三年前に50歳で亡くなった弟のお墓には月に一度お参りをする。
このお墓は新しく建てたもので、無事納骨するまで色々とあった
両親が幼い頃に離婚しているので、母親の姓を名乗っている弟は
もうずいぶん前に亡くなった父親のお墓には入らなかった。
母は自分が死んだら自分の実家じゃなくて新しくお墓を作って
そこに息子(弟)と入りたいという希望だったので、そうする
つもりだったんだけど、順番が逆になってしまったので
先に弟のお墓を建てなければいけなくなった。
お墓建立なんて初めてだし、母は高齢でもう考えることも
動くことも無理なので、相談するものもなく結局
私一人で探し回ることになった。
まず墓地をどこにするかを、チラシ広告やら、電話帳やらで
調べて幾つかの候補地を車で見て周ったが、私の住んでいる所は
山手なので、そんなに遠くないところに幾つか良いところがあった。
それから広さ(聖地)、これはだいたい決めていた。
しかし新しく出来た墓地でもどんどん売れていくんやね〜
いくつかの場所を予約をしておいてから、1週間ほど考えて
それから行くと、回りはどこもみんな売約済みになっていた。
お墓も家と一緒で南向きがやや高くて人気がある。
次は墓石を決めるんだけど、ほんとピンからキリやね〜
墓石なんて御影石だけだと思っていたのに、世界中の石がある・・
中国産、インド産、南アフリカ産、ヨーロッパ産、アメリカ産
韓国産、それに国産のものでも値段に大きな差があるし
斑点模様や色合いなんかも様々。
これは余談だけど、墓石にお酒や水をかけるのは石が傷むとのこと
ぬれたタオルで拭いて、後は乾拭き掃除をするのが
正しいやり方らしい、タワシでゴシゴシなんてことはいけないとか。
石によって水の吸収度とかが違うと長い年月で石が
ボロボロになるらしい。
今回はそれも一人であれやこれやと考えて、それからお墓の形や
オプション(線香立て・ろうそく立て・お供え台・お花立て)
それに横に立てる墓標(霊標)の形や大きさ
墓石に彫る文字の書式とか言葉とか、塔婆立てをどうするかとか
それらを決めてから一ヶ月半くらいで出来上った。
ここまではまぁスムーズに何とかやることが出来て
ホッとしたんだけど、ややこしいのが宗派の問題で
弟は亡くなった父親が熱心な○○学会の信者だった影響で
一応自分も信者に登録をしていたが、そんなに熱心ではなかった。
だけど、この団体が数年前にお寺と揉めて分裂しまったので
それから弟は団体につく訳でも、お寺側につく訳でもなく
そのままで過ごしてきた
でも生前に弟は
「僕が死んだら日蓮正宗でお葬式をしてやぁー」との事。
話は元に戻るけど、弟は埼玉県に住んでいたので急死して
大阪から駆けつけて斎場まで遺体を運んだとき
普通なら葬祭場側が宗派によってお坊さんを頼んでくれるはずが
日蓮正宗だけは、お寺さんの紛争があるため
家族が自分でお願いして下さいと、そう言われて困ってしまった。
すぐに電話帳で調べて連絡してみたけど、どこも本人が生前に
そこのお寺とある程度親交がないと行けないというので
結局葬儀は延ばすことは出来ないため
お坊さんなしでの親族だけでの密葬になってしまった。
一応私もお経を唱えることが出来るので
私が読経して無事終わった。
それから遺骨をこちらの大阪の母のところに持ってきた
(弟の生前の希望)
そういう訳なので、こちらではまだお寺を探していなかった。
出来れば遺骨をお寺で初七日から七日ごとと四十九日には
ちゃんとお坊さんに読経をして供養して欲しかった。
それにお墓の開眼供養(入魂式)をして、納骨という事になるので
母のところから一番近くのお寺にお願いをしに行った。
お寺に事情をお話すると、元○○学会の方がお寺で供養するのなら
まず脱会届けをしてもらわないと、向こうの信者さんをこちらが
取ったということで揉めるので、届けをここで書いて、それから
今度は改めてここのお寺の信者になるという届けを出して欲しいと
言われた。私としてはどちらでもいいからとにかく
納骨をしたいので何枚もの書類を書いて提出した。
それから私と母が供養をすると言う事になるので二人とも入信?
(正確には日蓮正宗のお寺も教義の違いから幾つもに
分かれてしまって、それぞれ団体の名前が
違うため呼び方も違うらしい)
とにかく言われるとおりに書類を書いて、開眼供養式と納骨式の
申し込みがなんとかやっと出来た。
宗教って世の中の人がみんな仲良くするためのもののはずなのに
どうしてこんなに教義の違いから分裂して揉めるんだろう・・・。
そんなこんなで開眼供養の日程も決まり、やれやれだった
開眼供養はお墓の前に、海の幸と山の幸の12種類のお供え物と
お酒とお米とをこちらが用意する(どうやらこれは神様にらしい)
お坊さんへのお礼は決められてはいないというので、墓石屋さんに
相場を聞いて3万円包んだ、それから墓石を持ち上げる人に
ご祝儀袋に1万円を入れるのがだいたいの相場ということらしい。
これは宗派や地方にもよって異なるとは思うけどね・・・。
これでやっと弟の霊も落ち着くところに落ち着いた。
それから私が入る予定?のお墓は夫の郷里の山口県だけど
その頃になるときっと息子たちは、お墓のある故郷に親戚も
もうたぶん皆さん高齢なので誰も残らなくなる可能性があるから
わざわざお墓参りのためだけに遠いところに行かないと思うし
出来ればこちらにお墓を作ろうと思っている。
それが何となくご先祖様に気が引けるので、お坊さんに相談をした
するとそんなことは最近当たり前になっているから
あまり気しないでもいいらしい。
ご先祖のお墓の周りの土だけを少し持ってきて
(骨は風化しているから)
新しい墓地の周りに撒けばいいと教えてくれた。
古い誰も行かなくなったお墓は無縁仏状態になるので、それは
お寺さんに相談して魂を抜いてもらい、整地してもらうそうだ。
それから最近は妻が自分の実家のお墓に入ることも
珍しくないそうで、離婚なんかしていなくても
それは自由だと言っていた
じゃぁお墓の名前は?というと、“○○家の墓”という横に
並べて彫ってもらうそうだ。とにかく昔みたいに
決め事というのがなくなって、どこに入ろうと自由らしい。
最近はペットも一緒のお墓に入れるそうで、動物霊園でなくても
墓石にペットの名前もちゃんと刻んでもOKだそうだ。
それを先駆けてやっているお寺もあるとか・・・
昔は動物霊と人間の霊は位が違うから絶対ダメだと
言われていたけど、最近は時代も変わり
お坊さんの考え方も変わったんだろうか・・・。
まぁ、誰もあの世のことなんか本当は分からないからなぁ・・・。
お彼岸だからお墓参りに行ってきた
周りにはどんどん新しいお墓が出来ていたので、少し見て周った
墓石全体に夫婦が寄り添って撮った昔の感じの
写真が入っているのもあった
あれは墓石に転写しているのだろうか・・
“○○家の墓”じゃなくて“ありがとう”とか“家族”とかが
彫ってあるものもわりと増えた、形も楕円形や扇形やらもある
水子地蔵を置いてあるところも多くなった。
時代はどんどん変わっているんですね〜・・。
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