2013/3/27  22:52

無免許運転の問題点について学ぶ機会が十分あったのに教育の効果がなかった産経記者のモラル  国内外からのトピックス

■3月24日(日)の午前1時10〜15分ごろ、前橋市下新田町に住む産経新聞記者の運転する乗用車が同市本町1丁目にある産経新聞社前橋支局に向かうため、同市石倉町の信号機の無い市道と県道のT字路で右折しようとして一時停止の確認を怠り、右から来た代行業者の乗用車と出会い頭に衝突し、代行運転手と同乗の男性が頚椎捻挫などの軽傷を追いました。これだけならただの自動車運転過失傷害ですが、件の新聞記者は2カ月ほど前に免許取消を受けていて、無免許でした。


**********産経2013.3.24 20:49
免許取り消し中、産経新聞記者が事故 運転過失傷害で逮捕
 群馬県警前橋署は24日、自動車運転過失傷害の現行犯で、産経新聞前橋支局記者、伊藤徳裕容疑者(48)=前橋市下新田町=を逮捕した。
 逮捕容疑は同日午前1時10分ごろ、同市石倉町の県道交差点で、車を運転中に乗用車と衝突。乗用車を運転していた男性(47)と助手席の男性(31)の首に軽傷を負わせたとしている。
 伊藤容疑者は1月16日、免許取り消し処分を受けていた。同署は道交法違反(無免許運転)の疑いでも調べている。伊藤容疑者は容疑を認めているという。当日、仕事は休みだった。
 産経新聞社広報部の話「社員が逮捕されたことを重く受け止めています。事実関係を確認の上、厳正な処分をいたします」
**********毎日新聞 2013年03月24日 19時43分
産経記者:衝突事故で逮捕 累積で免許取り消し中 前橋
 24日午前1時15分ごろ、前橋市石倉町1の群馬県道交差点で同市下新田(しもしんでん)町、産経新聞前橋支局記者、伊藤徳裕(のりひろ)容疑者(48)の乗用車と、同市の代行運転手の男性(47)の乗用車が出合い頭に衝突。男性とその同乗者が頸椎(けいつい)捻挫などの軽傷を負い、県警前橋署は伊藤容疑者を自動車運転過失傷害容疑で現行犯逮捕した。
 同署によると、伊藤容疑者は交通違反の累積で今年1月16日に免許取り消しになっており、道交法違反(無免許運転)容疑でも調べている。事故現場では伊藤容疑者側に一時停止の標識があった。
 産経新聞社広報部は「社員が逮捕されたことを重く受け止めています。事実関係を確認の上、厳正な処分をいたします」とのコメントを発表した。【田ノ上達也】
**********日経2013/3/24 21:09
産経新聞記者を現行犯逮捕 衝突事故、無免許の疑いも
 群馬県警前橋署は24日、乗用車同士の衝突事故で2人に軽傷を負わせたとして、産経新聞社前橋支局記者、伊藤徳裕容疑者(48)=前橋市下新田町=を自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕した。同署によると、伊藤容疑者は今年1月に免許取り消し処分を受けており、道交法違反(無免許)の疑いでも調べる。
 逮捕容疑は24日午前1時15分ごろ、前橋市石倉町1の県道交差点で出合い頭の衝突事故を起こし、相手方の車の男性2人に軽傷を負わせた疑い。現場は信号がなく、伊藤容疑者の側に一時停止の標識があった。
 産経新聞社広報部は「社員が逮捕されたことを重く受け止めています。事実関係を確認の上、厳正な処分をします」とのコメントを出した。〔共同〕
**********朝日2013年3月24日23時29分
産経新聞記者、無免許運転の疑い 前橋、衝突事故で逮捕
 群馬県警前橋署は24日、産経新聞前橋支局記者の伊藤徳裕容疑者(48)=前橋市下新田町=を自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕し、発表した。容疑を認めているという。
 同署によると、24日午前1時15分ごろ、同市石倉町1丁目の県道で乗用車を運転。別の乗用車と衝突し、相手の男性2人に軽傷を負わせた疑いがある。伊藤容疑者は1月16日に違反の累積で免許取り消し処分を受けていたといい、同署は道交法違反(無免許運転)の疑いでも送検する方針。
 産経新聞社広報部によると、伊藤容疑者は23日は休日だった。免許取り消し処分の報告は受けていなかったという。「社員が逮捕されたことを重く受け止めています。事実関係を確認の上、厳正な処分をいたします」との談話を出した。
**********NHK3月24日 15時21分
無免許で衝突事故 産経新聞記者を逮捕
産経新聞前橋支局の48歳の記者が、乗用車で別の車に衝突して2人にけがを負わせたとして、自動車運転過失傷害の疑いで警察に逮捕されました。
記者は無免許運転だったということで、警察が事故の経緯などについて調べています。
逮捕されたのは、産経新聞前橋支局の記者、伊藤徳裕容疑者(48)です。
警察の調べによりますと、伊藤記者は24日午前1時すぎ、前橋市のT字路で、乗用車で市道から県道側に右折しようとしたところ、県道を右から走って来た乗用車と衝突し、乗っていた男性2人の首などに軽いけがを負わせたとして、自動車運転過失傷害の疑いで、その場で逮捕されました。
警察によりますと、伊藤記者はことし1月、運転免許の取り消し処分を受け、無免許運転だったということで、調べに対し、容疑を認めているということです。
伊藤記者は、23日は休みだったということで、産経新聞社は、「社員が逮捕されたことを重く受け止めています。事実関係を確認のうえ、厳正な処分をします」というコメントを発表しました。
**********読売新聞2013年3月24日18時22分
産経記者、無免許通勤中人身事故…交通違反累積
 前橋署は24日、産経新聞東京本社前橋支局記者の伊藤徳裕容疑者(48)(前橋市下新田町)を自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕した。
 交通違反の累積で1月16日に免許取り消し処分を受けていた。道交法違反(無免許運転)の疑いでも調べる。
 発表によると、伊藤容疑者は3月24日午前1時15分頃、前橋市石倉町の県道交差点で乗用車を運転中、代行運転会社の車と衝突し、乗っていた男性2人に軽傷を負わせた疑い。伊藤容疑者は自宅から職場に向かう途中だったという。
 産経新聞東京本社広報部によると、伊藤容疑者から免許取り消しの報告はなかったという。同社は「社員が逮捕されたことを重く受け止める。事実関係を確認し、厳正に処分する」としている。
**********テレ朝2013年3月24日 15:55
無免許運転で衝突事故 産経新聞の記者を逮捕
 前橋市で産経新聞の記者の男が車で衝突事故を起こし、男性2人にけがをさせたとして現行犯逮捕されました。記者は無免許でした。
 24日午前1時半すぎ、前橋市のT字路で、産経新聞前橋支局の記者・伊藤徳裕容疑者(48)の運転する乗用車が右折しようとしたところ、右から来た別の乗用車と出合い頭に衝突しました。伊藤容疑者は右から来た乗用車の男性2人に軽傷を負わせたとして、自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕されました。取り調べに対し、伊藤容疑者は「職場へ向かう途中だった」などと供述しています。警察によりますと、伊藤容疑者は今年1月に交通違反の累積で免許が取り消されていて、警察は無免許運転の疑いでも調べています。産経新聞は、「事実関係を確認のうえ、厳正な処分を致します」とコメントしています。
**********

■この新聞記者は、元東京本社文化部映画担当で、つい最近まで、毎週「伊藤徳裕のここに映画あり」というコラムを執筆していました。なかなか読み応えのある内容で、筆者としても注目していた記事です。

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■今回、件の記者が現行犯逮捕された容疑の「自動車運転過失致死傷罪」というのは、危険運転に当たらない悪質な交通事犯にも対応できるように平成19年(2007年)5月17日成立の「刑法の一部を改正する法律」(平成19年5月23日法律第54号)によって新設されたものです。

 具体的には、刑法211条2項が次のように改正され、自動車による交通死傷事件に対する法定刑が7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金へと引き上げられました。

刑法211条2項 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

 この一部改正刑法の施行は2007年6月12日で、この前日以前の交通事故については、自動車運転過失致死傷罪の新設にかかわらず、従来どおり業務上過失致死傷罪が適用になります。

■無免許運転による無謀運転事件といえば、昨年亀岡市で発生した暴走事件が記憶に新しいところです。

 この交通事故死事件は、平成24年4月23日に京都府亀岡市篠町の京都府道402号王子並河線で発生しました。亀岡市立安詳小学校へ登校中の児童と引率の保護者の列に軽自動車が突っ込み、計10人がはねられて3人が死亡、7人が重軽傷を負いました。原因は遊び疲れと睡眠不足による居眠り運転で、軽自動車を運転していた少年(18歳)は無免許運転でした。この事故では少年が危険運転致死傷罪にあたるかが争点となりました。

 当初、京都地検や京都府警は、無免許運転の状態で長時間運転して10人を死傷させたのは悪質性が高いと判断し、自動車運転過失致死傷罪より罰則の重い危険運転致死傷罪の適用を検討していました。被害者側も、罰則の重い危険運転致死傷罪の適用を求めていました。

 ところが京都地検は無免許運転や居眠り運転自体は法的な要件に含まれないことなど、危険運転致死傷罪の構成要因を満たさないとして断念し、平成24年5月14日、自動車運転過失致死傷罪などの非行事実で京都家裁に送致しました。

 一方、事故で死傷した遺族らは、危険運転致死傷罪での起訴を訴える署名活動を行い平成24年6月12日に約21万人の署名を京都地検に提出しました。しかし、京都地検は少年が無免許運転を繰り返しており、事故の直前も無事故で長時間運転していたので運転技術はある」と判断し、自動車運転過失致死傷罪で起訴しました。この他、軽自動車を貸した少年や同乗していた少年らも起訴されました。

 その後、裁判が行われ、軽自動車を貸した少年には11月2日に罰金25万円(求刑懲役1年)の処分判決が、軽乗用車に同乗していた少年らには道交法違反(無免許運転)ほう助として求刑懲役6月に対し、懲役6月執行猶予3年が言い渡されました。

 そして、平成25年2月19日、京都地裁の市川太志裁判長は、軽自動車を運転していた少年に懲役5年以上8年以下の不定期刑を言い渡しました。

■この判決について、産経新聞社は同日付の記事で次のように報じています。

**********産経新聞2013年2月19日 20:04
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130219/trl13021920060013-n1.htm
厳罰化望む遺族とは隔たった量刑判断 法制度の整備急げ
 運転少年を懲役5年以上8年以下の実刑とした19日の京都地裁判決は、10人が死傷した結果の重大性や被害者遺族の峻烈な処罰感情を踏まえたものの、無免許運転の厳罰化を求め続けた遺族の意向とは隔たった量刑判断となり、現時点での刑事司法の“限界”を示した形となった。
 判決の「8年以下」は、自動車運転過失致死傷罪の法定刑の上限と事故時の無免許運転のみを量刑に換算した判断。事故前の2度の無免許運転をも量刑に含め、危険運転致死傷罪と同等の量刑を求めた検察の執念は実らなかった。遺族の思いに反し、故意ではなく過失による交通犯罪として裁いた事実も消えない。
 公判と並行し、法務省と警察庁は無免許運転などの罰則強化へ法整備を進めてきた。平成18年に福岡市で幼児3人が死亡した飲酒運転事故の後の罰則強化によって、飲酒運転による死亡事故が10年前の2割以下まで減った経緯もあり、法改正されれば一定の抑止効果は見込めるはずだ。
 判決は「少年は無免許運転の問題点について学ぶ機会が十分あったのに、教育の効果はなかった」とも指摘した。今回の裁判を教訓に、遺族に報いる十分な議論を尽くし、悪質運転をより厳格に裁くことができる法制度の整備を急ぐことが、悲劇の連鎖を絶つことになると信じたい。(矢田幸己)
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■今回、被害者らが幸い軽傷で済んだとはいえ、件の記者は交通違反の累積で平成25年1月16日に免許取り消しになっていて、無免許運転だったことを認めました。

 産経新聞社では上記のとおり「今回の裁判を教訓に、遺族に報いる十分な議論を尽くし、悪質運転をより厳格に裁くことができる法制度の整備を急ぐことが、悲劇の連鎖を絶つことになる」と断じていたのですから、所属する記者が恒常的に無免許運転をしていたことについても、その後のフォローアップをきちんと報じることがジャーナリズムの責務と言えるでしょう。

【ひらく会情報部】
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