2017/6/28  23:46

アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・6月6日の新校長ら幹部からの説明内容にかかる検証結果  群馬高専アカハラ問題

■群馬高専におけるアカハラ事件と寮生連続不審死事件の真相究明と責任所在の明確化、そして再発防止の徹底を目指している市民オンブズマン群馬では、2017年6月6日(火)15時半から1時間にわたり群馬工業高等専門学校を訪れ、山崎校長以下同校幹部らと会合を行いました。詳しい協議内容は当会のブログを参照ください。
○2017年6月15日:【詳報】群馬高専のアカハラ等問題について4月に着任の新校長ら幹部とオンブズマンの会合の一部始終
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2344.html

 6月6日の新校長との面談内容についての反響は大きく、全国各地の高専関係者の皆さんから多数のアクセスをいただいております。また、実際にアカハラ事件の被害を受けたかたがたの情報についても、寄せられております。

 そうした情報を当会が検証した結果、現在の新校長の体制においてもなお、次の課題点が残っている実態が指摘されると考えます。

■では、学校側の口頭での説明内容を順に検証してみましょう。

(1)第4回公開質問状に対する回答について

 これは、物質工学科で発生したアカハラ事件について、主に竹本前々校長当時に発生したことが当会への情報提供で明らかになったため、当会では2016年12月19日付けで、当時の西尾前校長宛てに公開質問状に添えて、次の内容の態様調査報告書を提出してありました。詳しくは次の記事をご覧ください。
●2016年12月21日:アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・物質工学科でもアカハラ発生でオンブズマンが公開質問状
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2190.html

*****2016年12月19日付西尾校長あて公開質問状別紙*****

 (別紙)
      群馬高専物質工学科におけるアカハラの実態調査報告

                             2016年12月19日
                           文責 市民オンブズマン群馬

 当会の調査により、物質工学科においてもアカハラ事件が発生していたことを確認しています。いずれも、関係者らからの情報をもとにまとめたものです。

(1)日常的に、学科会議においてO.M氏(教授)、T.H氏(発生当時准教授、現教授)が下位にある特定の教員に対し、当該教員が発言をすると「どういう立場でものを言っているんだ」と執拗に嫌味を言って発言をさえぎったり、「ものを考えていないからそういうことが言えるんじゃないですか?」など人格否定のような発言を多く行った。
 また、他の教員に対しても、自分の意見と反対のことを言われると2人揃ってその教員に対して、「馬鹿じゃないのか、頭が悪いんじゃないのか」などという暴言を浴びせていた。特にT.H氏の場合は、学科会議で大声を出して回りを威嚇し、他の人の発言を妨げ、会議にならず言い争いのような時間になっていた。O.M氏は声を荒げこそしなかったが、人格否定のような発言を繰り返す場面が多々あった。
(その後、アカハラの被害に遭った教員は精神に異常をきたしてしまったということである)

 さらにこのO.M氏、T.H氏、そしてF.M氏(教授)は、下位の教員に対して研究が十分に出来ないように仕向け妨害する行為を執拗に行っている。

(2)O.M氏およびT.H氏は自分の思い通りにならない学生に対して罵詈雑言を浴びせ、精神的に彼らを追い込んだり泣かせたりといった行為を日常的に行っていた。 これについては被害を受けた学生らが精神的に追い込まれていることからも決して「熱血指導」などという性質のものではないことは明白である。一例として、T.H氏が担任となったとある学生が2年次編入の大学・学部を前々から志望していたが、T.H氏はそこに目をつけてその学生をわざわざ自室に呼び出し、「人生の損でしかない」「そんな所に行っても絶対に後悔するぞ」などと叱責と嫌味を徹底的に浴びせてその学生の夢や努力を真っ向から理不尽に否定し、号泣させたことがあった。

(3)2009〜2010年度において学科長だったF.M氏は、入試の説明会の日にいなかった教員に対し、そのことで「お前は仕事をしていない」という罵倒を浴びせたことがあった。当該の教員の欠席については、本人から事前に学科長当人に相談し、学校長と教務主事に了解を得ていたことが確認されており、この発言は明らかに不当である。 自らの了承を覆す発言は、当該の教員としては、きわめて理不尽であったに違いない。また、F.M氏は当該の教員に対し、「辞めるならさっさと辞めて下さい」と嘲笑したことも判明している。

(4)2009〜2010年度にかけて、当時の学科長のF.M氏はやむをえない出張の多い下位の教員に対して「出張はもう行かないだろうな」とプレッシャーをかけ、仕事や研究に伴う出張に対しても精神的負担を強い、間接的に業務を妨害した。 仕事に伴うそうした出張に対し、「今後控えろ」という業務に対する妨害ともとれる発言が、当時の学科長だったF.M氏から教員に投げつけられたことも判明している。

(5)当時学科長だったF.M氏に、教員からメールをしてあっても「受け取っていない」として、業務放棄のような発言を返された教員がいた。 同様に、メールで報告したにもかかわらず、F.M氏からは「報告を受けていないぞ。 私は聞いていない」と叱責された教員もいた。

(6)F.M氏が学科長時代に行っていたパワハラについては、被害を受けた教員らが学校側にも相談をし、総務課長らが相談に乗ったが、当時の竹本廣文学校長はほとんど触れたがらない対応、すなわち揉み消しと言っていい対応をとっていた。結局、「パワハラ等の話を大きくしても不利益に働く」との見解が当時の総務課長から文書で関係者に通知されるという対応だったとのこと。 アカハラ被害に遭った教員が竹本校長に直接話をしても、同校長からは「事を大きくしないほうがいい」という言葉が返されてきたことが判明している。

(7)ちなみに、2014年1月の物質工学科所属の寮生の自殺者の担任は、F.M氏だったことが確認されている。 因果関係は不明なるも、相応の対応をしていなかったのではないかと物質工学科の実情とF.M氏の本性を知る教職員の間からも、推察がなされている。
                                  以上

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 2017年6月6日の山崎新校長との面談時に、当会からの上記に関する公開質問状に対する回答が、学校側から次のとおり口頭で当会に対してありました。

**********
部長:えーと、それではすいません。ちょっと前体制時に頂いたご質問に関してですが、昨年の12月19日、こちらは物質工学科の事案に対してのご質問書でございますね?

当会:はい。

部長:はい。で、まああのう、事実確認をということで、7項目頂いてございます。で、これはまあ、前体制で、ですね、実際に聴き取り調査を、させて頂きました。それで、えー、まず1つ目、ですが、まあ、学科会議等における発言ですね、それから、学生に対する、えー、発言、というのが1番、2番でございますけれども。

当会:ええ、言動ですね。

部長:はい。これはですね、(前体制下での)聴き取り調査の結果といたしましてはですね、事実確認はできなかったということでございます、はい。ええと、それから3番以降、6番まででございます。

当会:はい

部長:えー、学科長から職員に対する、えー、言動でございますね?

当会:はい。

部長:こちらのほうですが、こちらもですね、同様に複数の者から聴き取り調査をさせて頂いておりまして、えー、まあ、ただちょっと時間がやはり経っていたということが影響してはございますけれども、明らかにハラスメント行為であったと、いう明確な根拠は確認できなかったと、いう結論が出てます。

当会:そのまあ、だから、ハラスメントの、まあ、定義というのはね、まあ、いろいろございますけれどもね。

部長:難しいところでございます。はい。

当会:ええ、だからそれは、御校のその基準に照らして、このぐらいであったら、特にそのハラスメントの、いくつかこう条件がありますけれども、それに該当しなかったと、こういう判断されているわけですね?

部長:はい。それから最後の7番目でございます。えー、まあ、残念ながら、学生さんがお亡くなりになった事案がございまして、あのう、物質工学科の学生さんでございますけれども、ま、ここに関しましてはですね、こちらであのう、質問頂いた事項自体がですね、ちょっとこちらでも根拠を掴みかねるというところでございまして、あのうやはり、大事な、お預かりしている学生さんが亡くなった際にですね、えー、やはり担当教員、ま、担任としてですね、えー、本来あるべき姿での行動はとられていたと、いうことでございますので・・・まあ、これは、あのう、・・・複数の、各々の、調査に基づくものということでございます。

**********

 これでは何が何だかよくわからないため、それぞれの報告に対して逐条的に学校側の回答を当てはめてみました。

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(1)日常的に、学科会議においてO.M氏(教授)、T.H氏(発生当時准教授、現教授)が下位にある特定の教員に対し、当該教員が発言をすると「どういう立場でものを言っているんだ」と執拗に嫌味を言って発言をさえぎったり、「ものを考えていないからそういうことが言えるんじゃないですか?」など人格否定のような発言を多く行った。
 また、他の教員に対しても、自分の意見と反対のことを言われると2人揃ってその教員に対して、「馬鹿じゃないのか、頭が悪いんじゃないのか」などという暴言を浴びせていた。特にT.H氏の場合は、学科会議で大声を出して回りを威嚇し、他の人の発言を妨げ、会議にならず言い争いのような時間になっていた。O.M氏は声を荒げこそしなかったが、人格否定のような発言を繰り返す場面が多々あった。
(その後、アカハラの被害に遭った教員は精神に異常をきたしてしまったということである)

 さらにこのO.M氏、T.H氏、そしてF.M氏(教授)は、下位の教員に対して研究が十分に出来ないように仕向け妨害する行為を執拗に行っている。

(2)O.M氏およびT.H氏は自分の思い通りにならない学生に対して罵詈雑言を浴びせ、精神的に彼らを追い込んだり泣かせたりといった行為を日常的に行っていた。 これについては被害を受けた学生らが精神的に追い込まれていることからも決して「熱血指導」などという性質のものではないことは明白である。一例として、T.H氏が担任となったとある学生が2年次編入の大学・学部を前々から志望していたが、T.H氏はそこに目をつけてその学生をわざわざ自室に呼び出し、「人生の損でしかない」「そんな所に行っても絶対に後悔するぞ」などと叱責と嫌味を徹底的に浴びせてその学生の夢や努力を真っ向から理不尽に否定し、号泣させたことがあった。

【学校側回答】
事務部長:はい。で、まああのう、事実確認をということで、7項目頂いてございます。で、これはまあ、前体制で、ですね、実際に聴き取り調査を、させて頂きました。それで、えー、まず1つ目、ですが、まあ、学科会議等における発言ですね、それから、学生に対する、えー、発言、というのが1番、2番でございますけれども。
当会:ええ、言動ですね。
事務部長:はい。これはですね、(前体制下での)聴き取り調査の結果といたしましてはですね、事実確認はできなかったということでございます、はい。


(3)2009〜2010年度において学科長だったF.M氏は、入試の説明会の日にいなかった教員に対し、そのことで「お前は仕事をしていない」という罵倒を浴びせたことがあった。当該の教員の欠席については、本人から事前に学科長当人に相談し、学校長と教務主事に了解を得ていたことが確認されており、この発言は明らかに不当である。 自らの了承を覆す発言は、当該の教員としては、きわめて理不尽であったに違いない。また、F.M氏は当該の教員に対し、「辞めるならさっさと辞めて下さい」と嘲笑したことも判明している。

(4)2009〜2010年度にかけて、当時の学科長のF.M氏はやむをえない出張の多い下位の教員に対して「出張はもう行かないだろうな」とプレッシャーをかけ、仕事や研究に伴う出張に対しても精神的負担を強い、間接的に業務を妨害した。 仕事に伴うそうした出張に対し、「今後控えろ」という業務に対する妨害ともとれる発言が、当時の学科長だったF.M氏から教員に投げつけられたことも判明している。

(5)当時学科長だったF.M氏に、教員からメールをしてあっても「受け取っていない」として、業務放棄のような発言を返された教員がいた。 同様に、メールで報告したにもかかわらず、F.M氏からは「報告を受けていないぞ。 私は聞いていない」と叱責された教員もいた。

(6)F.M氏が学科長時代に行っていたパワハラについては、被害を受けた教員らが学校側にも相談をし、総務課長らが相談に乗ったが、当時の竹本廣文学校長はほとんど触れたがらない対応、すなわち揉み消しと言っていい対応をとっていた。結局、「パワハラ等の話を大きくしても不利益に働く」との見解が当時の総務課長から文書で関係者に通知されるという対応だったとのこと。 アカハラ被害に遭った教員が竹本校長に直接話をしても、同校長からは「事を大きくしないほうがいい」という言葉が返されてきたことが判明している。

【学校側回答】
事務部長:ええと、それから3番以降、6番まででございます。
当会:はい
事務部長:えー、学科長から職員に対する、えー、言動でございますね?
当会:はい。
事務部長:こちらのほうですが、こちらもですね、同様に複数の者から聴き取り調査をさせて頂いておりまして、えー、まあ、ただちょっと時間がやはり経っていたということが影響してはございますけれども、明らかにハラスメント行為であったと、いう明確な根拠は確認できなかったと、いう結論が出てます。
当会:そのまあ、だから、ハラスメントの、まあ、定義というのはね、まあ、いろいろございますけれどもね。
事務部長:難しいところでございます。はい。
当会:ええ、だからそれは、御校のその基準に照らして、このぐらいであったら、特にそのハラスメントの、いくつかこう条件がありますけれども、それに該当しなかったと、こういう判断されているわけですね?
事務部長:はい。


(7)ちなみに、2014年1月の物質工学科所属の寮生の自殺者の担任は、F.M氏だったことが確認されている。 因果関係は不明なるも、相応の対応をしていなかったのではないかと物質工学科の実情とF.M氏の本性を知る教職員の間からも、推察がなされている。
【学校側回答】
部長:それから最後の7番目でございます。えー、まあ、残念ながら、学生さんがお亡くなりになった事案がございまして、あのう、物質工学科の学生さんでございますけれども、ま、ここに関しましてはですね、こちらであのう、質問頂いた事項自体がですね、ちょっとこちらでも根拠を掴みかねるというところでございまして、あのうやはり、大事な、お預かりしている学生さんが亡くなった際にですね、えー、やはり担当教員、ま、担任としてですね、えー、本来あるべき姿での行動はとられていたと、いうことでございますので・・・まあ、これは、あのう、・・・複数の、各々の、調査に基づくものということでございます。

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1)アカハラ実態に関する聞き取り調査実施と事実関係未確認について

 群馬高専は、物質工学科におけるアカハラ疑惑に関する前校長体制下での調査において「複数の人物に対する聞き取り調査を経て、事実関係が確認できなかった」としていますが、まずこの「調査」が被害者とされる人物に対し行われたのかがポイントです。

 結論から言うと、当会に寄せられた情報によれば、物質工学科の学科長らから職員らに対するアカハラ事件について、学校側は、2016年末から2017年初めにかけて、加害者がともかく、少なくとも被害者を対象に聞き取り調査を行ったことは確かです。前体制下で、そうした調査を行った対応の迅速さは当会としても評価したいと思います。しかし、それならばなぜ2017年3月後半時点に至ってもなお、「調査中」などとして、調査の当事者としての説明責任を前体制が果たそうとしなかったのか、理解に苦しむところです。

 竹本・前々校長が、「事を大きくしないほうがいい」などとして関係者や被害者からの要請に対し、揉み消しとも言える不適切な対応を取っていたことは、関係者からの書面によるアカハラ情報の提供によっても明白な事実です。このことに関して、依然として「事実関係はない」などとする群馬高専の現体制による説明は、明白な嘘であると言ってよいと考えられます。

 少なくとも、アカハラに関する告発に対し、そもそも調査を行わず、揉み消すような対応を取ったというのは、事実関係がどうであるかに一切関わらず、重大問題であり、2012年3月公表されたアカハラ事件に関する竹本・前々校長自身が発したアカハラに対する姿勢と矛盾するものです。そのため、やはりこの竹本元校長の体制による学校としての発言の真意は確かめられなければならないと思います。

2) アカハラの判断基準について

 群馬高専側が説明した「アカハラの基準に照らして事実関係が確認できなかった」というのは、加害教員とされる人物が「そもそもそのような言動をした事実が無い」という意味なのか、「そのような言動をした事実はあったにせよ、群馬高専がアカハラと認定するラインに達していない」という意味なのかが判然としません。

  前者であれば、当会としても当該記事の訂正・削除は妥当と考えますが、間接的とはいえ、アカハラ行為があったことを示す物的証拠も残っている以上、学校側が「何も無かった」と結論付けるのは無理筋と言わざるを得ません。

 あるいは、よもや、加害教員とされる人物を陥れるために、"7年も前から"、電子情報工学科でのアカハラや寮生連続不審死、それに伴う当会の介入等を"全て予測して"、学校側は、自らの関係者らが結託して証拠を捏造していたとでも言いたいのでしょうか?

  後者であれば、群馬高専のアカハラ認定基準に引っ掛からないのはあくまで群馬高専の中だけの話であって、当会をはじめ世間一般の人たちが口をつぐまなければならない理由は何もありません。人を導くべき立場にある人物が世間一般の基準から言って非道徳的な行為をなしたのは事実であって、公表することには十分な公益性があるはずだからです。

 そもそも、群馬高専のアカハラ認定基準が公表されない以上、極論を言えば人を殴ろうが殺そうが群馬高専が「アカハラではない」と言えばアカハラで無くなるのですから、このような恣意的で手前味噌的な主張・説明を信用しろ、というのがどだい無理な話です。

3)アカハラ実態に係る当会調査報告におけるイニシャル表記について

 当会作成の実態報告書に記されたアカハラ関係者のイニシャル表記について、群馬高専側は削除を当会に要請してきました。確かに群馬高専側の言う通り、もし明らかに事実無根であると確認されたならば、冤罪に他なりませんから謝罪の上、撤回、削除することは妥当であると思われます。

 しかし前項のとおり、事実関係が確認できなかったとする学校側の「調査」がまともに行われたとは、到底見ることができない上、当会へ一方的に迷惑をかけておいて悪びれもしないまま、当会にこのような「誠意」を求めてくるのは、全く理屈が通りません。

(2)第3回公開質問状に関する追加質問に対する回答について

1)2016年1月の寮生死亡事件における葬儀出席のための公的欠席許可について

 「寮生にも公的欠席の許可を出していた」という事実を初めて群馬高専側の口から聞けたことは大きな進展です。しかし、そうであれば、なぜ同学級の学生が全員葬儀に出席したにも関わらず、4年間も寝食を共にしてきたはずの寮生たちが半数すら参加しなかったのか、という大きな疑問が浮かびます。

 これは寮内の人間関係や雰囲気、ひいては全般的な体質が大きく腐敗しているのではないか、という疑問に繋がります。

2)2014年1月の寮生死亡事件における寮生強制帰宅指示について

 この件でも、校長は「当然の判断」として、その判断根拠の例として災害発生を挙げています。災害の際に寮生を帰宅させるのが当然なのは、寮の存在目的である学業の存続が当面不可能となり、また学校として学生を寮に残した場合その生命の保証ができないからです。

 寮生の自殺は確かに大事件ですが、それで当面学校の運営が不能になったり、他の寮生に危害が及んだりする訳ではありません。したがって、強制帰宅の正当性が見当たりません。このように考えますと、新校長の説明は、正直言って、話のすり替えのような印象を受けます。

 「なにか見られたくないものがあって、学生の目からそれを隠すために全員を叩き出したのではないか」という疑惑にも繋がるところがあるため、この正当性にはキチンと説明をつけてほしいところです。

(3)情報不開示処分取消請求事件の訴訟に対する質問に関して

 和解勧告や被害者への聞き取りの可能性等、重要事項について回答がいただけなかったのはともかく、現在係争中の準備書面の遅延に関してまでも、「係争中だから」という意味不明の理由だけで、具体的な理由説明はおろか、謝罪や再発防止対策にむけた一言もいただけなかったのは大変に遺憾です。

 ある意味、学校側は加害者の立場であり、あまつさえ国民の税金を使い大枚をはたいて弁護士というプロを雇っておきながら、この誠意の欠片もない体たらくですから、学校側の体質について底が知れるというものです。

(4)西尾前校長の動静について

 高専校長と文部科学省の関係について今回、学校側から実態についてヒヤリングできたのは一定の収穫があったと当会では感じております。つまり、河野太郎議員の問題提起を発端に、今問題になっている文科省の「現役出向」が、高専に対しても明確に行われているということを確認できたからです。

 「現役出向」は、確かに退職金こそ出ませんが、出向中に天下り先をあれこれ吟味し、省に1日戻って退職金を貰いつつ、天下り先へ渡るという、限りなく黒に近いグレーな行為の温床となっているため、大変に問題視されています。

 仮にそのような行為を行っていないにしても、せいぜい理事や管理職レベルの官吏による国立大学や独法への「現役出向」に比べ、高専に出向した場合は、出向先で握ることになる「校長」という重い権限は、一役人に付与するにはあまりに大きすぎるという問題があります。だからこそ今回のような惨劇が起きたのです。今後、この点についてもさらに追及していく必要がありそうです。

 今回、西尾前校長が在職した13〜16年の4年間という任期は、同じく4年間在職ののち定年退職した竹本元校長を除けば、過去歴代の校長の中でも最短となるものです。このことからも、「任期」が最初から決まっていたものなのか甚だ疑問です。事件が何も問題となっていなければ、そのまま居座る予定だった可能性も十分にあります。

 よしんば就任時からすべてが決まっていたのだとして、それならばアカハラや寮生連続不審死事件への対応も含め、すべて逃亡を計算ずくの上で行っていたということになります。ご遺族の方々やマスコミに対して時間稼ぎのための説明をしながら、頭の中では逃げ切る算段を立てていたのでしょうし、前年夏の脅迫文書の貼り付けも、「どうせ辞めるから学校の評価が地に落ちようと関係ない」と考えて決行したのかもしれません。そうだとすれば、西尾前校長の人間性を疑うしかありません。

 そもそも、「校長の任期」という重大な情報が外部に対し公開されていないことが大問題な訳です。少なくとも、当会が確認できる限りで、外部の者や学生やその保護者が確認できるWebページや学生向け文書にそういった情報が記載されたという事実はありませんし、当会が退任直前の西尾校長に直接聞いても、返答がなされることはありませんでした。このことからも、群馬高専側が校長の任期を意図的に秘匿していたのは明らかですから、この点も追及して行く必要がありそうです。

 また、教職員の人事情報を非公開としたことについても、群馬高専は「国からのガイドラインに従っただけだ」と説明しました。理由については一応の回答をいただくことができましたが、当会の質問事項にもある、「いつ、誰の命令で」行ったのか、という肝心な事項は回答されなかったため、再度回答を求める必要がありそうです。そもそも群馬高専自体が「お達し自体は昔から出ている」としているとおり、ガイドラインに従うかどうかは各高専の裁定に任されているのであり、上部機関や国から直接そのような命令が下されたわけではないのですから。

(5)新校長の説明責任について

 山崎新校長は今回、「一連の事件に関する関係者への説明は、前任校長が行っており、私はこれからの改革に関する抱負を漸次説明していく」と話しました。しかし、西尾前校長によって「寮生が3人死亡し、大変に重く受け止めている」という以上の内容が、彼の在任中に学校内外に説明されたという事実はありません。

 西尾前校長が口を閉ざすことを明言している電子情報工学科におけるアカハラ事件についてはともかく、2016年7月の当会訪問に先立ち教室内や寮内への脅迫文書の貼り付けやそれに起因する騒動については、きちんと説明する義務が前校長にはあるはずです。

 まして、脅迫文書貼り付け事件が起こった際に、「学生への説明を行いたい」として教員から緊急の教員会議の要請が出ても西尾前校長は黙殺したのですから、「西尾前校長が既に説明した」とする山崎新校長の説明には首を傾げざるを得ません。さらに有り体に言えば、「真っ赤な嘘」と言わざるを得ません。

 群馬高専は西尾校長が文科省に戻った理由を「人事交流元(文科省)の都合」と説明していますが、これに関してももう少し深く実態を調査する必要がありそうです。

■以上が、6月6日の群馬高専における新校長ら幹部との面談から4週間を経ようとしている現時点で、新たに判明した疑問点や課題点です。

 このため、これらをあらためて学校側と協議をして事実確認や学校側の見解を求める必要があると当会では考えております。6月6日の面談時には、「新たな事実が出てきた場合に、両者が面談して協議をする必要があると認めた」場合に限り、開催可能という学校側からの発言がありました。したがって、上記の事項はいずれもそうした条件に該当すると考えられますので、学校が夏季休暇に入る前後のタイミングで、再度櫻井課長に、山崎校長との面談のためのアポイントをお願いする必要があると考えています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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