【市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選挙の選挙公報における両候補の政見の類似点と相違点  安中市長選挙

■4月17日の投開票に向けて安中市長選も佳境に入っています。出馬した現職と新人との選挙戦が白熱しているなか、4月12日に新聞折込みで市選管の選挙公報が全戸に届けられました。両候補の政見などが列挙してあります。今回は、この政見の内容を確認するとともに、比較してみました。

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岩井候補の政見等情報

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茂木候補の政見等情報



 ちなみに、選挙公報とは選挙に際して立候補した全ての候補者や政党の政見などを記載した文書で、公費で有権者に配布される文書で、公職選挙法第167条により、選挙公報には「公職の候補者の氏名、経歴、政見等」を掲載することが規定されています。

 国政選挙と都道府県知事選挙の場合は公職選挙法第167条により必ず発行され、その他の地方選挙では同法第172条の2により選挙公報条例を制定する自治体において発行されます。安中市には同条例があるため、公職選挙法第170条により投票日の2日前まで有権者のいる世帯に配布されることになっています。

 配布手段としては今回の市長選のように新聞に折り込むことが殆どですか、自治体によっては、業者に委託して個別配布する場合もあるようです。

■自治体の選挙管理委員会が発行するこの選挙公報は、有権者にとって重要な情報源であることは確かです。したがって、有権者にとって、選挙公報を実際に見て、そこにある情報をもとに誰に投票するかを決めるのに役に立つツールのひとつであることは間違いありません。

 よって、今後、選挙後のためにも、両候補がどのような政見を選挙運動中に示したのかを記録しておく意味でも重要と考え、各候補の政見を示し、対比させてみます。右側に示した記号により、「≒は類似点」、「⇔は相違点」を示します。

*****岩井候補の政見*****
【I.】岩井ひとし  58歳
<国や県との豊富なネットワークを活かす!!>
@産業団地の早急な整備と積極的な企業誘致の推進          ≒M.Ad
 a・人口減少対策に全力                      ≒M.@
 b・働き場の確保を積極推進                 ≒M.Aa
 c・安中市都市計画マスタープランの見直し                               ⇔M.?
A観光振興の強化
 a・今ある観光資源の磨き上げと新たな観光地づくりの推進     ≒M.Acd
 b・年間観光客数八〇〇万人の軽井沢町との真の連携        ≒M.A
 c・歴史遺産、文化財の保護と積極的な活用            ≒M.D
 d・観光や防災に寄与する市内初の「道の駅」の設置        ≒M.A 
B市民幸福度の向上
 a・新型コロナ感染症対策の強化                 ≒M.BC
 b・県内トップレベルに向けた少子化対策と子育て支援策の推進   ≒M.@
 c・交通弱者対策の強化                     ≒M.Cbc  
 d・文化、芸術振興とスポーツによるまちづくりの推進       ≒M.D
 e・市民に愛される公立碓氷病院の充実              ≒M.Ca
C西毛広域幹線道路を活用したまちづくりと信越線沿線の活性化
 a・西毛広域幹線道路の早期整備と沿線の規制緩和         ≒M.A
 b・西毛広域幹線道路とJR信越線の交差部周辺に新たなまちづくり ≒M.A
 c・安中駅と磯部駅間に安中新駅設置               ≒M.A
D市役所新庁舎建設問題の精査
 a・旧安中高校跡地への新庁舎建設のメリット、デメリットの精査  ⇔M.Ba
 b・安中体育館、各議場の解体方針の精査 ⇔M.Ba
 c・谷津庁舎、松井田庁舎の活用方針の精査            ⇔M.Ba
 d・必要な「市民への丁寧な説明」                ⇔M.Ba

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*****茂木候補の政見*****
【M.】茂木英子  無所属
女性の視点を生かした誰にでもやさしいまちづくり
これからもしっかりと「皆様の声」をカタチにしていきます!
@子育てのまちNO.1を目指します!
 a・産後ケア、病児保育の拡充                  ≒I.Bb
 b・給付型奨学金の創設                     ≒I.Bb
 c・小学校給食費の段階的(6年生から)無料化           ≒I.Bb
   (中学校全学年、第3子無料化継続)
 d・高校生医療費無料化    ≒I.Bb
A魅力あるまちづくり!
 a・女性の活躍を応援                      ≒I.B  
 b・横川駅にSL転車台を設置                  ≒I.A
 c・磯部温泉足湯の駐車場整備                  ≒I.A
 d・企業進出のための用地取得と整備               ≒I.@
B安全・安心のまちへ! 
 a・新市庁舎、防災拠点センターの計画整備            ⇔I.D
 b・公民館等のバリアフリー化、トイレ改修            ≒I.B
C健康で長生きを応援!
 a・公立碓氷病院の医師確保(小児科、循環器科など)       ≒I.Bd
 b・安価で利用できる全地域型AIオンデマンド乗り合いタクシー運行≒I.Bc
 c・シニアカー購入補助(免許返納者)              ≒I.Bc
D歴史・文化を後世に!
 a・松井田城址を国史跡へ                    ≒I.Ac
 b・碓氷関所開関400年記念事業実施              ≒I.Aa
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 以上のとおり、おもな争点が「市庁舎移転建て替え」であることがハッキリと判ります。

■さて、選挙公報の発行に合わせるかのように、4月12日、安中市のホームページに突然「庁舎建設に関するQ&A」が載りました。
※安中市HP
https://www.city.annaka.lg.jp/
※「庁舎建設に関するQ&A」
https://www.city.annaka.lg.jp/gyousei/kikaku_keiei/chosha_q_and_a.html
*****庁舎建設に関するQ&A*****
Q:なぜ新庁舎建設を決定したのですか?
A:耐震性能が悪く建て替えが必要なことや、一般公募の市民代表や専門家などからなる庁舎に関わる市民懇談会からの報告、市民4000人を対象とした アンケートの結果(回収率48.5%)、市議会に設置された庁舎建設の特別 委員会からの要望などを参考にし、国からの援助が受けられる「合併特例債」の期限が迫っていることを考慮し、決定しました。
Q:なぜ旧安中高校跡地に建設することにしたのですか?
A:市民懇談会からの報告、市民アンケートの結果、市議会からの要望などを十分参考にし、これらご意見を総合的に勘案して旧安中高校跡地に決定しました。
Q:なぜ庁舎と防災拠点センターを一緒にするのですか?
A:災害時に、行政が機能することと、国・県など関係機関と連携し迅速・的確な災害対応を進めること、災害対策本部などの中枢機能を確保するためです。
Q:将来の負担を減らすにはどうするのですか?
A:まず、できるだけ簡素で費用を抑えた建物にします。お金を借りる場合には、合併特例債と緊急防災・減災事業債の利用を目指します。いずれも返済額の7割を国が出してくれるものです。20億円借りるとすると市の負担は6億円で済みます。
Q:今の本庁舎があるところはどうなるのですか?
A:市民の意見を聞きながら、利活用方法を検討していきます。公共的用途のほか、西毛広域幹線道路沿いであるため商業用地とするなどいろいろ考えられます。
Q:松井田庁舎はどうなるのですか?
A:現在実施している支所でのサービス、保健、土木、防災などの業務は残ります。災害時の本庁のバックアップ機能を備えます。また、地域の豊かな自然環境や多くの歴史的遺産などを生かした特色ある街づくりのための拠点施設としての活用を検討します。
**********

■これは、どう考えても選挙対策の一環として思えません。選挙期間中に現職が有利になるような言い訳を公的な立場の行政がホームページに掲載しても良いのでしょうか?

 とりわけ気になるのが、このQ&Aの中に「20億円借りるとすると市の負担は6億円で済みます」とする回答が記されているからです。この数字は、初めて見る数字です。市民懇談会や市民会議では出ていません。

 しかも、筆者が前日の4月11日に茂木候補の選挙事務所を訪れた際に、未来塾所属の地元市議会議員も同じことを筆者に説明しました。以下のブログ記事を参照ください。
○2022年4月11日:【市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選挙戦2日目の模様
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3406.html

 仮に、現市長や、支援団体の未来塾所属のこの市議会議員が、執行部の幹部職員らに働き掛けて、上記の市のホーム―ページに書かせたとなると、もはや安中市の執行部は、現市長の政策に肩入れしているということになってしまいますし、あるいは現市長側が市役所を私物化してしまっていることになりかねません。いずれにしても、この数字の出所がどこなのか、これまで庁舎建設に関する費用や原資について、現市長や執行部から議会はもとより市民に対してしかるべき説明がないだけに、きわめて不信感が募ります。

■なお、4月12日に安中市ホームページに掲載されたこのQ&Aの内容について、この問題に取り組んでいる市民が次の反論をしているので紹介します。

*****庁舎建設に関するQ&Aへの反論*****
Q:なぜ新庁舎建設を決定したのですか?
A:耐震性能が悪く建て替えが必要なことや、一般公募の市民代表や専門家などからなる庁舎に関わる市民懇談会からの報告、市民4000人を対象としたアンケートの結果(回収率48.5%)、市諾会に設置された庁舎建設の特別委員会からの要望などを参考にし、国からの援助が受けられる「合併特例債」の期限が迫っていることを考慮し、決定しました。

Q:なぜ旧安中高校跡地に建設することにしたのですか?
A:市民懇談会からの報告、市民アンケートの結果、市議会からの要望などを十分参考にし、これらご意見を総合的に勘案して旧安中高校跡地に決定しました。
【反論】
・市民懇談会の提言書では建設場所は、特定せず3カ所を並記しています。
・市民アンケートの結果では、現在地が1位です。 (43.4+3.9=47.3%)
・安高跡地は、2位で40.5%。約7%の差がありますので拮抗ではありません。
・市議会特別委員会の報告書は、市民の意向を無視して平成29年の執行部案を追認しただけです。特別委員会の報告書に合理的な理由は見出せません。


Q:なぜ庁舎と防災拠点センターを一緒にするのですか?
A:災害時に行政が機能することと、国・県など関係機関と連携し迅速・的確な災害対応を進めること、災害対策本部などの中枢機能を確保するためです。
【反論】
・庁舎と防災拠点センターを分離したほうが、災害時の混乱も少なく効率的な運用が出来て、建設費も少額で済みます。
・市役所を安高跡地に移転させたい理由づけのためだけに防災拠点センターを利用しているのです。


Q:将来の負担を減らすにはどうするのですか?
A:まず、できるだけ簡素で費用を抑えた建物にします。お金を借りる場合には、合併特例債と緊急防災・減災事業債の利用を目指します。いずれも返済額の7割を国が出してくれるものです。20億円借りるとすると市の負担は6億円で済みます。
【反論】
・現在地で老朽化した2棟だけを建替えれば、約20億円で済みます。
・安高跡地に移転して全面的に新築すれば建設費は、約50億円、総事業費は約55億円になります。
・20億円では全く足りません.37億円借りても足りないくらいです。
・建設する延べ床面積は、現在地約4000u、安高跡地約9500~10000uとなり、コンパクト化に逆行します。


Q:今の本庁舎があるところはどうなるのですか?
A:市民の意見を聞きながら、利活用方法を検討していきます。公共的用途のほか、西毛広域幹線道路沿いであるため商業用地とするなどいろいろ考えられます。
【反論】
・交通量が増えたら右折での出入りがしにくいというのが市役所移転の理由の一つにあげられています。
・そんな場所を商業用地や集客施設(道の駅)にしようという市の考え方は矛盾しています。
・車の出入りの数は市役所の比ではありません。
・跡地利用も決めないで、とにかく市役所を移したいというのは全くおかしな話です。


Q:松井田庁舎はどうなるのですか?
A:現在実施している支所でのサービス、保健、土木、防災などの業務は残リます。災害時の本庁のバックアップ機能を備えます。また、地域の豊かな自然環瑳や多くの歴史的遺産などを生かした特色ある街づくリのための拠点施設としての活用を検討します。
【反論】
・松井田支所に支所機能は残しますという言葉に騙されてはいけません。
・支所でのサーピス、支所機能(戸籍窓口程度)しか残らないのです。
・安高跡地に巨大庁舎が出来たら、松井田支所に配置されている産業環境部や教育部、教育委員会は全て本庁に引き揚げることが決まっています。
・松井田支所は閑散として将来の支所廃止も視野に入ることと思います。
・特色ある街づくりのための拠点施設としての活用というのは、行政機関ではなくて民間へのレンタルや払い下げを意味しています。
・安高跡地に建設する一極集中型庁舎は、安中市全体の均衡ある発展、持続性のある発展を阻害します。
・市長になる人は地域全体のことを考える人が相応しいのです。

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■そうした中、4月13日に茂木候補の選挙運動ビラNo,1が新聞折込されてきました。
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ZIP ⇒ 20220413pirno.1.zip

 これを見ると、「茂木ひでこが主に取り組みたいこと」として5項目掲げている政見のなかに、市庁舎建設が見当たりません。どうやら、市庁舎を安高跡地に建設するという茂木候補の政策アピールに対して、有権者の受け止め方がいまひとつ芳しくないため、違和感をいただいているのかもしれません。そのため、ここにきて選挙運動ビラの政見から削除した可能性もあります。

 いずれにせよ、共に県議経験者である両候補ですが、今回の市長選で市民の関心が高く、巨額の血税を投入することになる市庁舎建設について、両候補の政見の最大の対立軸であることは、明らかです。

 このことを肝に銘じて、私たち納税者市民は、4月17日の投開票の機会に、適切に判断する必要があります。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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