2019/3/14  23:40

鉛・ヒ素入りスラグ問題!…箕郷梅林を鉛中毒の恐怖に晒す非鉄スラグを表向き撤去させた高崎市が抱える憂鬱  スラグ不法投棄問題

■東日本一の梅の産地、群馬県の三大梅林の一つ箕郷梅林は、関東平野を一望する丘陵に約10万本の梅の木が植えられ、平年3月上旬から下旬にかけての開花時期には梅の花と周辺の山々や関東平野の眺望を楽しめます。この箕郷梅林は、みさと梅公園を中心とするカニ沢会場と善地梅林広場(善地会場)の2か所からなり、善地梅林広場(善地会場)では約300本の河津桜と傾斜地一面の梅の花が楽しめます。駐車場の一角にある展望見晴台からは一面に広がる梅林と関東平野、また晴天の日には梅林と榛名山の眺望が楽しめます。ところがまちおこしに欠かせないこの観光地で、猛毒の鉛とヒ素を高濃度に含む非鉄スラグが容赦なく不法投棄されていることがわかり、大騒ぎになっています。
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箕郷梅林案内図

 当会では、東邦亜鉛安中製錬所から排出された亜鉛等の精錬工程で生じる残差を高温で溶かして、中に含まれている亜鉛等の非鉄金属を蒸発させたあとに残る非鉄スラグが、高濃度の鉛やヒ素を含んだまま、高渋バイパスの中央分離帯に不法投棄されていた問題を提起しています。その後、高崎市にも箕郷町周辺に今非鉄スラグが大量に不法投棄されている実態が判明したため、早い時期に高崎市には報告し善処を求めていました。

 これを受けて高崎市では2018年11月19日に、同市箕郷町の「みさと芝桜公園」と「みさと梅公園」の駐車場などから、土壌汚染対策法の基準を超える鉛とヒ素が検出されたことを明らかにしました。

 高崎市によると、芝桜公園駐車場と近くの市道、梅公園の善地駐車場と蟹沢駐車場2カ所の計5カ所で、敷地に敷いた路盤材(砂利等)を調査したところ、含有量は鉛が全5カ所で基準を超え、最大57倍が検出されました。

 一方、ヒ素は芝桜公園駐車場を除く4カ所で基準を超えており、最3.6倍が記録されました。どちらも溶出量は基準内だとして、高崎市は「溶出による土壌や地下水への影響はない」などと住民の健康被害のリスクを無視して、11月19日の市議会市民経済常任委員会で報告しました。

 当時の様子は次のブログを参照ください。
○2018年11月20日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…大同スラグに蓋をする県・渋川市等と異なり撤去前提の対策を打ち出した高崎市
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2820.html

 高崎市は路盤材を搬入した市内の施工業者(岡田工務店)に有害物質を撤去するよう求め、汚染土が使われた経緯を調査しました。そして高崎市は、2018年12月末までに、箕郷町の芝桜公園や梅公園の駐車場に投棄された非鉄スラグは一応撤去したと発表しています。

■当会は、こうした背景から、2018年11月19日の市議会市民経済常任委員会での討議の報道記事を踏まえて、さっそく年明けの1月16日に高崎市役所の環境部廃棄物対策課を訪れて、鉛・ヒ素入りスラグの撤去の詳しい経緯についてヒヤリングしようとしました。

 すると同課では、「このスラグの撤去は出先の箕郷支所の産業課で対応しているので、箕郷支所に聞いてほしい」と述べました。そのため、車を飛ばして昼前に箕郷支所に駆け付けたところ、産業課の担当者は市役所本庁に行っており、「戻ってくるのは午後1時過ぎだ」というので、1時間半ほど待たされました。

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 ようやく午後1時10分ごろ産業課担当の関口氏がやってきたので、事情を説明し、「スラグ撤去に関して詳しい話が聞きたい」と申し入れたところ、途端に口が堅くなりました。

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 挙句の果てには、本庁の環境部に聞いてほしいとまで言い出す始末なので、「たらいまわしは勘弁してほしい。情報開示であれば、出していただけるのか?」と問うと、「そのようにしてほしい」というので、後日情報開示請求をすることにしました。

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産業課など部署名のない2階の案内板。一番奥の建設課のみ記載あり。これでは住民が迷ってしまうため至急改善を依頼した。あれから2か月が経過したが、どうなっているのだろう。

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特産の梅加工品の数々。なのに、梅林のど真ん中に大量の鉛・ヒ素入りスラグを投棄する輩がいるとは!

■その後、多忙のため時間が経過してしまいましたが、2月22日に次の内容で高崎市長あてに行政文書公開請求書を提出しました。

*****行政文書公開請求書*****ZIP ⇒ 20190222jisxoj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
高崎市箕郷町の梅林公園や芝桜公園およびその周辺の山林、道路、空き地、駐車場、太陽光発電造成地などのさまざまな土地に、大量のヒ素・鉛など有害物質を含む非鉄スラグ用の物質が投棄されている問題で、これまでに高崎市が投棄情報を把握し、分析し、協議し、原因究明・責任所在明確化・再発防止の観点から、これまでに取った対応の過程と結果として安全性が担保されていることが分かる一切の情報。(とくに有害物質を撤去させた現場工事については、それぞれの施工業者、工期、工法、費用、法的根拠、撤去した有害物質の処分先と方法が分かる情報を含む)
**********

■すると、3月8日に高崎市箕郷支所から開示手続きが整ったとの連絡がありました。
※行政文書部分公開決定通知書 ZIP ⇒ 2019031400misato_ketteituuchi.zip

 しかし、遺憾なことに、高崎市環境部産業廃棄物対策課からは行政文書非公開決定通知書が同日交付されました。
※行政文書非公開決定通知書 ZIP ⇒ 2019031400misato_ketteituuchi.zip

 公開しない理由として「未成熟な情報であって、公開することにより、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがあるもの及び特定の者に不当に利益を与え、もしくは不利益を及ぼすおそれがあるものであるため」と記されています。高崎市の環境部もすでに鉛・ヒ素入りスラグで中枢神経をやられてしまったようです。

■仕方がないので、3月13日午後1時に高崎市役所1階で開示情報を受け取るべく赴きました。驚いたことに、開示された情報は2018年11月19日に箕郷支所長名で市民経済常任委員会用の資料として作成された「市民経済常任委員会資料」と、箕郷地内の公園や道路に投棄された有毒スラグを撤去した岡田工務店が作成して1月18日に箕郷支所に提出した「写真及びマニフェスト綴り」という得体のしれない文書の写しでした。

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高崎市役所1階の情報公開窓口にて。これらは原本。

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原本の交付希望個所をコピーしてもらうのに時間がかかり、結局午後3時に再度市役所に戻って写しを一式受け取った。

 写真綴りはカラーでしたので、カラー印刷で開示文書を頼んだところ、なんと1枚100円も取られました。結局全部で9000円ちかい手数料を支払う羽目になりました。

 開示された文書は次の通りです。

*****1−市民経済常任委員会資料*****
ZIP ⇒ 2019031401_misato_bunsekikekka.zip

*****2−写真及びマニフェスト綴り*****
0 表紙・目次 ZIP ⇒ 201903140200_misato_mokuji.zip
1 芝桜公園駐車場上側立会確認(着工前・掘削積込み・土砂積み込み搬出確認・土砂撤去完了確認・路肩盛土完了確認) ZIP ⇒ 20190314021_sibazakura_parking.zip
2 市道松原貯水池付近立会確認(立会状況・着工前・土砂撤去完了確認・土砂撤去完了・砕石埋め戻し完了確認) ZIP ⇒ 20190314022_chosuichi_sidou.zip
3 市道矢原浄水場西側立会確認(着工前・掘削積み込み確認・土砂撤去完了確認・砕石埋め戻し完了確認) ZIP ⇒ 20190314023a_jousuijou.zip
20190314023b_jousuijou.zip
4 土砂仮置き場立会確認(掘削積み込み状況・土砂積み込み搬出確認) ZIP ⇒ 20190314024_kariokiba.zip
5 芝桜公園立会確認(着工前・土砂撤去完了確認・砕石埋め戻し完了確認) ZIP ⇒ 20190314025_sibazakura_kouen.zip
6 蟹沢駐車場(大)立会確認(着工前・土砂撤去完了確認・掘削積み込み確認・砕石埋め戻し敷き均し状況確認・掘削積み込み運搬確認) ZIP ⇒ 20190314026a_kanisawa_parking.zip
20190314026b_kanisawa_parking.zip
20190314026c_kanisawa_parking.zip
20190314026d_kanisawa_parking.zip
20190314026e_kanisawa_parking.zip
7 蟹沢駐車場(小)立会確認(着工前・土砂撤去積み込み運搬確認・土砂撤去完了確認・砕石埋め戻し敷き均し状況確認) ZIP ⇒ 20190314027a_kanisawa_small_parking.zip
20190314027b_kanisawa_small_parking.zip
8 善地駐車場立会確認(着工前・土砂撤去完了確認・砕石埋め戻し敷き均し状況確認・掘削積み込み確認・表土剥ぎ取り状況確認・表土剥ぎ取り土砂埋め戻し状況確認・試験堀り深さの確認・土砂積み込み搬出確認・砕石荷卸し状況確認) ZIP ⇒ 20190314028a_zenji_parking0104.zip
20190314028b_zenji_parking0508.zip
20190314028c_zenji_parking0911.zip
20190314028d_zenji_parking1214.zip
20190314028e_zenji_parking1517.zip
20190314028f_zenji_parking1820.zip
20190314028g_zenji_parking2123.zip
20190314028h_zenji_parking2426.zip
20190314028i_zenji_parking2729.zip
20190314028j_zenji_parking3032.zip
20190314028k_zenji_parking3335.zip
20190314028l_zenji_parking3638.zip
20190314028m_zenji_parking3941.zip
20190314028n_zenji_parking4245.zip
9 土砂仮置き場〜イーステージ〜土砂仮置き場立会確認(土砂積み込み搬出確認・積み込み搬出追跡確認調査・掘削積み込み状況・土砂撤去完了確認) ZIP ⇒ 20190314029a_saishuushobun13.zip
20190314029b_saishuushobun46.zip
10 マニフェスト(箕郷地内公園及び道路建設資材撤去作業)
01 11月28日 19.79トン 
02 11月29日 27.34トン
03 11月30日 24.77トン
04 11月30日 22.91トン
05 12月03日 24.62トン
06 12月03日 23.68トン
07 12月03日 24.41トン
08 12月04日 23.92トン
09 12月04日 24.71トン
10 12月04日 24.82トン
11 12月05日 23.64トン
12 12月05日 23.64トン
13 12月05日 23.59トン
14 12月06日 24.94トン
15 12月06日 23.28トン
16 12月06日 23.61トン
17 12月10日 23.61トン
18 12月10日 24.00トン
19 12月10日 24.9トン
20 12月11日 26.18トン
21 12月11日 25.73トン
22 12月11日 27.42トン
23 12月12日 23.18トン
24 12月12日 25.33トン
25 12月12日 24.58トン
26 12月13日 27.55トン
27 12月13日 26.15トン
28 12月17日 24.77トン
29 12月18日 25.42トン
30 12月18日 24.24トン
31 12月18日 25.03トン
32 12月19日 26.03トン
33 12月19日 24.72トン
34 12月19日 25.23トン
35 12月20日 23.41トン
36 12月20日 25.18トン
37 12月20日 24.98トン
38 12月22日  6.56トン
39 12月22日  7.29トン
ZIP ⇒ 2019031403a_manifests0110.zip
2019031403b_manifests1120.zip

■今回開示された「写真及びマニフェスト綴」は、工事施工者の(株)岡田工務店が作成し、2019年1月18日に箕郷支所産業課が第293-4号として収受したものですが、高崎市の職員が黒板をもって立会確認をしている様子が写っています。

 ところが、その黒板にも、そしてこの「綴」のどこにも、撮影日時が記載してありません。

 これでは報告書の体をなさないため、高崎市箕郷支所の関口担当職員には、さっそく岡田工務店に日時入りのまともな報告綴りをあらためて提出させるよう強く要請しました。

 また、写真でもお分かりいただけると思いますが、撤去したのはスラグの部分のみで、すでに下層にしみ込んだ鉛やヒ素などの重金属汚染箇所は、まったく手つかずになっていることがわかります。

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 高崎市役所の1階で情報開示を受けた後、2階の環境部の廃棄物対策課を訪れました。非公開決定通知書に記されている「未成熟な情報」「公開すると不当に市民の間に混乱を生じさせる恐れ」「公開すると不当に利益・不利益を得る特定の者」について、具体的な説明を求めましたが、返事はありませんでした。

 現在もなお、東邦亜鉛安中製錬所が排出している鉛・ヒ素入り非鉄スラグが、「廃棄物に相当するのかどうか、慎重に調査をしている最中」なので、一切口をつぐむのだそうです。あるいは、ひょっとして、高崎市民を鉛中毒にするための「有価物」だと認識しているのかもしれません。まずは、東邦亜鉛のスラグ置き場を東邦亜鉛に見せてもらい、生活環境に支障があるのかどうか自ら確かめてみることが先決でしょう。

■現在、地元の梅林では梅の花が満開で、箕郷支所によると、前日の12日も平日であったにもかかわらず200台もの車が梅林の駐車場に集まったとのことです。最低限の撤去が実施され、なんとか今年の梅まつりに間に合った感があります。

 今後、二度とこのような農業地帯に有毒なスラグが投棄されないよう、行政の責務は重いわけですが、少しでも目を離すと、行政はただちに政治家や大企業のほうばかり顔色をうかがいたがります。

 引き続き、東邦亜鉛安中製錬所と岡田工務店、およびそのほかの関連業者の動きを慎重に探ってまいる所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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