長野高専の手数料不当徴収に太鼓判を押した総務省審査会のトンデモ答申…図らずも垣間見えた同校の内情  【出張!オンブズマン】長野高専の闇

■石原時代の長野高専で発生した悪質な電子情報工学科セクハラ退職事件。学校側による対応の実態を明らかにすべく、当会では2020年6月に文書開示請求を同校に提出しました。すると同校は、多数件の該当があったとして、三千円を超える開示手数料を請求してきました。同校のハラスメントの実態を明らかにする情報がそれだけ出されるのだろうと信じ込んで開示手数料を振り込むと、なんとその内実は、請求意図にないただの一般的な公開情報がほとんどでした。すぐさま当会が、文書特定が誤ってなされていることを同校に伝え、決定補正と手数料返金を求めたところ、同校は変な理屈を並べ立てて頑なに拒否してきました。

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長野高専の指示に従って11件分✕300円=3,300円の手数料を振り込んだのだが…。

 ささいな齟齬があったのを素直に認めて単純に対応すればそれで済むものを、何のためにここまでムキになって強情を張ってくるのか、もはや理解不能です。高専組織の異常なプライドの高さのせいで本来無用な労力を割かされることに心底ウンザリしつつ、当会では同年8月に決定補正・返金を求める審査請求書を高専機構に提出していました。高専機構側は、いつもの銀座弁護士のアドバイスのもと眉唾物の理屈を並べ立ててきた末に、ようやく受理しました。

○2020年6月11日:【出張!オンブズマン】総務課長コロナ規則破り隠蔽の長野高専に2回目の公開質問&各種文書開示請求提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3174.html
○2020年8月7日:【出張!オンブズマン】長野高専J科セクハラ退職問題&石原名誉教授授与強行問題で同校から届いた開示文書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3187.html


■その後、11月19日になって、高専機構本部から、総務省の情報公開・個人情報保護審査会に諮問した旨の11月17日付け通知書が送られてきました。これといって難しい争点もないシンプルな問題にも関わらず、審査請求書を3か月も店晒しにした末、ようやく諮問にかけたようです。

*****高機総第92号諮問通知書*****ZIP ⇒ j.zip
様式16号

                            高機総第92号
                            令和2年11月17日

         情報公開・個人情報保護審査会への諮問通知書

 市民オンブズマン群馬
  代表  小川 賢 様

                      独立行政法人国立高等専門学校機構

 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条の規定に基づく開示決定等に対する次の審査請求について,同法第19条第1項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に諮問したので,同法同条第2項の規定により通知します。

                   記

1.審査請求に係る保有個人情報の名称等
(1)平成30年(2018年)9月1日以降,現在に至るまでの間に,長野高専が,内部関係者(教職員,学生を含む)或いは外部の関係者(卒業生,同窓会,保護者を含む)に対して,学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)

2.審査請求に係る開示決定等
(開示決定等の種類)
■開示決定
■一部開示決定
(該当不開示条項)第5条第一号及び第四号
□不開示決定
(該当不開示条項)

(1)開示決定等の日付,文書番号
 令和2年7月13日
 長野高専庶第18号

(2)開示決定等をした者
 独立行政法人国立高等専門学校機構

(3)開示決定等の概要
 令和2年6月10日付けの開示請求に対し,
 1 学生便覧 本科(令和2年度)
  について,全部開示
 2 学生便覧 専攻科(令和2年度)
  について,全部開示
 3 学生支援委員会 令和2年度
  について,全部開示
 4 コンプライアンスに関する文書 令和元年度
  について,部分開示
 5 学生便覧 本科 (2019年度)
  について,全部開示
 6 学生便覧 専攻科 (2019年度)
  について,全部開示
 7 学生支援委員会 平成31年度
  について,全部開示
 8 コンプライアンスに関する文書 平成30年度
  について,部分開示
 9 長野工業高等専門学校における学生の懲戒に係るガイドライン
  について,部分開示

3.審査請求
(1)審査請求日
 令和2年8月7日
(2)審査請求人
 市民オンブズマン群馬
 代表  小川  賢
(3)審査請求の趣旨
  審査請求人は,本件決定中対象文書1ないし9について開示請求権を行使していないため,かかる箇所についての決定の補正と,本決定のための手数料として高専機構に支払った3300円中2700円の返金を求めます。

4.諮問日・諮問番号
 令和2年11月16日
 令和2年(独情)諮問第50号

                    担当窓口
                     独立行政法人国立高等専門学校機構
                     (担当課名)本部事務局総務課総務係
                     (住所)東京都八王子市東浅川町701−2
                     (TEL)042−662−3120
                     (FAX)042−662−3131
**********


■高専機構からの諮問通知から間を置かない同月25日、今度は総務省審査会の方から、審査請求人当会が追加意見書を提出できる旨の同月24日付け通知が送られてきました。また、高専機構側の理由説明書(反論文)も同封されてきました。

●総務省審査会の通知&高専機構側理由説明書 ZIP ⇒ r.zip

*****総務省審査会の通知*****
                         情個審第3456号
                         令和2年11月24日

市民オンブズマン群馬 小川 賢  様

                情報公開・個人情報保護審査会

   理由説明書の写しの送付及び意見書又は資料の提出について(通知)

 下記1の諮問事件について,別添のとおり,当審査会に諮問庁から提出された理由説明書の写しを送付します。
 また,あなたは,下記1の諮問事件について,情報公開・個人情報保護審査会設置法第11条の規定に基づき,当審査会に対し,意見書又は資料を提出することができますが,当審査会において,下記2のとおり提出期限を定めましたので,通知します。

                    記

1 諮問事件
  諮問番号:令和2年(独情)諮問第50号
  事件名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)

2 意見書又は資料の提出期限等
 @ 提出期限
   令和2年12月15日(火)
 A 提出方法
   任意の様式により作成した書面を,持参するか,郵送又はファクシミリで情報公開・個人情報保護審査会事務局に提出してください。

 また,提出された意見書又は資料は,情報公開・個人情報保護審査会設置法第13条第1項の規定による送付をし,又は同条第2項の規定による閲覧をさせることがあり得ますので,その適否についてのあなたのお考えを,別紙「提出する意見書又は資料の取扱いについて」に記入し,意見書又は資料に添付してください。
 なお,別紙において,諮問庁に対し,送付をし,又は閲覧をさせることにつき「差支えがない」旨の回答のあった意見書又は資料については,調査審議の効率化,争点の明確化等の観点から,特段の事情のない限り,諮問庁に対し,その写しを送付することとしますので,御了承願います。


             総務省 情報公開・個人情報保護審査会事務局
               〒100-0014
                東京都千代田区永田町1−11−39
                  永田町合同庁舎4階
                  電 話03−5501−1739
                  ファクシミリ03−3502−7350
**********


*****高専機構の理由説明書*****
                          令和2年(独情)諮問第50号

               理由説明書

1 開示請求のあった法人文書の名称
 @ 平成30年(2018年)9月1日以降、現在に至るまでの間に、長野高専が、内部関係者(教職員、学生を含む)或いは外部の関係者(卒業生、同窓会、保護者を含む)に対して、学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)

2 開示決定についての考え方とその理由
 審査請求人は,審査請求書において、「本件決定中対象文書1ないし9について開示請求権を行使していないため、かかる箇所についての決定の補正と、本決定のための手数料として高専機構に支払った3300円中2700円の返金を求めます」とする。しかし、情報公開・個人情報保護審査会の過去の答申等を参照したところ、『審査会で審理する事項は,基本的には行政機関情報公開法の不開示情報に照らして開示決定等が適法になされたか』とされており、手数料返還の当否等は、審査会が答申すべき対象ではないとの見解が示されている。そのため、今回の審査請求は情報公開・個人情報保護審査会の諮問の対象ではないと解する。
 また、今回の争点となっている文書は、上記@にかかる開示決定の文書であるが、審査請求人からの開示請求のあった法人文書の名称では、「学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)」とあることから、一般的な概念としての学内のハラスメント行為及び個別事案としてのハラスメント行為も含め、学内で発信及び周知しているものとして、1〜9の文書を特定し開示決定を行った。
 この開示決定の前提として、文書を特定する過程においても、「学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)」とあることから、特段の補正を必要とせず、文書の特定が可能であった。
 以上のことから、審査請求人の開示請求に係る文書の特定は適正に実施されたと解する。
 さらに、審査請求人は、上記の1〜9の特定した文書については、開示請求権を行使していないとし、開示請求手数料の発生は誤認であるとも主張する。
 しかしながら、開示請求は、基本的には開示請求者の自由意思に基づいて任意に行われるものであるから、制度を利用する者としない者との公平性の観点から、制度の利用者の負担に帰すものとして手数料が設けられており、その目的としては、制度の運営に必要な費用を回収することにある。そのため、開示請求権を行使し、その文書の件数が特定された段階で、件数に応じた手数料が発生するものと解する。
 従って、上記@にかかる文書としては、9件と特定されたことから、開示請求手数料9件分の納付は適正であり、審査請求人へ返金されるべきものではない。
 以上のことから、審査請求人の請求は失当であると考える。
**********


■このように高専機構側の反論は、「審査会の答申対象ではない」なとどする従前の主張を軸に、無茶苦茶を並べ立てているだけです。

 「解する」「失当」といった語句を使う法律家然な書きぶりからして、どこの弁護士事務所が執筆した作文かは明白です。それにしても、当会が「開示請求権を行使していない」と再三主張しているにも関わらず、「開示請求権を行使し」などと無説明で認定してくる有様には、高専機構が頼りにすがる弁護士先生の日本語能力を疑わざるをえません。

さて、審査請求人当会の再反論となる意見書の提出期限が2020年12月15日と定められたため、当会ではこの期限に間に合うように意見書と添付資料を作成し、総務省審査会に提出することにしました。

■提出期限当日となる12月15日、当会担当者が永田町の総務省情報公開・個人情報保護審査会事務局に赴き、添付資料付き意見書を提出するはこびになりました。同審査会事務局が入っている永田町合同庁舎ビルには、これまでも国家機関の情報不開示に関する審査請求(旧・異議申立)に意見書提出のためしばしば訪れています。

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 地下鉄永田町駅を降り、少し歩いて、最高裁・国会図書館・自民党本部が地図上で作る三角形の真ん中に位置する同庁舎ビルに入りました。

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 そして、庁舎1階の警備室前で担当職員に意見書一式を手渡して、提出を終えました。

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永田町から地下鉄南北線で1駅目の四ツ谷でJR中央線快速に乗り換え東京駅経由で高崎に戻る。

 特に特筆すべき出来事は起こりませんでしたが、建物を出るとやはり師走の寒さを感じます。当会が審査請求書を高専機構に提出したのは夏真っ盛りでしたが、審議開始前の意見照会手続きがやっとようやく完了したのが12月も半ばです。高専機構の執拗な手続遅滞ぶりをあらためて体で実感しました。

■当会が12月15日に総務省審査会に提出した意見書の内容は以下のとおりです。
(添付資料1〜6については掲載ファイルをダウンロードしてご確認ください)

*****12/15意見書(再反論)*****ZIP ⇒ 20201215ryyt16.zip

              意見書
                    令和2年12月15日
総務省 情報公開・個人情報保護審査会事務局 御中

                審査請求人:
                 郵便番号  371−0801
                 住  所  群馬県前橋市文京町一丁目15−10
                 氏  名  市民オンブズマン群馬
                         代表 小川 賢
                 連 絡 先  TEL:027−224−8567
                         事務局長 鈴木 庸

 下記1項の諮問事件につき,諮問庁の理由説明書に対する審査請求人の反論および追加意見を,下記3項の通り審査会に提出する。

1 諮問事件
  諮問番号:令和2年(独情)諮問第50号
  事件名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)

2 本理由書提出に至る経緯
 審査請求人が諮問庁に対し令和2年8月7日付けで本件審査請求を行うに至った基本的な経緯は,同審査請求書4項に記載のとおりである。その後,諮問庁は同年11月16日付けで審査会に本件諮問を行った。審査請求人は,審査会から同月24日付けで追加意見の照会を受けたことから,本理由説明書及び添付資料を提出する。

3 審査請求人の反論および追加意見
(1)本件に先立つ事実関係について(文言の解釈に関し相互に確たる了解があったこと)

 審査請求人は,平成27年6月26日にも諮問庁(高専機構)に対して法人文書開示請求を行ったことがあり,その際,本件審査請求の元となる開示請求とまったく同様,「学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書」について請求していた。それに対し諮問庁は同年7月23日,「ハラスメント行為が寄せられた申立や相談などがあったという事実の有無を示すこととなる」として存否応答拒否とした(添付資料1)。
  諮問庁において,ハラスメント対応のガイドラインやコンプライアンス規定等が普遍的に設けられており,これら情報が上記応答拒否事由に該当するものでないことは明らかであることに鑑みれば,この時点で「学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書」が特定校における個別具体のハラスメント行為に関する情報であると諮問庁が解釈したこと,また当該記載についてその解釈がなされるという相互了解がこの時点で成立していたことは明らかである。
  また当時,上記存否応答拒否処分について審査請求人が異議申立を行い,諮問庁が審査会に諮問した経緯があり(平成27年(独情)諮問第57号),その際諮問庁は理由説明書においても明らかに「学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書」を特定校における個別具体のハラスメント行為に関する情報であると解釈した主張を行っていた。なお,審査会は上記存否応答拒否処分を違法であるとする答申を行っている(平成27年度(独情)答申第73号)。この事実は,かつて上記のような相互了解が成立していた事実をさらに固めるものである。
  加えて,以後,本件審査請求対象となる開示決定がなされるまで,諮問庁においてかかる文言の解釈を一般的な概念としてのハラスメント行為に関するものまで拡張したということを,審査請求人において認知するに足るような通知や広報その他情報提供がなされたことはない。

(2)請求想定外文書につき開示請求権が行使されていないことについて
  上記経緯からして,「学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書」を特定校における個別具体のハラスメント行為に関する情報であると諮問庁が解釈するという相互了解がかつて成立していたことは明らかであった。その了解をもとに,審査請求人は本件審査請求書4項(1)ないし(2)のとおり,法人文書開示請求を行った。
  本年7月10日に諮問庁より電子メールにて開示請求手数料の振込指示がなされたが,文書件数のみ示されており,開示対象となる文書の概要については一切知らされないものであった(添付資料2)。また,当該開示請求からかかる手数料振込指示に至るまで,請求の意図や解釈について諮問庁から審査請求人に確認がなされたという事実関係はない(なお,審査請求人は諮問庁に対したびたび法人文書開示請求を行っているところ,必要な際には請求の解釈や開示内容について電子メールや電話による調整がおこなわれている。)。本件審査請求書4項(3)のとおり,審査請求人は,すべて請求意図に副った文書であると信じ,この振込指示に従って7月14日に手数料全額を諮問庁の口座に振り込んだ(添付資料3)。
  このように,請求意図や解釈を確認しないまま手数料を徴収し,開示決定を出した諮問庁のかかる対応においては,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」)第23条に定める「保有する法人文書の特定に資する情報の提供」が十分になされていなかったことが明らかである。
  また,法第5条は,「独立行政法人等は,開示請求があったときは,(中略),開示請求者に対し,当該法人文書を開示しなければならない。」と定めているところ,ここにいう「開示請求があったとき」とは,どのような文書を開示してほしいかという開示請求者による意思表示行為がなされることを指すと解され,そしてそれに対応する「当該開示文書」とは,開示請求者が当該請求において目的とした文書であると解されるのは当然である。
  ここに照らせば,本件審査請求書にいう請求想定外文書について審査請求人が開示請求権を行使していないことは明らかである。公文書の開示請求においては,開示請求権の行使対象や開示請求権を行使したか否かについては,開示請求人の意思や認識によるのであって,それらを一切除外したまま開示実施機関が独自に規定してよいものではない。
  まして,本件においては,諮問庁から審査請求人に対して開示請求内容に関する確認連絡が取れないなどやむを得ない状況にあったわけではなく,そうした確認連絡を行わなかった点につき,開示請求対象文書の特定においていささかの懈怠があったことを否定することはできない。

(3)諮問庁が意図的に不当な開示決定及び手数料徴収を行っていること
  本件審査請求書4項(4)のとおり,審査請求人は,本年7月16日に開示決定通知書を受領するに至ってはじめて,諮問庁が開示請求意図に沿わない文書についてまで開示 対象として特定していることを認知した。そして本件審査請求書4項(5)のとおり,審査請求人は,電子メールで諮問庁に対し,本件開示決定の補正と手数料の一部払戻しを申し立てた(添付資料4)。ところが,諮問庁は本件理由説明書と同様の主張で,自己裁量による決定補正を拒否した(添付資料5)。
  こうして,審査請求人は「請求していないものにまで処分がされ,付随して手数料が徴収されている」という状況を申し立て,諮問庁はこの問題を認識したはずにも関わらず当該申し立てを拒否した。この時点で,認識の齟齬や手違いによるやむを得ない瑕疵とはいえなくなり,諮問庁は意図的に開示請求にない文書を開示決定しており,あわせて手数料も不当に徴収していることになった。こうして当事者間での交渉では事態を解決できなくなったことから,審査請求人はやむを得ず,審査請求を行うに至ったものである。
  なお,開示実施方法等申出にあたって,審査請求人は本件審査請求書にいう請求想定外文書について開示及び送付を一切拒否しており(添付資料6),それに応じて諮問庁はかかる文書の開示及び送付を行っていないから,その意味でも権利の行使事実はない。

(4)理由説明書における諮問庁の主張について
  諮問庁は理由説明書において,手数料返還の当否等は審査会の答申すべき対象ではない旨主張する。しかし「過去の答申等を参照したところ」と説明しておきながら,理由説明書においてその根拠の提示はなく,そのような答申についても審査請求人の調べる限りでは見つけることができなかった。したがって,諮問庁の上記説明の根拠は薄弱である。
  また仮に,手数料返還の当否が単体として答申対象事項にならないにしても,そもそも本件は「請求にないものに決定がなされている」という根本的な手続上の問題であり,それゆえ当然,審査請求人は本件開示決定の補正を求めているわけである。
  そして本件開示決定が補正されれば,当然それに附随して,手数料を徴収した意味もまた失われるわけであるから,結果として手数料が払戻しされるべきとなることに変わりはない。
  さらに諮問庁は,審査請求人の「本件審査請求書にいう請求想定外文書について,開示請求権をそもそも行使していない」という主張への反論として,「開示請求権を行使し,その文書の件数が特定された段階で,件数に応じた手数料が発生するものと解する」と説明する。しかしこれは,開示請求権を行使したという前提そのものが不当であるとの指摘がなされているのに,なおも開示請求権を行使したという前提を無条件に採用しているものであり,何の説明や反論にもなっていないことは明らかである。
  公文書の開示請求制度とは,諮問庁自ら理由説明書で言及するとおり,「開示請求者の自由意思に基づいて任意に行われるもの」であり,よって請求を受けた機関が請求者の意思を十分に尊重しなければならないことは明らかである。上述のとおり,開示請求の対象文書とは,開示請求者が当該請求において目的とした文書を指すのであって,開示請求者本人が「これは請求していない」と申し立てているにも関わらず,開示実施機関が勝手かつ一方的に「あなたはこれを請求しました」と認定してよい性質のものではない。

4 結言
  以上より,本件開示決定は,審査請求人の請求しない文書まで対象範囲としたものであって,開示請求者の意思に基づいて文書を開示するという法の趣旨にそぐわないことは明らかであり,ただちに補正されるべきである。また,それに附随して徴収の正当性が失われた手数料についても,払戻しがなされるべきである。

                                  以 上
**********


■その後、総務省審査会での本件審議状況を随時チェックしていたところ、年度が明けた2021年4月9日にようやく第5部会で初審議にかけられていたことがわかりました。次いで5月14日、5月31日にも審議にかけられたようです。

●参考:情報公開・個人情報保護審査会第5部会開催記録(R3.4.9)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000745100.pdf
**********
        情報公開・個人情報保護審査会第5部会
               開催記録
1 日時 令和3年4月9日(金)13:30〜16:00
2 場所 情報公開・個人情報保護審査会第1会議室
3 出席者 藤谷俊之部会長,泉本小夜子委員,磯部哲委員
4 議事の項目等
【中略】
(3)事件名:令和2年(独情)諮問第50号「特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)」
諮問庁:独立行政法人国立高等専門学校機構
調査審議の内容:上記新規諮問事件につき調査審議

【後略】
**********

●参考:情報公開・個人情報保護審査会第5部会開催記録(R3.5.14)↓
https://www.soumu.go.jp/main_content/000750188.pdf
**********
        情報公開・個人情報保護審査会第5部会
               開催記録
1 日時 令和3年5月14日(金)13:30〜17:30
2 場所 情報公開・個人情報保護審査会第1会議室
3 出席者 藤谷俊之部会長,泉本小夜子委員,磯部哲委員
4 議事の項目等
【中略】
(12)事件名:令和2年(独情)諮問第50号「特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)」
諮問庁:独立行政法人国立高等専門学校機構
調査審議の内容:上記諮問事件につき審議

【後略】
**********

●参考:情報公開・個人情報保護審査会第5部会開催記録(R3.5.31)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000753655.pdf
**********
        情報公開・個人情報保護審査会第5部会
               開催記録
1 日時 令和3年5月31日(月)13:10〜17:00
2 場所 情報公開・個人情報保護審査会第1会議室
3 出席者 藤谷俊之部会長,泉本小夜子委員,磯部哲委員
4 議事の項目等
【中略】
(5)事件名:令和2年(独情)諮問第50号「特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)」
諮問庁:独立行政法人国立高等専門学校機構
調査審議の内容:上記諮問事件につき審議

【後略】
**********


■わざわざ3回も審議期日を設けてくれるとは、もしかするとずいぶん充実した調査と議論がなされているのではないか……と期待が持ち上がりはじめていた矢先、6月8日になって、総務省審査会からの特定記録郵便が当会事務局に届けられてきました。

 開けてみると、当会からの審査請求に対する同審査会の6月7日付け答申(令和3年度(独情)答申第3号)が入っていました。ところがその内容は、「高専機構側の対応に一切問題なし」として全肯定し、当会の主張をすべて退けるものでした。

●令和3年度(独情)答申第3号 ZIP ⇒ 0306083.zip

 審査請求書提出から10か月、審議に3回もかけた末に総務省審査会が寄こしてきた不合理なトンデモ答申の内容をさっそく見てみましょう。

*****送り状(当会宛て)*****
              (公印省略)
                             情個審第1205号
                             令和3年6月7日
市民オンブズマン群馬(代表 小川 賢 様) 御中
                       情報公開・個人情報保護審査会

           答申書の写しの送付について

 下記の事件については,令和3年6月7日に答申をしたので,情報公開・個人情報保護審査会設置法第16条の規定に基づき,答申書の写しを送付します。

                記

諮問番号:令和2年(独情)諮問第50号
事 件 名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)
**********


*****送り状(高専機構宛)*****
                  (公印省略)
                               情個審第1204号
                               令和3年6月7日
国立高等専門学校機構御中
                         情報公開・個人情報保護審査会

              答申書の交付について

 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第1項の規定に基づく下記の諮問について,別添のとおり,答申書を交付します(令和3年度(独情)答申第3号)。

                  記

諮問番号:令和2年(独情) 諮問第50号
事 件 名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)
**********


*****答申書 (令和3年度(独情)答申第3号)*****
諮問庁:国立高等専門学校機構
諮問日:令和2年11月16日(令和2年(独情)諮問第50号)
答申日:令和3年6月7日(令和3年度(独情)答申第3号)
事件名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)

                 答 申 書

第1 審査会の結論
   別紙の1に掲げる文書(以下「本件請求文書」という。)の開示請求につき,別紙の2に掲げる文書1ないし文書9(以下,併せて「本件対象文書」という。)を特定し,一部開示した決定については,本件対象文書を特定したことは,妥当である。

第2 審査請求人の主張の要旨
 1 審査請求の趣旨
   独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)3条の規定に基づく開示請求に対し,令和2年7月13日付け特定高専庶第18号により,独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「機構」,「処分庁」又は「諮問庁」という。)が行った一部開示決定(以下「原処分」という。)について,文書1ないし文書9について開示請求権を行使していないため,かかる箇所についての決定の補正と,本件決定の ための手数料として機構に支払った3,300円中2,700円の返金を求める。

 2 審査請求の理由
   審査請求人が主張する審査請求の理由は,審査請求書及び意見書の記載によると,おおむね以下のとおりである。
 (1)審査請求書
   【当会注:当会による審査請求書(冒頭リンク・2020年8月7日付け記事中に掲載)の内容の丸写しであり割愛。確認されたい方は、各自で上掲ファイルをダウンロードの上お願いします】

 (2)意見書(資料は省略)
    審査請求人の反論および追加意見
   【当会注:当会による2020年12月15日付け意見書(上掲)の内容の丸写しであり割愛。確認されたい方は、各自で上掲ファイルをダウンロードの上お願いします】

第3 諮問庁の説明の要旨
 1 開示請求のあった法人文書の名称
   別紙の1のとおり。
 2 開示決定についての考え方とその理由
   【当会注:高専機構による理由説明書(上掲)の内容の丸写しであり割愛。確認されたい方は、各自で上掲ファイルをダウンロードの上お願いします】

第4 調査審議の経過
   当審査会は,本件諮問事件について,以下のとおり,調査審議を行った。
   @ 令和2年11月16日 諮問の受理
   A 同日       諮問庁から理由説明書を収受
   B 同年12月15日   審査請求人から意見書及び資料を収受
   C 令和3年4月9日   審議
   D 同年5月14日    審議
   E 同月31日      審議

第5 審査会の判断の理由
 1 本件開示請求について
   本件開示請求は,本件請求文書を含む複数の文書の開示を求めるものであり,処分庁は,本件請求文書につき,本件対象文書を特定し,一部開示とする決定(原処分)を行った。
   これに対し,審査請求人は,本件対象文書についての決定の補正と,本件決定のための手数料として機構に支払った金額の返金を求める旨主張する。これは詰まるところ,文書の特定について不服を申し立てていると解されるが,諮問庁は原処分を妥当であるとしていることから,以下,本件対象文書の特定の妥当性について検討する。

 2 本件対象文書の特定の妥当性について
 (1)当審査会事務局職員をして,諮問庁に対し,本件対象文書の特定の経緯等について改めて確認させたところ,諮問庁は,おおむね以下のとおり説明する。
   ア 審査請求人は,審査請求人が意図しない一般的な概念の文書が特定された旨主張するが,審査請求人から開示請求のあった法人文書の名称は,「学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)」であったため,一般的な概念としての学内のハラスメント行為及び個別事案としてのハラスメント行為の両面から,学内で発信及び周知している全ての文書を探索した結果,学生に向けた文書及び教職員に向けた文書1ないし文書9が存在しており,これらを特定した。文書1ないし文書9には,審査請求人が想定していた個別事案の文書は存在していないが,開示請求書にも個別事案に限定するとの記載はなかったため,このような発信・周知文書を特定した。
   なお,この開示決定の前提として「学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)」とあるため,特段の補正を必要とせず,文書の特定が可能であった。
   イ さらに,本件審査請求を受けて,改めて外に開示請求内容に該当する文書がないか,書庫,キャビネット,パソコンの共有フォルダ,メールサーバー等を探索したが,その存在は確認されなかった。
 (2)以下,検討する。
   ア 当審査会において,本件開示請求書を確認したところ,その文言から,一般的な概念としての学内のハラスメント行為及び個別事案としてのハラスメント行為の両面から文書を特定したとする諮問庁の上記(1)アの説明は首肯できる。
   イ そこで,本件対象文書の特定について検討すると,諮問書に添付された本件対象文書を確認したところ,いずれの文書も,開示請求の対象とされた平成30年(2018年)9月1日以降から開示請求時点(令和2年6月10日)までの間の特定高専が学内のハラスメント行為に関し発信した文書であると認められることから,本件請求文書に該当すると認められ,その外に該当する文書を確認できなかったとする諮問庁の上記(1)イの説明を覆すに足りる特段の事情は認められない。
     なお,本件対象文書の中には,審査請求人が主張するとおり,個別事案に関するものは含まれていないところ,他方,本件対象文書に係る開示請求の外の開示請求の対象として,個別案件に係るものとみられる文書が特定されていることから,そのことにつき,当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させたところ,当該案件は,特定高専ウェブサイト内のお問い合わせフォーム(メール目安箱)にメールにより意見のあったものであるところ,そのメールの発信者氏名及び差出人アドレスが未記入であったため,該当する学科の会議において口頭でハラスメントに関する注意喚起を実施し対応を終了したものであり,該当学科の会議の議事録には本件について注意喚起した旨の記録がないため,本件に係る文書は存在せず,当該メールに対して,特定高専として学内外に発信した文書等も存在しないとのことである。
     したがって,機構において,本件対象文書の外に本件請求文書に該当する文書を保有しているとは認めることはできない。

 3 審査請求人のその他の主張について
   審査請求人は,その他種々主張するが,いずれも当審査会の上記判断を左右するものではない。

 4 本件一部開示決定の妥当性について
   以上のことから,本件請求文書の開示請求につき,本件対象文書を特定し,一部開示した決定については,機構において,本件対象文書の外に開示請求の対象として特定すべき文書を保有しているとは認められないので,本件対象文書を特定したことは,妥当であると判断した。

(第5部会)
  委員 藤谷俊之,委員 泉本小夜子,委員 磯部 哲

=====別紙=====
別紙
 1 本件請求文書
   「平成30年(2018年)9月1日以降,現在に至るまでの間に,貴学(特定高専)が,内部関係者(教職員,学生を含む)或いは外部の関係者(卒業生,同窓会,保護者を含む)に対して,学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)。」

 2 本件対象文書
   文書1 学生便覧 本科(令和2年度)
   文書2 学生便覧 専攻科(令和2年度)
   文書3 学生支援委員会 令和2年度
   文書4 コンプライアンスに関する文書 令和元年度
   文書5 学生便覧 本科(2019年度)
   文書6 学生便覧 専攻科(2019年度)
   文書7 学生支援委員会 平成31年度
   文書8 コンプライアンスに関する文書 平成30年度
   文書9 特定工業高等専門学校における学生の懲戒に係るガイドライン
**********

■今回の審査請求において、当会が指摘していたのは、大きく以下の問題点です。

@ 従前からいきなり開示請求の文言解釈を変えられたうえ、解釈が正しいか確認もせず手数料を徴収されている。
A 当の開示請求者が『解釈が間違っている』と再三にわたり伝えているにも関わらず、齟齬があったことを認めようとしない。
B 当の開示請求者の意思を完全に無視し、勝手に『開示請求権を行使した』ことにして、決定補正にも手数料返金にも応じようとしない。

 ところが総務省審査会は、のっけから「開示請求の文言がそのように解釈できるか否か」というところにいきなり焦点をすり替え、審査請求人である当会が特に気にしてもいない論点を勝手に検討し始め、さして争われてもいないところに「諮問庁(高専機構)の説明は首肯できる」などと判断を下して結論につなげています。勝手に問題点をすり替えたあげく、当会が問題視してもいない点についてワラ人形を突っつき出す今回の答申の論理構成は、理解に苦しむと評するほかありません。


■このように、今回のトンデモ答申自体には呆れてものも言えませんが、総務省審査会はなぜか斜め上の方向への審議調査にやたらリソースを割いており、三回も審議期日を要した一因にもなっているようです。とくに注目すべきは、この副産物として、長野高専がハラスメント事案に対処した詳しい経緯が思わぬ形で明らかになったことです。

 というのも、当会の元々の開示請求に対して、長野高専は「一般的な概念としてのハラスメント事案」にかかる文書を9件、「実際に発生した個別のハラスメント事案」を2件(教員の業務計画書・メール目安箱への通報)、特定して開示決定していました(冒頭リンク・2020年8月7日付け記事中に掲載)。

 今回の審査請求は、前者を対象に含めてきたことの取消補正を求めるものであり、後者2件を特定・開示したこと自体はなんら問題にしていません。ところが、ご丁寧にも総務省審査会は、後者をめぐっても長野高専に問い合わせ、文書(メール目安箱への通報)にかかるハラスメント事案の対応経緯をある程度明らかにしてくれています。

 すなわち、昨年8月に全面黒塗りで開示されてきた「メール目安箱への通報」に関する大まかな対応経緯は、以下のとおりのようです。

・長野高専ウェブサイト内のお問い合わせフォーム(メール目安箱)に寄せられたもの。
・ただし、メールの発信者氏名及び差出人アドレスが未記入であった。
そのため、該当する学科の会議において口頭でハラスメントに関する注意喚起を実施し対応を終了した。該当学科の会議の議事録には本件について注意喚起した旨の記録はない。

 普通は、匿名告発であっても、ハラスメントの被害者や被害集団、日時や態様について大まかにでも把握できるのであれば、まずは考えられる関係者に聞き取りを行うなど、事実関係調査に動くものであると考えられます。

 それにも関わらず、いきなり記録も残さない学科会議での口頭注意のみで対応を済ませているとなると、長野高専のハラスメント対応姿勢が極めて異常であるか、もしくは元々のメール告発自体が調査のしようもないほど極めてアバウトなものであったか、ということになります。

 換言すると、後者の場合であれば、このメール通報は、例の電子情報工学科セクハラ退職事件に関するものである可能性は低いことになります。なぜなら、どう通報しても被害者が明らかである以上、初手で聞き取り調査をして事実確認するしか手はないはずだからです。

■あわせて気になることがあります。今回の答申では、元の情報開示請求に対し「個別案件にかかる文書も特定されている」として、総務省審査会事務局職員が高専機構(長野高専)に確認している経緯が読み取れます。ところが、念頭にあるのが明らかに「メール目安箱への通報」だけで、「特定教員の業務計画書」については一切触れられていません。

 当会ではこれまで、この「業務計画書」を、「個別のハラスメント事案」に関するものではないかとみてきました。なぜなら、教員の業務計画書とメール目安箱への通報の2件は、「学内のハラスメント行為について関係者から学校に寄せられた申立や相談などに関わる一切の文書」という枠で同じく開示決定されてきた文書だからです。

 ところが、今回の答申のこのような書きぶりから、これも「一般的な概念としてのハラスメント事案」に関する文書に分類されるものではないかという可能性が浮上してきました。例えば、長野高専のハラスメント対策・対応に関係する何かしらの役目が回ってきた長野高専教員が、ハラスメント対策への抱負や意見を業務計画書に書き綴り、これを「学校への申し立てなど」とみなした可能性が指摘されます。

 もし、以上の推察がある程度的を射たものだとすると、昨年8月に開示された文書のうちで「個別のハラスメント事案に関するもの」とみられていたものの中に、悪質極まる長野高専電子情報工学科セクハラ退職事件に関する情報は含まれていない可能性が高くなってきます。

■ここであらためて、この件に関する経緯を簡単に振り返ってみましょう。

 長野高専電子情報工学科の女性教員が、同僚の男性准教授からストーカー紛いの執拗なセクハラを受け続けた挙句、必死に助けを求めた石原校長(当時)には相手にもされず、最終的に精神を壊して休職状態に陥り、2019年度末の退職へと追い込まれたという「長野高専電子情報工学科セクハラ退職事件」。

 教育者適格など皆無にも関わらず、文科省から性懲りもなく続々と送り込まれてくる天下り高専校長により幾度となく繰り返される悲劇に憤る当会では、その経緯及び学校側の対応や事実関係把握の状況を検証するため、内部文書の開示を請求することにしました。

 その際、具体的に事案を特定して請求すると、「事件の有無や詳細を明らかにすることになる」などとして開示拒否される可能性が高いとみられたため、ある程度期間を限定したうえで「学内のハラスメント事案について作成した一切の文書」として開示請求を行いました。その過程で、この解釈の齟齬をめぐりトラブルが発生し、審査請求と今回の答申に繋がっているというわけです。

 というわけで、「長野高専電子情報工学科セクハラ退職事件」に関する文書が作られていないとすれば、退職沙汰にまでなった悪質事案にも関わらず、同校として一切の文書を作っていないということになります。つまり、事実関係の確認や調査をすることはおろか、記録すら意図的に一切残さないようにしているということになります。

 そうなると、長野高専の体質として、悪質なハラスメント事案を「無かったこと」にして揉み消してしまうような事態が横行していることが強く懸念されます。

■以上のとおり、今回の総務省審査会答申は、滅茶苦茶な論点のすり替えによって、長野高専による不当な開示手数料徴収を全面肯定する呆れたものでした。

 ところが、そうした論点のすり替えが行き過ぎたのか、斜め上の方向に行った調査審議の思わぬ副産物として、同校のハラスメント事案対応をめぐる腐敗した内情も垣間見える結果となりました。

 悪質と隠蔽を極める長野高専電子情報工学科セクハラ退職事件について、当会では引き続き実態解明と調査追及に努めてまいる所存です。ただし、同校が当該事案にかかる記録を残していない可能性が高まったことから、当会では事情を知る関係者からの情報提供やご意見をより一層強く求めております。

【7/3追記】
■今回の総務省審査会答申を踏襲する形で、審査請求を棄却した旨の6月30日付け裁決書も高専機構から送達されてきましたので、ここに報告します。

●R3.6.30付裁決書(高機総第45号) ZIP ⇒ r.zip

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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