【コロナワクチン接種を巡る狂騒】台湾の国民党員すら密かに心待ちの日本政府2度目のワクチン支援  新型コロナ問題


■台湾で武漢肺炎と称する新型コロナウイルスを完璧に抑えてきた台湾では、海外から到着した人などを除いた域内での新型コロナウイルスの感染確認が、5月10日までは累計で100人に満たなかったのに対し、それから6月7日までの1か月たらずで1万200人余りに急増しました。この間、5月15日には台北市と新北市の両市を対象に警戒レベル(第1級が最も緩く第4級が最も厳格)が第2級から第3級に引き上げられ、外出自粛や集会の制限など市民生活への影響を伴うさまざまな措置が導入されたことから、両市の新規感染者数は5月下旬のピーク時(5月26日台北市308人、5月22日新北市384人)から大幅に減少し、現在では平均で1日42人となり、ピークだった5月30日の9%になっています。ただし、コロナ対策を担う中央流行疫情指揮中心は「警戒を緩めることはできない」として、引き続き警戒レベル第3級を延長し、感染拡大防止に注力する方針を示しています。
 こうした中、日本政府は7月6日に2回目のワクチンを追加提供することを発表しました。

**********毎日新聞2021年7月6日12:38(最終更新同日12:38)
政府、台湾にワクチン113万回分追加供与 アストラゼネカ製
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茂木敏充外相

 茂木敏充外相は6日の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン約113万回分を8日に台湾へ空輸すると発表した。6月上旬に124万回分を送ったのに続く追加供与となる。茂木氏は「台湾の方々が困難に直面する中、わが国からのワクチン供与が感染拡大の防止に寄与することを期待している」と述べた。
 提供するのは前回同様、英アストラゼネカ製。日本で生産したものを無償提供するとみられる。茂木氏は、インド由来のデルタ株の感染が広がっているインドネシアに対しても、7月1日に約100万回分を届けたのに加え、追加供与を検討する意向を示した。(共同)

**********フォーカス台湾2021年7月6日17:33
日本からのワクチン追加提供 台湾から感謝の声相次ぐ
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台湾(中華民国)と日本の国旗が描かれたマスクをつけて記者会見に臨む中央感染症指揮センターの陳指揮官=疾病管制署のYouTubeチャンネルから
(台北中央社)日本政府が台湾に対する新型コロナウイルスワクチン113万回分の追加供与を発表したのを受け、蔡英文(さいえいぶん)総統をはじめ、台湾の政府要人から感謝のコメントが相次いで発表されている。
 茂木敏充外相は6日午前の記者会見で、英アストラゼネカ製ワクチン113万回分を8日に台湾に空輸すると発表した。日本政府は先月4日にもワクチン約124万回分を台湾に届けており、提供数は2回合計で約237万回分に上る。
 蔡英文(さいえいぶん)総統は6日夕、インターネット上で談話を発表し、世界的にワクチンの供給が不安定となっている状況の中、日本や米国の力強い協力によって台湾のワクチン接種が進展していることに言及し、「台湾の人々は深く感謝している」と述べた。蔡総統はツイッターでもコメントを出し、「この『友情のワクチン』のお蔭で、より多くの台湾人がコロナ感染から守られることになります」と日本語で感謝した。
 台湾で新型コロナ対策を担う中央感染症指揮センターの陳時中(ちんじちゅう)指揮官は同日午後の記者会見で、日本政府からのワクチン追加提供に「非常に感謝する」と述べ、日本から提供される約237万回分は台湾の人口の1割超に相当すると言及した上で、「台湾の防疫において素晴らしい助けになる」と謝意を示した。台湾の人口は約2350万人。
 頼清徳(らいせいとく)副総統はフェイスブックで、「台日の真の友情」と喜びを示し、日本政府に感謝した。
 蘇貞昌行政院長(首相)は6日午前、フェイスブックで、「大変感謝している」と表明。「真の友人はいつも互いに最も必要な時に手を差し伸べる。長年来、台日はいつもこのように互いのことを気にかけてきた」とつづった。
(陳婕翎、江慧珺、頼于榛/編集:名切千絵)
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 このため、6月4日に124万回分のアストラゼネカ製の新型コロナワクチンが日本政府から提供され、6月15日に同ワクチン接種を受けた筆者の90歳の義母も、標準的な接種間隔とされる8週間後の8月中旬頃の接種日が決まったそうです。ちなみに、アストラゼネカ製ワクチンの場合、1回目の接種から最大45週間を経過した後に接種すると抗体反応はさらに強化されるという報告も最近発表されています。

■台湾では、日本や米国からのワクチン提供が決まると、さっそく円滑なワクチン予約を可能にするシステムを開発し、奇しくも日本が2回目のワクチン提供を決めた7月6日にシステムの発表をしました。昨年のコロナ感染防止のためのマスクの円滑な配布を可能にしたシステムを短期間で開発しており、今回もその手法が活かされたといえます。

**********朝日新聞デジタル2021年7月6日16:00
オードリー・タン氏開発のワクチン予約 「弱者」に配慮
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6日、新型コロナウイルスの新たなワクチン予約システムについて説明する台湾のオードリー・タンIT担当相=台湾当局提供
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台湾のオードリー・タンIT担当相が開発に関わった新型コロナワクチンの予約システムの登録画面。IDカードと健康保険カードの番号を入力して登録しておけば、接種の予約が可能になった時に当局から案内が届く仕組みという=台湾当局の公式サイトから
 台湾のオードリー・タンIT担当相は6日、ネットを使った新型コロナワクチン接種の予約システムを開発したと発表した。台湾のIDカードと健康保険カードのデータを使って登録するが、スマホなどの機器を使うのが苦手な「デジタル弱者」にも配慮して、コンビニなどからも予約ができるようにしたという。
 タン氏によると、住民はスマホなどで当局の専用サイトに接続し、IDカードと健康保険カードのデータを入力。当局から通知を受けた後、ネットやコンビニ、薬局で接種場所や時間を予約できる。スマホがない人は家族や友人の機器からでも登録できるという。
 新型コロナを抑え込んできた台湾では5月以降、国際線パイロットから広がったとみられる感染が拡大。約2カ月間で1万人超の域内感染者が出ている。
 蔡英文(ツァイインウェン)政権は日米からの提供分を合わせ、現時点で計約530万回分のワクチンを調達し、4日までに医療従事者や高齢者を中心に計約250万回を接種した。一方、電話やネットの受け付けシステムにアクセスが殺到し、予約が取りにくい状態が続いていた。
 当面はワクチンが足りないこともあり、金門島など離島に住む高齢者らを対象にシステムの運用を始める。政権は今回のシステムでまず接種の意向を持つ人数を把握し、段階的に接種対象者を広げて混乱を避けたい考えだ。
 タン氏は昨年の流行初期に、ネット上のマスク供給地図を民間IT技術者と開発。今年5月以降の流行でも、QRコードを使った感染者との接触履歴追跡システムや行政への補助金申請システムを作成している。(台北=石田耕一郎)
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■このような状況に、台湾でも親中の国民党関係者にも動揺が走っており、言行不一致の動きがみられるとの報道があります。

**********東洋経済オンライン2021年7月6日06:01配信
「日本のワクチンを受け取るのは物乞い」と批判しつつアストラゼネカ製を密かに打つ台湾最大野党の醜聞
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 台湾では現在、新型コロナウイルスワクチンの接種が急がれている。2021年6月上旬、日本が台湾にイギリス・アストラゼネカ製ワクチンを供給することを決めた当時、台湾では厳格な接種順位を定めて進めていた。そのアストラゼネカ製ワクチンをめぐって、台湾の最大野党・中国国民党(国民党)の要人らが騒動を起こし、台湾内でも問題になっている。
 2021年6月23日、国民党の元議員で台北市長選にも出馬したことがある丁守中氏が、自身のSNSファンページで、アストラゼネカ製ワクチンを接種したことを明らかにした。5月26日に医療従事者ら第一種接種対象者の枠組みで接種したという。
■接種が優先される年齢でもないのに「特権接種」
 丁氏は医療従事者ではなく、1954年生まれであり、70歳以上の高齢者というわけでもない。日米の緊急支援に代表されるように、彼らが接種したのは、感染が急拡大しワクチン不足で社会がパニック状態にあった頃だ。そんな中、「元議員だから」「国民党の大物だから」「接種した病院と関係があったから」などの批判が出た。これらの事件は「特権接種」と呼ばれ物議を醸している。
 しかも丁氏は、接種告白の前になる2021年5月12日、「ツアーを組んで中国で中国製ワクチンを打ちに行こう」と呼びかけていた。それなのに、アストラゼネカ製ワクチンを優先接種していた。良識ある国民党議員ほど気まずく感じたに違いない。もっとも丁氏の接種が発覚する以前に、問題は起こっていたのだった。
 特権接種が最初にメディアで暴露されたのは、国民党の元議員である黄昭順氏だった。台湾南部の高雄を拠点に、議員活動27年。女性議員の在任歴としては、台湾の憲政史上最長を誇る。しかし2020年の選挙で落選後、党内の要職含め現在は第一線から退いている。
 黄氏は「薬剤師資格があることから、医療従事者枠で接種した」という。しかし、薬剤師として登録しているのは北部の台北市だが、政治家としての地元である南部・高雄市で接種していた。また高雄市が取りまとめた接種者リストに名前がなかったことから、「特権接種した」と世論の批判を浴びたのだった。
 次に暴露されたのは、中部雲林県前県長(知事)の張栄味氏だ。地元に強固な地盤を築き、2004年の総統選挙では、国民党総統副総統候補の連戦・宋楚瑜両氏の雲林県選挙対策本部長を務めるなど、「雲林王」と呼ばれるほど影響力があった。しかし2018年、在任中にごみ焼却施設にまつわる贈収賄事件で逮捕され、最高裁で有罪確定。5月31日に仮釈放されていたが、6月4日ごろ、ワクチン接種を終えていたとメディアに報じられたのだ。
 実は現県長は同氏の妹・張麗善氏である。説明を求められた張麗善氏は、「自分は感染対策指揮官として感染リスクの高いグループで、兄とはよく一緒に食事することもある。リスクが高いので接種した」と話している。保健所も同居家族と認識しているとの説明だったが、ネット民がただちにグーグルアースで両氏の家をチェック。少なくとも40メートル以上離れた「別居家族」であることを突き止め、世論の怒りを買った。
■中国製接種を呼びかけも金のため? 
 特権接種はまだ続く。次に暴露されたのは副総統も務めた国民党の超大物、連戦夫妻だった。連戦氏は1996年から2000年まで副総統を務め、国民党の名誉主席となっている大物中の大物。息子の連勝文氏は台北市長選に国民党公認候補として出馬するなど、党内で影響力を有している。
 一方で、連戦氏は対中窓口の大番頭でもあり、連勝文氏が頻繁に中国製ワクチンの輸入を呼びかけていたのは、一族の中国ビジネスと関係があると考えられる。もっとはっきり言えば、中国との貿易で一番利益を得るのは連戦氏ら関係者ということだろう。しかし、連勝文氏が中国製ワクチンの輸入解禁を呼びかけていた裏で、連戦氏夫妻と関係者がアストラゼネカ製ワクチンを接種していたことがメディアに暴露された。連戦氏は病気で治療中ということで、病院側が医療従事者と同等の対象者として扱ったという。
 しかし付き添いの妻だけでなく、ボランティアら「関係者」も一緒に接種したことが発覚。明らかに大物政治家らへの特権接種事件として、病院は台北市から30万元(約119万円)の罰金が科せられた。しかし、先述の丁氏はここの病院の経営陣に名を連ねて接種したことから、大規模な特権接種が行われていたのではないかと、現在、引き続き議員らが追及している。
 コロナ禍で、国会審議の中心が感染対策になる中、いつも蘇貞昌行政院長(首相)と台湾中央感染症指揮センター(台湾CDC)指揮官の陳時中・衛生福利部長(厚生相)を、独特なハスキーボイスで舌鋒鋭く追及する議員がいる。頼士葆氏だ。
 1998年から中国統一志向が強い政党「新党」から出馬して当選。のちに国民党に鞍替えし、議員生活15年以上のベテラン議員だ。議会では予算委員会に所属することから、感染対策におけるワクチン購入に、一段と声を張り上げ批判を展開。その姿は何度もメディアに映し出されていた。さすがにこんなにも強硬な議員が特権接種はしないだろう、ましてやアストラゼネカ製ワクチンを打つなんてもってのほかだろうと思われていたさなか、頼氏も接種していたことが明るみになった。多くの有権者があきれてしまったのは想像にたやすい。
■「ワクチン受け取りは物乞い」と批判しながらも…
 ちなみに日本人として忘れがたい元議員がいる。張顕耀氏だ。現在は「浪人」中だが、2018年に台北市長選で国民党の公認をめぐって先の丁氏と争った政治家だ。なぜ忘れがたいのか。それは、日本政府が台湾へアストラゼネカ製ワクチンを供給することを発表した際、「日本は本気で台湾を助けたいと思っているのなら、なぜファイザー・ビオンテック製あるいはモデルナ製を送らないのか。日本人がいらないと言ったアストラゼネカ製ワクチンを受け取るべきでない」とSNSで難色を示し、「台湾人はワクチンの物乞いに成り下がっている」との批判を展開してきたからだ。
 ところが、である。5月28日には、そのアストラゼネカ製ワクチンを接種していたとメディアに暴露された。ただちに当局が捜査を開始し、病院と張氏にそれぞれ30万元と1万5000元(約6万円)の罰金が科せられたのだった。
 相次ぐ国民党員の特権接種の発覚で、人々が国民党に持っていた腐敗のイメージが呼び覚まされてしまった感は否めない。ちなみに一部でこれら特権接種をした国民党議員らをマンガ『ドラゴンボール』のキャラクター「ギニュー特戦隊」にちなみ「AZ特戦隊」と揶揄し、皮肉にもアストラゼネカ製ワクチンの接種に及び腰になりつつあった高齢者へ、接種を促す最高のPR材料になっているという。
 新型コロナワクチンをめぐって露呈してしまったダークなイメージを払拭できるのか、国民党に残された時間はあまりない。
(高橋 正成 :ジャーナリスト)
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 ということで、台湾でも武漢肺炎(COVID-19)とワクチンを巡る狂騒の模様を注視していきたいと思います。

【7月8日追記】
**********フォーカス台湾2021年07月08日14:29
日本追加提供のワクチンが台湾に到着 113万回分
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日本追加提供のワクチンが台湾に到着 113万回分
(桃園空港中央社)日本政府が台湾に無償提供する、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン113万回分が8日午後2時19分ごろ、桃園国際空港に到着した。
 日本からは6月4日にも同じくアストラ製のワクチン約124万回分が届けられていた。茂木敏充外相が6日の記者会見でワクチンの追加供与を発表したのを受け、蔡英文(さいえいぶん)総統をはじめ、台湾の政府要人や各界から感謝の声が相次いでいる。
(呉睿騏/編集:羅友辰)

**********NHK News Web 2021年7月9日04:25
日本提供のワクチン 台湾に到着 追加の113万回分
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 新型コロナウイルスのワクチンの調達が遅れている台湾に、日本政府が追加で提供したおよそ113万回分が届きました。
 一方、台湾当局は域内での感染状況が落ち着きを見せ始めているとして、行動制限を一部緩和することにしました。
 日本政府が追加で提供したアストラゼネカのワクチン、およそ113万回分は成田空港から航空機で運ばれ、8日午後、台湾の桃園国際空港に到着しました。
 日本から台湾に提供されたワクチンは6月の分と合わせて、およそ237万回分になります。
 ワクチンの調達が遅れている台湾にはアメリカも6月250万回分を提供し、自前で購入した分を含めると、700万回分を超えました。
 蔡英文総統は、少なくとも1回の接種を済ませる人の割合を7月中に人口の20%以上にすることを目指しています。
 一方、台湾当局は8日、域内で新たに18人の感染が確認されたと発表しました。
 これは5月中旬に感染が急拡大してから最も少ない人数です。
 当局はこれを受けて、4段階の上から2番目の警戒レベルをさらに2週間延長して7月26日まで維持するものの、禁止していた店内での飲食や映画館の営業を条件つきで認めるなど、13日から行動制限を一部緩和することにしました。
 蔡英文総統はツイッターに日本語で「この友情のワクチンのおかげで台湾は集団免疫の獲得に一歩大きく近づくことでしょう。先日日本で発生した土石流被害にも関心を寄せつつ、台日が一日も早く『疫病退散』を実現できるよう願っています」と投稿しました。
 台湾で最も高いビル「台北101」の壁面には日本への感謝のメッセージが点灯され、蔡総統はその動画もツイッターに添付しています。
 台湾外交部の欧江安報道官も「日本政府から台湾への温かい援助が続くことに、最も心のこもった謝意を表します」というコメントを発表しました。
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【群馬県台湾総会書記より】
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