2018/10/10  23:36

高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士への懲戒請求で日弁連に異議申出書を提出  高崎市の行政問題


■昨年2017年9月6日、当会に寄せられた情報に基づき調査した結果、「高崎市斎場(高崎市寺尾町1084番地57)の指定管理者に選定されている株式会社プリエッセのホームページに当初、同社取締役として長井友之弁護士の名前が掲載されており、その後、9月13日に突然、取締役から相談役に書き換えられたことが確認されました。このため、高崎市の公平委員が同市の指定管理者の法人の要職に就いていることは同市や弁護士会のコンプライアンスに照らして問題があるのではないかという市民の声を踏まえて、当会では念のため、事実関係を確認する必要があると考え、同弁護士が所属する群馬弁護士会に懲戒請求書を同9月27日に提出しました。その後、群馬弁護士会綱紀委員会で本件について審理が続けられてきましたが、2018年8月22日付で群馬弁護士会から、長井弁護士の懲戒処分をしない旨の決定通知が当会事務局に届きました。決定通知の内容を精査したところ、判断の根拠が理解できないため、同10月2日付で日弁連に異議申出書を提出しました。
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日弁連に簡易書留で送付した長井友之弁護士の懲戒請求棄却に関する異議申出書の郵送料領収書。


 この懲戒請求に係るこれまでの経緯は次のブログをご覧ください。
○2017年9月29日:高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役を兼務する弁護士を群馬弁護士会に懲戒請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2424.html
○2017年10月26日:高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役を兼務する弁護士が群馬弁護士会に懲戒請求弁明書
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2450.html
○2017年11月9日:高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士の弁明書への反論を群馬弁護士会に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2457.html
〇2017年11月18日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士懲戒請求でプリエッセが陳述書を群馬弁護士会に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2468.html
〇2017年11月27日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士懲戒請求でプリエッセ陳述書への反論書提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2480.html
〇2018年4月12日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士懲戒請求で調査期日が5月7日に開催予定
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2611.html
○2018年6月2日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士に対する懲戒請求で綱紀委から事由要旨の照会が到来
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2658.html
○2018年6月22日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士に対する懲戒請求で本人から弁明書(2)が到来
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2675.html
〇2018年8月23日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士への懲戒請求で群馬弁護士会から不処分通知が到来
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2733.html

 日弁連に送った異議申出書の内容は次の通りです。

*****異議申出書*****
                              正本・副本1・副本2
             異 議 申 出 書
                              2018年10月2日

〒100−0013 東京都千代田区霞が関1−1−3
日本弁護士連合会(担当:審査部審査第二課)御中
TEL:03−3580−9841(代)

                 異議申出人
                  郵便番号 371−0801
                  住  所 群馬県前橋市文京町一丁目15−10
                  氏  名 市民オンブズマン群馬
                       代表 小川 賢
                       TEL:090−5302−8312

(1)懲戒の請求をした弁護士の氏名及び所属弁護士会
 長井友之(群馬弁護士会)

(2)懲戒の請求をした年月日
 2017年9月27日

(3)弁護士会から、懲戒の処分をした旨の通知又は懲戒しない旨の通知を受けた年月日
 2018年8月23日

(4)弁護士会からの異議申出ができる旨の教示の有無及びその内容
 異議申出ができる旨の教示有り。教示の内容は次のとおり。
  「懲戒請求者は,この決定について不服があるときは,弁護士法第64条の規定により, 日本弁護士連合会に異議を申し出ることができます。
   なお,異議の申出は,この通知を受けた日の翌日から起算して3か月以内に,書面によってしなければなりません(郵便文は信書便で提出した場合,送付に要した日数は算入しません。郵便文は信書便に当たらない宅配便,メール便,ゆうパックなどの場合,送付に要した日数は算入されます。)。」

(5)異議申出の趣旨
 群馬弁護士会の決定の取消しを求める。

(6)異議申出の理由
 群馬弁護士会綱紀委員会議決書の認定・判断には下記のとおり誤りがある。

                 記
 1)対象弁護士に、地方自治法第180条の5第6項(以下「本件兼業禁止規定」という。)に違反する事実が認められるか否か。
    議決書では、「本件兼業禁止規定は、指定管理者制度が私法上の『契約』によって外部委託するいわゆる業務委託や、条例を根拠として締結される具体的な委託契約に基づき管理が委託される従来の管理委託制度とは異なる。そして、契約の形態は、地方公共団体と指定管理者との間の『協定』による管理代行とされ、両者は取引関係に立つものではないから、指定管理者の指定は、本件兼業禁止規定における『請負』には該当しないと一般的に解釈されている。」(下線部は異議申出人が追記)から、指定管理者の指定は、『請負』という要件に該当しない」と、「一般的」な判断だと強調している。
    しかし、異議申出人が懲戒請求書や陳述の場でも説明したように、弁護士という高度に遵法精神を求められている職業に従事する弁護士には、「一般的」な解釈は当てはまらない。しかも、既に富山県など他の一部の都道府県や、群馬県内でも桐生市、伊勢崎市、渋川市、榛東村、昭和村、玉村町のように禁止・限定の濃淡はあるものの指定管理者の選定及び指定に兼業禁止の制限を条例で課している自治体が実際に存在しているのであるから、高崎市の場合、たまたま「条例に兼業禁止を定めていない」からと言って、弁護士会がそれを奇貨として自らの襟を正そうとしない判断をするのは失当であり、一般人が抱く弁護士の高潔性のイメージにはそぐわない。群馬弁護士会の判断は、同じ弁護士会の仲間を庇おうとするものであり、一般人には到底理解されない。
 2)対象弁護士が高崎市の公平委員会の委員とプリエッセの「相談役」を兼務することが本件兼業禁止規定に直接抵触しないとしても、同規定や指定管理者の制度趣旨に照らして許されない、といえるか否か。
    群馬弁護士会は、「対象弁護士が、高崎市の委員会の委員とプリエッセの『相談役』とを兼務していることをもって、本件兼業禁止規定の制度趣旨に違反する程度の違法性を有するとまではいえない。」と曖昧な根拠で判断しているが、「相談役」は「取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者」に該当する職位である。したがって、「違法性を有するとまではいえない」は失当で、弁護士という高度な遵法精神を求められるメンバーを要する群馬弁護士会は「違法性を有していないとまではいえない」と認識するのが妥当だと言える。
3)対象弁護士が、高崎市公平委員会の委員とプリエッセの「相談役」とを兼務することが、利益相反として許されないか否か。
    群馬弁護士会は、「懲戒請求者は、高崎市斎場をめぐり、高崎市とプリエッセとの問で問題が生じた場合、対象弁護士は、双方の立場で相談等を受けたりする可能性がある、と主張するが、プリエッセの『相談役』として相談等の職務を行うことは当然想定されるものの」と前置きで利益相反の可能性を示唆しつつも、「対象弁護士が委員を務める公平委員会は、市職員の勤務条件に関する措置の要求及び職員に対する不利益処分を審査し、並びにこれについて必要な措置を講ずることを職務とする行政委員会であり(地方自治法第202条の2第2項)、委員としての『職務』が、高崎市斎場の管理業務に関連する可能性は極めて乏しいといわざるをえない。」として、対象弁護士が委員長を務める公平委員会の役割が、斎場の管理業務と関連しないので利益相反となる可能性は僅少だ、とお仲間である対象弁護士を慮って判断しているのは失当である。
    異議申出人は、仮に指定管理者の片棒を担ぐプリエッセが斎場担当の高崎市職員との間に例えば贈収賄のような不祥事が発生した場合、収賄側となる市職員の処分を判定する公平委員会の委員長が、プリエッセの取締役に準ずる者として報酬を得ていることは、「公平性」が担保されていると果たしていえるのかどうか、群馬弁護士会綱紀委員会での陳述の場でも指摘したが、議決書ではまったくそのことに触れられておらず、「そもそも、指定管理者である業者との間で問題が生じた場合、高崎市が相談しようとするのは、市が契約する顧問弁護士あるいは発生した問題に精通する他の弁護士であるのが通常といえる。」などと議論をはぐらかせる始末である。
    さらに議決書では、「もちろん、仮に対象弁護士が、プリエッセと高崎市との聞の問題につき、高崎市から相談等を要請された場合には、プリエッセから相談を受ける身の弁護土である以上、公平委員会の委員であると否とにかかわらず利益相反の問題は生ずるのであって、相談等に応じることは、弁護士法第25条1号・2号、弁護士職務基本規程第27条1号・2号、同第28条2号・3号に抵触することになる。」と利益相反の可能性を認めながら、「しかし、これは、弁護士が利害関係の対立する当事者の事件について職務を行うことができない、という規律によるのであって、対象弁護士が、高崎市の公平委員会の委員の地位あることそれ自体は、利益相反の問題を発生させるものではない。」などと、異議申立人の指摘を真っ向から否定している。
    異議申立人は、綱紀委員会の陳述の場で、行政の顧問弁護士あるいは行政側に立って行政事件を弁護士している弁護士が、行政事件で住民側の弁護をすること自体、利益相反にあたるのではないか、と問題提起をした。
    実際に異議申立人が原告として直面している群馬県との住民訴訟では、現在前橋地裁で係争中の東電福島原発事故による放射能汚染の被害を受けた群馬県北部及び西部山間部の森林からの間伐材を集積して木質バイオマス発電を赤城山の南麓で東電の子会社の関電工が携わっている問題で、被告群馬県側の訴訟代理人となっている石原栄一弁護士や関夕三郎弁護士らが、かたや群馬県内への避難者やその家族等を原告とする福島第一原発事故損害賠償請求訴訟(いわゆる原発訴訟)では、原子力損害賠償群馬弁護団の団長代行や事務局長として、それぞれ法廷で正反対の立場で訴訟代理をしている。
    原発事故をめぐる社会問題において、同じ弁護士事務所が訴訟代理人として平然と利益相反の主張をするのは、いかがなものか、と群馬弁護士会綱紀委員会のメンバーである弁護士3名を前に、意見を開陳したところ、一定の理解を得たが、結果的には議決書にはまったく反映されなかった。

 よって、ここに群馬弁護士会の議決書に対して異議を申し出る。

                                 以上
**********

■日弁連の事務総長は、1995年6月3日安中市土地開発公社51億円横領事件が発覚して大騒ぎになった23年前当時、同じ法律事務所の田邊弁護士とともに、公社の顧問弁護士として活躍し、住民らからの公社歴代理事監事らを相手取った訴訟に勝利し、群馬銀行との民事訴訟では103年ローンという和解を引き出して見事に公社歴代理事監事らの損害賠償責任を回避させた実力ある弁護士として、群銀の顧問弁護士からの評価も高かった菰田優・弁護士です。

 今度は日弁連の事務方トップとして身内の仲間をどのように裁定するのか、注目したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「5年間の弁護士懲戒処分数519件」
**********産経ニュース2018年9月5日08:22
弁護士会の懲戒処分、4割超が実務経験30年以上のベテラン 5年間の519件を分析
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弁護士の懲戒処分件数と処分時の実務経験。
 依頼を受けた案件を放置したり、預かり金を流用するなどしたとして、平成28年までの5年間に懲戒処分を受けた弁護士のうち、4割超を実務経験30年以上のベテランが占めることが4日、分かった。実務経験10年未満は2割弱だった。早稲田大大学院の石田京子准教授(法曹倫理)が、24〜28年に全国の単位弁護士会が個人に対して出した懲戒処分519件を分析した。
 弁護士数は増加を続け、今年8月1日現在で4万3人。懲戒処分も増加傾向で「若手が弁護士の質を下げている」との声もあるが、若手よりもベテランが懲戒処分につながるトラブルに関わる傾向にあることが明らかになった。
 弁護士の懲戒処分は戒告▽業務停止(2年以内)▽退会命令▽除名−の順で重くなる。石田氏は公表された処分者の弁護士登録番号から、弁護士としての実務経験年数を推計。分析の結果、戒告(計307件)のうち44・3%が実務経験30年以上のベテラン層で、同20〜29年が19・2%、同10年未満の若手層は17・9%だった。1年未満の業務停止(計160件)でも、実務経験30年以上が37・5%を占め、同20〜29年が25・6%、同10年未満が16・9%となった。
 各世代の弁護士数全体に対し、何らかの処分を受けた人数の割合(処分リスク)は実務経験20〜39年で比較的高く、同10年未満のリスクは弁護士全体のリスクの2分の1以下だった。
 懲戒理由を見ると、金銭トラブルや私生活上の非行などは半分以上が業務停止となる一方、不適切な弁護活動や守秘義務などに関するトラブルは80%以上が戒告にとどまった。
 石田氏は若手の処分リスクが低い点について「一般的には、若手弁護士は先輩の指導を受けながら業務を行うことが多く、扱う金額もベテランよりも低い傾向にあるため、深刻な金銭トラブルに巻き込まれる機会が少ないのではないか」と指摘。「昔ながらのやり方を続け、現代に求められている職業倫理に適応できないベテランほど、トラブルに直面するリスクが高い」としている。

■戦前の旧弁護士法では司法省(当時)が弁護士の懲戒権を持っていたが、戦後の昭和24年に施行された弁護士法で、懲戒権が弁護士会に与えられた。弁護士に違法行為や品位に反する行為などがあった場合、誰でも懲戒を請求することができる。単位弁護士会の綱紀委員会が懲戒手続きに付すかどうかを判断し、懲戒相当となった場合は、弁護士会の懲戒委員会が処分の可否や処分内容を議決する。議決に不服がある場合は、日本弁護士連合会に申し立てることができる。
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