口先だけの説明責任・・・今後十年間の和解金支払を群銀と口頭で決めた岡田市長の配慮  土地開発公社51億円横領事件


■安中市土地開発公社を舞台にした地方公共団体としては史上空前の51億円巨額詐欺横領事件で、14年の実刑判決を受けた元職員は、あと65日すると、晴れてシャバに姿をあらわせることになりました。

 このため、タゴと親しい関係者の皆さんは、はやくもタゴ出所に備えた地ならしに余念がありませんが、かつて公社の理事や監事として、とりわけタゴと近い関係を築いていた岡田市長の場合、群馬銀行への103年ローンの支払いは万全を期して既に道筋をつけたにもかかわらず、タゴ横領金の損害賠償請求には全く関心の薄いことは、既に当会のブログで報告済みです。

■群銀との和解金の協議の過程については、昨年11月5日の上毛新聞で、そのほぼ1年前から群馬銀行と安中市・公社が協議を続けていて、ほぼ合意に達したことが報じられたため、さっそく情報開示請求で関係文書を入手して、協議の経緯を確認しようとしましたが、肝心の10月15日以前の公文書が不存在を理由に開示されないため、異議申立てをしていました。

 その結果、公社の理事長でもある岡田市長は、副理事長と常務理事の3人だけで群銀と交渉し、勝手に今後10年間の和解金の支払いを決めていたことがはっきりしました。しかも、群銀との交渉や公社内部の協議過程や内容が、外部にリークしないように、群馬銀行に配慮して、すべて口頭で行なったことが判明しました。

 これほどまでに、タゴのみならず、群馬銀行に対して配慮をしなければならない理由はいったいなんでしょうか。おそらく、群馬銀行にカネの流れを掴まれているため、群銀の意向を100%受け入れざるを得ない事情があると思われます。

■当会のこの推測が、ほぼ的中していることが裏付けられました。昨日、安中市情報公開・個人情報保護審査会から郵送で届いた答申の写しから、そのことが判明したのです。結論は、安中市長の不存在を理由とした不開示処分を妥当としながらも、タゴ横領金の尻拭いに係る重要事項を、記録も残さずに意思決定をしたことについて、厳しく言及しています。次に、その答申内容を示します。

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平成21年7月15日
実施機関 安中市長 岡田義弘
   安中市情報公開・個人情報保護審査会会長 采女英幸
平成20年11月5日付け上毛新聞に掲載された安中市土地開発公社巨額詐欺事件をめぐる群馬銀行との協議の経緯に関する一切の資料に係る行政文書の部分開示決定処分に対する異議申立てについて(答申)
  記
 平成21年5月13日付けで諮問のあった標記の件について、平成21年7月9日開催の審査会において審査した結果に基づき、別紙のとおり答申します。

(別紙)
諮問第1号
 平成20年11月5日付け上毛新聞に掲載された安中市土地開発公社巨額詐欺事件をめぐる群馬銀行との協議の経緯に関する一切の資料に係る行政文書の部分開示決定処分に対する異議申立てについて(答申)

1 審査会の結論
 実施機関(安中市長)が、本件異議申立ての対象となった群馬銀行との協議の経緯に関する一切の資料のうち、平成20年10月14日以前の情報について、当該行政文書の不存在を理由として不開示として処分は、妥当である。ただし、本件文書が全て不存在であることは問題であると考えられるため、今後は、適正な文書管理に努めることが望まれる。

2 異議申立ての主張の要旨
 異議申立人が主張する異議申立ての趣旨及び理由については、異議申立書及び意見書の記載によれば、おおむね次のとおりである。
 「市と群馬銀行は4月から協議を重ねてきた」との報道により「この経緯に関して現在に至るまでの一切の資料」を開示請求したが、開示されたのは平成20年10月15日以降の情報のみで、それより前の情報は含まれていない。
 行政は、文書主義の原則に基づき、適正、的確で効率的な事務事業をおこなわなければならず、理由説明書によれば本件文書を「口頭処理」しているため、不存在としているが、これは安中市文書管理規定にも違反している。
 和解金の支払いに関する重大な事務の処理が口頭処理で行われるはずはなく、録音なども含め、必ず記録が存在しているというべきであり、不存在とする根拠が認められない。

3 異議申立てに対する実施機関の説明要旨
 開示請求のあった本件行政文書については、平成21年3月3日付け部分開示決定により、存在する行政文書は全て開示しており、異議申立書に記載された行政文書も不存在である。
 また、平成20年10月8日以前の群馬銀行との協議については、交渉中の段階であり、情報の外部漏洩を防ぐために安中市土地開発公社(以下「公社」という。)及び安中市において全て口頭処理によって行ったものである。

4 審査会の判断
 本件は、公社巨額詐欺事件をめぐる群馬銀行との協議の経緯に関する一切の資料について、実施機関に対して行政文書の開示請求がなされ、郵送により当該行政文書が開示されたが、その一部が理由もなく不開示となっていたことを不服として異議申立てがなされたものである。
 異議申立人から不開示とされた具体的な行政文書として、次の協議に関する記録があげられている。

@平成19年11月27日   群馬銀行訪問(本店応接室)
A平成20年1月7日    群馬銀行訪問(本店応接室)
B平成20年3月28日    群馬銀行訪問(本店応接室)
C平成20年4月9日    公社、群馬銀行話し合い(市役所市長室)
D平成20年4月23日   今後の取り組みについて、顧問弁護士に相談
E平成20年4月30日   公社、群馬銀行話し合い(群銀本店応接室)
F平成20年5月1日   「市の考え方について」市幹部会議を開催
G平成20年6月3日   「公社保有財産等について」市幹部会議を開催
H平成20年6月5日   「群馬銀行との交渉について」市幹部会議を開催
I平成20年6月23日   公社、群馬銀行話し合い(群銀本店応接室)
J平成20年8月11日   公社、群馬銀行話し合い(市役所応接室)
K平成20年8月12日   公社監事に群馬銀行の考え方を説明し、見解を伺う
L平成20年9月2日    公社、群馬銀行話し合い(群銀本店応接室)
M平成20年9月3日    公社、群馬銀行話し合い(市役所旧助役室)
N平成20年10月7日   公社、群馬銀行話し合い(群銀本店応接室)
O平成20年10月8日   「10月7日の話し合いの結果について」市幹部会議を開催

 このうち、実施機関が保有すると思われる行政文書はF、G、H、Oの市幹部会議に関する文書(以下「市幹部会議記録」という。)のみで、これら以外の文書については、校舎の群馬銀行との話し合い又は専門家への相談等に関する文書であり、実施機関ではなく、公社の保有が予想される文書である。

 このため、実施機関は、異議申立てを受理後、再度、公社に対して安中市情報公開条例第24条第2項に基づき提出を依頼したところ、平成21年5月11日付けにより、公社から回答があり、上記の協議記録は、文書として存在していないとのことであった。

 公社の説明によれば、協議記録を残さなかった理由としては、@からDまでは、挨拶程度の内容であり、記録すべき協議内容ではなかったこと、群馬銀行との交渉は、主に公社理事長、副理事長及び常務理事の3名で行われ、記録をとるべき事務局職員が同席しないことがあったこと、また、「交渉段階」においては、情報の外部漏洩及び相手方に配慮して文書化は行わない方針としたことがあげられている。

 この方針は実施機関においても踏襲され、4回開催された市幹部会議記録のいずれも不存在となっている。

 こうしたことから、出席した職員の記憶や個人メモを基に、交渉の様子をまとめた議会全員協議会への提出資料「群馬銀行との民事訴訟に関わる和解以降の経緯」のみが、協議記録に関する文書ということになり、これは既に異議申立人に開示されているとのことである。

 本審査会の見解としては、公社の文書作成に対する方針にまで意見を具申する権限は有していないとは思うが、今後10年間の残債務金支払いに関する具体的な協議記録をほどんと残さないことには、非常に疑問がある。どのような交渉の過程を経て今後の支払額や支払い方法が決定したのかという記録は、後日においてその決定の妥当性を検証又は証明するためにも重要と考えるためである。

 これに関しては、実施機関も同様であり、公社の巨額な連帯債務を負う以上、その対策又は方向性を検討する市幹部会議の協議内容を記録しておくべきであったことは明かである。

 全ての協議や会議について、例えば事務的な打ち合わせ会議や公社が主張するような挨拶程度の内容であれば、記録を残す必要がないことは理解できるが、本件のような巨額な残債務金支払いに係わるものについて、どのような議論がなされて、支払額や支払方法の最終的な意思決定がされたのか、その協議や議論の過程が明らかとなる記録が残されていないのは、文書管理上から適切であるとは言えない。

 協議過程については、政策調整会議及び公社理事会で報告され、その議事録が文書化されて残されているものの、それを意思決定までになされた協議の記録とするには不十分である。

 異議申立人は、本件事務を口頭処理を行ったことは安中市文書管理規程に違反していると主張しているが、同規程は市の内部規範であり、文書化することはあくまでも原則とされているため、本審査会としては、直ちに違法と断ずることはできない

 しかし、安中市文書管理規程の原則から外れる例外として、情報の外部漏洩を防ぐため、全て口頭処理としたことは、職員には地方公務員としての守秘義務があるから、文書化しない合理的な理由とはなっていないし、仮りにそう判断したとしても交渉が成立した後に記録を作成することも可能だったはずである。

 重要な協議や会議については、やはり記録となる文書をきちんと作成したうえで、情報の外部漏洩を防止する手段を講じ、また、安中市情報公開条例第7条に基づく不開示文書とするなどの対策を取るべきであったと考える。

 しかし、実施機関の説明及び本審査会事務局職員の調査によれば、本件文書は、公社及び実施機関のどちらも、物理的に存在する文書を不存在として秘匿扱いし、不開示処分にしたものではなく、協議記録としての行政文書そのものを作成していないことは、事実であることが推測される。

 また、特に公社の保有する文書については、安中市情報公開条例に基づく文書の提出を現実に受けていないのだから、実施機関である安中市長の決定としては、不開示とすることは、やむを得ない。

 以上のことから、本審査会の結論として、公社又は実施機関が重要な会議等の協議記録を残していない点は非常に遺憾であり、憂慮すべき対応であると考えるが、本件文書の不存在については、実施機関が作成又は取得していないと主張する以上、これを是認するほかはなく、不開示処分は、妥当であると判断する。

 なお、本件7月1日に公布された公文書等の管理に関する法律では、行政機関の職員は、当該行政機関の意思決定ならびに当該行政機関の事務及び事業の実績について、処理に係る事案が軽微なものである場合を除いて、文書を作成することが義務づけられ、地方公共団体についても同法の趣旨にのっとり、適正な文書の管理に努めるべきことが定められている。

 このことから、今後、実施機関は情報公開制度の趣旨も踏まえ、市民に説明責任を果たすためにも、重要な意思決定に係る事務等については、文書主義を徹底するようにお願いしたい。
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■安中市側の意向を受けて、情報の不存在を追認した審査会も、あまりにもひどい安中市の情報隠蔽体質には、言及せざるを得なかったと考えられます。タゴ51億円事件を引きおこし、その真相究明や責任所在明確化をしないまま、幕引きを図ろうとする安中市ならではの異常な対応振りがお判りいただけましたでしょうか。

 この後、審査会の答申を受けて、岡田市長が、当会に決定書を発行することになりますが、当会では、決定書の発行を待って、このような情報隠蔽主義により、秘密裏に、元職員の豪遊のツケ払いを公金で賄うことを決めた岡田市長のやり方について、きちんと監査請求してゆくことを検討したいと思います。

【ひらく会情報部】
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