2007/11/25  22:37

51億円事件第5回公判(平成8年1月18日)その4  安中市土地開発公社事件クロニクル

検察官
あなたは被告人の性格をどういうふうに思ってますか。
 いわゆる普通の性格だと思っています。例えば人間関係に対しても、嫌だって言えないんですね。断れない性格なんですね。頼まれると断れない性格。例えばボーナス時期銀行さんが貯金をしてくれと来ますよね。そうすると、無理してもしちゃんですよね。すべてがそういう感じなんです。
見栄っ張りなところというのがあるんですか。
 外に対しては、若干。私が商売してたせいもあるんだと思います。ですから、表に対してはそういう部分があったと思います。ただ、うちの中では、ハンドクリームを平気で顔につけてしまったりとか、そういう生活でした。
被告人と付き合いしてから、最初のうち金銭感覚というのはどうだったんですか。
 ごく普通だったと思いますけれども。
公務員だから、給料が限られてるというのも分かってたわけですね。
 私自身公務員という経験がありませんから、いわゆる給料というのは特別に高いとか安いとかいうのは考えたことがなかったんですね。ですから、年齢と自分の給料を基準に考えて、給料ベースというものを考えてました。
結婚した当初は、特に金の回りがいいとか、そういうことはあったんですか。
 特別はありませんでしたけれども、友達どうしのマージャンですか、そういうもので多少のお小遣いはあったと思います。
最初は、生活費、一定額もらってたんですね。
 はい。
どのぐらいですか。
・・・正直言って記憶にありません。
昭和58年ごろから、被告人が公社の金を横領するようになったんですけれども、そのころから特に余分にお金をくれるようになったとか、そういう記憶はありますか。
 多くなったと思います。
それについて、被告人はなんて説明してたんですか。
 ただ、マージャンとか、そういうことでしたから、実際にマージャンして夜遅く帰ってきたりとか、そういうことがありましたから、何ら不思議には思いませんでした。
それから、だんだん額が大きくなるわけですよね。
 (うなずく)
マージャンが強くなったとか、そんなような感じですか。
 そうですね。実際に一緒にマージャンした人、競馬に行った人、そういう人から、今日はすごく勝ったとか、一人勝ちしたとかという話を実際に聞いてたものですから、何ら不思議には思いませんでした。
被告人のようすが変になったと、そういうふうに感じたことはなかったですか。
 一切ありません。
それまでと全く変わりなかったんですか。
 はい。
悪いことをし始めて、罪悪感というか、そういうのをうちで見れたことはなかったんですか。
 自宅を造ってから、自分の部屋に入るようになってしまったんですね。もちろん商売してましたから、帰りが遅い、10時まで仕事してました。そうしまして帰ると、おふろ入って寝るだけです。ですから、一つの部屋で顔合わせる時間というのは、ほとんどなかったです。
そうすると、ようすがおかしいとか、心配だとか、金のこととは分からなくても、そういうふうに思ったこともなかったんですか。
 一切ありませんでした。
その後何度かに分けて、60年以降になると更に詐欺の額が大きくなったり、平成2年以降は更に大きい詐欺をしているということは、もう聞いて分かってると思いますけれども、そういうたびごとでも、特に変化というのはなかったですか。
 分からないですね。そのころになりますと、私も商売、チャリンコから珈琲ぶれいくになって、時間的な余裕はあったんですけれども、今後は子供の受験ですとか、いろんなそういうことが重なってしまったもんですから、そういうのに気付きませんでした。
金額がだんだん、月に50万とか100万とか、更に何かでもうかったといって100万、200万くれるようになりましたね。
 はい。
それについて、変だと思って聞いたことはありましたか。
 別段なかったと思います。ただ、金額が大きくなったころというのは、骨董品を処分する方法だけ、仕入れるんではなくて、処分することしか、そういうことしか話を聞きませんでしたから、これからは買わない、買えない、売れば何とかなるというようなことを聞いてましたから、ですから不思議に思ったことというのは一度もありません。
不思議に思って問い詰めたけれども何でもないんだと断られてたわけでもない。
 そういうわけじゃないです。私も聞きませんでした。そこが私の不注意だと思います。
被告人の方から、何か相談したいことがあるとか、そういうこともなかったんですか。
 はい。
実際被告人は十何年の間こういうことを続けたわけですけれども、その間、あなたに相談しなかったとか、おかしなようすすら見せなかったというのは、それはどうしてだと思いますか。
 本来でしたら気付くべきだったと思います、私自身が。だから、自分も商売やってるとか、子供のことだとか、そちらのほうに注意が向いてしまったために、気付かなかった私のミスだと思います。
被告人があなたに隠したのは、どうしてだと思いますか。
 私に分かれば、この事件はもっと早くに発覚するはずですよね。
分かってれば自首を勧めたということですか。
 はい。
さっき使途先についていろいろ、報告書等説明しましたけれども、あなたもかなり、服を買ったり、海外旅行に行ったり、貴金属もらったり、いろいろ使ってますね。
 はい。
これは事実ですか。
 はい。
こういったものは多胡が買ってくれて渡してくれるんですか。
 貴金属については、私は自分で買ったのはほとんどありません。ですから主人からもらったものです。洋服に関しては、私も仕事をしてましたから、合計金額を言われれば確かに大きいかもしれませんけれども、長い間商売をしてましたから、その間に買ったものですから。
そんな大したものではないと思ってたわけですか。
 はい。
そうすると、生活費とか度々もらうお金以外に、そういったものももらってたんですね。
 はい。
今、骨董品なんかを先生に処分してもらって、6億ぐらい弁償しましたね。
 はい。
まだ30億以上残ってますね。
 はい。
先ほど、離婚はしなくて今後やっていくと言われましたけれども、そうすると、この30億というのは、どういうふうに返済するつもりなんですか。
 私にできることは、すべて先生にお願いをして、処分をしたりとかするつもりでおります。ただ、それから先になると、何をどう考えたらいいのか、正直言って分かりません。
働いて少しずつでも返したいと、そういうふうに考えてるんですか。
 できることなら、そうしたいです。
さっきも聞かれましたけれども、土地とか自宅などは売却してないですかね。
 はい。
これはどうしてですか。
 時間的余裕がなかったということです。
今後売るというつもりですか。
 それは田中先生と穂積先生にお願いしてあります。
被告人に対しては、今どう思っていますか。
 こんな言い方すると、おかしいと言われちゃうかもしれませんけれども、気が付いてやれなかったことに対して、申し訳なく思ってます。
あなたもだまされたことになるわけでしょう。
 結果的にはそうですね。
ひどいことをされたという思いはないんですか。
 正直言って、多少はあります。100パーセントないとは言い切れません。ただ、それを今さら言ったところで、離婚だと騒いでみたところで、何がどうなる、やはりこれは二人して反省していかなければならないと考えています。
被害者の群馬銀行に対しては、どう思っていますか。
 大変申し訳ないと思ってます。少しでも大きな返済をしたいと考えています。
あなた自身も責任を感じてるということですか。
 はい。
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