2018/12/26  23:46

高専機構への文科官僚天下りの実態と群馬高専西尾前校長退職の真相を探る!…オンブズと文科省の暗闘記  群馬高専アカハラ問題

■2017年3月末に、自分がしでかした数々の事態に収拾も付けず責任も取らず校長職を辞し、滅茶苦茶になった群馬高専だけを残して出向元の文科省に逃げ帰っていった西尾前校長。翌年には5千万円ともいわれる満額の退職金を手に文科省からも悠々定年退職し、いまや市井のどこかに消えていってしまってその後の動向は定かではありません。青天の霹靂のように起こったこの群馬高専からの西尾逃亡劇について、水面下で果たして何が起こっていたのかは極めて重要なことであり、明らかにしておかねばならないと当会では考えました。
 さらに、西尾前校長はじめ数々の問題校長を生み出し続けてきた、文科省から高専機構への天下りについても、詳細に調査を行ってその実態を明らかにしなければならない、とも痛感させられました。
 この『1:西尾逃亡劇の真相』と『2:高専への文科官僚の天下りの実態』の2つのテーマについて、当会では高専機構宛に2018年5月はじめに開示請求を提出し、6月7日に黒塗りだらけながらも資料が開示されて、一定の結果を得たことは既報のとおりです。
○2018年6月23日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…高専機構が校長選考情報を開示!黒塗りだらけ情報が物語ること
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2676.html
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■そこで今度は、天下りのもう一方の当事者である文部科学省に対し、2018年6月27日に次の内容の情報開示請求書を提出しました。その後、この開示請求を発端に長いいざこざが起こるとは、この時当会は予想だにしていませんでした。

*****6/27文科省宛情報開示請求*****PDF ⇒ 20180627sjttzeej.pdf
        行政文書開示請求書
                      平成30年6月27日
文部科学大臣 殿

氏名又は名称: (法人その他の団体にあってはその名称及び代表者の氏名)
 市民オンブズマン群馬   代表 小川 賢        
住所又は居所: (法人その他の団体にあっては主たる事務所の所在地)
 〒379−0114群馬県安中市野殿980        
連 絡 先:(連絡先が上記の本人以外の場合は、連絡担当者の住所・氏名・電話番号)
 〒371−0801群馬県前橋市文京町一丁目15−10  
  市民オンブズマン群馬事務局長 鈴木 庸        
  TEL:027−224−8567           
 行政機関の保有する情報の公開に関する法律第4条第1項の規定に基づき、下記のとおり行政文書の開示を請求します。

               記
1.請求する行政文書の名称等
(請求する行政文書が特定できるよう、行政文書の名称、請求する文書の内容等をできるだけ具体的に記載
してください。)

1 平成16〜30年度の各年において、貴省が国立高等専門学校校長候補者を推薦する際に作成した、独立行政法人国立高等専門学校機構宛の推薦理由書等の一切。あるいは、各年毎の貴省からの国立高等専門学校校長候補者の推薦人数がわかる一切の情報。

2 貴省の元職員である西尾典眞氏が、平成28年度末に群馬工業高等専門学校学校長を辞し、平成29年度に出向元である貴省の高等教育局国立大学法人支援課国立大学運営調査分析官に就いたことに関して、彼が退職予定であることを反映して平成28年度以前に貴省内部で作成された人事案・予定表等のうち、もっとも日付が古いもの。また、西尾氏が出向元である貴省に戻ることになったことを、貴省が初めて認知した(認知の形態は問わない)、あるいは初めて決定した(決定の形態は問わない)日付がわかる文書の一切(人事案・予定表・通達・通知・連絡文書やメモ等の一切)。


2.求める開示の実施の方法等 (本欄の記載は任意です。)
【当会注:以下省略】
**********

 まず、高専機構への情報開示請求では不開示とされてしまった「各年の文科省から高専機構への『推薦』人数」について、もう片方の当事者である文科省に情報開示請求をして確かめることにしました。たとえ全面黒塗りであっても、推薦書の件数さえわかれば、自動的に各年の推薦者の人数がわかります。これが結果的に校長に就任した人数と一致すれば、倍率1倍、つまり文科省官僚様については「選考」など形だけということになります。

 そして、西尾前校長の群馬高専退職について、そもそも文科省としてどの段階から検討・認知していたのかを探るため、人事案をはじめとした想定されうるあらゆる文書について開示請求を行いました。

■この情報開示請求に対して、文科省はこれまでにない奇妙な対応の数々を取りました。

 当会では文科省に対してそれまで何度か情報開示請求を行ってきており、経験上だいたい提出から20日も経てば開示の連絡を送ってきていました。ところが、あにはからんや、この情報開示請求に対しては開示通知期限の30日目が近づいても連絡がなく、不審に思っていた矢先、文科省から当会事務局宛に、ちょうど期限日となる7月26日付で郵便が届きました。

 しかしそれは、開示通知ではなく「手数料追納」の指示でした。提出時に文科省職員に請求内容を確認してもらい、「2件分になります」と確かに告げられたので300円×2件で600円を納付していたにも関わらず、開示期限になっていきなり「手数料が足りないから追納しろ」と言ってきたのです。

*****文科省からの追納指示*****PDF ⇒ w.pdf
                    平成30年7月26日
市民オンブズマン群馬
小川 賢 様

 平成30年6月27日付けで御請求のありました件について、担当課に確認を行ったところ、本請求については5件になるとの連絡がありました。
 すでに2件分の収入印紙はいただいておりますが、あとの3件分の収入印紙(900円)を追納していただきたく御連絡をさせていただきました。
 お手数をおかけしますが、下記まで御送付いただければと思います。
 なお、追納に要した時間(平成30年7月26日の翌日から収入印紙が到着するまでの日数)は、開示決定等期限から除外されますので、あらかじめ御了承ください。

 【本件連絡先】
 〒100−8959
 東京都千代田区霞が関3−2−2
 文部科学省(代表03−5253−4111)

 <送付先・手続きに関するお問い合わせ>
 大臣官房総務課文書情報管理室 情報公開係(内線2572)

 <件数,文書に関するお問い合わせ>
 大臣官房人事課任用班
               任用第一係(内線2132)
**********

 しかも、追納指示中にもある通り、文科省が追納を指示してから文科省が追納された手数料を受領するまでは開示日数にカウントしない、つまり30日をオーバーしてもルール違反ではないというのです。これまでにない露骨な引き延ばしを行ってきていることに不穏なものを感じつつ、当会では手数料を郵送で追納しました。

■すると8月3日に、7月31日付の開示通知書がようやく当会に送られてきました。その内容は以下のとおりです。なお、「1 開示する行政文書の名称」と「2 不開示とした部分とその名称」のみ抜粋します。その他の箇所は併載PDFでご覧ください。

*****開示決定通知書*****PDF ⇒ 20180731jm.pdf
          行政文書開示決定通知書

市民オンブズマン群馬
 代表  小川  賢 様
                    文部科学大臣
                      林  芳 正

 平成30年6月27日付けで請求のありました行政文書の開示について,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)第9条第1項の規定に基づき,下記のとおり,開示することとしましたので通知します。

                 記

1 開示する行政文書の名称
  1)国立高等専門学校校長候補者推薦理由書(平成21年度〜平成29年度推薦分)

  2)平成29年4月1日付けの西尾典眞氏の文部科学省への異動に係る割愛照会文書


2 不開示とした部分とその理由
  1)平成20年度以前及び平成30年度に推薦する際に作成した推薦理由書については,不存在のため不開示としました。また,推薦理由書のうち,推薦理由に係る記述の部分については,人事管理にかかる事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため,法第5条第6号ニにより不開示としました。

  2)平成29年4月1日付けの西尾典眞氏の文部科学省への異動に係る平成28年度以前に当省内部で作成された人事案については,人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため,法第5条第6号ニにより不開示としました。

**********

 なんと、散々に時間を引き延ばした割に、あまりにスカスカな内容です。しかも、とりわけ注目すべきは、文科省が西尾氏復帰の前年度中に作成していた人事案について、件数も日付も言及しておらず、存否情報すらないことです。前年度のいつの時点から文科省が西尾氏の退任を知っていたのか、これでは明らかになりません。追納までさせて多額の手数料を徴収したにも関わらず、あまりにも杜撰な仕事に当会も唖然とさせられました。

■これまでにないあまりに露骨な引き延ばしや不自然な開示通知に不信感と憤りを覚えつつ、当会では8月16日に文科省を訪問して文書を受領し、あわせて疑問点について問い質すことにしました。

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 文科省の情報開示コーナーでは、この開示請求を担当する水口職員が応対にあたりました。当会とのやり取りの内容については以下のとおりです。

当会:これはまたひどい真っ黒のり弁当。
水口職員:申し訳ないが、推薦理由書内の推薦理由については個人のプライバシーなのでちょっと明らかにできない。

当会:平成20年度以前の推薦理由書が存在しないのはなぜか。
水口職員:高専校長を推薦するという制度ができたのが平成21年からだから、というのが理由。私が覚えている限りでは、21年の10月頃に制度ができたと思う。それ以降は、高専機構から「このような書類を出してくれ」という依頼が文科省なり各機関に寄せられて、それに対して書いているのがこの推薦書、ということになる。高専機構が発足した平成16年度から平成20年度までは、校長の選考や任命をどうしていたのか私は存じ上げない。少なくとも現在のような推薦制というものは行っていない。

当会:人事案等について、通知書に不開示とあるのは、「文書は存在するが開示できない」という意味か、それとも、「そもそも存在しないから開示しようがない」のか。
水口職員:文書自体は、存在はしている。上層部が人事プランを考えた際に残した案といったものも、モノとして残ってはいる。しかし人事は機密にあたるものなので出すわけにはいかない。

当会:ということは、文書として存在はしているのか? なら内容は不開示でも、西尾氏に関わるものが何件存在していつの日付になっているのか、調査をお願いしたいのだが。
水口職員:人事案は都度作り直しているので、全部調べるとなると膨大な量になる。また、西尾氏の場合は幹部人事なので、幹部が人事を作るわけだが、メモでやり取りしてそのまま捨ててしまったり、口頭であったりと検討過程が残されていないこともあり得る。

当会:うんざりする。人事のプロセスはどうなっているのか。
水口職員:いくつか人事の過程に関する説明をしたい。まず、人事の策定過程の時期的なものを示す正式な書類として、残っているもので開示できるのはこの割愛文書のみ。これは文科省の人事課から高専機構に対して「この職員をうちに貰えませんか」という依頼を行った文書。これがいつ出るかというと、全ての人事の調整が終わり、内部手続きが終わったタイミングで出る。
水口職員:(続けて)もうひとつは、事務的に人事がおおやけになる(いわゆる内示)タイミングがあって、対象の職員はこの時に給与や共済についてやり取りしたり、PCを用意したりする。この内示日は、西尾氏のかかる人事が行われた平成29年では、3月7日。少なくともこの日には絶対に文科省・高専機構両者で人事情報が解禁になっている。しかし、人事について両者(の幹部や人事担当)が合意したり内部で策定したりというのは、もっと前の話になるが、それについてはいつかわからない。

当会:開示にやたら時間が掛かったり、追納を指示してきた理由は何か。
水口職員:じつは、人事を所管する係が過去に代わってしまっていて、文書の所在が判明せず時間がかかってしまった。そんな事情から、やはり3件分足りないということが判明して追納指示を出させていただいた。これに関しては私どものミスで、申し訳ない。
【当会注:とはいえ、このような事情が本当にあったとしても、あのような極めて少ない開示文書と開示箇所に1か月以上も掛けるのはいかがなものか】

当会:話を戻すが、人事案については、そういう文書が存在するのだから、内容はともかくいつの日付の文書が何件あるかくらいは教えてほしいのだが。今わからないのであれば調査して、結果をのちほどメールで送ってほしい。
水口職員:承知した。調査してみる。

当会:ちなみに、今回の当会からの情報開示請求に関して、高専機構との連絡や調整といったことは行ったのか?
水口職員:一切行っていない。

■文科省への訪問を終え、帰ってから辛うじて開示された数少ない文書を確認すると、まだ不整合箇所が残っていることがわかりました。

 文科省による校長候補者推薦資料について、通知書では「平成20年度以前の分は不存在」としていたにも関わらず、実際に開示された文書について校長名と就任年度を照合すると、推薦書が平成22年度以降のものしかありません。つまり、平成21年度の分が抜け落ちてしまっているのです。

 こうした疑義も含めて、8月20日に文科省人事課任用班任用第一係の水口職員に電話して再度確認の連絡をしました。

 当会から、推薦資料について平成21年度の分が抜けていることを伝えると、「たしかに21年度の推薦分4名×2枚=8枚分が抜けていたので、8枚追加となることから、郵送しておきます」と答えがありました。

 ところが、その日の夕方に水口職員から再度電話があり、「文書を確認したところ、平成21年度は、それまでなかった校長推薦状という制度ができた年で、初年度となるこの年に作られた文書は、推薦理由の記載をせず、ただ単に推薦する人物の氏名や所属、生年月日などをA4判用紙1枚に簡単に記載した物であり、そのため推薦理由の記載がないことから、(当会が開示請求した“推薦理由書等”にあたらないと判断して)開示資料から外したことが判明した」と説明されました。

 そのため、当方から、「とにかく推薦者の資料として文書を作成したのであれば、推薦理由が書かれていなくても、そのような文書が存在するということだから、それを送ってほしい」と申し入れました。すると、水口職員は「了解しました」と答えました。

 しかし、翌21日の朝にまた電話があり「追加で8枚を送るが、規定により申出書を追加分としてあらためて提出してもらうことになる。そのためこれから、追加8枚の開示通知と申出書の様式を郵送するからそれに書き込んでもらう。また郵送を望む場合は追加で郵送料を払い込んでもらうことになる」と通知がなされたため、当会からは繰り返される煩雑な手続きにうんざりして、「申出書を持参して直接受け取りに行く」と答えました。結局この平成21年分推薦資料は、9月18日に受領しました。

■いっぽう、この電話で水口職員は、「先日約束した、西尾氏にかかる本省復帰の前年度に作られた、西尾氏復帰を考慮・反映して作成された人事案の文書情報について、オンブズマンにメールすると言った件だが、やはり調べてみると、パソコン上にオーバーライト(重ね書き)されており、その過程が判然とせず(注:普通はPCの履歴を見ればわかるのに!)申し訳ないが、2017年3月9日の日付がある最終版が唯一の文書なので、御了承願いたい」と言い出しました。

 当方からは「そんな文書管理をしているから、不祥事が続発するんだ」と抗議しましたが、相手は「どうしても履歴がわからないので、ご理解願いたい」の一点張りで、人事案の作成過程は完全に闇に葬られてしまっていることが明らかになりました。

■一連の過程で、当会に開示された情報は次のとおりです。

<西尾校長退職に関するもの>
平成29年3月31日付「職員の割愛について(照会)」
PDF ⇒ 201808152jij.pdf

<高専校長候補者推薦に関するもの>
平成22年2月26日付「国立高等専門学校校長候補者の推薦について(回答)」
PDF ⇒ oj1yw2.26.pdf
推薦理由書(平成22年度推薦分〜平成29年度推薦分)PDF ⇒ 201808151jiej.pdf

■さっそく、開示された文科省による推薦者と、実際に校長に就任した人物を照らし合われてみると、完全に一致しており、「選考」に落ちてしまった人物は存在しないことが分かります。事前の予想通り、文科省「推薦」者の校長内定率は実に100%でした。審査もへったくれもありません。何が倍率2倍なのか、と思うと同時に、文科省からの天下りを含めて倍率2倍という数字であれば、プロパー校長がくぐり抜けなければならない実質倍率はさらに酷いことになります。

 なお、実際に天下りで高専校長に就任した人物の一覧と、高専機構の説明する校長「選考」のシステムについては、次の記事をご覧ください。

○2018年5月2日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…西尾前校長の選考〜退職と現校長への交代劇に関し機構へ開示請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2626.html
○2018年6月23日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…高専機構が校長選考情報を開示!黒塗りだらけ情報が物語ること
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2676.html

■こうして文科省から高専校長への天下りの実態の酷さについては徐々に解明されてきましたが、これだけでは文科省から「高専機構」への天下りの実態について明らかにしたことにはなりません。というのも、高専機構に対しては、高専校長のみならず機構理事や管理事務職といったポストにも天下りがなされていることから、そこまで含めて完全に明らかにしなければ天下りの全容は見えてこないからです。

 そこで9月18日、当会では二の矢として次の文書について文科省に情報開示請求をしました。

**********PDF ⇒ 20180918sjioj.pdf
独立行政法人国立高等専門学校機構発足後の、貴省から当該法人への出向者(出向後の役職は問わない)に関して、人事リスト等、出向者の氏名・出向前後の役職・各年の出向者数・累計出向者が把握可能な情報すべて。
**********

 すると、10月15日に人事課任用班の大橋職員から電話があり、「これらは記者発表しており、過去5年分については手元にあるので、これを開示資料としたい。公表資料なので手数料も不要であり、したがって開示請求もいらないので、この開示請求については取り下げてはもらえないか」と伝えられたので、当会からは「了解しました。取り下げます」と返事をしました。その後情報開示請求書については返送されてきました。

■そして10月25日に文科省を再度訪問し、文書を受領しました。

 この情報開示請求を担当した大橋職員の話によれば、過去5年間の保管期限内にある報道発表の人事異動情報を開示するもので、該当者を黄色に着色し、色別のタグを付けたとのことでした。なお、高専への「人事交流」(=天下り)はすべて高専機構本部出向扱いであり、大半が校長として、それ以外は機構本部の部課長として出向していて、多くても毎年数名程度だということです。

 また、当会から、「高専機構発足(平成16年度)から6年前までに関して、人事交流の人数等についてわかるデータはないのか」と聞いたところ、「人事院あたりならともかく、我々のところではそうしたデータはない」と説明がありました。

 開示された人事異動リストは次のとおりです。
◎2014年4月1日付人事(該当ページ:41P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20140401.pdf
◎2015年4月1日付人事(該当ページ:39P, 41P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20150401.pdf
◎2016年4月1日付人事(該当ページ:17P, 20P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20160401.pdf
◎2017年4月1日付人事(該当ページ:34P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20170401.pdf
◎2017年7月11日付人事(該当ページ:42P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20170711.pdf
◎2018年3月27日付人事(該当ページ:0P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20180327.pdf
◎2018年4月1日付人事(該当ページ:36P, 37P, 38P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20180401.pdf

■ところが帰宅してから開示された情報を精査すると、どうも2014年と2015年の分について、実際に高専校長に就任したはずの人物の記載が何名分か抜けていることが、高専機構側の資料(校長就任者一覧)との照合でわかりました。これでは資料自体が信頼できないものになってしまい、正確な出向人数を把握できません。早速大橋職員に電話でその旨を伝えたところ、調査すると返事があり、その日のうちに折り返し連絡が来ました。曰く、「調べたところ、やはり文科省から外部に出向している人物が、そのまま横滑りで機構に移り学校長に就任したため、資料に記載がないことがわかった」とのことでした。

 しかし、「報道発表」には、省外の機関からまた省外の機関へ移るような人事も多数掲載されているにも関わらず、なぜその人物だけが漏れてしまうのかさっぱりわかりません。そもそも横滑りであろうと、少なくとも文科省が「推薦状」を書いているのですから、認知していないというのはおかしな話です。そして、当会は「人数が把握可能な情報」と開示請求に書いたのですから、このような不完全な資料では話になりません。

 そこで、後述の件で11月5日に文科省を訪問したのにあわせて、この件での開示を担当する大橋職員に、これらの疑問点について直接質問をおこないました。

 大橋職員は、「この人事異動に関するプレス資料は、少なくとも文科省の職員という身分がかかる人事の前後で関係している場合に、一定レベル以上の者について掲載される」と説明し、続けて、「色々な人事の流れがあり一概には言えないが、例えばどこかの大学や団体に出向していた者がまた別の場所に出向するといった場合、いったん間に文科省を挟む形になる。これはプレス資料に掲載される。一方で、いわゆる部長クラスだとか、かなり職位の高い者は、このいわゆる戻ってくる作業をせず、そのまま直に移籍する。これは文科省を挟まないので、プレス資料には掲載されない」と説明しました。

 当会が「では、当会の求めた全体人数の把握はこの資料では不可能ではないか」というと、大橋職員は「文科省の認識している出向者というのは、文科省から行っている人物という話になるので、これしか出せない。足りないと言われても、どうしたものかなと言うほかない」とやや開き直って説明しました。また、当会から推薦状のことについて聞くと、「推薦状については果たしてどこが書いているのか私どもからはすぐにお答えできない」と逃げるような返事がありました。

 こうして、文科省官僚が高専機構に天下りする過程については、ルートが複雑化しており、本省ですら把握していない(というより、把握していないという口実で資料を作らず、実態が露見しにくいようにしている?)ということで、文科省から引き出せる資料ですら全容が解明できない状態にあることが分かりました。となると、いよいよ全容解明には各年度の機構本部と全高専の幹部の名簿を総チェックするほかないという結論になります。

■このように、文科省からの資料開示によって、文科省から高専機構への天下り実態調査に関してはある程度進捗が生まれました。しかし、もう一方のテーマである、西尾前校長退任を文科省がいつからどのように把握していたのかに関する情報については、それでも疑問が残りました。

 本来定年まで高専校長として居座っていたであろうものを、無理やり本省の窓際に連れ戻したわけですから、省内で何かしらのプロセスは経ていたはずで、それに関する文書も残っていると考えるのが自然です。にも関わらず、開示通知ではそのことについて一切言及がありません。手数料だけしこたま取っておいて、文書検索すらろくに行っていないのは論外というほかありません。

 なので、9月20日に、文科省の水口職員に以下の通り、開示通知の不備と人事の一般的なことについて質問したメールを送信しました。

*****9/20文科省水口職員宛メール*****
From: masaru ogawa
To: mext-s@mext.go.jp
日付: 2018/09/20 16:36

文部科学省
大臣官房人事課
任用班任用第一係 水口様
電話:03ー5253ー4111(内線2135)

 毎々お世話になっております。
 その折は弊会・市民オンブズマン群馬の行政文書開示請求に対して種々ご対応いただき感謝申し上げます。

 ただ、弊会として残念ながら、貴殿にご対応いただいた行政文書の開示に関して、2点ほど疑義が生じておりますため、下記のとおりお問い合わせいたします。

(1)人事関連議事録・議事開催日程や調整連絡の有無について
 貴省元職員の西尾典眞氏が、貴省の人事によって、平成29年3月末に群馬工業高等専門学校長を辞して翌年度より貴省に復帰したことに関して、弊会からは今年6月27日に「この人事を貴省が初めて認知した日付がわかる一切の情報」についても情報開示請求を提出しておりました。
 これに対して貴省が平成30年7月31日付(30受文科人第128号)で言及した文書は、平成29年4月1日付の照会文書、および人事案のみでした。また、のちに人事案については、遺憾ながら同3月9日付のもののみが残されていることが明らかになりました。
 しかし、高専機構に校長として出向した人物は、定年まで在籍するのが通例であり、定年前に文科省に更迭した西尾氏のこの人事については、極めて異例なものです。つまり、この人事案策定にあたっては人事案作成者も含めた会議が平成28年度中に最低1度は開催されたはずです。人事案に関わる人物が、何の要請や相談もなく、このような前例のほとんどない人事を一存で勝手に決めたわけはありません。
 つまり、最低でも、(1)西尾氏の進退が議題に入った人事協議等の議事録、開催日程、出席者名 や、(2)西尾氏の進退に関する事項を、人事案策定者間や、他部署から人事案策定者へ何らかの形で提起・提言・相談した際のメール等文書 が存在するはずです。
 弊会の情報開示請求に上記のように書き、手数料を徴収した以上、貴省はこれら文書についても言及する義務があるはずなのですが、30受文科人第128号においては存否情報やタイトル・日付を含め何一つ言及がございません。したがって、この件に関しましては再度調査を求めます。

(2)上記(1)に関連して、一般的な情報として、下記のご質問にも回答いただければ幸いです。
【1】貴省においては、ある年度の人事案は、通常前年度のいつ頃から作成を始めますか。
【2】貴省において、総合職事務(出向者も含む)の人事案は、具体的にどのような部署・役職にある者が、何名体制で作成しますか。平成29年度の人事案は誰が作成しましたか。
【3】貴省において、平成29年度の人事を作成する際、人事案を巡って開催されたすべての会議の履歴を教えてください。
【4】文科省在籍者ではなく外部出向状態にある者に対し、本省に戻るあるいは別の場所に移るような人事を通達するような場合、どのような手段・日程で通達していますか。出向状態にある者がそれを拒否するようなことはできるのでしょうか。

 以上、ご多用のところ恐縮ですが、貴見解をご回示賜りたく宜しくお願い致します。

市民オンブズマン群馬
代表 小川賢
住所:群馬県安中市野殿980番地
電話:090-5302-8312
E-mail: ogawakenpg@gmail.com
**********

 その後、10月15日に電話で進捗の確認をしたところ、「本件、どこまで回答できるか目下協議中なので、もう少し時間がかかる見込みだ」と回答しました。具体的な回答日時については言及しませんでした。

 そして10月30日にようやく水口職員から電話があり、いきなり「これから口頭で回答を読み上げる」というので、「現在多忙でいちいちメモを取っていられないので、メールで回答を送ってほしい」と当会から伝え、その場は水口職員も了承しました。すると11月1日になってまたもや「やはり、メールでは返事がしにくいので、口頭で説明したい」と電話をしてきました。どうも証拠を残したくないようです。

 当方から「こちらの都合も考えてほしい。再度言うが業務多忙でじっくり電話を聞く時間がないからメールにしてほしい」と再度伝えましたが、らちがあきません。仕方がないのでこちらから譲歩し、11月5日の午後1時15分に当会から文科省に直接出向いて担当者と面談することで合意しました。

■11月5日当日、文科省に着くと、風邪気味だというマスク姿の大橋氏が受付のある2階まで迎えに来ました。1階の情報開示コーナーで説明がなされる筈でしたが、大橋氏いわくそのスペースが午後も使うとのことで、急遽文科省5階の1号会議室(100名は入れそうな大会議室)の片隅で協議することになりました。水口氏は5階で待機していました。

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 水口職員は、「メールではうまく趣旨が伝わらないところもあると思って、口頭で説明させていただく」と前置きして説明を始めました。

 結論から言うとほぼ回答拒否に近い返事で、「一応基本的には人事の検討の過程などは、実はお答えできない、お示しできないことになっている。誰が人事案をつくっているかや、どういう過程を経てそれが決定したかといったことは、それを公にしてしまうと、今後の人事の業務に支障が出てきてしまう恐れがある。例えば、誰が作っているかが分かるとその人に働きかけが起きてしまうといったようなことだ」と説明しました。

 さらに水口職員は、「もう一歩踏み込んで申し上げると、人事の検討や案を作るというのはケース・バイ・ケースで、また一人ではなく色々な人が人事案を作る。最終的に決定するのは任命権をもつ大臣1人ではあるが。繰り返せば、色々な事案、というより分野があって、それぞれの人事担当者が案を作る。一般的な例はどうだと言われると、一般は無い。急に人事が決まることもあれば、出向する時にその先の人事まで考えて、あそこに行ったら次にここに行ってほしいと考えて人事を組むこともある。実際に異動した先で任期が切れて、次に異動する時に想像と違ってしまうリスクも当然あるが。そして、人事案をいつ作り始めるのかについても、ケース・バイ・ケースで、一概にこうと決まってはいない。なので、例えばそれで、仮にこういうものがあるという情報をメールとか文書で残してしまうと、それがすべてだというふうに情報が独り歩きしてしまう恐れがあるため、それを少し危惧して、お答えできない」と説明しました。

■まさに、「長々としゃべった割には何も言っていないに等しい回答」であり、官僚組織の本領発揮を見せつけられた思いがしました。結局のところ、西尾前校長がどのような経緯で逃亡したのかの内幕について、理由はおろか時期すら、時期を直接教えることはおろかそれを推定するための一般的な情報すら、一片も明かそうとしないのです。やはり、相当に隠さないとまずい情報のようです。

 もはや通常の交渉では情報を明らかにすることは不可能だとわかったため、当会では次の内容の情報開示請求書を11月15日付けでまたまた提出しました。

**********PDF ⇒ 181115wj.pdf
貴省の元職員である西尾典眞氏が、平成28年度末に群馬工業高等専門学校学校長を辞し、平成29年度に出向元である貴省の高等教育局国立大学法人支援課国立大学運営調査分析官に就いた人事について、次の情報。

(1)西尾氏の進退が言及されている人事会議等協議の議事録、開催日程、あるいはそれに類する資料のうち、2017年2月以前に作成されたものに関する存否情報。また、存在する場合は、その日付。

(2)西尾氏の進退に関する事項を、人事案策定者間や、他部署ないし高専機構から人事案策定者へ何らかの形で提起・提言・相談した際のメール等文書について、その存否情報。また、存在する場合は、その日付。

(3)その他、西尾氏の当該人事に関する一切の文書のうち、2017年2月以前に作成されたものの存否情報。また、存在する場合は、その日付。

**********

■さらに1か月待つこと12月17日に、ようやく文科省からこの情報開示請求に対する通知書が届きました。しかし、なんとそれは「不開示決定通知書」でした。

*****12/17行政文書不開示決定通知書*****PDF⇒ 20181218sjm.pdf
                    30受文科人第302号
                    平成30年12月17日
          行 政 文 書 不 開 示 決 定 通 知 書
市民オンブズマン群馬
 代表   小川  賢 様

               文部科学大臣
                柴 山 昌 彦

 平成30年11月15日付け(平成30年11月16日受付)で請求のありました行政文書の開示について、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)第9条第2項の規定に基づき、下記のとおり、開示しないこととしましたので通知します。

          記

1 不開示とする行政文書の名称
  西尾典眞氏が、平成28年度末に群馬工業高等専門学校長を辞職し、平成29年度に文部科学省高等教育局国立大学法人支援課国立大学運営調査分析官に就いた人事について、次の情報。
(1)西尾氏の進退が言及されている人事会議等協議の議事録、開催日程、あるいはそれに類する資料のうち、2017年2月以前に作成されたものに関する存否情報。また、存在する場合は、その日付。

(2)西尾氏の進退に関する事項を、人事案策定者間や、他部署ないし高専機構から人事案策定者へ何らかの形で提起・提言・相談した際のメール等文書について、その存否情報。また、存在する場合は、その日付。

(3)当該人事に係る人事異動案

2 不開示とした部分とその理由
(1)及び(2)について
  請求のあった文書を保有していないため不開示としました。

(3)について
  国の機関が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、人事情報に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため、法第5条第6号ニにより不開示としました。

【当会注:以下省略】
**********

■なんと、仮にも他機関の校長を事実上更迭して本省に連れ戻すという大掛かりな人事を行ったにも関わらず、何一つとして検討過程に係る文書が残されていないというのです。文書を残すのが役所の仕事のはずなのに、全てをブラックボックスの中で行って経緯の一切を闇に葬っていたことが分かり、当会は愕然とせざるを得ませんでした。

 釈然としないので、12月20日にこの不開示処分を担当した職員を特定して、詳細を問い質すことにしました。電話をかけてみると、これを担当した職員も水口氏でした。やり取りの概要は以下のとおりです。

水口職員:(1)番でおっしゃっているのは、人事案を作成とか決定する時に、文科省内で何か人事関係者が集まって会議みたいなものを開いている、というようなご認識だと多分思うのだが、そういう会議はない。そういう会議を開いていると、人事が遅れてしまうため、適宜、人事案作成者が直に上にあげているということになっており、したがって(1)番はない。
水口職員:(続けて)(2)番は人事案のメールとか、記録ということになる。が、人事の情報は、通常はメールでやりとりしない。通常は電話や、あとは紙で持って来てほしい、ということになる。

当会:その紙は残しておかないのか?
水口職員:ない。

当会:(幹部クラスの人事なのに)会議を開いて経緯を記録しておくということすら行っていないのか?
水口職員:人事の為の会議を開くと参加者の日程調整をしなくてはならないので時間がかかってしまうので、やらない。例えば。高専の校長の選考だと、外部有識者を招いて審査をしたりとか面接をしたりという過程があると思うが、省の人事はそういうものではない。高専や大学の内部人事でもそれは同じだと思う。

当会:最終的な決定はトップという事になるのか?
水口職員:最終的には当然、任命権を持っている大臣だったり、高専で言うと校長なり理事長だったりが、最終的な決定はする。しかしその案をつくるのは、それぞれの人事案の担当者で、その上司に挙げていく。そして最終的にトップが確定するという作業になるが、どこかに1カ所に集まって会議を開くというのは効率的ではないので、どこもやっていない。

■このように、文科省の鉄壁の防御は堅く、なかなか突破口を見出せません。

 「西尾前校長がどの段階から逃亡を考えていたのか?」
 「そして逃亡人事は西尾氏の意向に基づくものなのか、それとも高専機構・文科省の自主判断でなされたものなのか?」


 これらの情報は、当時の西尾前校長が腹の中で何を考えていたのか、また文科省が水面下でどの程度関与していたのか、ひいては群馬高専で起こった諸事件に対する文科省の態度を示す重要な証拠となりうるため、当会ではその全容解明をひとつのテーマとしてきました。しかしあまりにも杜撰で露骨な文科省の腐敗・隠蔽・保身体質に阻まれて、半年間におよぶ奮闘にも関わらず、ほとんど光を当てることが叶いませんでした。遺憾の極みというほかありません。

■さて、今回は、半年間におよぶ文科省との一連の暗闘に一区切りがついたため、以上のとおり読者の皆様にご報告する次第です。

 しかし、あくまで「一区切り」であって、この件に関する調査については今後も継続していく所存です。「諦めず、粘り強く」がモットーの当会として、依然未解決となっているテーマについては、じっくり腰を据えて取り組んでいきたいと考えております。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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