2018/6/20  23:37

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…被告群馬県の主張を100%認めた東京高裁のアセス免除控訴審判決  東北関東大震災・東電福島原発事故

■関電工による放射能汚染木材を大量に集荷し、チップにしてから、機械的に油圧プレスで脱水し、ボイラーに投入して燃焼させ、発生した高温高圧の蒸気でタービンを回すことで、発電機を駆動させて電気を起こし東電に販売するという亡国事業=バイオマス発電施設設置計画で、事業者である関電工が群馬県環境アセスメント条例の適用を受けないまま、既に2月13日以降、実質的な運転開始状態にあり、4月24日には営業運転開始に先立ち、完成披露式まで催す始末です。
 当会では、群馬県環境アセス条例がなぜ適用されないのか、その根拠となる情報開示請求を行ったところ、群馬県は「事業者の関電工が自ら適用不適用を判断したものであり、群馬県にはその判断の根拠となる情報は不存在だ」としたので不思議に思っていました。ところがその後、実は平成27年3月31日付で内部通達が出されていたことが判明したので、「不存在処分は間違いだから取り消してほしい」と審査請求をしましたが、受け入れられないため、前橋地裁に不存在処分の取り消しを求めて訴えました。すると前橋地裁の塩田裁判長は「群馬県が不存在だと言っているのだから、不存在なのだ」として、内部通達の存在を無視する判決を下したため、当会は東京高裁に控訴しました。
 この控訴審はこれまで、第1回口頭弁論が2018年2月5日(月)11時に、第2回口頭弁論が2018年3月12日(月)11時に、第3回口頭弁論が2018年4月23日(月)13時15分に、いずれも東京高裁7階717号法廷で開かれました。第3回弁論で裁判長は結審したいそぶりを見せましたが、当会では最後にもう一度チャンスを頂きたいとして、1週間以内に反論を提出する旨、裁判長に約束をし、4月30日に、控訴人控訴審準備書面(1)を提出しました。そして、5月16日(水)午後3時30分から、第4回口頭弁論が開かれ、その場で結審し、本日5月20日(水)午後1時10分に東京高裁717号法廷で判決言渡しがありました。
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判決言渡しが行われた東京高裁のある裁判所合同ビル。


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 この訴訟事件に関する前橋地裁一審判決から今の控訴に至る過程は次のブログをご覧ください。
○2017年11月8日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス不要根拠文書不存在訴訟で地裁が原告敗訴の問答無用判決
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2456.html
○2017年11月22日:【緊急速報】東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・バイオマス発電施設から大量の白煙!関電工の暴挙!↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2472.html
○2017年11月30日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…赤城山南麓に漂うバイオマス発電の白煙と控訴状不備を指摘してきた裁判所
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2482.html
〇2017年12月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の一審敗訴で控訴理由書等を地裁に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2486.html
〇2017年12月19日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の控訴審が2月5日に決定!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2504.html
〇2018年1月31日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の2.5控訴審が迫り群馬県が控訴答弁書を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2550.html
○2018年2月3日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…2月5日東京高裁で開かれた環境アセス免除根拠不存在訴訟の控訴審
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2559.html
○2018年3月14日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の第2回控訴審が3月12日東京高裁で開廷
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2591.html
〇2018年4月23日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の第3回控訴審を前に県が乙4号証を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2619.html
○2018年4月23日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の第3回控訴審と直前に県が出した乙5号証
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2620.html
○2018年5月1日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟第4回弁論に向け当会が準備書面(1)を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2627.html
〇2018年5月16日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の控訴審が結審!判決は6月20日
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2641.html

■東京高裁には午後0時40分ごろ到着しました。被控訴人の群馬県訴訟代理人の石原栄一弁護士らとは、本日午前10時20分から、同じく前橋バイオマス発電燃料の補助金に係る住民訴訟で前橋地裁3階のラウンドテーブル法廷で第9回弁論準備を行いましたが、その際、本件の判決言渡しに出頭するのかと尋ねたところ、石原弁護士が「わざわざ行くんですか?」といい放ちました。そのため、「ああ、これはもう判決内容が伝わっているな」と予感しました。

 東京高裁717号法廷のある7階に上ると、法廷の壁に次の開廷表が掲示されていました。

*****東京高裁開廷表*****
717号法廷(7階)開廷表
平成30年6月20日 水曜日
●開始/終了/予定 11:10/弁論
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第1095号/債務不存在確認請求控訴事件、同反訴請求事件
○当事者      中村みよ外/中村元行外、中村保
○代理人           /
○担当       第23民事部Cイ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 内堀宏達
          裁判官 小川理津子
          書記官 中橋正幸、小山内文子
●開始/終了/予定 13:10/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第1056号/保険金等請求控訴事件
○当事者      塩入達郎/三井住友海上火災保険株式会社
○代理人          /
○担当       第23民事部Eハ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 高宮健二
          裁判官 廣瀬諭
          書記官 中橋正幸、小山内文子
●開始/終了/予定 13:10/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成29年(行コ)第368号/公文書不存在決定処分取消請求控訴事件
○当事者      市民オンブズマン群馬/群馬県
○代理人                /
○担当       第23民事部Cイ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 内堀宏達
          裁判官 小川理津子
          書記官 中橋正幸、小山内文子

●開始/終了/予定 13:15/第一回弁論
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第2140号/貸金請求控訴事件
○当事者      安藤禮子/金子求
○代理人          /
○担当       第23民事部Dロ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 内堀宏達
          裁判官 廣瀬諭
          書記官 中橋正幸、小山内文子
●開始/終了/予定 14:30/弁論
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第840号/リース代金不当利得返還反訴請求控訴事件
○当事者      吉田建設株式会社/新光重機株式会社
○代理人              /
○担当       第23民事部Bハ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 高宮健二
          裁判官 小川理津子
          書記官 中橋正幸、小山内文子
●開始/終了/予定 16:00/第1回弁論
○事件番号/事件名 平成30年(行コ)第99号/療養補償給付及び休業補償給付等不支給処分取消請求控訴事件
○当事者      天田真理子/国
○代理人           /
○担当       第23民事部Eニ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 高宮健二
          裁判官 廣瀬諭
          書記官 中橋正幸、小山内文子
**********

 午後1時前に、赤城山の環境と子供たちを守る会の会長がお見えになり傍聴席で待機しました。午後1時10分からの判決言渡しでは、当会が先に出頭したので、本件が先に判決言渡しとなりました。

 定刻の1時10分に垣内裁判長が陪席裁判官2名を率いて入廷しました。一同、起立・礼をして着席すると、おもむろに裁判長が判決文の要旨を読み上げました。予想した通り裁判長の口から発せられたのは「本件控訴を棄却する」でした。

 書記官からはあらかじめ判決文の交付は15階の第23民事部の窓口で行われると伝えられていたので、直ちに法廷を出ました。守る会の会長には「上告を視野に検討したい」と伝えて了承を得ました。

 そのあと15階の一番端にある第23民事部の窓口で、判決文の交付を受けました。「少し時間がかかる」と言われたので、交付のあとも、窓口前で待機していると、裁判を終えた垣内裁判長らが向こうからちょうど歩いてきました。顔を見合わせると垣内裁判長は無言で会釈をして通り過ぎていきました。

 交付された判決文は次の通りです。

*****判決文*****PDF ⇒ img_20180620_0004.pdf
平成30年6月20日判決言渡 同日原本領収裁判所書記官 中橋
平成29年(行コ)第368号 公文書不存在決定処分取消請求控訴串件(原審・前橋地方裁判所平成28年(行ウ)第24号)
口頭弁論終結日 平成30年5月16日
             判        決
前橋市文京町1丁目15−10
      控  訴  人      市民オンブズマン群馬
      同代表者代表       小  川     賢
前橋市大手町1丁目1番1号
      被 控 訴 人      群    馬    県
      同代表者兼処分行政庁   群馬県知事 大澤正明
      被控訴人訴訟代理人弁護士 石  原  栄  一
      同            関     夕 三 郎
      同            織  田  直  樹
      同指定代理人       増  田  一  郎
      同            小  菅  健  矢
      同            森  下  留美 子
             主        文
     1 本件控訴を棄却する。
     2 控訴費用は控訴人の負担とする。
             事 実 及 び 理 由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 群馬県知事が控訴人に対し平成28年5月6日付けでした原判決別紙文書目録記載の公文書を開示しない旨の決定を取り消す。
第2 事案の概要等

<P1>
1 事案の概要
  本件は,控訴人が,群馬県情報公開条例(以下「情報公開条例」という。)の規定に基づいて,群馬県知事に対し,原判決別紙文書目録記載の公文書(以下「本件文書」という。)の開示を請求(以下「本件開示請求」という。)したところ,群馬県知事から本件文書を保有していないことを理由に本件文書を開示しない旨の決定(以下「本件決定」という。)を受けたので,本件決定の取消しを求めた事業である。
  原審が,平成29年11月8日,控訴人の請求を棄却する旨の判決(原判決)を言い渡したところ,控訴人が,同判決を不服として控訴した。
2 本件に関する法令等の規定,前提事実,争点及び当事者の主張は,後記3のとおり原判決を補正し,後記4のとおり,当審における当事者の主張を付加するほか原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の1ないし3に記載のとおりであるから,これを引用する。
3 原判決の補正
(1) 原判決6頁13行口の「(甲10」の次に「,以下「本件運用設定文書」という。」を加える。
(2)原判決6頁25行目の「立場にはない。」の次に,「なお,知事は,事業について環境影響評価の実施を判断することはないが,県は,大規模事業について種々の許認可をし,あるいは届出を受ける立場にあるから,このような届出等を通じて事業の種類や規模等の内容を認識することが可能である。したがって,当該事業が法令上環境影響評価の対象となる事業の種類又は規模であるにもかかわらず,それが実施されていない場合には,知事は,環境影響評価条例46条に基づき勧告及び公表を行うことになる。」を加える。
(3)原判決7頁1行目の「と判断した」を「と判断したことはないから,そ

<P2>
の」に改める。
(4)原判決7頁2行目の「保有していない。」の次に,「また,羽鳥が開示請求を行った公文書の内容は,本件開示請求の対象である公文書の内容と異なっているから,羽鳥に開示した本件運用設定文書が存在したからといって,本件文書が本件開示請求の時点で存在していたことにはならない。」を加える。
4 当審における当事者の主張
(1)控訴人の主張
  ア 本件運用設定文書には公印が押印されておらず,実施日も未記入であるから,公文書として成立しておらず,環境影響評価条例の別表1の運用改変は未だに完結していないし,同文書は,同文書の電子データによれば,平成28年10月27日に偽造(偽装工作)されたものである。したがって,被控訴人は,同条例12条により,株式会社関電工に対して条例アセスメントを実施させるべき義務があったから,本件文書は存在しているはずである。
  イ 被控訴人は,平成27年3月31日時点では,株式会社関電工が作成した本件発電施設の計画概罫書を保有していたのに,同社から,基準に満たないとの電話連絡を受けたのみで,これを廃棄するのは不合理であるから,本件開示請求時点でも計画概要害を保有していたはずである。
(2)被控訴人の主張
  ア 本件運用設定文書は,被控訴人の職員が職務上作成した文書であり,同職員が組織的に用いるものとして保有しているものであるから,公文書であるし,被控訴人が本件運用設定文書を不正に作成したことはない。
  イ 被控訴人の環境政策課職員は,本件発電施設の設置を計画する株式会社関電工から資料の提供を受けて,条例アセスメント制度について相談

<P4>
に応じたことがあったが,被控訴人には,事業開始前の段階において事業者に資料等を提出させて,その内容の適正を審査するなどの権限はない。したがって,被控訴人には当該資料を保有しておく理由はなかったから,その後,当該資料を廃棄しており,本件開示請求当時には存在しなかった。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も控訴人の請求を棄却すべきものと考える。その理由は,後記2のとおり原判決を補正するほか,原判決の「事実及び理由丿欄の「第3 当裁判所の判断」の1ないし3に記載のとおりであるから,これを引用する。
2 原判決の補正
(1)原判決7頁13行目の「ただし,」から19行目の「いうべきである。」までを削除し,「(東京高等裁判所平成22年(行コ)第183号平成23年9月29日判決参照)」を加える。
(2)原判決8頁15行目の冒頭から9頁12行目の末尾までを次のとおり改める。
  「3 甲3,8,10,11,乙3ないし5及び弁論の全趣旨によれば,環境政策課が,株式会社関電工からの本件発電施設に関する条例アセスメントの相談に対応した経過は次のとおりであったと認められる。
   (1)環境政策課は,平成25年末ころ,本件発電施設とは無関係の企業から,木質バイオマス発電施設の事業に関する条例アセスメントの相談に対応したことがあったところ,平成26年4月には,「エネルギー基本計画」の閣議決定がされたこともあり,再生可能エネルギーである木質バイオマス発電に関する条例アセスメントの取扱いについて検討を始めた。
   (2)株式会社関電工は,平成26年6月ころには,本件発電施設設置の計画が具体化するようになり,そのころから,本件発電施設による事業が

<P5>
条例アセスメントの対象になるかどうかを確認するため,環境政策課に対し,複数回問い合わせをした。
     環境政策課の職員は,株式会社関電工からの相談に対し,環境影響評価条例や同施行規則に基づき制度の説明をした上で,規模要件に該当するときには条例アセスメントの手続が必要であるなどの説明をした。
   (3)環境政策課は,木質バイオマス発電に関する条例アセスメントの取扱いについて検討を進めていたところに,更に株式会社関電工からも相談を受けたことから,環境影響評価条例の改正も視野に入れて全国の状況を調査するなどの具体的検討を始め,平成27年3月ころには,木質バイオマス発電事業に関する条例アセスメントの取扱いについて,新たな運用を定める方針となっていた。
   (4)環境政策課は,平成27年3月,本件発電施設による事業が具体化し、本件発電施設が環境影響評価条例施行規則別表第1の規模要件に該当して条例アセスメントが開始された場合に,そのスケジュールや事務処理の段取り等の参考にするために,株式会社関電工から本件発電施設の計画概要を記載した資料(以下「計画概要書」という。)の交付を受けた。
   (5)環境政策課は,平成27年3月31日,本件運用設定文書の決裁を終え,環境影響評価条例施行規則別表第1の規模要件を適用させる場合の運用について,「未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場については,排ガス量を計算するにあたっては,含水率(乾量基準含水率)を20%として算出できるものとする。」と定めて,その運用を開始した。
     環境政策課は,同日,株式会社関電工に電話をして,未利用の木質バイオマスを燃料とする工場・事業場について上記運用をすることを決定した旨を伝えた。

<P6>
   (6)環境政策課は,平成27年4月ころ,株式会社関電工から,本件発電施設からの総排ガス量は毎時約4万2000ノルマル立方メートルであるが,本件運用設定文書により決定した運用を適用して含水率を控除すると毎時約3万9000ノルマル立方メートルになり,環境影響評価条例施行規則別表第1の規模要件未満となるとの連絡を受けた。
   (7)環境政策課では,条例アセスメントの手続をする必要がなくなり,株式会社関電工から問い合わせもなかったことから,同年5月末ころまでには,株式会社関電工から交付を受けた計画概要書を廃棄した。
   4 前記3(2),(4)のとおり,環境政策課の職員は,平成26年6月ころから平成27年3月までの問に,株式会社関電工から本件発電施設による事業が条例アセスメントの適用対象になるか否かについて複数回相談を受け,同月には,株式会社関電工から本件発電施設の計画概要書を入手したことが認められるところ,この計画概要書には,本件発電施設の排ガス量に関する情報等が記載されていた可能性が認められる。
     しかし,前記3(5)〜(7)のとおり,環境政策課の職員は,同年4月、株式会社関電工から,本件運用設定文書によって変更された運用を本件発電施設に適用すると条例アセスメントの対象外である旨の連絡を受けて,その後に問い合わせもなかったことから,同年5月末までには,計画概要書を廃棄したことが認められるから,仮に,計画概要書が本件文書に該当したとしても,本件開示請求時には当該文書は存在しなかったものである。
     この点,控訴人は,環境政策課が,株式会社関電工から報告を受けただけで同文書を廃棄したことは不合理であるから本件開示請求時にも存在していたはずである旨主張するが,前記説示のとおり,環境影響評価条例の各規定は,事業者が実施しようとする事業が条例アセスメントの対象となるか否かの判断をするのは事業者自身と定めているから,環境政策課において,行政サービスの一環として,株式会社関電工の相談に応じて,同

<P7>
社に対し,環境影響評価条例の制度等について説明や助言等をし,同社が適切な判断をするための援助をしたことがあったとしても,同社において,本件発電施設が条例アセスメントの対象とならないとの判断をした場合には,(←当会注:関電工は、アセスメント免除は群馬県から伝えられたと言っているのに、裁判所はそのことを、関電工が判断した場合、などと勝手に想定して、判断の根拠から意図的に除外していることがわかります)以後,条例アセスメントを実施する場合に環境政策課がすべき事務等は発生しないこととなり,もはや環境政策課で計画概要書などの資料を保有しておく理由がなくなることからすれば,環境政策課において,これを廃棄したことには,格別不合理なところがあるとはいえない(←当会注:環境政策課で関電工の計画概要書を平成27年3月31日時点で保有していたことを判決文でも認めている)被控訴人が,その後,その他の各種届出等を通じて,当該事業が条例アセスメントの対象となるものであることを知ったときには,必要な措置をとるべきことを勧告することができることとなるが(←当会注:被控訴人の群馬県が関電工の事業がアセスメントの対象となるので、特定措置として運用条件を緩和したのだから、当該事業が条例アセスメントの対象だということを一番よく承知しているわけです。このような屁理屈を裁判所が判決で追認するのですから、我が国の司法がいかにねじ曲がっているかお分かりいただけると思います)(環境影響評価条例46条1項1号),そのために環境政策課において資料を残すべき義務があることにはならない。)。
    そして,環境政策課自身が,本件発電施設が条例アセスメントの対象となるか否かを判断するために,何らかの文書を作成したと認めるに足りる証拠はないし,前記3において認定した経過からしても,そのような文書が作成されなかったことは,何ら不合理とはいえない。
  5 」
(3)原判決9頁14行目の「F栄利用材による」から15行目の「件名の書面(甲10)」を「本件運用設定文書」と改める。
(4)原判決9頁24行目から25行目の「なお,」から10頁3行目の「該当しない。」までを,「なお,本件運用設定文書は,環境影響評価条例施行規則別表第1の規模要件を木質バイオマス発電施設に適用させる場合の一般的な運用を定めた文書であって、本件発電施設について作成された文書ではないから,本件文書に該当するものとはいえない。」に改める。(←当会注:この部分が全てを物語っています。関電工から相談を受けて、他の自治体にはない水分量2割を除外してアセスメントを免除するための運用を決めた文書を、こうして一般的な運用を規定するものだから、オンブズマンが請求した一切の関連文書にも当たらない、という屁理屈を正当化するものです)
(6)原判決10頁3行目の末尾に,「また,控訴人は,本件運用設定文書には公印が押印されず,実施日も未記入であるから,公文書として成立していない,

<P8>
同文書は平成28年10月27日に偽造されたものであるなどと主張して,平成27年3月31日時点において同文書に記載された運用は決定されていないから,被控訴人には,本件発電施設による事業に対して条例アセスメントを実施させる義務かおり,義務の履行のために必要な本件文書を所持しているはずであると主張する。確かに,本件運用設定文書の「回議用紙」には,環境企画係長,次長,課長の印が押印されており、決裁年月日に「27.3.31」と記載されているが,公印押印欄や施行年月目欄は空欄である(甲10)。(←当会注:このとおり、間違いなくオンブズマンが情報公開を請求した対象文書が存在していることを判決文でも認めています)しかし,被控訴人が,その文書管理システムにおいて保存している文書詳細によれば,本件運用設定文書の決裁区分は「課長」とされているから(甲16),被控訴人が本件運用設定文書に記載された内容を決定するためには課長の決裁が必要であることは認められるとしても,課長の決裁印では足りず,更に「回議用紙」に公印の押印や施行年月日の記載が必要であるとは認められない。また,同文書の更新日時と作成日時が「2016/10/27」となっており,最終印刷日が「2015/3/31」となっているからといって(甲17),直ちに同文書が最終更新日に偽造されたものであるとは認められないから,控訴人の主張は採用できない。」を加える。
3 よって,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。

 東京高等裁判所第23民事部
        裁判長裁判官 垣 内   正
           裁判宮 内 掘 宏 達

<P9>
           裁判官 小 川 理津子

<P10>
これは正本である。
 平成30年6月20日
  東京高等裁判所第23民事部
    裁判所書記官  中 橋 正 幸
**********

■控訴審にしては珍しく4度の口頭弁論を経た上での判決言渡しでしたが、結果的には、被控訴人の群馬県の主張を全面採用した結果となりました。

 印象的だったのは、第3回の口頭弁論で、控訴人である当会に向けて、「別件で係争中であるからそちらのほうに注力したらどうか」という発言が裁判長からあったことです。これを聞いて、今回の判決内容の予兆を感じましたが、やはり、その通りの判決がくだされたことになります。

 しかし控訴審の判決では、赤字で示した通り、内部文書の存在が平成27年3月31日に存在していたことを明記したうえに、今回の控訴審で、平成27年3月31日の時点で、関電工から群馬県の環境政策課に前橋バイオマス発電の計画概要書なるものが存在しており、その2か月後に廃棄されたことが判示されています。

 実際には、平成28年3月31日に当会代表が環境政策課を訪れて、環境アセスメント免除にかかる根拠情報について同課の唐澤素子職員と上司の遠藤職員に面談した際、「アセスメント免除にかかる情報は、口頭で関電工に伝えているため、そもそも存在しない」という説明があったため、その確認のため情報開示請求を行った結果、やはり「不存在だ」という決定処分が出たため、都会ではそれなりに納得していました。

 ところが、その数か月後に別の県民が同様に開示請求をしたところ、平成27年3月31日決裁の内部文書が開示されたので、オンブズマンに出した不存在処分を取り消してもらう必要があったため、今回の行政訴訟を提起したものです。

 その結果、平成27年3月31日に環境アセスの運用に関する内部文書が決裁され、その判断のもととなった関電工のバイオマス発電に関する計画概要書も存在していたことが判決文にも判示されました。にもかかわらず、判決では、内部決裁文書の存在を認めながら、関電工の計画概要書がその後廃棄され、当会代表が開示請求をした平成28年4月の段階では、「環境アセス免除に関する一切の情報は不存在である」とする控訴審判決がでて、原審の前橋地裁の判決を支持したのでした。

 すなわち、前橋地裁の塩田裁判長(今年4月で異動)が、法廷で思わず被告を差し置いて原告に対して「(被告の)群馬県が存在しないと言っているのだから、当該情報は存在しないのだ」という訴訟指揮の言葉を、控訴審の垣内裁判長も採用したことになります。

 実際には存在する公文書を、行政が「存在していない」と主張し、それを裁判所も認めたわけですから、まったく訳が分かりません。

■実際には存在しているのだから、群馬県が「不存在だ」として処分決定したのを、「存在しています」と認めさせるだけなのに、なぜこのように裁判所まで群馬県のまちがった処分決定を支持するのでしょうか?

 それは、「不存在処分取消」の判決が出てしまうと、関電工が提出した計画概要書の内容について、公表しなければならないからです。この計画概要書には、環境アセスメント実施の要件である排ガス量4万ノルマル立方メートルの根拠と、運転条件や設備の性能値が明記されていることが十分に想定されるため、なにがなんでもオンブズマンには見せないようにするのが至上命題だからです。

 東京高裁の垣内裁判長は、そのことを知り尽くしていますから、第3回口頭弁論で、「現在前橋地裁で係争中の補助金取消訴訟で、群馬県とたたかったらどうか」と示唆したと考えられます。判決文を受け取りに東京高裁15階の第23民事部の窓口で、思いがけず垣内裁判長と視線を合わせた際に、無言でしたが、同裁判長の目を見て、そうしたことを感じ取りました。そして「これが我が国の司法の実態だ」と痛感した次第です。

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【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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