大量の建設発生土が忽然と消えた渋川土木所管公共ストックヤードを巡る第6回口頭弁論が5月11日に迫る  県内の税金無駄使い実態


■群馬県では、県土整備部の建設企画課が建設発生土ストックヤードの整備の重要性をHPでも謳っていますが、渋川土木事務所所管のストックヤードを巡り、河川法を無視して大規模な掘削あるいは大量の発生土の集積が行われ、6年間の稼働を終えた時点で大量の発生土が忽然と消えるなど、問題視されています。当会は、入手情報をもとに、2019年3月25日に住民監査請求を群馬県監査委員に提出しましたが、その甲斐もなく、同年6月3日付で棄却・却下されました。
 その後、当会は7月4日に住民訴訟(事件番号:令和元年(行ウ)第13号 行方不明建設残土量に係る損害賠償請求訴訟事件)を前橋地裁に提起し、第1回弁論が9月20日に、第2回弁論が11月1日に、そして今年2020年1月10日に第3回弁論が行われました。そのときの様子、およびそれまでの経緯は次のブログをご覧ください。
○2020年1月10日:大量の建設発生土が忽然と消えた渋川土木事務所所管公共ストックヤードを巡る住民訴訟第3回口頭弁論の様子
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3108.html
○2019年9月20日:大量の建設発生土が忽然と消えた渋川土木事務所所管公共ストックヤードを巡る住民訴訟で県から答弁書到来
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3032.html
○2019年5月14日:大量の建設発生土が忽然と消えた渋川土木事務所所管公共ストックヤードを巡る疑惑解明の住民監査請求中
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2949.html

 その後、2月14日13時10分に第4回弁論が開かれ、被告群馬県側は訴訟代理人の紺正行弁護士のほか、法廷内になんと7名が入場し、残り1名の職員が傍聴席に陣取りました。原告は当会代表ひとりのみでした。被告から準備書面(2)が陳述され、乙号証が提出されました。
※2020年2月7日:被告準備書面(2)・証拠説明書・乙号証(9-12)
 ZIP ⇒
202002071tiqj.zip
202002072i912j.zip
202002073a9ia3tcyj.zip
202002073b9ia3tcyj.zip
20200207410ia3tcyj.zip
202002075a11ia3tcyjyvz.zip
202002075b11ia3tcyjf.zip
20200207612.zip

 この第4回弁論で時間第5回弁論期日が2020年4月24日13時10分から開催と決まりました。しかし、折りから猛威を振るいだしたコロナ禍のため、4月初めにキャンセルされ、結局、第5回弁論は7月3日に繰り延べされました。この5か月近くの期間内に原告と被告から提出された裁判資料は次の通りです。
【原告】2020年3月9日:文書提出命令申立書2通(渋川建設事業協同組合の決算書と下請望月建設の収支状況文書) ZIP ⇒ izedaj.zip
【原告】2020年4月7日:原告準備書面(2)・証拠説明書・甲17号証 ZIP ⇒ 20200407qo.zip
20200407ib17jb17.zip
【被告】2020年4月10日:被告準備書面(3)・証拠説明書・乙号証(13-18)・その他 ZIP ⇒ 20200411_0001irj.zip
20200411_0002i1318j.zip
20200411_00051315.zip
20200411_000616ia4tcyj.zip
20200411_000817e18.zip
ewlxm.zip

■第5回口頭弁論は7月3日(金)16時から次の通り、前橋地裁で開かれました。

*****開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
令和2年7月3日金曜日
開始16:00/終了予定16:30/弁論
事件番号 令和元年(行ウ)第13号
事件名  行方不明建設残土量にかかる損害賠償請求事件
原告   小川賢
被告   群馬県知事山本一太 代理人 紺正行
<民事第2部合議係>
裁判長  杉山順一
裁判官  松本有紀子
裁判官  竹内峻
書記官  下城孝
**********

 いつものように被告群馬県側は総勢9名(弁護士1名含む。いずれも県および渋川土木事務所関係者)が出席し、そのうち弁護士と指定代理人3名の計4人は法廷内の被告席に着席し、傍聴者には県職員ら5名が陣取りました。コロナ禍により、3密を避けるため、傍聴席の定員は通常の3分の1に制限されました。午後4時ちょうどに裁判官3名が入廷してきました。裁判長は、これまでの菅家氏から杉山氏に交替しました。法廷でのやり取りの概要を見てみましょう。

書記官:令和元年(行ウ)第13号。

裁判長:また、あのう、裁判所の構成が変わりましたので、弁論更新いたします。従前どおりでよろしいですかね。

原告被告;はい。

裁判長:それから、えー、原告のほうで4月7日付の準備書面(2)を提出されましたので、これを陳述でよろしいですね。

原告:はい、陳述いたします。

裁判長:それから被告のほうで、4月10日付の準備書面(3)が出ていますが、これを陳述でよろしいですかね。

被告:かっこ4?

裁判長:3。

被告:はい。

裁判長:それから被告のほうで書証の追加として、乙13から16まで。

被告:はい。13から18まで。

裁判長:はい。いずれも写し・・・。14と17、18は原本か・・・(といって資料をめくる)

(その後約2分間にわたり原本チェック。原告にも原本の確認を求めてきたので、15秒ほどかけてチェックする)

原告:はい、確認しました。

裁判長:では、乙13から18まで提出ということにします。それから、期日限りに原告のほうから文書提出命令の申立てが2つされています。

原告:はい。

裁判長:それに対して、被告のほうで意見書がそれぞれついているということですね。

被告:・・・。

裁判長:(原告に向かって)御者のほうから何かあればあれですけれども、そうでなければ、裁判所のほうからちょっとお聞きしたいことがありますけれども。

原告:どうぞ。

裁判長:よろしいですか。えーと、原告のほうで、今回の訴訟で問題としている財務会計行為というのが、基本的には、公社の協定の締結で、基本的にはストックヤードの土砂の管理について、その財務会計行為が違法であるということの理由としては、協定の締結の点では、それから河川法違反、土壌汚染対策法違反。それから土砂の管理のほうは、土砂の管理がちゃんとされていない、それと河川法違反、土壌汚染対策法違反、あと、原状回復違反ということですね。

原告:そういうことです。

裁判長:で、損害があのう、損害としては最終的に5万㎥の土砂が、地権者のほうに。

原告:どこかにいっちゃった。

裁判長:・・・使われていると。

原告:そうです。

裁判長:(次に被告に向かって)被告のほうで河川法違反とか土壌汚染対策法は、関係がないことだ、と言うような、こう、解析のされ方をしているんですけれども、それはどういう理由で関係がないというふうに、おっしゃっているのかな。

被告:・・・・あのう、ちょっと整理して・・・財務・・・財務会計行為。

裁判長:(財務会計行為)の違法の事由として、財務会計行為は2つ挙げていて、で、そのうちのなんとかは違法だというふうな理由があるうちの、河川法違反と、土壌汚染対策法違反と言うところについては、特に中身について検討するまでもなく、関係のないものだ、というか、関係がないんだというような、あのう、主張になっていると思うんですけれども、どういう理由で関係がないということなのか、ここちょっと言っていただかないとこちらもよくわからないな、と、こちらも、ちょっと正直。

被告:わかりました。じゃあ、ちょっと検討します。

裁判長:で、ちょっとそういう話をまず被告にしようと思ったのですけれども。で、あと他方で、原告のほうに対してはですね、最終的に損害がこの5万㎥の土砂が、本来、群馬県のものなのに、誰かにあげちゃったというか、なくなったというか、タダでどっかにいっちゃったと、いうふうなかたちで、損害だといわれているところと、それぞれ違法だといういうふうに、構成している3つなり、土砂の管理が違法理由だという形になったときに、それらの主張と損害がどうリンク・・・つながっていくのかが、ちょっとよく分からないなと、いうところがあってですね。

原告:えー、地方財政法とか、地方自治法で、要するに違法行為で締結された契約はすべて無効だというふうに、いろいろ私はこういう活動をしていて思っているわけです。いずれにしても、そこについても、とりまとめて反論すべきであれば、もう一度やりますけどもね。

裁判長:なにか、ちょっとわからないことがあってね。それがいま、どうにリンクしたのか、そういうことが、絡んでいる・・被告の主張が、そのことを理由にしているのかなあとも思いつつ、ちょっとそこを(被告が)ハッキリさせるということだったので、そこはあのう、河川法違反と土壌汚染対策法違反と言うところは、中身にはいるまでもなく、どうしてそういうふうに言えるのか、明確にしていただければ、そこはそういう話なのか、あるいは、中に入っていかなければならない話なのか、ということ、そこは見極めたいということなんです。あとは、協定がそういった違法だと、無効だと言ったときに、なんか、単純に無効だからというようなところ、現在、実際問題としてストックヤードに入れて、なくなった、たぶん実質行為的なことも絡まっていて、無効だから単純に損害、という、なにか、もう少し説明をいただかないとくっつかないのかなと言う感じがちょっとしているんです。そこはまず言い分として、ちょっとすっきりこう、こちらが受け取れるようなかたちになっていないので、もうちょっと補足説明みたいなことも、できれば考えていただきたいなと思っている。

原告:まあ、有価物というくくりで考えれば必然的にそれが引っ張り出せてくると思うんですけれども・・・承知しました。再度、分かりやすくまとめてみます。

裁判長:宜しくお願いします。

原告:はい。

裁判長:で、ちょっとそこあたり、双方にお願いしたところで、それぞれ(主張を)出していただいて、それを見て考えさせていただきたいと思っております。そのあたりを検討させる関係で、文書提出命令の関係、ちょっと留保させてもらいたいとと思います。

原告:ぜひご検討を十二分にお願いします。

裁判長:その辺についても別途、聞きたいところも出てくるのかなと思いますけれども、そこは追ってさせていただきたいと思います。準備期間はどれくらい要りますか。

被告:8月の下旬か、9月上旬くらいでお願いしたいんですが。とりあえず8月28日あるいは9月4日で大丈夫です。

裁判長:ちょっと正直、裁判所のほうもちょっとコロナで立て込んでいて、ちょっと期日が詰まっていて、9月ごろになってしまうことになってしまう。

原告:お盆過ぎね。

裁判長:9月11日でどうですか。

原告:こちらはOKです。いつでも。

被告:(代理人と職員とのやりとりのあと)はい。2時とかか3時以降であれば・・・。

裁判長:4時半でもいいですか。

原告:こちらはいつでも、大丈夫です。

裁判長:よろしいですか?

被告:はい。

裁判長:じゃあ9月11日金曜日の午後4時30分。場所は同じくここ21号法廷で。

原告被告:はい。

裁判長:書面は、その1週間前にいただきたいんですが。まあ、ちょっと時間があるので、それより早くてもかまいません。じゃあよろしくお願い致します。

原告被告:はい。
(午後4時11分過ぎに、裁判官3名が退廷。開廷時間は約11分あまり)

■こうして第5回弁論が終了し、原告である当会は裁判長の指揮に基づき原告準備書面(3)を作成し、9月2日に提出しました。

*****原告準備書面(3)*****
令和元年(行ウ)第13号 行方不明建設残土量に係る損害賠償請求事件
原告 小川 賢
被告 群馬県知事 山本一太
                        令和2年9月2日
前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中

              原 告   小 川   賢    印

          原 告 準 備 書 面(3)

 頭書事件にかかる令和2年7月3日の第5回口頭弁論における裁判長の訴訟指揮等に基づき,原告は,次のとおり主張・反論する。

第1 財務会計上の行為の見地からの本事件の問題点
 財務会計上の行為の見地から,原告は,「被告のずさんなストックヤードの土砂の管理により,土砂がどこかに行ってしまったことで県が損害を被った」と考えている。その理由として,以下に示す土砂の有価性と,原状回復違反,河川法違反,土壌汚染対策法違反が挙げられる。

1 財務会計上の行為について
   甲16号証を見ると,「建設発生土ストックヤード等」と称しながらも,土砂の搬入料金と搬出料金が設定された「ストックヤード」と受入料金のみ設定された「残土捨て場」というべきヤードの2種類がある。本事件のストックヤードは,土の有効利用を予定されていた前者のストックヤードである。甲16に示されるとおり,料金が設定されて同地区で行われる群馬県の公共事業にもとづく建設工事の中から本件ストックヤードに公金が支出されることから,財務会計行為に該当する。
 2 土砂の有価性について
   訴状第5(2)でも述べたように本件ストックヤードの受入料金1,045円/㎥と残土捨て場の受入料金700円/㎥との差額は,将来土砂を該当箇所から搬出するかしないかの差と考えられ,土砂に価値を付与していると考えられる。
   甲18号証には,渋川地区の砕石類の基礎単価が示されているが,本件ストックヤードの土砂が有効利用できれば,これら砕石類の使用を節約することができる。このことからも,土砂には何らかの価値があると考えるべきである。
 3 原状回復義務について
   渋川土木事務所建設発生土管理運営業務委託に関する協定書(甲3号証)には原状回復義務の記述がある。もし協定期間満了時に土砂が残った場合には,業務委託を受けた受託側がすみやかに原状回復することが協定書で取り決められていた。このことからすると,協定期間中は価値ある土砂を善良なる注意をもって管理をすることが,当事者間で予定されていたと考えるべきである。
 4 土砂の管理の点(河川法違反,土壌汚染対策法との関係)について
   そもそも本事件のストックヤードの仕組み自体が,土砂の管理をしようという目的意識を感じさせない。それらの要因を挙げてみる。
  (1) 契約形態
    本件契約には官製談合の疑いがある。被告の渋川土木事務所にとって,都合の良いい加減な土砂の管理について言うことを聞く業者に,本件業務を委託させたかったのではないか。なぜなら,訴外望月建設が渋川建設共同組合の下請けをしているからである。なぜ被告は,望月建設が入札に加われるような入札条件にしなかったのか。契約形態を重層化し,複雑化することにより,ずさんな土砂の管理が行われても,責任の所在が分からないようにするための被告の思惑が透けて見て取れる。
  (2) 本件ストックヤードの立地
    原告準備書面(1)ページ3でも述べた通り,本件ストックヤードの立地は,河川区域の中にあるが,そもそもこのような立地はあり得ない。河川法違反を犯してまで本件ストックヤードを河川の中に立地させることは,地方自治法第2条第16項にも違反する。こうした事業を発案した被告には,そもそも土砂を管理しようとする考えが希薄であるか、あるいは,土砂の管理について勉強不足である,と考えられる。
  (3) ストックヤードの運用
    原告が原告準備書面(1)ページ4から5にかけて述べた通り,被告は例として土壌汚染対策法違反をしており,委託側である被告にも,受託側である業者にも,そもそも土砂を管理しようとする考えがないか,土砂の管理というものがどのような法令や規則に基づき実施されるべきか,勉強不足は否めない。
  (4) 以上述べた立地や運用のなかで,そもそも土砂が委託側と受託側で管理されていなかったのだから,その結果について,疑いの目で見ざるを得ない。そしてその結果を見れば,現場には少なくとも5万㎥の土砂が足りていない。本当はどのくらいの量の土砂がないかは,被告でなければわからないのに,被告の説明があやふやなので、よけい疑念は強まる。
  (5) 被告準備書面(2)ページ2の上から6〜7行目で被告は「本件ストックヤード管理運営委託業務の入札公告時には,上記良質な土砂を撤去した状態の図面で設計をしている」と主張する。しかし,被告が入札前に地権者の望月建設と約束していた「上記良質な土砂を撤去した状態の図面」が証拠として提出されない。したがって,本件ストックヤードの最初の状態が分からない以上,土砂の管理がなされていないのも同様と考える他なく,このことからもきちんとした土砂の管理を徹底させなければ,という被告の意思が感じられない。このことを確認すべく,原告は文書提出命令申立てをおこなっている。なぜならば,入札時の資料が分かれば,本件ストックヤードの最初の状態が分かるかもしれないからである。
  (6) 土砂の管理をしていなかった,ということになると,あまりに大量な土の紛失の背景として,そもそも土砂が被告の示す記録と異なり,実態として一部入ってこなかったのではないのか?という疑問すら湧いてくる。
    建設業者は,それぞれの公共建設工事のなかで県の予算を使って土砂を本件ストックヤードに持ち込むが,このとき,持ち込んだと見せかけて,土砂を他に転用するという手口は絶対にないと断言できるだろうか?ストックヤード管理業務の受託者は建設業者の集まり=組合であるだけに,お手盛りでいくらでも不正が可能なのでは?との疑念は払拭できない。原告は文書提出命令申立てをおこなっているが,このうち本件ストックヤードの決算にかかわる資料がでてくれば,土砂の搬出入量について,その運用の様子がわかるかもしれない。
 5 まとめ
   本件ストックヤードの契約や立地,その運用に至る過程をみるにつけ,被告が土砂をきちんと管理してきたとの確証が,まったく得られない。県民・納税者である原告には様々な疑問が湧いてくるのを禁じ得ない。
   よって被告には,原告が指摘している5万㎥という数字に限らず,きちんと行方不明となった残土量を特定する責務があり,失われた残土量に係る損害を賠償してもらわねばならない。また,そもそも管理をしていないことから,被告において,行方の不明な残土量を確定できないままとなることも十分に考えられる。その場合には,被告は,本件残土ストックヤードにまつわる支出全額を,渋川土木事務所長をして群馬県に取り戻してもらいたい。

第2 被告準備書面(2)および(3)への反論
 頭書事件にかかる被告準備書面(2)および(3)について,原告は次の通り反論する。

 1 被告準備書面(2)入札公告時の図面に対する反論
 (1) 被告は被告準備書面(2)ページ2の上から6行目で「本件ストックヤード管理委託業務の入札公告時には,上記良質な土砂を撤去した状態の図面で設計をしている。」と主張する。このことについて,原告は、被告準備書面(3)まで読み込んでみたが,「本件ストックヤード管理委託業務の入札公告時には,上記良質な土砂を撤去した状態の図面」という被告の主張を裏付ける入札公告時の添付図面の存在を,未だに確認できないでいる。
 (2) 本件ストックヤードは,一級河川の河川区域の中に立地している。したがって,「良質な土砂」の掘削は,河川整備基本方針(河川法第16条)や河川基本計画(河川法第16条の2)に基づき河川管理者の許可を得て(河川法第55条及び第57条)為されなければならない。このことから原告には,そもそも被告が主張するような「良質な土砂」の掘削が果たして行われていたのかどうか,疑念がある。
 (3) 本件ストックヤードは,建設発生土の管理に立地条件がなじまない場所で行われているので,被告としては河川法に係る手続き,そして面積が広大なであることから土壌汚染対策法の諸手続き,そして本件ストックヤード管理委託業務の開始前には,当初地盤の確定が厳格に行われなければ,土砂の管理を行うことはできない。
【求釈明】本件ストックヤードの「良質な土砂を撤去した」というなら、本件ストックヤードの立地が河川区域内であるため、当該掘削に係る河川法の手続き、および本件ストックヤードの面積が広大なことから土壌汚染対策法の諸手続きが取られているはずなので、被告にはそれらを提示していただきたい。これら手続きがなければ、当該掘削をすることはできず、本件ストックヤードの土砂の管理が、本来できていないハズである。

 2 被告準備書面(3)に対する反論
  (1) 建設発生土の所有権について
    被告は被告準備書面(3)ページ2の上から8行目から17行目にかけて,「建設発生土が,本件ストックヤードの土地に建設発生土が付合している」旨の主張を縷々している。
    だが,建設発生土ストックヤードとは「建設発生土を再利用するため,建設発生土を一時的に仮置きし,公共工事間での建設発生土の流用に伴う時間調整を行う場所」(甲6号証第3条)と被告自ら定義づけている通り,「建設発生土を一時的に仮置き」しているのであるから,建設発生土が付合しているとは考えられない。
    例えば,道路の補修工事で堅いアスファルトを取り外せる(剥がせる)のと同様,建設機械を用いれば、土砂を簡単に掘削できることからも,建設発生土が本件ストックヤードに付合しているとは考えられない。
    本件協定書(甲3号証)第28条に原状回復義務の記述があることから,本件ストックヤードの建設発生土は,本件ストックヤード管理運営業務契約締結前の状態まで簡単に掘削できることが予定されているのであるから,このことからも建設発生土が土地に付合しているとは考えられない。
    従って,土地を借用している群馬県が所有している建設発生土が,土地を返還した後,残土として土地所有者に所有権が自動的に移るとは考えられない。被告自ら取り決めた原状回復義務(甲3号証第28条)を果たさせるべきである。
  (2) 建設発生土を存置したことによる群馬県の損害についての反論
    被告は,準備書面(3)ページ3の上から14行目で、「当該地域に残った建設発生土は『@供給過多の状況』及び『A受け入れ先の確保に苦慮している』ことを考慮すると利用する見込みのない残土であり,原告が主張するような財産的な価値は有していない」などと主張している。
    しかし,建設発生土ストックヤードとは「建設発生土を再利用するため,建設発生土を一時的に仮置きし」(甲6号証第3条)と被告自ら定義づけている通り,その目的は建設発生土を再利用することにある。決して,土地所有者に土砂を無償提供することを目的としているのではない。
    また,「一時的に仮置き」することから「残った建設発生土」にまつわる原状回復義務の規定(甲3号証第28条)まで設けていることからすると,被告の「利用する見込みのない残土」を大量に本件ストックヤードに積み上げたことは,被告のずさんな土砂管理上の問題であり,財産的価値の問題とは無関係である。
    たとえば,甲5号証は建設発生土ストックヤード土量管理状況を示すものであるが,平成27年度を終わって残置き土量累計が70,965.0㎥とそれまでの搬出量合計19,851.6㎥を大きく上回っている。このような状況下においては,残土受入を制限することにより,建設発生土の再利用価値を保持させるべきである。被告は,自分たちの残土管理のミスを,財産的価値の問題にすり替えたいようだが,そのような姑息な主張は控えてもらいたい。
    繰り返すが,本件ストックヤードが被告の定義づけ通り「建設発生土を再利用するため」(甲6号証第3条)であるなら,「利用する見込みのない残土」がそこにあるはずがない。被告の「利用する見込みのない残土であり,原告が主張するような財産的な価値は有していない」という主張は失当である。
  (3) 「良質な土砂」の撤去についてへの反論
   ア 被告は被告準備書面(3)ページ5の上から9行目から,「ストックヤード運用予定地内にあった『良質な土砂』については,土地所有者との協議の中で撤去することとなっていた」(乙第14号証)と突然主張しはじめた。
     他方,被告は被告準備書面(2)ページ2の上から6行目で「本件ストックヤード管理委託業務の入札公告時には,上記良質な土砂を撤去した状態の図面で設計をしている。」と入札公告時には,撤去した状態の図面があることを述べている。
     被告による真逆の主張に,原告は驚きと戸惑いを禁じ得ない。
   イ 乙第14号証は赤字記入されているが,これ見よがしに「良質な土砂」の範囲を強調する打ち合せ簿が存在するとは,まるで裁判になることを意図して作成された書類のようだ。
   ウ 被告は被告準備書面(3)ページの5上から12行目以下で,「乙第9号証の設計図を,入札公告時に添付されていた設計図と主張」したいらしい。だが,これはあくまで「良質な土砂」の存在を想像した「良質な土砂」を取り除く前の図面であり,被告準備書面(2)の「本件ストックヤード管理運営業務委託契約の入札公告時には,上記良質な土砂を撤去した状態の図面で設計をしている。」との主張と矛盾する。
     入札公告時に添付された「良質な土砂」を取り除いた後のアコン測量により作成された図面があるはずなので,早く見させていただきたい。なぜなら,「良質な土砂」を取り除いた図面が残土管理の基準になるはずであり,この基準無くして原状回復義務の規定を設定しても意味がないからである。
   エ 甲13号証の図面は,原告が本件ストックヤード管理運営業務契約開始前の図面として酒井県会議員から提供された図面であり作成日付は平成24年3月となっている。原告が書き加えているので見にくいかもしれないが、「良質な土砂」の存在など書き込まれていない。
   オ 更に被告は,被告準備書面(3)のページ5の上から15行目以下で,「この『良質な土砂』が撤去された正確な時期は定かではないが,平成24年8月27日に撮影された写真(乙15号証)では『良質な土砂』が撤去されている状況が確認できる。」と主張する。
     しかし,そもそも平成24年8月27日は,本件ストックヤード管理運営業務委託契約入札公告前ではない。まず被告準備書面(2)の「本件ストックヤード管理運営業務委託契約の入札公告時には,上記良質な土砂を撤去した状態の図面で設計をしている。」との主張と矛盾する。また「良質な土砂」は,本件ストックヤード管理運営業務委託契約入札公告前に撤去されていなければ,「良質な土砂」の撤去の状況を知る一部の者に有利な入札となり,これでは公正,公平,透明な入札は担保できない。
   カ 加えて平成24年5月からは,すでに本件ストックヤードに建設発生土が搬入され始めている(甲19号証)。本件ストックヤード管理運営が本格的に始まってしまっているのに「良質な土砂」は平成24年8月には未だに「撤去中」では,どこまでが「良質な土砂」でどこからが建設発生土なのか,わからなくなっているのではないかと疑わざるを得ない。土砂の土量管理など到底できないことになる。
   キ さらに加えて「平成24年8月27日に撮影された写真(乙15号証)」には「A撤去中」とあるが,この写真は本件ストックヤード内の掘削した土砂をダンプトラックに積み移動させ,同じ本件ストックヤード地内に荷下ろししているように見える。この写真に写る土砂が仮に被告の言う「良質な土砂」だと仮定すると,「良質な土砂」が本件ストックヤード内を移動しているのみで,本件ストックヤードの体積は変わらない。つまり「良質な土砂」は撤去したことにならない。撤去して土量管理を始めるなら,本件ストックヤード外に持ち出さなければならない。
ク 本件ストックヤードの本格的な運用が始まっているのに,未だに「良質な土砂」の掘削が完了していない状況は,特に本件協定書(甲3号証)第28条に原状回復義務の記述があることから,原状の状態があいまいになり回復することが困難になる。土量管理の基本は測量による当初地盤の確認が基本であることは言うまでもない。被告は土量管理を全くする気がないか,または勉強不足も甚だしい。このことを原告は強く指摘しておく。
 3 まとめ
   被告は,本件ストックヤードの立地や運用の全てにわたって,土砂の管理を行っていないか,勉強不足の状態であると言える。そもそも土砂の管理を行っていないので,どのくらいの土砂が行方不明となっているのか,わからない状態にある。
   原告は,少なくとも5万㎥の土砂が行方不明と考えているが,本件ストックヤード管理運営業務委託契約の開始時の当初地盤が確定していない状態で建設発生土が搬入されはじめている状況を見るにつけ,本当のところ,いったいどのくらいの土砂が行方不明なのか,はたまた,実態の伴わない記録のみで,実際には建設発生土は本件ストックヤードに持ち込まれなかった可能性も否定できず,あまりにも土砂の管理がずさんな状況に,愕然とさせられるのは原告だけではないはず。

                              以上
**********
※2020年9月2日:原告準備書面(3)・証拠説明書・甲号証(18・19)
 ZIP ⇒ 20200902irjeeb1819.zip

■すると、原告群馬県訴訟代理人の紺弁護士が所属する阿久澤・紺法律事務所から9月4日付で被告準備書面(4)等がFAX及びハードコピーが別途レターパックで送られてきました。

*****送付書兼領収書*****
            送  付  書
                        令和2年9月4日
小川 賢 様
              阿久澤・紺法律事務所
              〒371−0022
              前橋市千代田町2−1−20
               電話 027−231−2662
               FAX 027−231−2640

              被告訴訟代理人弁護士  紺  正 行

下記書類を送付致しますC
*受信された際には、下欄の受領書に日付を記入し、記名押印の上、そのまま(送付書と受領書を切り離さずに)送信者及び裁判所(FAX:027−233−0901) にファクシミリで送信して下さい。
                 記
事件番号  令和元年(行ウ)第13号
当 事 者  原告 小川賢
      被告 群馬県知事 山本一太
次回期日  令和2年9月11日 午後4時30分
文 書 名  準備書面(4)、書証乙第19号証、証拠説明書(4)
送信枚数  枚(送付書を含む)
通 信 襴

---------------------------切り取らないで下さい-----------------------
             受  領  書
上記書類を受領致しました。       令和  年  月  日

               原告               印
前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中(ご担当書記官 下城 様)
弁護士  紺  正 行  宛

*****被告準備書面(4)*****
<P1>
令和元年(行ウ)第13号
原告 小川賢
被告 群馬県知事 山本一太

            準 備 書 面 (4)

令和2年9月4日

前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中

                    被告訴訟代理人弁護士 紺 正行
                    被告指定代理人 小渕 宏幸
                    被告指定代理人 剱持 康彦
                    被告指定代理人 石坂 幸喜
                    被告指定代理人 土屋 隆太郎
                    被告指定代理人 萩原 裕弘
                    被告指定代理人 加瀬 徹
                    被告指定代理人 坪井 研二
                    被告指定代理人 井上 重和
                    被告指定代理人 高山 伸一
                    被告指定代理人 一倉 史孝

 被告は、本訴訟と土壌汚染対策法及び河川法の関係について、次の通り、主張する。

<P2>
第1 河川法と本訴訟の関係について
1 河川法の概要
  河川法は、同法が通用する(または準用する)河川を指定し、適正な管理を行うことにより災害の発生の防止、流水等の利用の促進、河川環境の保全等を目的に制定されている。

2 原告が主張するストックヤード管理運営委託業務と河川法の関係について
 原告は、原告準備書面(1)において、河川法第55条及び第57条によれば、ー級河川及び準用河川の河川区域に隣接する一定の区域で河川保全区域として指定された区域及び河川工事をするために必要と認められた河川予定地内においては、土地を掘削することや工作物を新築すること等の行為をしようとする場合は、河川管理者の許可を受けなければならないとし、本件土地にストックヤードを設置したことは、河川法に抵触する違反行為と主張している。
  また、地方自治法第2条第16項の「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない」にも違背した行為と主張している。
  しかし、今回の訴訟の請求の趣旨は「被告群馬県知事大澤正明は、渋川土木事務所長に対し、残士量5万㎥に見合う5,200万円を返還させよ」であり、本件ストックヤードに搬入及び搬出された士砂量の管理が不適切で、現地に残っている土砂が5方立法メートルも不足しているのか及び現地に残っている土砂に財産的価値があるのかが争点となっている。
 仮に原告が主張するように河川保全図成杞熙午可で形状変更(今回の場合は土砂を盛った行為)したとしても、その行為と原告が主張している本件ストックヤードの土量管理が不適切で5万立方メートルもの土砂が不足することとは、なんら関係が無いものである。
 また、甲15号証「監査結果通知」の「第7 監査委員の判断」においては、「請求人は、一級河川田之郷川における無許可で埋め立てられた土地について、河川法違反状態を解消する措置を求めているが、本件措置は、財務会計上の財産管理行為に当たらない」とし請求を却下しており、河川法違反は財務会計上の財産管理行為とはならないとしている。
 これらのことを踏まえ、今回の請求の趣旨と河川法違反とは関連しないと判断されるのが妥当である。

<P3>
第2 土壌汚染対策法と本訴訟の関係について
1 土壌汚染対策法の概要
  土壌汚染対策法は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的に策定されている。

2 ストックヤード管理運営委業託務と土壌汚染対策法の関係について
  原告は、原告渾庸書面(1)において、土壌汚染対策法では3,000㎥を超える土地の形状を変更する場合には、群馬県森林環境部に届出が必要とされている(土壌汚染対策法第4条第1項)とし、この届出をしていない本件ストックヤードは、土壌汚染対策法に違反していると主張している。
  しかし、この主張は、原告が平成31年3月26日に提出した住民監査で請求された内容(甲1号証)には無く、今回の住民公詞で新たに加えられたものである。
  地方自治法第242条の2第1項では、住民訴訟に関する事項が定められており、群馬県では、住民監査請求の結果に不服がある場合、次のとおり裁判所に住民訴訟を提起することができると定めている。(乙第19号証)
  ・監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合
  ・監査委員の勧告を受けた議会、知事等の執行機関又は職員の措置に不服がある場合
  ・住民監査請求をした日から60日を経過しても監査委員が監査又は勧告を行わない場合
  ・監査委員の勧告を受けた議会、知事等の執行機関又は職員が措置を講じない場合
  ・監査委員が監査を実施しなかった(請求が却下された)ことに不服がある場合
  よって、原告が住民監査請求しなかった土壌汚染対策法に係る訴えについては、監査委員の監査の結果又は勧告」自体が行われておらず、住民訴訟で不服の訴えを提起できない。
  仮に原告が主張するように土壌汚染対策法第4条第1項の届出が出されていなかったとしても、河川法と同様で、その行為と原告が主張している本件ストックヤードの土量管理が不適切で5万立方メートルもの土砂が不足することとは、なんら関係が無いものである。

<P4>
  また、河川法及び土壌汚染対策法とも許可無く又は届出無く、土地の形伏変更を行うことを禁止しているものである。
  このため、河川法違反状態を解消する措置を求めた住民監査請求の結果(甲15号証「監査結果通知」)の「第7 監査委員の判断」で「請求人は、一級河川田之郷川における無許可で埋め立てられた土地について、河川法違反状態を解消する措置を求めているが、本件措置は、財務会計上の財産管理行為に当たらない」と却下されたように、土壌汚染対策法第4条第1項の届出が出されていなかったとしても財務会計上の財産管理行為には当たらないと判断されるのが妥当である。

第3 財務会計上の財産管理行為について
 群馬県では「住民監査請求は、地方自治法第242条の規定により、普通地方公共団体の長その他の執行機関又は職員による財務会計上の行為又は財産の管理などを怠る事実が違法又は不当であると認められる場合に、当該普通地方公共団体の住民が、監査委員に対して監査を求め、必要な措置を講じるよう請求することができる制度」とし、「住民監査請求は、知事その他の執行機関又は職員による次に掲げる財務会計上の行為又は怠る事実が対象となる」としている。
 また、財務会計上の行為とは、違法又は不当な「ア 公金の支出」、「イ 財産(土地、建物、物品など)の取得管理又は処分」、「ウ 契約(購入、工事請負、業務委託など)の締結又は履行」、「エ 債務その他の義務の負担(借入れなど)」及び、アからエまでの行為が相当の確実さで予測される場合を含むものとし、財務会計上の怠る事実とは、違法又は不当に「オ 公金の賦課、徴収を怠る事実」、「カ 財産の管理を怠る事実」としている。(乙第19号証)
 原告が主張している河川法違反及び土壌汚染対策法違反の内容は、いずれも無許可又は届出なく、土地の形状を変更してはならいといったものであり、どちらの事項も、群馬県が定めている「財務会計上の行為」及び「財務会計上の怠る事実」には、当てはまらないものである。

*****証拠説明書(甲18・19)*****
令和元年(行ウ)第13号
原告 小川賢
被告 群馬県知事 山本一太
                       令和2年9月4日
前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中

           証拠説明書(4)(乙19)

                  被告訴訟代理人 弁護士 紺 正行
●乙号証:19
○標目(原本・写しの別):住民監査請求の手引き・写し
○作成年月日:令和2年4月1日
○作成者:県監査委員事務局
○立証趣旨:「財務会計上の行為」及び「財務会計上の怠る事実」を説明した資料及び「住民訴訟を提起できる場合」の条件を説明した資料(群馬県のホームページに掲載されているもの)
**********
※2020年9月4日:被告準備書面(4)・証拠説明書・乙19号証
 ZIP ⇒ 20200904isjx.zip

■こうして、4月に異動で交代した新しい裁判長が、来週9月11日金曜日午後16時から前橋地裁第21号法廷で開かれる第6回口頭弁論でどのような訴訟指揮をするのか、注目されます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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