2019/10/5  23:16

平成31年度高崎市長・市議選の選挙費用の公費負担の実態について考察  高崎市の行政問題

■「選挙公営」という用語があります。公職選挙法は、選挙運動について種々の規制を加えていますが、それでも、選挙には巨額な費用がかかり、それが選挙の腐敗の大きな原因となると言われています。そこで、公職選挙法は、金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として選挙公営制度を採用しており、漸次その拡充合理化が進められ、実施されています。言い換えると、選挙公営とは、国又は地方公共団体がその費用を負担して選挙運動を行い若しくは選挙を行うに当たり便宜を供与し、又は候補者の選挙運動の費用を負担する制度です。今年春の統一地方選挙において、高崎市でも、高崎市長選と高崎市議選が同時に実施され4月21日に投開票が行われました。高崎市議選には、定数38のところ51名が出馬し、投票率は45.89%でした。この度当会では、情報公開制度で各候補の当該選挙で使われた公営費用を調べてみました。
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2019年4月14日に告示された高崎市長・高崎市議会選挙。平成最後の選挙。


 ちなみに、選挙結果は次の通りです。

●2019年(平成31年)4月21日執行 高崎市議会議員選挙
(定数38、投票率45.89%)
得票数順 候補者氏名  党派名   当落 確定得票数
1    清水 明夫  無所属   当  4,343
2    荒木 征二  立憲民主党  当  4,280
3    柴田 和正  無所属   当  3,906.134
4    後閑 賢二  無所属   当  3,752.684
5    根岸 赴夫  無所属   当  3,704
6    谷川 留美子 無所属   当  3,601
7    三島 久美子 無所属   当  3,538
8    白石 隆夫  無所属   当  3,514.062
9    小野 聡子  公明党   当  3,491
10    柴田 正夫  無所属   当  3,486.865
11    石川 徹   無所属   当  3,474
12    長壁 真樹  無所属   当  3,422
13    大河原 吉明 無所属   当  3,375.244
14    林 恒徳   無所属   当  3,251
15    中村 さと美 公明党   当  3,206.022
16    高橋 美奈雄 無所属   当  3,146
17    渡邊 幹治  無所属    当   3,143
18    柄沢 高男  無所属    当   3,100.937
19    丸山 和久  無所属    当   2,990.021
20    丸山 覚   公明党    当   2,987.004
21    伊藤 敦博  日本共産党  当   2,968
22    新保 克佳  公明党    当   2,945
23    逆瀬川 義久 公明党    当   2,940
24    大竹 隆一  無所属    当   2,858
25    松本 賢一  無所属    当   2,799
26    飯塚 邦広  無所属    当   2,723
27    三井 暢秀  無所属    当   2,686
28    青木 和也  無所属    当   2,665
29    樋口 哲郎  無所属    当   2,658
29    堀口 順   無所属    当   2,658
31    中島 輝男  無所属    当   2,635
32    田中 治男  無所属    当   2,619
33    後閑 太一  無所属    当   2,613.315
34    丸山 芳典  無所属    当   2,607.974
35    片貝 喜一郎 無所属    当   2,598
36    後藤 彰   無所属    当   2,567
37    依田 好明  日本共産党  当   2,546
38    時田 裕之  無所属    当   2,509
39    舘泉 ちよ美 無所属    落   2,464
40    田村 理   日本共産党  落   2,417
41    横田 卓也  無所属    落   2,292
42    青柳 隆   無所属    落   2,233
43    石原 康弘  無所属    落   2,165
44    小島 糾史  NHKから国民を守る党 落 1,850
45    北嶋 菊好  無所属    落   1,770
46    中澤 敏   無所属    落   1,065
47    古矢 昌孝  無所属    落    830
48    中村 幸司  無所属    落    793.977
49    原 幸一   無所属    落    531
50    大河原 宗平 無所属    落    509.755
51    小倉 永行  無所属    落    313

●2019年(平成31年)4月14日告示 高崎市長選挙
(無投票)
1    富岡 賢治  無所属    当

■高崎市のHPを見ても選挙公営について詳しく載っていないため、さいたま市議会の議員の選挙又は市長選挙の場合の選挙公営を検索で見つけたので、以下に示します。

*****さいたま市の選挙公営*****
1.選挙公営の種類
 さいたま市の市議会の議員の選挙又は市長選挙の場合、選挙公営の種類としては、次の(1)から(4)までのものがあります。
(1)選挙管理委員会は実施には直接関与しないが、その経費の負担のみを行うもの(公費負担)
・選挙運動用自動車の使用
・選挙運動用ポスターの作成
・選挙運動用ビラの作成
・選挙運動用通常葉書の交付
(2)選挙管理委員会がその全部を行うもの
・投票記載所の候補者氏名等の掲示
(3)内容は候補者が提供するが、その実施は選挙管理委員会が行うもの
・ポスター掲示場の設置
・選挙公報の発行
(4)選挙管理委員会は便宜を提供するが、その実施は候補者が行うもの
・公営施設利用の個人演説会

2.公費負担について
 条例で定めるところにより、一定の金額を限度として、選挙運動用自動車の使用、選挙運動用ポスターの作成、選挙運動用ビラの作成を公費(無料)で行うことができます。
ただし、供託物没収点(市議会議員:有効投票総数を選挙区の議員定数で除した数の10分の1、市長:有効投票総数の10分の1)に達する得票を得られないと公費負担を受けられません。

3.公費負担の限度額について
 市議会議員の選挙又は市長選挙における公費負担の限度額は次のとおりです。
(1)選挙運動用自動車の使用
  ・個別契約方式
    @上限単価(1日あたり):自動車借入費用15,800円、燃料代7,560円、運転手の雇用費用12,500円
   A選挙運動期間(※1):市議会議員選挙(9日)、市長選挙(14日)
   @×A=限度額:自動車借入費用142,200円(市議選)、221,200円(市長選)
           燃料代」68,040円(市議選)、105,840円(市長選)
           運転手の雇用費用112,500円(市議選)、175,000円(市長選)
  ・ハイヤー方式(※2)
   @上限単価(1日あたり):64,500円
   A選挙運動期間:市議会議員選挙(9日)、市長選挙(14日)
   @×A=限度額:580,500円(市議選)、903,000円(市長選)
  ※1 立候補の届出のあった日から選挙期日の前日まで。ただし、無投票となった場合は告示の日のみとなります。
  ※2 ハイヤー方式とは自動車借入、燃料代及び運転手の雇用を一括して契約する方式です。一般乗用旅客自動車運送事業者と運送契約を行います。

(2)選挙運動用ポスターの作成
  ・ポスター掲示場数(※):500以下
(A)上限枚数:掲示場数×1.2
(B)限度数:( 525円6銭×掲示場数+310,500円 )÷掲示場数
    (A×B)上限単価
  ・ポスター掲示場数(※):501以上
(A)上限枚数:掲示場数×1.2
(B)限度数:{ 27円50銭×(掲示場数−500)+573,030円 }÷掲示場数
    (A×B)上限単価
  ※ 市議会議員選挙では、選挙区ごとに設置するポスター掲示場数。
(3)選挙運動用ビラの作成
  ・市議選
   (A)上限枚数:8千枚
   (B)上限単価:7円51銭
   (A×B)限度額:60,080円
  ・市長選(5万枚以下の場合)
   (A)上限枚数:5万枚
   (B)上限単価:7円51銭
   (A×B)限度額:375,500円
  ・市長選(5万枚を超える場合)
   (A)上限枚数:7万枚
   (B)上限単価:( 5円2銭×20,000枚+375,500円 )÷70,000枚=6円80銭
         ※ 1銭未満の端数は切り上げ7円51銭
   (A×B)限度額:476,000円
**********

■ここで注目されるのは、公選法改正より、今年の3月1日以降に選挙期日を告示される選挙では、選挙用ビラの作成も選挙公営となっていることです。筆者はこれまで、1995年11月、1999年11月、2003年11月、そして2006年4月の安中市長選に出馬しましたが、当時は、選挙ビラの作成は選挙公営ではありませんでした。

 高崎市選管もこの選挙ビラ作成の選挙公営について、HPに掲載しています。

*****高崎市HP*****URL⇒
http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2018111900025/
市議会議員選挙における選挙運動用ビラの作成・頒布について
 公職選挙法の改正により、平成31年3月1日以降にその選挙期日を告示される市議会議員選挙から、候補者は選挙運動用ビラを頒布できるようになりました。
 この改正に伴い、『高崎市議会議員及び高崎市長の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例』の一部を改正し、その作成経費について公費で負担できることとしました。(選挙の結果、供託物を没収された候補者は公費負担の対象とはなりません。)
【高崎市議会議員選挙で頒布できる選挙運動用ビラについて】
≫種類
 2種類以内(市選挙管理委員会に届け出たもの)
 ※記載内容、色数、紙質に特段の制限はありませんが、公職選挙法の禁止規定に抵触するような内容(虚偽事項の公表、買収や利害誘導等)は禁じられます。
≫枚数
 計4,000枚以内
≫大きさ
 29.7センチ×21センチ(A4判以内)
≫頒布方法
 新聞折込みや、選挙事務所・個人演説会場・街頭演説の場にて頒布できる。
 ・選挙運動期間中に限ります。
 ・各戸への郵送やポスティング(郵便受け等に直接投かん)はできません。
 ・選挙運動期間中であれば、ビラのデータをウェブサイトに掲載したり、適法な選挙運動用メールに添付して送付することもできますが、そのデータを印刷して頒布することはできません。
≫必要記載事項等
 ・頒布責任者と印刷者それぞれの氏名・住所を記載すること。
  ※印刷者が法人の場合は、名称・所在地となります。
 ・頒布するビラ全てに、市選挙管理委員会から交付される証紙を貼ること。
  ※証紙は、告示日の立候補届出受付時に交付されます。
≫公費負担額
 作成数1枚あたり7円51銭(上限額)
 ※供託物が没収された候補者は公費負担の対象外となります。
<このページの担当>
選挙管理委員会事務局 電話:027-321-1301
Eメール:senkan@city.takasaki.gunma.jp
**********

■それでは高崎市が開示した平成31年4月に執行された市長選と市議選の選挙公営情報を見てみましょう。

*****H31市長・市長選 選挙公営集計表(請求別)*****
ZIP ⇒ 20191004_h31_takasakis...

*****H31市長・市長選 選挙運動用通常はがき集計表*****
ZIP ⇒ 20191004_h31_takasakis...

 ご覧いただくとお分かりの通り、最下部の51番の小倉永行のみ、得票数が法定得票数に満たなかったので、供託金没収により公営負担ゼロ(即ち自己負担)となっています。

 ポスター代については、14番の後閑太一と17番の渡辺幹治(いずれも最大会派の新風会所属)が、ポスターの裏面がシールでもなく、材質も“紙”なのにポスター代は最高額の640,062円を請求しています。

 33番の根岸赴夫と20番の後藤彰(ともに新風会所属)は、10番の中村さと美、16番の小野聡子、1番の新保 克佳、44番の逆瀬川義久、24番の丸山覚ら公明党諸氏と同じ印刷会社でポスター作成をしているのに、なぜか18万円くらい高額となっており、最高額の640,062円を請求しています。やはり、公明党は全員同じレイアウトだから安あがりなのでしょうか。

 と思って、撮ってあった写真を確認すると、公明党も全員違うレイアウトでした。となると公明党諸氏が安い理由はいったい何なのでしょう。あるいは、根岸赳夫と後藤彰は、なぜ最高額になったのでしょうか。

 また、ガソリン代を飛び抜けて高額請求するのはいつも48番の三島久美子(無所属)です。総額40,431円ですから、リッター140円とすると、約289リットル。1日あたり41リットル位使ってる計算です。かなり燃費の悪い車ですね。あるいは朝8時から夜8時まで仮に12時間ぶっ続けで平均時速50キロで走れば1日当たり600キロとなりますが、これでは休憩も、街頭演説もできず現実的ではありません。でも、こんなものなのでしょうかね?

■筆者の経験としても、掲示板に貼られた候補者のポスターは、レイアウトはともかく、用紙や印刷の質が千差万別で、1週間雨ざらしにされ、日差しを浴びると、安っぽいポスターは色あせたりシワシワになったりするものがあります。しかし、選挙後、公営費用を調べると、各候補とも最高限度額を請求しています。

 当時、印刷所に訊いてみると、たいていの印刷所では、ポスター代に、いわゆるチラシや選挙用名刺の印刷費を含ませているとして、その分、ポスターの質を落としてコストを調整しているのだそうです。ただし、今年からビラ作成も選挙公営となったので、状況は変わってきているかもしれません。

 自動車の借入についても、選挙公営を受けた46名のうち2名を除く全員が110,600円を請求しています。またビラ作成も、1名を除く全員が限度額の3万円を請求しています。

 なお、表で黒塗りされているのは、個人の住所と氏名が記されている箇所だと想定されます。

 税金で賄われている選挙公営制度について、今年春の統一地方選における高崎市の事例を参考に、皆様に関心を持っていただければ幸いです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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