチョの東京ガスの面目躍如と言えるでしょう。事故発生時の緊急通報体制は、関係組織の担当者名をすべて明示して現場に張り出して公開することが義務付けられています。しかし、東京ガスは独自の社内規程で、そうした対応をしてはいけないルールがあるようです。ちなみに先日、現場で住金パイプエンジの担当者に聞いたら、シールド工事を直接施工した会社は「浅沼組」だと、すぐに教えてくれました。


質問8)今回の国道陥没事故により、直接被害者の車両の運転者をはじめ、国道事務所、警察、近隣住民、渋滞に巻き込まれて通勤や通学、ビジネス面で影響を受けた多くのドライバーや同乗者らに対して、原因者として貴社はどのような対応をするつもりですか?
>回答:弊社の工事がこのたびの陥没の要因のひとつとして影響しているものであれは、今後このような事故が発生することのないよう、一層の注意、努力をして参りたいと考えております。
【当会コメント】
 東京ガスは「原因調査で責任が明確になった場合には、今後の再発防止に向けて、一層の注意努力をする」と言っていますが、謝罪は予定していないようです。原因の調査結果も、どうやら国交省だけに提出するだけで、同社のホームページでの掲載やニュースリリース、マスコミ発表などは一切しない腹積もりなのでは困りものです。


質問9)貴社は、質問者がこれまでお願いしている生活道路沿いの高圧ガス導管敷設ルートの変更や、地元との災害防止協定、そして北野殿VS施設の情報開示について、再考するつもりはありますか?
>回答:これまで貴殿より賜りましたご要望及びご要諸に対しまして、弊社より再三にわたり、書面、ご面談及び工事説明会等にてご説明申し上げて参りましたとおりでございます。
【当会コメント】
 案の定の回答でした。


質問10)今後、必要に応じて、質問者をはじめ地元関係者=ステークホルダーから要請があったら、それらに謙虚に耳を傾けるつもりはありますか?
>回答:これまで貴殿より賜りましたご要望及びご要諸に対しまして、弊社より再三にわたり、書面、ご面談及び工事説明会等にてご説明申し上げて参りましたとおりでございます。
【当会コメント】
 これも同様。


■公益性を鑑みて、ガス事業者として法律で様々な特典と与えられ優遇されている意味を東京ガスは完全に履き違えてしまっています。

 とりあえず、連休明けまで、東京ガスの対応振りを見極めた上で、あらためて、国道陥没の原因調査の結果が出たころを見計らって、今度は東京ガスの広報部あてに、質問してみたいと思います。

【ひらく会情報部・東京ガス高圧導管敷設問題研究班】
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